夜11時から時計がゆっくり進む|1日を伸ばす「29時間時計」
ProtoPedia の作品「29時間時計」を2人のMCが紹介。つまみを回すと、夜11時から時計の進みがゆっくりになり、夜が長く感じられる。0時を過ぎたら「ツケ」を払うように早送りして、朝6時には本当の時刻に戻る。最大5時間、24時を29時まで伸ばせる「時間の前借り」の仕組みと、審査員に作者の健康まで心配された反響を紹介します。
チャプター
0:00オープニング0:201日24時間は短すぎる!0:54夜が、いつも足りない1:42木の箱に、赤く光る時刻4:04デジタル時計=数を数える仕組み5:10「危険な物理ドーピングツール」6:37時間は増えない、感じ方は変えられる7:46エンディング
文字起こし(72行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、29時間時計。
- BANNO
- 29時間?1日って、24時間ですよね。
- HIGEDARUMA
- 作品の説明には、こう書いてあるんです。「1日24時間は短すぎる!」
- BANNO
- わかります。気持ちは、すごくわかります。
- BANNO
- でも、時計を変えただけで、1日が伸びるものなんですか?
- HIGEDARUMA
- その前に、ちょっと想像してみてください。夜、やりたいことが終わらないうちに、日付が変わっちゃうこと、ありませんか?
- BANNO
- あります、あります。気づいたら、もう0時なんですよね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、作品ページにこう書いています。「歳を重ねるに連れて、感覚的に早くなる時間」。
- BANNO
- たしかに、子供のころの夏休みって、すごく長く感じましたね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。だからこの時計で、子供のころに楽しんだ、夜の長さをもう一度味わえる、というんですよ。
- BANNO
- でも、本当の時間は増やせませんよね。いったい何を変えるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 変えるのは、時計の進み方です。キーワードは、時間の前借り、なんです。
- BANNO
- 前借りって、お給料を先にもらう、あの前借りですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。先に時間を借りて、あとで返すんです。まずは見た目から説明しますね。
- HIGEDARUMA
- 木でできた細長い箱で、表面から赤い数字が透けて光ります。年と日付と時刻ですね。
- HIGEDARUMA
- 右の端に、金属のつまみが1つだけ付いています。作者さんは、前借りボリュームと呼んでいます。
- BANNO
- 音量のつまみみたいに、回すんですね。回すと、どうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- では、夜の流れで追ってみますね。夜の11時までは、ふつうの時計なんです。
- HIGEDARUMA
- 11時を過ぎると、前借りが始まって、時計の進み方がゆっくりになるんですよ。
- BANNO
- ということは、時計の上では、まだ11時台が続くんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。そして時計が0時を過ぎたら、前借りは終わりです。
- HIGEDARUMA
- ここからは、借りた時間を返す番。デモ動画の言葉では、「ツケを払うため、時間が加速します」。
- BANNO
- 今度は早送りになるんですね!
- HIGEDARUMA
- そして朝6時からは、本当の時刻にぴったり戻って、ふつうの時計に戻るんです。
- BANNO
- 夜に借りて、寝ている間に返す。だから朝には、ちゃんと本当の時刻に戻るわけですね。
- BANNO
- どれくらい借りられるんですか?
- HIGEDARUMA
- つまみを回すと、最大で5時間まで借りられます。作者さんいわく、24時を、実際には29時まで伸ばせるんです。
- BANNO
- あっ、だから29時間時計なんですね!
- HIGEDARUMA
- 5時間借りた場合を、計算してみますね。時計が11時から0時まで進む、その1時間に、
- HIGEDARUMA
- 実際には朝5時まで、6時間もかかるんです。
- BANNO
- 6時間!時計を見るたびに、まだ11時台なんですね。
- HIGEDARUMA
- そのかわり、時計の0時から6時までの6時間分を、実際の1時間で一気に進めます。
- BANNO
- うわあ、朝が一瞬で来ちゃう!ツケ、重いですね。
- HIGEDARUMA
- デモ動画では、前借りなし、1時間、3時間、5時間の4つを並べて、進み方の違いを見せてくれています。
- BANNO
- でも、時計の進み方なんて、どうやって変えられるんですか?
- HIGEDARUMA
- 実は、デジタル時計の中では、プログラムが1秒ごとに数を1つずつ増やして、その数を表示しているんです。
- BANNO
- ということは、数える速さを変えれば、進み方も変えられるんですか?
- HIGEDARUMA
- その通りです!表示する数の進め方を、ルールで変えているわけなんですよ。
- HIGEDARUMA
- その計算をしているのが、Arduino。電子工作でよく使う、手のひらサイズの小さなコンピューターです。
- HIGEDARUMA
- 作品ページに詳しい説明はないのですが、つまみを回した量を数字として読み取って、借りる時間を決めているんだと思います。
- BANNO
- 部品は、時計の表示と、つまみ1つ。思ったよりシンプルですね。
- HIGEDARUMA
- さらにデモ動画には、逆向きの使い方も出てくるんです。その名も、前貸し。
- HIGEDARUMA
- 時間を未来に貸すことで、今日を短くすることもできる、と紹介されています。
- BANNO
- 退屈な夜や、早く寝たい日に使えそうですね。
- BANNO
- これ、見た人の反応も気になりますね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページのコメント欄が、とにかく面白いんです。ある人は、「危険な物理ドーピングツール」。
- BANNO
- ドーピング!たしかに、ちょっと危ない香りがします。
- HIGEDARUMA
- 借りた時間のツケで、時間が早く進み始めるところが、「悪魔的ですき」という声もありました。
- BANNO
- 短い睡眠時間をごまかすのに使えるかも、なんて声もあったそうですね。
- HIGEDARUMA
- この作品は、ヒーローズ・リーグ オンライン2020で、MAID賞と栗原賞の2つを受賞しています。
- BANNO
- 審査員の方は、どんなところを評価したんでしょう?
- HIGEDARUMA
- MAID賞の審査員は、作者が自分で試して効き目を語る姿に、「今後の健康を危惧せずにはいられない」と書いています。
- BANNO
- あはは、審査員さんに心配されちゃうなんて。
- HIGEDARUMA
- 栗原賞の審査員は、深夜に追い込まれたときに使う、「禁断の必殺技」のようだと面白がっています。
- HIGEDARUMA
- そのうえで、時間の感じ方は人それぞれ。だから、よりよい暮らしのために自由にデザインできる。
- HIGEDARUMA
- そんな考え方を感じた、とも書いているんです。
- BANNO
- ふざけているようで、実は深い問いかけなんですね。
- BANNO
- 作ったのは、ひげだるまさん。1人で作った作品です。
- HIGEDARUMA
- 私と同じ名前なので、なんだか照れますね。
- BANNO
- 時間そのものは増えなくても、感じ方は変えられる。そこに気づかせてくれる時計でした。
- HIGEDARUMA
- しかも作りは、小さなコンピューターと、表示と、つまみ1つ。特別な部品はいらないんです。
- BANNO
- 自分でもやってみたくなった人は、今日、何から始めればいいでしょう?
- HIGEDARUMA
- まずは今夜、寝る前の1時間だけ、時計もスマホも見ないで過ごしてみてください。
- HIGEDARUMA
- そして、何時になったか当ててから、時計を見る。自分の時間の感じ方が、どれくらいずれているか分かりますよ。
- BANNO
- 作ってみたい人は、Arduinoで、ランプを1秒ごとに点滅させるところからですね。
- HIGEDARUMA
- はい。その1秒を2秒に書き換えたら、もう時間の進み方を変える第一歩なんです。
- BANNO
- 作品ページでは、前借りの量を変えて並べたデモ動画が見られます。ぜひのぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、つまみ1つで夜を長くする、29時間時計でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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