ProtoPedia Video Maker

70年前の8mmカメラを、見た目そのままデジタルに「ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ」|電気の合図がない機械と、どう息を合わせたか

紹介した作品: ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラProtoPedia での反響: 閲覧 3,000+ ・ ♥ 27

ProtoPedia の作品「ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ」を2人のMCが初心者目線で紹介。1950年代に作られた、ゼンマイで動く8mmフィルムのムービーカメラを、見た目も操作もそのままに、中身だけデジタルにした作品です。スマホで誰でも撮れる時代に、あえて残した「撮るドキドキ」、電気の合図が出ない機械のシャッターを光で見張る仕組み、幅20mmのフィルム室への詰め込み、OpenCV が画像を4枚ためてしまう問題との格闘まで。ヒーローズ・リーグ 2022 で ProtoPedia賞・ただただすごい賞を受賞。

チャプター

文字起こし(64行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ。
BANNO
動画を撮るカメラですね。見た目がかなりレトロです。
HIGEDARUMA
1950年代、約70年前に作られた、8ミリフィルムのカメラなんです。
BANNO
8ミリフィルムって、何なんでしょう?
HIGEDARUMA
昔、家庭で動画を撮るのに使われた、細いフィルムです。
HIGEDARUMA
写真を1コマずつ続けて写して、パラパラ漫画のように動画にするんですよ。
BANNO
つまり、見た目はそのままで、中身だけ今のデジタルに入れ替えた作品なんですね。
BANNO
使い方も、昔のままなんですか?
HIGEDARUMA
そうなんです。まず、ゼンマイをくるくる巻きます。
BANNO
ゼンマイって、電池とは違うんですか?
HIGEDARUMA
おもちゃの車を後ろに引いて離すと走る、あのバネの力です。電気は使いません。
HIGEDARUMA
あとはボタンを押している間だけ撮れて、ダイヤルで1秒のコマ数も変えられます。
BANNO
じゃあ、フィルムの代わりに何が記録するんですか?
HIGEDARUMA
中の小さなコンピューターが撮って、スマホでも見られるMP4という動画ファイルにします。
BANNO
でも正直、動画ならスマホで撮れますよね。なんでわざわざ?
HIGEDARUMA
作者は、手軽に撮れるようになって、楽しさが少し失われている気がする、と書いています。
HIGEDARUMA
目指したのは、フィルムを現像する、つまり映像にするまで結果が分からない、びっくり箱のような楽しさなんです。
BANNO
すぐには確かめられないドキドキを、わざと残したんですね。
BANNO
ここからが本題です。電気を使わないカメラで、撮る瞬間はどう分かるんですか?
HIGEDARUMA
そこが難所なんです。ゼンマイ仕掛けなので、シャッターが切れた、という電気の合図が出ないんです。
HIGEDARUMA
合図がないと、いつ撮ればいいか分からない。そこで、フィルムを送るツメの動きを、光で見張ったんです。
BANNO
光で見張る?
HIGEDARUMA
フォトリフレクタという、光を当てて跳ね返りの強さを見る、小さなセンサーを使います。
HIGEDARUMA
本体はなるべくいじりたくなかったそうですが、ツメだけは切り落として、アルミテープを貼りました。
BANNO
そこだけは、手を入れたんですね。
HIGEDARUMA
テープが動くと、跳ね返る光が変わる。その変化を合図に、1コマ撮るんです。
BANNO
機械の動きを、光で読み取って合図に変える。賢い!
HIGEDARUMA
全体の構成です。左がもとの8ミリカメラ、右がフィルム室に入れた自作の撮影モジュールです。
HIGEDARUMA
頭脳は、名刺の半分ほどの小さなコンピューター、Raspberry Pi Zero 2W。カメラの目にあたるイメージセンサーから、合図のたびに1コマ取り込みます。
BANNO
それが全部、フィルムの入っていた場所に入っているんですか?
HIGEDARUMA
はい。センサーを置ける幅は最大20ミリ。1円玉くらいの幅なんですよ。
HIGEDARUMA
最初に使う予定だったカメラは、基板の幅が25ミリで入らなかったんです。
BANNO
5ミリはみ出しちゃう!どうしたんですか?
HIGEDARUMA
小さなセンサーを試して、最後はセンサー部分だけ小型のものに載せ替えました。
BANNO
材料は、ラズパイとそのカメラ、それにOpenCVなんですね。
HIGEDARUMA
作者が一番苦しんだのが、そのOpenCV。カメラの画像を扱うソフトの部品です。
BANNO
ソフトで苦しんだんですか?
HIGEDARUMA
OpenCVは、画像を4枚ためておく仕組みなので、合図で撮っても、出てくるのは4コマ前の絵なんです。
BANNO
シャッターを押したのに、少し前の写真が出てくる感じですね。
HIGEDARUMA
開発ログには、非常に、とても、めちゃくちゃ、たいそう、苦労しました、とあります。
BANNO
4回も言ってる!
HIGEDARUMA
最後は、ためる枚数を1枚に変えて、ようやく合図とぴったり合ったんです。
HIGEDARUMA
作品ページには、opencvはもう見たくありません、という本音まで。
BANNO
ほかにもトラブルはあったんですか?
HIGEDARUMA
買ってすぐ、シャッターが急に止まったそうです。歯車を手で動かすと、少しずつ動き出したと。
HIGEDARUMA
でも作者は、古い機械なので、こういうトラブルも一緒に楽しみます、と。
BANNO
トラブルまで楽しむ。いいですね。初めて撮れたときは、どんな映像でした?
HIGEDARUMA
ピントも明るさも合わず、何が写っているか分からない。でも、レンズの前で手を振ると光が揺れたんです。
BANNO
光が揺れただけで、撮れてる!って分かる。嬉しい瞬間ですね。
BANNO
この作品、コンテストでも評価されたんですよね。
HIGEDARUMA
ヒーローズ・リーグ2022で、ProtoPedia賞と、ただただすごい賞を受賞しています。
BANNO
ProtoPedia賞の審査コメントは、撮れた映像がエモいのはずるい、だったそうです。
HIGEDARUMA
ただただすごい賞では、作る過程を見れば見るほど感動する、と評されたそうです。
BANNO
作ったのは、airpocketさん。開発の記録をとても細かく公開しています。
HIGEDARUMA
実はこの作品、ProtoPediaで見た、からあげさんの作品に触発されて生まれたんです。
BANNO
誰かの作品を見て、自分もやってみる。そのつながりがいいですね。
BANNO
では、今日できる一歩。作品ページの動画と、開発ログをのぞいてみてください。
HIGEDARUMA
つまずいた所と直し方まで書かれています。作らなくても、読むだけで面白いですよ。
BANNO
もとのカメラは、中古なら数千円で手に入るそうですよ。
BANNO
さて、今日紹介したのは、70年前の機械と息を合わせた、ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ
作者: airpocket
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

この動画の公開に問題がある場合は 取り下げを依頼してください。運営者が内容を確認し、取り下げることにした場合は非公開にします。

あなたの作品も、動画で紹介します

ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。

動画をリクエストする