ProtoPedia Video Maker

カメラにだけ映るおばけが、本物の本棚を動かす「TRICK SCOOP」|技術を体験に溶かしきったARアトラクション

紹介した作品: TRICK SCOOPProtoPedia での反響: 閲覧 1,600+ ・ ♥ 11

ProtoPedia の作品「TRICK SCOOP」を2人のMCが初心者目線で紹介。カメラ型の機械をのぞくと部屋におばけが見え、そのおばけに合わせて本物の本棚が動き、照明がチカチカする。ドーナツのふたを開けたり樽に声を吹き込んだりして、おばけを呼び出して写真に撮る体験型アトラクションです。カメラが司令塔になって仕掛けに合図を送る仕組みと、作者ユニット KATAKOTO の「技術を体験に溶かしきった」こだわりをひもときます。ヒーローズ・リーグ オンライン2020 アンズテック賞・ガジェット賞。

チャプター

文字起こし(85行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、TRICK SCOOP。カメラにだけ映るおばけを探して、写真に撮るアトラクションなんです。
BANNO
TRICK SCOOPって、どういう意味なんですか?
HIGEDARUMA
トリックは、いたずら。スクープは、新聞の特ダネ写真のことです。おばけのいたずらを特ダネとして撮る、と読めますね。
BANNO
おばけ探しの特ダネ!しかもこれ、私、ちょっと思い出があるんです。
HIGEDARUMA
おや、どんな思い出ですか?
BANNO
作品ページに、「これどこに行ったらできますか、レベルだ」ってコメントしたんですよ。
HIGEDARUMA
見た瞬間に、遊びに行きたくなったわけですね。
BANNO
はい。ユーチューブの「ProtoPediaの時間」でも紹介しました。今日は、その不思議をじっくりひもときましょう。
BANNO
まず、遊ぶ人は何を手に持つんですか?
HIGEDARUMA
こんなカメラです。昔のおもちゃのカメラみたいで、かわいいでしょう。
BANNO
かわいい!でも、ただのカメラじゃないんですよね。
HIGEDARUMA
はい。画面をのぞくと、本物の部屋の景色に、おばけが重なって見えるんです。
BANNO
それって、ポケモンGOみたいな感じですか?
HIGEDARUMA
まさにそれです。AR、カメラ越しの景色に、そこには無いキャラクターを重ねて見せる技術なんです。
BANNO
画面の中におばけがいる。でも、それだけなら、よくあるアプリですよね。
HIGEDARUMA
そこからが本番なんです。おばけが本棚のそばを通ると、本物の本が、ぐいっと引き出されるんですよ。
BANNO
えっ、画面の中じゃなくて、現実の本が動くんですか!
HIGEDARUMA
はい。電気スタンドも、おばけに合わせてチカチカ点いたり消えたりします。
BANNO
うわあ、それはドキッとしますね。本当に何かいるって思っちゃいます。
HIGEDARUMA
作者はそれを、「何かのいる気配」と呼んでいるんです。
BANNO
気配かあ。目に見えないのに、確かに感じる、あれですね。
HIGEDARUMA
しかも、自分からおばけを呼び出せる仕掛けもあるんですよ。
BANNO
呼び出す?どうやってですか?
HIGEDARUMA
1つ目は、ドーナツです。ふたを開けると、甘い匂いにつられて、おばけが寄ってくるんです。
BANNO
かわいい!ふたを閉めたらどうなるんですか?
HIGEDARUMA
閉めると、おばけは見えなくなります。開け閉めで、出たり消えたりするんですね。
BANNO
2つ目は?
HIGEDARUMA
樽です。樽に向かって声を吹き込んで呼ぶと、中からおばけが出てくるんですよ。
BANNO
子どもなら、絶対「おーい」って叫んじゃいますね。
HIGEDARUMA
そして見つけたおばけを、シャッターを押して撮る。これが「正体をカメラに収める」なんです。
BANNO
撮った写真は、どうなるんですか?
HIGEDARUMA
部屋に置いた掲示板に、撮ったおばけの写真が、次々に貼り出されていきます。
BANNO
みんなで「こんなの撮れたよ」って見せ合えるわけですね。楽しそう!
BANNO
でも、ひげだるまさん。画面のおばけと、本物の本棚が、どうして息ぴったりに動くんですか?
HIGEDARUMA
タネ明かししましょう。全体は大きく3つ。手に持つカメラ、気配を出す仕掛け、そして掲示板です。
BANNO
その中で、司令塔はどれなんですか?
HIGEDARUMA
手に持つカメラです。おばけが動いた瞬間に、カメラから各仕掛けへ、無線で「今だ!」と合図を送るんですよ。
BANNO
なるほど。おばけの動きに合わせて、カメラが号令をかけているんですね。
HIGEDARUMA
本棚の裏には、決めた角度まで動かせるモーターが隠してあります。
BANNO
それを、誰が動かしているんですか?
HIGEDARUMA
Raspberry Piという、手のひらサイズの小さなコンピューターです。合図を受けて、モーターで本を押し出すんです。
BANNO
チカチカする電気も、同じ仕組みですか?
HIGEDARUMA
照明は、スマホから操作できる電球、Philips Hueを使っています。合図で点けたり消したりするんですよ。
BANNO
ドーナツのふたは、開けたことをどうやって知るんですか?
HIGEDARUMA
ここが面白いんです。ふたのふちに、電気を通すインクを塗ってあるんですよ。
BANNO
インクで、電気が通るんですか?
HIGEDARUMA
はい。閉まっているとつながって、開けると切れる。その変化を、小さなコンピューターが見張っているんです。
BANNO
ふたそのものが、スイッチになっているんですね。賢い!
HIGEDARUMA
樽の中にはマイクがあって、声が入ったら合図を出します。
BANNO
カメラは、自分が部屋のどこにいるか、分かっているんですか?
HIGEDARUMA
最初に「写真を撮る練習をしましょう」と、目印の絵を撮ってもらうんです。それを基準に、部屋の中の位置を合わせるんですよ。
BANNO
練習のふりをして、実は準備をしているんですね。うまい!
HIGEDARUMA
カメラの中身はiPod Touch、電話機能の無いiPhoneのような機械です。アプリは、ゲームを作る道具のUnityで作られています。
BANNO
使っている部品を並べると、意外と身近なものばかりですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。一つ一つは身近でも、組み合わせ方で、こんなに不思議になるんですよ。
BANNO
私が一番びっくりしたのは、遊んでいる間、機械の存在をまったく感じないところなんです。
HIGEDARUMA
そこが作者のいちばんのこだわりで、「技術を体験に溶かしきった」と書いているんです。
BANNO
溶かしきった。いい言葉ですね。
HIGEDARUMA
たとえば、iPodを、3Dプリンターで作ったカメラ型のケースに入れて、色まで塗っています。
BANNO
スマホを渡されたら「アプリだな」って思いますけど、カメラなら、おばけを撮る道具になりますね。
HIGEDARUMA
掲示板も、モニターに掲示板風の外装をかぶせているんですよ。
BANNO
仕掛けを隠すから、おばけが本当にいる気がする。おばけ屋敷の作り方と同じですね。
HIGEDARUMA
見た人からは、「これを見たら、一方通行のARが物足りなくなりそう」という声もありました。
BANNO
画面を見るだけのARから、現実に手を出してくるARへ。分かります、その気持ち。
HIGEDARUMA
この作品は、ヒーローズ・リーグ オンライン2020で、賞を2つ受けているんです。
BANNO
どんなところが評価されたんですか?
HIGEDARUMA
アンズテック賞には、中学1年生の講評が付いています。カメラの形で誰でも気軽に遊べて、遊べる年代が広いのがいい、と。
BANNO
子どもの目で見て、ちゃんと楽しいって、いちばん説得力がありますね。
HIGEDARUMA
「撮ったおばけを掲示板に貼って、みんなで共有できるのがいい」という声もありました。
BANNO
ガジェット賞のほうは?
HIGEDARUMA
豊田陽介さんが、いろんな機械を適材適所で組み合わせて、しかもそれを感じさせないデザインが素敵だ、と評価しています。
BANNO
子どもには「楽しい」、作り手には「すごい」。両方に届いたんですね。
BANNO
作ったのは、ものづくりユニットのKATAKOTO。エンジニアのkiyoさんと、デザイナーの松井瑞貴さんの2人組です。
HIGEDARUMA
社会人2人が、休日の趣味で作っているそうなんですよ。
BANNO
趣味で、ここまで!デジタルとアナログのいいところを合わせる、っていうのがテーマなんですよね。
HIGEDARUMA
はい。エンジニアとデザイナーが組むと、技術が見えなくなるくらい体験を磨ける。いいお手本です。
BANNO
では今日の一歩です。まずはProtoPediaの作品ページで、デモ動画を見てみてください。
HIGEDARUMA
そのあと、自分の部屋を見回して、「おばけがいたずらするなら、ここだな」という場所を、1つだけ探してみてください。
BANNO
引き出し、カーテン、電気のスイッチ。見つかったら、それがもう作品のタネですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。動かすなら、小さなコンピューターとモーター1個から始められますよ。
BANNO
さて、今日紹介したのは、カメラにだけ映るおばけが現実にいたずらする、TRICK SCOOPでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
TRICK SCOOP
作者: kiyo・松井 瑞貴
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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