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70年前の8mmカメラを、見た目そのままデジタルに「ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ」|電気の合図がない機械と、どう息を合わせたか
ProtoPedia の作品「ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ」を2人のMCが初心者目線で紹介。1950年代に作られた、ゼンマイで動く8mmフィルムのムービーカメラを、見た目も操作もそのままに、中身だけデジタルにした作品です。スマホで誰でも撮れる時代に、あえて残した「撮るドキドキ」、電気の合図が出ない機械のシャッターを光で見張る仕組み、幅20mmのフィルム室への詰め込み、OpenCV が画像を4枚ためてしまう問題との格闘まで。ヒーローズ・リーグ 2022 で ProtoPedia賞・ただただすごい賞を受賞。
チャプター
0:00オープニング0:2170年前の8mmカメラが、デジタルに1:09① ゼンマイを巻く2:11シャッターの合図が、電気で取れない3:58OpenCV = カメラの画像を扱うソフトの部品5:20ヒーローズ・リーグ 2022 で 2つの賞5:45きっかけは、ほかの人の ProtoPedia 作品6:34エンディング
文字起こし(64行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラ。
- BANNO
- 動画を撮るカメラですね。見た目がかなりレトロです。
- HIGEDARUMA
- 1950年代、約70年前に作られた、8ミリフィルムのカメラなんです。
- BANNO
- 8ミリフィルムって、何なんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 昔、家庭で動画を撮るのに使われた、細いフィルムです。
- HIGEDARUMA
- 写真を1コマずつ続けて写して、パラパラ漫画のように動画にするんですよ。
- BANNO
- つまり、見た目はそのままで、中身だけ今のデジタルに入れ替えた作品なんですね。
- BANNO
- 使い方も、昔のままなんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。まず、ゼンマイをくるくる巻きます。
- BANNO
- ゼンマイって、電池とは違うんですか?
- HIGEDARUMA
- おもちゃの車を後ろに引いて離すと走る、あのバネの力です。電気は使いません。
- HIGEDARUMA
- あとはボタンを押している間だけ撮れて、ダイヤルで1秒のコマ数も変えられます。
- BANNO
- じゃあ、フィルムの代わりに何が記録するんですか?
- HIGEDARUMA
- 中の小さなコンピューターが撮って、スマホでも見られるMP4という動画ファイルにします。
- BANNO
- でも正直、動画ならスマホで撮れますよね。なんでわざわざ?
- HIGEDARUMA
- 作者は、手軽に撮れるようになって、楽しさが少し失われている気がする、と書いています。
- HIGEDARUMA
- 目指したのは、フィルムを現像する、つまり映像にするまで結果が分からない、びっくり箱のような楽しさなんです。
- BANNO
- すぐには確かめられないドキドキを、わざと残したんですね。
- BANNO
- ここからが本題です。電気を使わないカメラで、撮る瞬間はどう分かるんですか?
- HIGEDARUMA
- そこが難所なんです。ゼンマイ仕掛けなので、シャッターが切れた、という電気の合図が出ないんです。
- HIGEDARUMA
- 合図がないと、いつ撮ればいいか分からない。そこで、フィルムを送るツメの動きを、光で見張ったんです。
- BANNO
- 光で見張る?
- HIGEDARUMA
- フォトリフレクタという、光を当てて跳ね返りの強さを見る、小さなセンサーを使います。
- HIGEDARUMA
- 本体はなるべくいじりたくなかったそうですが、ツメだけは切り落として、アルミテープを貼りました。
- BANNO
- そこだけは、手を入れたんですね。
- HIGEDARUMA
- テープが動くと、跳ね返る光が変わる。その変化を合図に、1コマ撮るんです。
- BANNO
- 機械の動きを、光で読み取って合図に変える。賢い!
- HIGEDARUMA
- 全体の構成です。左がもとの8ミリカメラ、右がフィルム室に入れた自作の撮影モジュールです。
- HIGEDARUMA
- 頭脳は、名刺の半分ほどの小さなコンピューター、Raspberry Pi Zero 2W。カメラの目にあたるイメージセンサーから、合図のたびに1コマ取り込みます。
- BANNO
- それが全部、フィルムの入っていた場所に入っているんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。センサーを置ける幅は最大20ミリ。1円玉くらいの幅なんですよ。
- HIGEDARUMA
- 最初に使う予定だったカメラは、基板の幅が25ミリで入らなかったんです。
- BANNO
- 5ミリはみ出しちゃう!どうしたんですか?
- HIGEDARUMA
- 小さなセンサーを試して、最後はセンサー部分だけ小型のものに載せ替えました。
- BANNO
- 材料は、ラズパイとそのカメラ、それにOpenCVなんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者が一番苦しんだのが、そのOpenCV。カメラの画像を扱うソフトの部品です。
- BANNO
- ソフトで苦しんだんですか?
- HIGEDARUMA
- OpenCVは、画像を4枚ためておく仕組みなので、合図で撮っても、出てくるのは4コマ前の絵なんです。
- BANNO
- シャッターを押したのに、少し前の写真が出てくる感じですね。
- HIGEDARUMA
- 開発ログには、非常に、とても、めちゃくちゃ、たいそう、苦労しました、とあります。
- BANNO
- 4回も言ってる!
- HIGEDARUMA
- 最後は、ためる枚数を1枚に変えて、ようやく合図とぴったり合ったんです。
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、opencvはもう見たくありません、という本音まで。
- BANNO
- ほかにもトラブルはあったんですか?
- HIGEDARUMA
- 買ってすぐ、シャッターが急に止まったそうです。歯車を手で動かすと、少しずつ動き出したと。
- HIGEDARUMA
- でも作者は、古い機械なので、こういうトラブルも一緒に楽しみます、と。
- BANNO
- トラブルまで楽しむ。いいですね。初めて撮れたときは、どんな映像でした?
- HIGEDARUMA
- ピントも明るさも合わず、何が写っているか分からない。でも、レンズの前で手を振ると光が揺れたんです。
- BANNO
- 光が揺れただけで、撮れてる!って分かる。嬉しい瞬間ですね。
- BANNO
- この作品、コンテストでも評価されたんですよね。
- HIGEDARUMA
- ヒーローズ・リーグ2022で、ProtoPedia賞と、ただただすごい賞を受賞しています。
- BANNO
- ProtoPedia賞の審査コメントは、撮れた映像がエモいのはずるい、だったそうです。
- HIGEDARUMA
- ただただすごい賞では、作る過程を見れば見るほど感動する、と評されたそうです。
- BANNO
- 作ったのは、airpocketさん。開発の記録をとても細かく公開しています。
- HIGEDARUMA
- 実はこの作品、ProtoPediaで見た、からあげさんの作品に触発されて生まれたんです。
- BANNO
- 誰かの作品を見て、自分もやってみる。そのつながりがいいですね。
- BANNO
- では、今日できる一歩。作品ページの動画と、開発ログをのぞいてみてください。
- HIGEDARUMA
- つまずいた所と直し方まで書かれています。作らなくても、読むだけで面白いですよ。
- BANNO
- もとのカメラは、中古なら数千円で手に入るそうですよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、70年前の機械と息を合わせた、ゼンマイじかけのデジタルムービーカメラでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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