充電専用ケーブルを挿すと海賊が飛ぶ「Type-C 危機一発」|あるあるの脱力をゲームに変えた
ProtoPedia の作品「Type-C 危機一発」を2人のMCが初心者目線で紹介。おもちゃの黒ひげ危機一発を改造し、剣の代わりに USB Type-C ケーブルを挿していくゲームです。見た目は同じなのに充電しかできないケーブルを挿すと「充電専用!」で黒ひげが飛び出します。ケーブルを替えたら動いた、というあるあるの脱力から生まれた発想、データを送る線の有無で見分ける仕組み、24か所の穴に差し込み口を仕込んだ力業まで。
チャプター
0:00オープニング0:20Type-C 危機一発1:02電気は通す、でもデータは送れない2:13ケーブルの両端を挿す → カウントダウン2:56電気の線と、データの線は別々4:11穴24か所を削って、差し込み口を24個5:33受賞4つ6:41エンディング
文字起こし(61行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、Type-C 危機一発。
- BANNO
- これ、樽に剣を刺していくと海賊が飛び出す、あのおもちゃですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ただし刺すのは剣じゃなくて、今のスマホでおなじみの充電ケーブル、Type-Cなんですよ。
- BANNO
- えっ、ケーブル?それで、どうなったら負けなんですか?
- HIGEDARUMA
- 挿したケーブルが、充電しかできないケーブルだったら。充電専用!の判定で、海賊がポーンと飛ぶんです。
- BANNO
- 充電しかできないケーブル。そんなケーブルがあるんですか?
- HIGEDARUMA
- あるんです。スマホをパソコンにつないだのに、写真が移せなかったこと、ありませんか?
- BANNO
- あります!充電のマークは出るのに、パソコンが全然気づいてくれないやつ。
- HIGEDARUMA
- 犯人は、たぶんケーブルです。電気は通すけど、写真みたいなデータは送れないケーブルが混ざっているんですよ。
- BANNO
- 見た目で見分けられないんですか?
- HIGEDARUMA
- それが無理なんです。見た目も、やわらかさも、ほぼ同じなんですよ。
- HIGEDARUMA
- 作者の若狹さんも、急いで機械にプログラムを書き込もうとして、このケーブルにつまずいたそうです。
- HIGEDARUMA
- ランプは光っているのに、通信できない。なんでだ!なんでだ!と調べた結果、ケーブルを替えたら、すんなり動いた。
- BANNO
- うわあ、それは脱力しますね…。
- HIGEDARUMA
- しかも年末にケーブルを整理すると、必ず何本か出てくるそうなんです。
- HIGEDARUMA
- そこで作者は、怒るより、この脱力の世界をどう楽しめるかを考えたんです。
- BANNO
- イライラの元を、ゲームにしちゃった。発想の転換ですね!
- BANNO
- 実際は、どうやって遊ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- 樽の穴に、ケーブルの両端を1本ずつ挿します。すると、カウントダウンが始まるんです。
- HIGEDARUMA
- 普通のケーブルならセーフで、次の人へ。充電専用だったら、海賊が飛んでアウトです。
- BANNO
- 本物は、どの穴に刺すとアウトか、のドキドキですよね。
- HIGEDARUMA
- こっちは、どこに挿すかじゃなくて、何を挿すかでアウトが決まるんです。審査員の方も、この逆転を面白いと褒めていました。
- BANNO
- しかも遊び終わったら、家のケーブルが仕分けできているわけですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。遊べて、ちゃんと役にも立つんですよ。
- BANNO
- でも、見た目で分からないのに、機械はどうやって見分けるんですか?
- HIGEDARUMA
- ケーブルの中には、細い線が何本も入っているんです。電気を送る線と、データを送る線は、別々なんですよ。
- HIGEDARUMA
- 充電専用のケーブルは、安く作るために、データを送る線が入っていないんです。
- BANNO
- じゃあ、データの線が端から端までつながっているか、確かめればいいんですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。つながっていなければ、充電専用、と判定するんです。
- BANNO
- それを判定する頭脳は、何なんですか?
- HIGEDARUMA
- 手のひらに乗る小さなコンピューター、M5Stack の ATOM Matrix です。海賊の口元で光っている四角い部品ですね。
- HIGEDARUMA
- ただ、これ1つでは調べる線が足りないので、線の数を増やす部品を4個つないで、48本の線を見張っているんです。
- BANNO
- 48本も!それで、海賊はどうやって飛ばすんですか?
- HIGEDARUMA
- 電気を流すとガチャンと動く、ソレノイドという部品で、飛び出す仕掛けのロックを外すんです。
- HIGEDARUMA
- 使った部品は、ATOM Matrix、ソレノイド、そして黒ひげ危機一発そのものです。
- BANNO
- 作るのは、大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 大変だったんです。まず、剣を刺す穴24か所を削って、Type-C の差し込み口を1つずつ取り付けています。
- HIGEDARUMA
- 挿すとスポッと抜けたり、削りムラで奥まで刺さらなかったり。外しては削る、の繰り返しだったそうです。
- BANNO
- うわあ、手作業で24か所…。
- HIGEDARUMA
- カッター作業がつらすぎて、締め切りの4日前に、刃が細かく震えてスッと切れる、超音波カッターを買ったそうです。
- BANNO
- 締め切りギリギリの追い込み、ハッカソンでよく見る光景ですね。
- HIGEDARUMA
- もう1つの壁が、誤判定です。挿し方が甘いと、普通のケーブルでも充電専用と出てしまったんです。
- HIGEDARUMA
- そこで、ケーブルがちゃんと挿さったかを確かめる線も見るように、調べる線を2倍に増やしました。
- BANNO
- カウントダウンも、そのための工夫なんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ケーブルを揺らすと誤判定するので、カウントダウンの間に手を離してもらう狙いなんです。
- HIGEDARUMA
- 作者は正直に、本当は回路を工夫すれば線を半分にできたけど、提出1日前なので力業にした、とも書いています。
- BANNO
- 完璧より、まず動かして出す。その潔さ、好きです。
- BANNO
- 作ったのは、若狹正生さん。ひとりで作り上げた作品です。
- HIGEDARUMA
- コンテストでは、賞を4つも受賞しています。
- HIGEDARUMA
- マウザー賞と、ヒーローズ・リーグ2023の3つの賞です。GIGAZINEなどのネットのニュースでも紹介されたんですよ。
- BANNO
- 審査員の、ものづくりのあるあるな悲しさを面白さに変えている、という言葉が、まさにですね。
- BANNO
- デモ動画と作品ページのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。引き出しのケーブルを1本、スマホとパソコンにつないでみてください。
- HIGEDARUMA
- 写真が移せなかったら、それが充電専用です。充電専用、とシールを貼っておきましょう。
- BANNO
- それから、自分のイライラするあるあるを、ゲームにできないか、ちょっと考えてみてください。
- HIGEDARUMA
- そのアイデア、作品になるかもしれませんよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、充電専用ケーブルを挿すと海賊が飛び出すゲーム、Type-C 危機一発でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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