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黒電話を背負って外で通話!昭和育ちの2人が黒電話を携帯電話にした話|ラズパイ×Twilio

紹介した作品: 昭和育ちなおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する...ProtoPedia での反響: 閲覧 7,800+ ・ ♥ 16

ProtoPedia の作品「昭和育ちなおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する...」を2人のMCが初心者目線で紹介。たった2本の線で全部をやりとりする黒電話を解析し、Arduino・ラズパイ・Twilio・SORACOM で外でも話せる携帯電話に。竹の背負子に載せたデモ、ネットの電話で2か月以上迷走した3つの壁と突破まで。Twilioオンラインコンテスト2021 8月月間賞、ヒーローズ・リーグ 2021 ゴンディ賞・となりのカインズさん賞。

チャプター

文字起こし(103行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、昭和育ちなおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する...
BANNO
えっ、写真の人、麦わら帽子でバイクに乗って、背中に黒電話を背負ってますね?
HIGEDARUMA
そうなんです。しかもこの黒電話、外でちゃんと電話がかけられるんですよ。
BANNO
飾りじゃなくて、本当に話せるんですか!
HIGEDARUMA
はい。スマホから電話をかけると、背中の黒電話のベルが鳴るんです。
BANNO
絵面だけで笑っちゃいます。どうしてこうなったのか、じっくり見ていきましょう。
BANNO
まず、若い方のために。黒電話って、どんな電話でしたっけ?
HIGEDARUMA
昔はどの家にもあった、黒くて重たい電話なんです。
HIGEDARUMA
数字の穴に指を入れて、ダイヤルをぐるっと回してかけるんですよ。
BANNO
ジーコ、ジーコって回すやつですね。懐かしいです。
HIGEDARUMA
作者は、この黒電話がスマホに比べて「何もかも圧倒的」だと書いているんです。
BANNO
圧倒的?スマホの方が便利そうですけど、何がですか?
HIGEDARUMA
まず、ダイヤルを回す手ごたえ。それに、どんな時でも聞こえる、けたたましいベルの音量です。
HIGEDARUMA
コードを引っ張られてもびくともしない重さ。中の機械が感じられる見た目。形の美しさ。
BANNO
たしかに、電話のマークって今でも黒電話の形ですよね。
HIGEDARUMA
そうなんです。なのに使われなくなっていくのが「本当に理解不能」だと。
HIGEDARUMA
それで昭和育ちの2人が、ジャンク屋で黒電話を見つけて、迷わず買ったんです。
BANNO
迷わず!その思い切り、好きです。でも、買ってから持ち歩くまでが遠くないですか?
HIGEDARUMA
作者の理屈はこうです。手に入れたら動かしたくなる。動いたら話したくなる。
HIGEDARUMA
話せたら自分の電話番号が欲しくなる。番号ができたら、持ち歩きたくなる。
BANNO
そして「それが当然の流れです」と。気持ちの階段を、一段ずつ登っちゃったんですね。
BANNO
では、実際にどう使うのか、見せてもらえますか?
HIGEDARUMA
デモ動画では、屋外でスマホから黒電話の番号に電話をかけます。
HIGEDARUMA
すると、背中の黒電話が、ジリリリンと鳴り響くんです。
BANNO
外であの音が鳴ったら、周りの人みんな振り向きますね。
HIGEDARUMA
受話器を取ってそのまま話せます。もちろん、黒電話からかけることもできるんですよ。
BANNO
かけるときは、ダイヤルを回すんですか?
HIGEDARUMA
はい。スマホの番号をダイヤルで回すと、相手のスマホが鳴るんです。
HIGEDARUMA
動画では「今、仕事終わりましたので、これからお伺いします」と、普通に会話していました。
BANNO
会話の中身がすごく日常的で、逆に面白いですね。
BANNO
ところで、背中の木の枠は何でできてるんですか?
HIGEDARUMA
竹の棒と麻ひもで編んだ、手作りの背負子です。肩ひもは、麻ひもと古いタオルで編んだそうです。
HIGEDARUMA
電源は、使い終わった停電用のバッテリー。黒電話は、磁石で付けたり外したりできます。
BANNO
黒電話そのものは、壊したり改造したりしていないんですか?
HIGEDARUMA
そこがこだわりなんです。別の黒電話にも差し替えられるよう、本体には手を入れていません。
BANNO
コレクションが増えても大丈夫、と。愛を感じます。
BANNO
ここからは仕組みです。昔の電話が、どうやってスマホとつながるんですか?
HIGEDARUMA
作者が最初に驚いたのが、黒電話の線なんです。たった2本しかないんですよ。
BANNO
2本だけ?電源もないんですか?
HIGEDARUMA
ないんです。その2本で、声を話すのも聞くのも、番号も、ベルも、全部やりとりしているんです。
BANNO
2本の線に全部が詰まってるんですね。昔の人の工夫、すごいです。
HIGEDARUMA
でも、今のコンピューターにつなぐには、それを一つずつ取り出す通訳が必要なんです。
HIGEDARUMA
そこで、2台の電話をつなぐ内線電話のキットを改造して、通訳役にしました。
BANNO
キットがあるなら、すぐできそうな気もしますけど?
HIGEDARUMA
それが、キットの頭脳の中身が公開されていなかったんです。言わば、ブラックボックスなんですよ。
BANNO
中が見えないなら、どうしたんですか?
HIGEDARUMA
信号を横取りする道具を自作して、電気の波を見る測定器と、複数のカメラの録画で記録したんです。
HIGEDARUMA
どう操作すると、どこからどんな信号が出るか。それを徹底的に調べて、頭脳を作り直しました。
BANNO
中身が分からないなら、外から観察して突き止める。探偵みたいですね。
HIGEDARUMA
作り直した頭脳は、Arduinoという、部品を動かすための小さなコンピューターの板です。
BANNO
その板は、何を見張っているんですか?
HIGEDARUMA
たとえばダイヤル。回して指を離すと、戻るときにカチカチと電気の合図が出るんです。
HIGEDARUMA
その合図を数えて、0.5秒以内なら同じ数字、5秒空いたら番号が決まった、と判断します。
BANNO
カチカチを数えて数字にするんですね。耳で聞いて数えるのと同じ発想だ。
HIGEDARUMA
ベルも、1秒に16回打つ電気を作って、あのジリリリンを鳴らしているんですよ。
BANNO
そこから先、インターネットの電話には、どうつながるんですか?
HIGEDARUMA
全体の図がこちらです。黒電話、通訳の板、ラズパイ、そしてネットの電話サービスとつながっています。
HIGEDARUMA
ラズパイは、手のひらサイズのコンピューターです。
BANNO
Twilioというのは、何ですか?
HIGEDARUMA
電話番号を借りられる、ネットの上の電話会社のようなサービスなんです。
BANNO
外で使えるのは、どうしてですか?
HIGEDARUMA
スマホと同じ電波でネットにつながる、SORACOMの通信カードを挿しているんです。
HIGEDARUMA
だから、電波さえ届けば、どこでも使えるんですよ。
BANNO
黒電話の中身は昭和のまま、背中には最新の技術。その組み合わせがいいですね。
HIGEDARUMA
使った道具はこちらです。
BANNO
これだけの物、作るのは大変だったんじゃないですか?
HIGEDARUMA
一番苦労したのは、実はネットの電話の部分なんです。作者は、機械を動かすのが専門のエンジニアで。
HIGEDARUMA
「ネットワーク系の技術は不得意。もちろんTwilioもド初心者です」と書いているんですよ。
BANNO
得意分野の外に、飛び込んだんですね。
HIGEDARUMA
まずぶつかったのが、スマホからかけると、ベルが鳴る前にすぐつながっちゃう問題です。
BANNO
それだと、受話器を取る楽しみがなくなっちゃいますね。
HIGEDARUMA
そこで、かかってきた電話をいったん待合室に入れておくことにしました。
HIGEDARUMA
受話器を上げたら、待合室から呼び出してつなぐ。これで普通の電話と同じ流れになりました。
BANNO
お店の順番待ちみたいですね。なるほど。
HIGEDARUMA
次は、つながってもすぐ切れる。さらに、声がまったく通らない、という壁です。
BANNO
それは困りますね。どう乗り越えたんですか?
HIGEDARUMA
Twilioに詳しい、エバンジェリストと呼ばれる案内役の人に、相談したんです。
HIGEDARUMA
教わったのが、ラズパイの中のネット電話ソフトに電話を回して、声はそっちでやりとりする方法でした。
HIGEDARUMA
これで、受話器を置くまで、ちゃんと話し続けられるようになったんです。
BANNO
分からないことは、詳しい人に聞く。大事なことですね。
HIGEDARUMA
作者も「相談できるエバンジェリストの存在は貴重です」と書いています。
HIGEDARUMA
それでも、使いこなすまでに2か月以上かかったそうです。
BANNO
2か月以上!でも、諦めなかったからこそ、あのデモがあるんですね。
HIGEDARUMA
この作品は、3つの賞を受賞しています。
BANNO
審査員からは「とにかく動画が面白すぎる」という声も。
HIGEDARUMA
「DIY魂を感じてビリビリしました」という感想もあったんですよ。
HIGEDARUMA
作ったのは、チーム黒電話魂。ソフトと電子回路と動画を担当したTakSanさんと、
HIGEDARUMA
通信と工作を担当した、古い電話の収集家でもあるyama_moto250Rさんです。
BANNO
チーム名まで黒電話魂。名前の通り、魂がこもってますね。
HIGEDARUMA
作者は最後に、こう書いているんです。「役目を終えそうになっていた黒電話も、
HIGEDARUMA
昭和育ちのおじさんたちも、共に大満足です」。
BANNO
黒電話にも、もう一度出番ができたんですね。なんだか、ほっこりします。
BANNO
見ている皆さんの家にも、使わなくなった古い道具、眠っていませんか?
HIGEDARUMA
今日できる最小の一歩として、家にある古い道具を1つ選んでみてください。
HIGEDARUMA
そして「これがスマホやネットとつながったら、何がしたい?」を、一行だけメモしてみてください。
BANNO
うちなら、古いラジカセですね。それで何をしたいか、考えるだけで楽しいです。
HIGEDARUMA
その一行が、作者の言う「当然の流れ」の、最初の一段なんですよ。
BANNO
作者の詳しい作り方の記事は、こちらから読めます。
BANNO
さて、今日紹介したのは、黒電話を背負って外で通話する、昭和育ちの2人の夢の作品でした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
昭和育ちなおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する...
作者: TakSan・yama_moto250R
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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