タンバリンを振って遊ぶアイドル音ゲー「位置GO MILK」|ダジャレから生まれた電子工作
ProtoPedia の作品「位置GO MILK 〜アイドルライフゲーム〜」を2人のMCが初心者目線で紹介。いちごみるく色の三角タンバリンを叩く・持ち上げる・振り続けるだけで遊べる音ゲーの仕組みと、ダジャレ1つから曲・キャラ・物語まで広げた「ダジャレ駆動開発」の裏側。DigiKey Make ONE Challenge 2026 ファイナリスト|ProtoPedia賞。
チャプター
0:00オープニング0:20振って遊ぶアイドル音ゲー1:11ダジャレ駆動開発3:15流れてくる目印は3種類4:34スマホの画面が回るのと同じ部品7:08ライトが2個しか光らない9:08一歩目:ダジャレを1つ10:06エンディング
文字起こし(93行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、位置GO MILK 〜アイドルライフゲーム〜。
- BANNO
- いちごみるく?ピンクの三角のものが写ってますね。これは何ですか?
- HIGEDARUMA
- いちごみるく色の、手作りのタンバリンなんです。これを振って遊ぶ、アイドルの音楽ゲームなんですよ。
- BANNO
- 音楽ゲームって、曲に合わせてタイミングよく操作する、あのゲームですよね。
- HIGEDARUMA
- そうです。しかもルールが厳しくて、3曲目までにランキング1位になれないと、ユニットは解散なんです。
- BANNO
- 解散!見た目はかわいいのに、なかなかの崖っぷちですね。じっくり見ていきましょう。
- BANNO
- まず気になるのが名前です。いちごの「いち」が、場所を表す「位置」の漢字になってますね。
- HIGEDARUMA
- そこがダジャレなんです。作者のYamada3さんは、これを「ダジャレ駆動開発」と呼んでいるんですよ。
- BANNO
- ダジャレ駆動開発!ダジャレを言いたい気持ちが、作る原動力ってことですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。きっかけはDigiKeyのコンテストで、お題が「イチ」だったんです。
- BANNO
- お題がイチ。そこから、どうやっていちごみるくに?
- HIGEDARUMA
- 作者も最初は、正直何も思い浮かばなかったそうです。でも、使うと決めた部品に、動きを測るセンサーが入っていて。
- HIGEDARUMA
- 動きのセンサーから「位置」という言葉がひらめいて、そこに「GO」と「MILK」を足して、いちごみるくです。
- BANNO
- なるほど!いちごの「いち」は、場所の「位置」だったんですね。
- HIGEDARUMA
- さらに、いつか使いたかったいちごみるく色の材料で、3Dプリンターを使って三角のタンバリンを作ったんです。
- BANNO
- タンバリンなら、次は音ゲーにしよう、と。連想がどんどん転がっていきますね。
- HIGEDARUMA
- 曲は、音楽を作るAIのSunoで3曲作りました。恋の電子回路、きらめきラブタンバリン、真夏の恋のトライアングル。
- BANNO
- 曲名まで、タンバリンと三角形にちなんでるんですね。細かいところまで楽しいです。
- HIGEDARUMA
- 極めつけはユニット名です。数字で、15369と書くんですよ。
- BANNO
- 15369……あっ、いちご、みるく!
- HIGEDARUMA
- 正解です。15でいちご、369でみるくなんです。
- BANNO
- さんが「み」、ろくが「ろ」、きゅうが「く」で、みろく、みるく!なるほど。
- BANNO
- ダジャレひとつで、タンバリンも曲もユニット名もつながるなんて、すごい発想力ですね。
- BANNO
- では実際には、どうやって遊ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- まず物語が始まります。名前を入れてオーディションに応募して、合宿の審査を受けて、デビューを目指すんです。
- BANNO
- 自分がアイドルの卵になるんですね。ちょっとドキドキします。
- HIGEDARUMA
- そして曲が始まると、画面に「ノーツ」という目印が流れてきます。この目印が3種類あるんですよ。
- BANNO
- 3種類。それぞれ、どう動けばいいんでしょう?
- HIGEDARUMA
- いちごの目印では、タンバリンを叩くか振る。いちご牛乳の目印では、タンバリンを上に持ち上げるんです。
- BANNO
- 持ち上げる!ライブで手を高く上げるみたいな動きですね。
- HIGEDARUMA
- 3つ目がROLL。細かく振り続けて、連打するんです。
- BANNO
- 叩いて、上げて、振り続けて。もう全身運動ですね。
- HIGEDARUMA
- 実際、展示で遊んだ人からは「音ゲーというより筋肉ゲームですね」と言われたそうです。
- BANNO
- 筋肉ゲーム!その感想、よく分かります。最後はどうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- エンディングは2通り。1位になれればハッピーエンド、なれなければ解散です。
- BANNO
- 解散エンドもちゃんと用意されてるんですね。それはそれで見てみたいかも。
- BANNO
- ここからは仕組みです。タンバリンは、どうやって動きを分かっているんですか?
- HIGEDARUMA
- タンバリンの中に、小さなコンピューターの板が入っているんです。さっきの、動きを測るセンサー付きです。
- BANNO
- 動きを測るセンサーって、スマホにも入っているものですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。スマホを横にすると、画面がくるっと回りますよね。あれと同じ部品なんです。
- BANNO
- なるほど、身近なところで使われているんですね。
- HIGEDARUMA
- 板の上では、Zephyrという、小さなコンピューター用の基本ソフトが動いています。
- BANNO
- 基本ソフト。パソコンでいう、ウィンドウズみたいなものですか?
- HIGEDARUMA
- そうです、その小型版です。それが1秒に100回、揺れの強さを測っているんです。
- HIGEDARUMA
- 強く揺れたら「叩いた」と判断して、ライトを光らせて、USBケーブルでパソコンに知らせます。
- HIGEDARUMA
- パソコンでは、Pythonという言語で作ったゲームが、目印に合っていたかを判定して、点数を付けるんです。
- BANNO
- タンバリンが感じて、パソコンが採点する。役割分担なんですね。
- HIGEDARUMA
- ここで作者が悩んだのが、いちごの目印が4つ以上続くところなんです。
- BANNO
- 4つ連続だと、何が困るんですか?
- HIGEDARUMA
- 速く叩くと揺れが残って、ちょっとした揺れでも「失敗」と判定されちゃうんです。
- BANNO
- じゃあ、小さな揺れは無視すればいいのでは?
- HIGEDARUMA
- そうすると今度は、速い連打を拾えなくなるんです。あちらを立てれば、こちらが立たず。
- BANNO
- うーん、困りますね。どうしたんですか?
- HIGEDARUMA
- 太鼓の達人を思い出して、そこを連打するROLLの目印にしちゃえばいい、とひらめいたんです。
- BANNO
- なるほど!失敗の原因だった揺れを、むしろ遊び方に変えちゃったんですね。
- HIGEDARUMA
- もうひとつの工夫が、いちご牛乳の持ち上げです。上げたかどうかは、重力の向きで分かるんですよ。
- BANNO
- 重力の向き。でも、タンバリンの持ち方って人それぞれですよね?
- HIGEDARUMA
- そこで、曲の前奏の間に「今どっちが下か」を測って、基準を合わせておくんです。
- BANNO
- 遊ぶ人は何もしなくていいんですね。準備の画面がないのは親切です。
- HIGEDARUMA
- このやり方は、ChatGPTが考えてくれたそうです。作者は、AIに随分助けられたと書いているんですよ。
- HIGEDARUMA
- 使った道具はこちら。光る基板も、自分で設計して工場に作ってもらったんです。
- BANNO
- 作っていく中で、うまくいかないこともあったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- ありました。タンバリンの中のライトが、最初は2個しか光らず、しかも不安定だったんです。
- HIGEDARUMA
- でも作者は、その不安定さが逆にキラキラして、アイドルのステージっぽくなったと。「結果オーライ」なんですよ。
- BANNO
- 前向き!うまくいかないところまで、演出にしちゃうのが素敵です。
- HIGEDARUMA
- もうひとつ。作者は、自分のゲームの腕前が「ザコすぎて」テストできなかったそうで。
- BANNO
- えっ、作った本人がですか?
- HIGEDARUMA
- そこで、ゲーム好きの次男さんがテストを手伝ってくれたんです。
- BANNO
- 家族で作った作品なんですね。ほっこりします。
- BANNO
- 展示では、どうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- Maker Faire Tokyoという、ものづくりの展示会で、1日で52組が遊んでくれました。
- HIGEDARUMA
- その場で1位になった人には「暫定1位カード」を渡して、画面と一緒に記念写真を撮ってもらったそうです。
- BANNO
- それは嬉しいですよね。遊んだ思い出が形に残ります。
- HIGEDARUMA
- 福岡のイベントでは、作者が満点と考えていた点数に迫る人まで現れたんです。
- BANNO
- すごい!作者もびっくりですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は「アルゴリズム、間違ってなかったんだ……!」と大喜びだったそうです。
- BANNO
- 採点のルールが正しかったと、遊んだ人が証明してくれたわけですね。
- HIGEDARUMA
- そしてこの作品は、DigiKeyのコンテストで、81作品の中からファイナリストに選ばれ、ProtoPedia賞を受賞しました。
- BANNO
- おめでとうございます!審査では、見た人が「遊んでみたい」と感じられる作品、と評価されたそうです。
- HIGEDARUMA
- 作ったのはYamada3さん。「電子工作に可愛いが加わったら、きっと、最強!」が信条なんです。
- BANNO
- 可愛いとダジャレ。好きなものを詰め込むと、こんなに楽しくなるんですね。
- BANNO
- さて、見ている皆さんも、何か作ってみたくなりませんか?
- HIGEDARUMA
- 今日できる最小の一歩として、まず好きな言葉で、ダジャレをひとつ考えてみてください。
- BANNO
- ダジャレならすぐできますね。私なら……うーん、考えておきます。
- HIGEDARUMA
- 次に、スマホの動きを測るセンサーを、無料のアプリでのぞいてみてください。振ると数字が動くのが分かりますよ。
- BANNO
- その数字が、位置GO MILKを動かしている正体なんですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。その数字にダジャレをかけ合わせたら、もう立派な作品のタネなんです。
- BANNO
- 作品のプログラムは公開されていて、ランキング速報も見られます。リンクはこちらです。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、ダジャレから生まれた、いちごみるく色のタンバリンで遊ぶアイドル音ゲー、位置GO MILKでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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