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東京駅からスカイツリー、プテラノドンなら7分|ツッコまずにいられないルート検索「くるまっぷ」
ProtoPedia の作品「くるまっぷ」を2人のMCが紹介。出発地と目的地を入れると、セグウェイ・竹馬・かご・プテラノドンで何分かかるかを地図つきで教えてくれるルート検索アプリです。ハッカソンのお題「いや違う。そうじゃない。」への答え方、本物の Google マップを借りて時間だけを計算する仕組み、参加者投票で優秀賞になるまでを紹介します。
チャプター
文字起こし(82行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、思わずツッコみたくなる作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、くるまっぷ。
- BANNO
- くるまっぷ。名前からすると、地図のアプリでしょうか。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。出発地と目的地を入れると、いろんな乗り物で何分かかるかを教えてくれるんです。
- BANNO
- いつもの乗り換え案内みたいなものですね。普通に便利そうです。
- HIGEDARUMA
- ……ですが、作品の紹介文には、こう書いてあるんですよ。
- HIGEDARUMA
- 「いや違う。そうじゃない。」とツッコミたくなります、と。
- BANNO
- えっ、ツッコミたくなるルート検索? 気になりますね。
- BANNO
- さっそく、実際の画面を見せてもらえますか?
- HIGEDARUMA
- 最初の画面は、出発地と目的地を入れる欄と、検索ボタンだけです。
- HIGEDARUMA
- 作品ページでは、東京駅からスカイツリーまでを調べています。
- BANNO
- 東京観光の定番コースですね。
- HIGEDARUMA
- ところが、出てくるのは電車じゃないんです。まず「セグウェイだと、26分で着きます!」。
- BANNO
- セグウェイ! あの、立ったまま乗る二輪の乗り物ですよね。
- HIGEDARUMA
- そうです。地図には、道に沿って青い線が引かれています。次は「竹馬だと、2時間43分」。
- BANNO
- 竹馬で2時間43分! 足がもたないですよ、それ。
- HIGEDARUMA
- 次は「かごだと、50分」。時代劇で、二人が担いで走る、あのかごです。
- BANNO
- 江戸時代のタクシーですね。しかも竹馬より、ずっと速いんだ。
- HIGEDARUMA
- そして最後が、これです。「プテラノドンだと、7分で着きます!」
- BANNO
- いや違う。そうじゃない。恐竜の時代の、空飛ぶ生き物じゃないですか!
- HIGEDARUMA
- よく見ると、プテラノドンのときだけ、地図の線がビルも川も無視して、まっすぐなんですよ。
- BANNO
- 空を飛んでいくから、道は関係ないってことですね。芸が細かい!
- BANNO
- あれ、でも名前は「くるまっぷ」なのに、車は出てこないんですか?
- HIGEDARUMA
- 画面に並んでいる乗り物は、この4つだけなんです。車は、ありません。
- BANNO
- 名前からして、もうツッコミ待ちだったんですね。
- BANNO
- そもそも、どうしてこんなアプリを作ったんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- 出発点はハッカソンなんです。決まった期間に、テーマに沿って作品を作って見せ合うイベントですね。
- HIGEDARUMA
- 2022年の夏に、オンラインで開かれた「第3回 ツクってアソぶハッカソン」です。
- BANNO
- どんなテーマだったんですか?
- HIGEDARUMA
- お題がこれです。「いや違う。そうじゃない。」とツッコまれたくなるモノを作る。
- BANNO
- なるほど、さっきの紹介文は、お題への答えだったんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも作るための時間は、48時間。この短い間に、6人のチームで仕上げています。
- BANNO
- 作品ページには、作った理由も書いてあるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい、これが大まじめなんです。いまの経路検索アプリは、電車やバスばかりを提案してくる。
- HIGEDARUMA
- でも、いまはDiversityの時代。移動手段も、もっといろいろ選べていいのでは? と。
- BANNO
- 多様性はわかります。わかりますけど、選択肢がプテラノドン! 建前が真面目なほど、笑っちゃいますね。
- BANNO
- あと、乗り物の絵がかわいいですよね。ひと目で何か分かります。
- HIGEDARUMA
- あれはピクトグラムといって、トイレの男女マークのような、意味がひと目で分かる絵記号なんです。
- HIGEDARUMA
- チームで手作りしたそうで、乗り物ごとの時間がひと目で分かる画面に、力を入れたと書いています。
- BANNO
- ふざけたアイデアほど、見た目はきちんと作る。だから笑えるんでしょうね。
- BANNO
- ひげだるまさん、地図や道順まで、全部自分たちで作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- いえ、地図と道順は、Googleマップの機能を借りているんです。
- HIGEDARUMA
- 使っているのは、Google Maps APIです。
- HIGEDARUMA
- APIは、よその会社のサービスの機能を、自分のアプリから呼び出せる窓口のことです。
- BANNO
- 窓口に頼めば、Googleの地図を使わせてもらえる、ということですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。まず、出発地と目的地を、Directions APIという窓口に渡します。
- HIGEDARUMA
- すると、どの道を通るかと、その距離が返ってきます。ここまでは、いつもの地図アプリと同じ本物です。
- BANNO
- じゃあ、プテラノドンの7分は、どこから出てくるんでしょう。
- HIGEDARUMA
- そこが、このチームが自分で作ったところです。受け取った距離から、乗り物ごとの時間を計算しているんです。
- HIGEDARUMA
- 計算のしかたは公開されていませんが、たぶん距離を、乗り物ごとの速さで割っているんだと思います。
- BANNO
- プテラノドンの線がまっすぐだったのは?
- HIGEDARUMA
- 空を飛ぶ乗り物だけは、道ではなく、まっすぐの距離で考えているんでしょうね。
- HIGEDARUMA
- 最後に、JavaScript APIという、ページに地図を埋め込む部品で、地図と線を表示しています。
- BANNO
- 地図も道順も本物。ずれているのは、乗り物だけ。だからボケが効くんですね。
- BANNO
- 作るのに使った道具は、どんなものなんですか?
- HIGEDARUMA
- 画面はHTMLとCSS、動きはJavaScript。Webページを作る基本の3点セットです。
- HIGEDARUMA
- 特別な機械はいりません。地図という大きな部分は、借りてくる。
- HIGEDARUMA
- そのぶん、時間の計算と見せ方に集中した。うまい作り方なんですよ。
- BANNO
- 全部を自分で作らなくていいんですね。それなら、48時間でも間に合うわけです。
- BANNO
- それで、ハッカソンの結果はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 参加者全員の投票で、19作品の中から4位。得票率25.4パーセントで、優秀賞を取りました。
- BANNO
- おめでとうございます! 投票した人の声も残っているんですか?
- HIGEDARUMA
- イベントのページに、ひと言だけ載っています。「プテラノドンで遠くにいきたい。」
- BANNO
- わかります! 7分でスカイツリーなら、もっと遠くまで行きたくなりますよ。
- BANNO
- 作ったのは、チーム「dp_hack」の6人です。
- HIGEDARUMA
- チームからのメッセージは、「ありそうでなかった! かゆいところに手が届くアプリになってます!」。
- BANNO
- たしかに、ありそうで絶対になかったですね。
- BANNO
- これ、大事なヒントだと思うんです。毎日使うアプリの選択肢を、ひとつずらすだけで、人を笑わせる作品になる。
- HIGEDARUMA
- 作る側から見ても、道順のような難しい部分は借りられる。アイデアさえあれば、届く距離なんですよ。
- BANNO
- このアプリ、今でも使えるんですか?
- HIGEDARUMA
- 残念ながら、公開していた場所は、今は開けなくなっています。でも作品ページで、実際の画面を見られますよ。
- BANNO
- じゃあ使う側の一歩は、いつもの地図アプリで、行き慣れた道を「歩き」で調べてみることでしょうか。
- BANNO
- 電車との時間の差を見ながら、竹馬ならどうかな、と想像してみるんです。
- HIGEDARUMA
- 作る側の一歩なら、毎日使うアプリをひとつ思い浮かべてください。
- HIGEDARUMA
- その選択肢を、ひとつだけありえないものに変えたらどうなるか、メモしてみるんです。
- HIGEDARUMA
- 天気予報に、カエルの気分を足す、とか。それが、次の作品のタネになるんです。
- BANNO
- 48時間で、本物の地図にプテラノドンを飛ばせるんですもんね。次に作るのは、あなたかもしれません。
- BANNO
- 作品ページとイベントのページは、ここから見られますよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、プテラノドンなら7分で着くルート検索アプリ、くるまっぷでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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