回さずに回せる、光るルービックキューブ|「デジタルなルービックキューブ」を初心者目線で紹介
ProtoPedia の作品「デジタルなルービックキューブ」を2人のMCが初心者目線で紹介。色のマスを LED に、回す仕組みをボタンに置き換えたキューブは、2か所を同時に押すと光が回ります。ボタン一発のシャッフル、1手戻し、保存、リプレイ、光るヒントまで。一度は挫折したネタ帳のアイデアを、作者 TakSan さんが基板から自作して形にしました。
チャプター
0:00オープニング0:20光るルービックキューブ1:091面9マス×6面=LED 54個2:57四隅を全部押すと自動シャッフル5:16中身は板6枚+頭脳+電池7:10昔は1枚に2か月で挫折8:59エンディング
文字起こし(80行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、デジタルなルービックキューブ。光でできたルービックキューブなんですよ。
- BANNO
- うわあ、きれい。マスの一つひとつが、カラフルに光ってますね。
- HIGEDARUMA
- でもこれ、実はガチャッと回らないんです。形は箱のまま、まったく動きません。
- BANNO
- えっ、回らないルービックキューブ?それじゃあ、どうやって遊ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- 回す代わりに、ボタンを押すんです。すると光の色が、くるっと回ったように動くんですよ。
- BANNO
- 光が回る!それは触ってみたいです。さっそく、なぞを解いていきましょう。
- HIGEDARUMA
- まず見た目から。各面に、3かける3の9マスがあって、そこに小さなLEDが入っています。
- BANNO
- LEDって、小さな電球みたいなものですよね。6面あるから、ぜんぶで54個ですか。
- HIGEDARUMA
- そうです。それと各面の四隅に、押しボタンが1つずつ。6面で24個あります。
- BANNO
- じゃあ、回したい列のボタンを、ポチッと1つ押せばいいんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、1つだけだと困るんです。縦に回したいのか、横に回したいのか、分からないんですよ。
- BANNO
- あ、たしかに。角のボタンは、縦の列にも横の列にも入ってますもんね。
- HIGEDARUMA
- そこで作者は、本物を回すときの手をよく見たんです。すると、ほとんど2か所をつかんで回していた。
- BANNO
- 言われてみれば、両手でこう、はさんでひねりますね。
- HIGEDARUMA
- だから、同じ向きのボタンを2つ同時に押したら、その向きに回る。そういう決まりにしたんです。
- BANNO
- なるほど!本物をつかむ手の形が、そのままボタンの押し方になってるんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、これを思いつかなかったら、実現できていなかった。まさに作品の心臓部なんです。
- BANNO
- でも形が動かないと、回った感じがしなさそうですけど…。
- HIGEDARUMA
- そこで光のアニメです。色が隣のマスへ順番に流れて、回ったように見せるんですよ。
- BANNO
- 目で見て、ちゃんと回ったと分かるわけですね。手ごたえもありそうです。
- HIGEDARUMA
- しかも大きさは、一辺57ミリ。公式のルービックキューブと同じ大きさにそろえてあるんです。
- BANNO
- 手に持った感じまで本物そっくり。こだわりが細かいですね。
- BANNO
- 正直に言うと私、ルービックキューブは一面そろえて、そこで終わる派なんです。
- HIGEDARUMA
- 分かります。しかも一度ぐちゃぐちゃにすると、もう元には戻せないですよね。
- BANNO
- そうなんです。デジタルだと、そのへんも変わるんですか?
- HIGEDARUMA
- 変わります。まず、1つの面の四隅を4つ同時に押すと、一瞬で自動シャッフル。
- BANNO
- 混ぜる手間もいらないんですね。それは楽ちん。
- HIGEDARUMA
- 間違えたら、1手ずつ戻せます。混ぜた直後まで、さかのぼれるんですよ。
- BANNO
- うわ、それ本物にほしい機能です。わけが分からなくなっても、やり直せる。
- HIGEDARUMA
- 途中で用事ができたら、その状態を保存して、あとから続きもできます。
- BANNO
- ゲームのセーブみたいですね。ほかにもあるんですか?
- HIGEDARUMA
- 解いた手順をまるごと再生するリプレイ。2000手分まで記録できるんです。
- BANNO
- 自分の名人芸を見返して、自慢もできちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- そして、ヒントモード。次にどのボタンを押せばいいか、光の点滅で教えてくれるんです。
- BANNO
- これなら、一面で終わる派の私でも、最後までいけるかもしれません。
- HIGEDARUMA
- 実はこの機能、展示で見た光景から生まれたんです。解き方を知らない人は、すぐ離れてしまったそうで。
- BANNO
- それで、初めての人でも楽しめるように、光で道案内をつけたんですね。優しい。
- HIGEDARUMA
- 展示といえば、会場で唯一、最後までそろえたのは、小学生くらいの男の子だったそうです。
- BANNO
- えっ、大人を差し置いて小学生が!
- HIGEDARUMA
- 話しかけても返事がないほど集中して、いきなり、できた。最後は全面を、バツの模様にして帰ったとか。
- BANNO
- そろえるどころか、模様まで!作った本人もびっくりでしょうね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、自分にはできない、すごすぎる、と書いています。
- BANNO
- ところで、キューブの横に小さな画面が置いてある場面がありますね。あれは何ですか?
- HIGEDARUMA
- M5Stackの小さな画面です。操作を無線で送って、今の状態や、何段目までそろったか、かかった時間を出すんです。
- BANNO
- タイムまで出るなら、友だちと競争できますね。盛り上がりそう。
- BANNO
- ここからは中身です。この小さな箱の中は、どうなってるんでしょう。
- HIGEDARUMA
- 大きく分けると、6枚の板、頭脳の小さなコンピュータ、電池、それにボタンを読む部品です。
- BANNO
- 板って、あの緑や黒の、電子部品がたくさん付いている板ですか?
- HIGEDARUMA
- そうです、基板といいます。その基板を、作者が自分で設計して、6枚で箱の形に組んでいるんです。
- BANNO
- 板そのものが、キューブの壁になってるんですね。頭脳はどれですか?
- HIGEDARUMA
- M5Stamp Picoという、切手くらいの小さなコンピュータです。蓋の面を開けると、中に入っています。
- BANNO
- そんな小さな頭脳で、54個もの光をどうやって操るんですか?
- HIGEDARUMA
- NeoPixelというLEDを使っているんです。1本の線で数珠つなぎにして、何番目を何色に、と順番に伝えられる。
- BANNO
- 電車の車両に、前から順番に指示を回していくような感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。ボタンのほうは、24個に対して頭脳の差し込み口が足りなかったので、つなぎ方を工夫して減らしています。
- BANNO
- 限られた口で、たくさんのボタンを見張る工夫ですね。
- HIGEDARUMA
- それと、展示用に3台分つくるとき、基板18枚のはんだ付けを、家の焼き肉プレートでやったそうです。
- BANNO
- 焼き肉プレート!?お肉じゃなくて、基板を焼いたんですか。
- HIGEDARUMA
- はんだという金属ののりを熱で溶かして、部品をまとめてくっつけるんです。プレートがちょうどいい熱源になる。
- BANNO
- 台所の道具でここまでできるなんて、ものづくりのハードルが下がって見えますね。
- HIGEDARUMA
- 使ったおもな部品は、この2つ。小さな頭脳と、数珠つなぎのLEDです。
- BANNO
- 最後に、作者のTakSanさんが、これを作ったきっかけを教えてください。
- HIGEDARUMA
- 実はこれ、ずっとネタ帳に眠っていたアイデアなんです。ほかのルービックキューブ作品を見て、ふと思い出した。
- BANNO
- 放っておいたら、誰かに先を越されちゃう、と。その焦り、分かります。
- HIGEDARUMA
- しかも一度、挫折しているんです。昔は配線が山ほど必要で、手作業で1枚作るのに2か月かかったとか。
- BANNO
- 2か月で1面…。6面なら、1年かかっちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- でも、数珠つなぎのLEDと、基板を自分で設計する腕が身について、ようやく形にできたんです。
- BANNO
- 四隅のボタンを2つ押す、というアイデアは、その頃から温めていたんですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。途中で線がもげて、バグだと思って何時間もソフトを調べた、なんて苦労もあったそうですが。
- BANNO
- その苦労が、ちゃんと評価されたんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。M5Stackのコンテストでハンドメイド優秀賞、Mouserのコンテストで優秀賞。2つの賞をとっています。
- BANNO
- 見ていたら、私も何か光らせてみたくなりました。何から始めればいいでしょう。
- HIGEDARUMA
- 今日の一歩は、ネットで数百円ほどのフルカラーLEDを1つ買って、好きな色に光らせてみること。
- BANNO
- 1個からでいいんですね。このキューブも、その小さな光が54個集まったもの、ですもんね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ネタ帳のアイデアも、まず1個光らせるところから動き出しますよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、回さずに回せる光のパズル、デジタルなルービックキューブでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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