鍵盤1つで誰でも弾ける、世界最薄ピアノ「thinanissimo(スィゥアニッシモ)」|楽器が苦手な人のための逆転の発想
ProtoPedia の作品「thinanissimo(スィゥアニッシモ)」を2人のMCが初心者目線で紹介。幅30mm、鍵盤はたった1つのグランドピアノです。曲を選んで、リズムに合わせて鍵盤を叩くだけで1曲弾ける。「楽器は複雑にせず、音階の方を複雑にしよう」という逆転の発想と、押すたびに次の音を選んでくれる仕組み、そして定番の電子工作部品での作り込みまで。M5Stack Japan Creativity Contest 2023 優勝作品です。
チャプター
0:00オープニング0:21世界最薄のピアノ0:58普通のピアノは88鍵1:33リズムに合わせて叩くだけ2:20楽器はシンプルに、音階を複雑に3:11鍵盤の中は押しボタン1つ4:233Dプリンター+木目調シート5:17今日できる最小の一歩6:05エンディング
文字起こし(62行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、thinanissimo(スィゥアニッシモ)。世界でいちばん薄いピアノなんです。
- BANNO
- うわっ、本当に薄い!ちゃんとグランドピアノの形をしてますね。
- HIGEDARUMA
- 幅はたった3センチ。しかも鍵盤は、1つだけなんですよ。
- BANNO
- 鍵盤1つで、どうやって曲を弾くんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、楽器が弾けない人でも、1曲弾き切れるんです。
- BANNO
- 楽器が弾けない人でも、ですか。わたし、ピアノは子どものころに挫折しました。
- HIGEDARUMA
- 普通のピアノは、鍵盤が88個もありますからね。
- BANNO
- どの指で、どこを押すか。覚えるところで、もう手が止まっちゃうんですよね。
- HIGEDARUMA
- 作者のBBコリーさんも、同じだったそうです。音楽を聴くのは好き、でも演奏はとても苦手。
- BANNO
- 聴くのは好きなのに弾けない。それ、すごく分かります。
- HIGEDARUMA
- それでも、こんな自分でも演奏したい!と思って作ったのが、このピアノなんです。
- BANNO
- 実際には、どうやって弾くんですか?
- HIGEDARUMA
- まず、ピアノに入っている曲を選びます。すると、小さな画面に次の音符が出るんです。
- BANNO
- 楽譜が、1音ずつ出てくる感じですね。
- HIGEDARUMA
- はい。あとはリズムに合わせて、目の前の鍵盤をトン、トン、と叩くだけ。
- BANNO
- えっ、同じ鍵盤を叩いてるのに、ちゃんとメロディーになるんですか?
- HIGEDARUMA
- なるんです。押すたびに、ピアノのほうが次の正しい音を鳴らしてくれるんですよ。
- BANNO
- じゃあ、わたしはリズムだけ気にすればいいんですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。曲の途中で止めたり、くり返し流したりもできます。
- BANNO
- それなら、自分で弾いてる気分を、ちゃんと味わえますね。
- BANNO
- でも、どうして鍵盤を1つにしようと思ったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作者はまず、楽器は出せる音が増えるほど、仕組みが複雑になる、と気づいたんです。
- BANNO
- ピアノなら、音を増やすほど、鍵盤も増えますもんね。
- HIGEDARUMA
- そう。鍵盤1つに音1つなので、音を増やすほど、ピアノは大きくなる。
- BANNO
- そして、大きくなるほど、弾くのが難しくなる。
- HIGEDARUMA
- そこで逆転の発想です。楽器は複雑にせず、音階の方を複雑にしよう。
- BANNO
- 音階というのは、ド、レ、ミの並びのことですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。次にどの音を鳴らすか、という難しい部分を、人の代わりに機械が覚えておくんです。
- BANNO
- 人が練習で覚えるところを、ピアノが引き受けてくれるんですね。
- BANNO
- 中は、どうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 部品のリレーなんです。まず、鍵盤の中には押しボタンが1つ入っています。
- BANNO
- 押されたら、誰が次の音を決めるんですか?
- HIGEDARUMA
- ATOMS3という、2.4センチ角の小さなコンピューターです。画面とボタンも付いています。
- BANNO
- その小さなコンピューターが、曲を覚えているんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。押されるたびに次の音を選んで、画面に音符も出します。
- BANNO
- じゃあ、音はどこから出てくるんですか?
- HIGEDARUMA
- DFPlayer miniという、小さな音楽プレーヤーの部品に、ピアノの音を1つずつ入れてあるんです。
- BANNO
- そこに、この音を鳴らして、と頼むわけですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。最後に、アンプという部品で音を大きくして、横の丸いスピーカーから鳴らします。
- BANNO
- 弾ける音は、どれくらいあるんですか?
- HIGEDARUMA
- ドから高いソまでの12音。ピアノの黒い鍵盤の音、半音も出せるんですよ。
- BANNO
- 鍵盤1つなのに、黒い鍵盤の音まで。本格的ですね。
- BANNO
- 見た目も木のピアノそのものですけど、これはどうやって作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- 3Dプリンターで形を作って、木目調のシートを貼っているんです。
- BANNO
- 3Dプリンターというのは、データから立体を作る機械ですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。部品も電子工作の定番ばかりで、ボタンを押したら音が鳴る、までなら入門でよく作る内容なんです。
- BANNO
- 特別な部品じゃなくても、アイデア次第でここまでできるんですね。
- HIGEDARUMA
- しかもこの作品、M5Stackという小さなコンピューターのコンテストで、優勝しているんです。
- BANNO
- 優勝!審査ではどこが評価されたんですか?
- HIGEDARUMA
- 作品も、紹介動画のデザインも、言葉選びも、あらゆる面がよくできている、と講評されています。
- BANNO
- ロゴまで作ってありますもんね。細部まで本気なのが伝わります。
- BANNO
- 作ったのは、BBコリーさんです。
- HIGEDARUMA
- 演奏しているデモ動画も公開されています。リンクは概要欄にまとめておきますね。
- BANNO
- わたし、苦手なことは自分が頑張るしかない、と思い込んでいました。
- HIGEDARUMA
- このピアノは、難しい部分を道具の側が引き受けてくれる、いいお手本なんですよ。
- BANNO
- では今日の一歩。自分の苦手なことを1つ、紙に書き出してみてください。
- HIGEDARUMA
- そして、その難しさを、道具に任せられないか考える。そこから、あなたの作品が始まりますよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、鍵盤1つで誰でも1曲弾ける、世界最薄のピアノ、thinanissimo(スィゥアニッシモ)でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
クレジット
紹介した作品声
あなたの作品も、動画で紹介します
ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。
動画をリクエストする


