お金を入れたぶんだけ「長さ」が買える自販機|ショップバリュー
ProtoPedia の作品「ショップバリュー ~長さを売る自販機~」を2人のMCが初心者目線で紹介。値段の決まっていない自販機で、1円から円周率・あみだくじ・迷路を「長さ」で買える。硬貨を見分けて印刷するまでの手作りの仕組みと、電源の苦労を乗り越えて完成するまで。Mouser Make Awards 2023 ファイナリスト作品です。
チャプター
0:00オープニング0:20長さを売る自販機1:03円周率・あみだくじ・迷路2:43長いこと自体が面白い4:06システム構成5:27電圧を下げて、また上げる7:03今日できる小さな一歩7:53エンディング
文字起こし(79行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ショップバリュー。長さを売る自販機なんです。
- BANNO
- 長さを売る自販機?ジュースじゃなくて、長さを売るんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。しかもこの自販機、値段が決まっていないんですよ。
- BANNO
- 値段が決まっていない…。じゃあ、いくら入れればいいんでしょう?
- HIGEDARUMA
- いくらでもいいんです。入れたお金のぶんだけ、商品が長くなるんですよ。
- BANNO
- なんですか、それ。気になりすぎます。さっそく見ていきましょう!
- HIGEDARUMA
- まずは買い方から。机に乗るくらいの、赤くて小さな自販機なんです。
- BANNO
- ほんとだ、かわいい。上に、紙が3枚貼ってありますね。
- HIGEDARUMA
- それが商品の見本です。円周率、あみだくじ、迷路の3つなんですよ。
- BANNO
- 円周率って、3.14の続きが、ずーっと続く、あの数字ですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。硬貨を入れると、入れた金額が、数字で表示されます。
- BANNO
- で、3つのボタンから、欲しい商品を選んで押すんですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。押すと、下の口から、レシートみたいな紙が出てくるんです。
- BANNO
- じゃあ、試しに1円だけ入れたら、どうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- ちゃんと買えるんです。1円ぶんの、ちっちゃな迷路が出てきますよ。
- BANNO
- 1円で買える自販機!それだけで、ちょっと笑っちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- 逆に、500円玉を1枚入れて円周率を押すと、どうなると思います?
- BANNO
- えっ、どれくらいなんでしょう。100桁くらいですか?
- HIGEDARUMA
- なんと、小数点以下5000桁まで、印刷されるんです。
- BANNO
- 5000桁!1円で10桁ずつ、長くなっていく計算ですね。
- HIGEDARUMA
- そういうことです。あみだくじなら、500円で横棒が500本になります。
- BANNO
- 横棒500本のあみだくじ…。決着まで、何分かかるんでしょう。
- HIGEDARUMA
- 硬貨を何枚かまとめて入れても大丈夫。合計金額ぶんの長さで出てきます。
- BANNO
- なるほど。払った金額が、そのまま商品の長さになるんですね。
- BANNO
- でも、なんでこの3つなんでしょう。長い紙なら、何でもよさそうですけど。
- HIGEDARUMA
- そこが一番の見どころなんです。長いこと自体が面白いものを、選んでいるんですよ。
- BANNO
- 長いこと自体が面白い。たとえば、円周率はどうしてですか?
- HIGEDARUMA
- 円周率は、終わりがない数字ですよね。長く印刷するだけで、つい見ちゃうんです。
- HIGEDARUMA
- あみだくじは、長いほど、結果が出るまで時間がかかります。
- BANNO
- あ、わかりました。大事な決めごとほど、長いくじを買いたくなるんですね!
- HIGEDARUMA
- まさにそうなんです。そして迷路は、長いほど難しくなります。
- BANNO
- 暇つぶしなら短く、本気で挑むなら長く。長さが、本気度なんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者のBBコリーさんは、機械や電子を使った芸術、メディアアートを作っている方なんです。
- HIGEDARUMA
- テーマは、アナログとデジタルの融合。長さそのものを売ったら面白いのでは、と考えたそうです。
- BANNO
- 長さそのもの?ケーブルを、1メートルいくらで売るのとは、違うんですか?
- HIGEDARUMA
- ケーブルは、長さのある物を売っていますよね。こちらは、物ではなく長さが主役なんです。
- BANNO
- 物じゃなくて、長さを売る…。何が商品になるのか、考えさせられますね。
- BANNO
- ところで、中はどうなってるんですか?自販機って、自分で作れるものなんですね。
- HIGEDARUMA
- 作れちゃうんです。全体は、こんな構成になっています。
- HIGEDARUMA
- 頭脳は、Raspberry Pi Pico。千円しないくらいで買える、小さなコンピューターです。
- BANNO
- そんなに小さなコンピューターで、お金を数えられるんですか?
- HIGEDARUMA
- 硬貨を見分けるのは、コインセレクター。ゲーム機にも入っている部品で、通販で買えるんです。
- BANNO
- じゃあ、ピコには、どうやって金額を伝えるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 電気の合図を、ピッ、ピッと送るんです。硬貨の種類ごとに、1回から6回まで。
- BANNO
- 回数で伝えるんですね!ピコはその回数を数えて、金額を足していくと。
- HIGEDARUMA
- そうです。足した合計を、電卓みたいな数字の表示に出しているんですよ。
- BANNO
- で、ボタンを押したら、いよいよ印刷ですね。
- HIGEDARUMA
- はい。印刷するのは、お店のレシートと同じ、サーマルプリンターなんです。
- BANNO
- 外側の箱はどうなんでしょう。いかにも自販機、って感じですけど。
- HIGEDARUMA
- そこがまた面白くて。外側は、百均の小物入れとアレンジシートで作った、手作りなんです。
- BANNO
- 百均!あの見た目で…。これなら、ちょっと作ってみたくなりますね。
- HIGEDARUMA
- ただ、完成までには苦労もあったんです。電源の部品が、手元に足りなくて。
- BANNO
- 電源の部品、というと?
- HIGEDARUMA
- 部品によって、欲しい電気の強さ、つまり電圧が違うんですよ。
- HIGEDARUMA
- それを手持ちの部品だけで、一度下げてから、また上げる、遠回りな形で合わせていたんです。
- BANNO
- 遠回り。それだと、どこかに無理がかかりそうですね。
- HIGEDARUMA
- はい。使える電気の量が、ギリギリの状態だったそうです。
- HIGEDARUMA
- そんなとき、電子部品の通販会社マウザーの、モノづくり支援キャンペーンに当選したんです。
- BANNO
- 作者のページには、当選した!!って、びっくりマーク2つで書いてありました。
- HIGEDARUMA
- それで電源をしっかり補強して、2023年6月に完成。安定して印刷できるようになりました。
- BANNO
- 作ったのは、BBコリーさん。この作品は、コンテストでも評価されたんですよね。
- HIGEDARUMA
- Mouser Make Awards 2023で、ファイナリストに選ばれています。
- BANNO
- 審査員の方は、どんなふうに見たんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 見た目の完成度と芸術性がとても高く、言葉にしにくい不思議な魅力がある、と。
- BANNO
- どんなものが売れるのか考えさせられる、とも書かれていました。まさに、ですね。
- HIGEDARUMA
- その後も、Maker Faire Tokyoなどの展示会に出展されているんですよ。
- BANNO
- 会場で見かけたら、絶対にお金を入れてみたくなりますね。
- BANNO
- さて、ここで、今日できる小さな一歩です。
- BANNO
- まずは、身の回りで、長いほど面白いものを、1つ考えてみてください。
- HIGEDARUMA
- たとえば、しりとりや早口言葉。長さで売ったら何が面白いか、考えるだけで楽しいんです。
- BANNO
- 作ってみたい人は、何から始めたらいいでしょう?
- HIGEDARUMA
- マイコンから動かせるレシートプリンターを、通販で1つ調べてみてください。
- BANNO
- 百均で、外側の箱になりそうな小物入れを探すのも、楽しそうですね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、構成図やデモ動画も載っています。ぜひ、のぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、入れたお金のぶんだけ長さを買える自販機、ショップバリューでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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