名前を言うとレーザーが部品を指す「壁面在庫管理システム Chip Wall」|もう部品を探さない壁
ProtoPedia の作品「壁面在庫管理システム Chip Wall」を2人のMCが初心者目線で紹介。電子工作の部品を袋に入れてガレージの壁に吊るし、欲しい部品の名前を言うと、スマホを載せた首振り台が向きを変えてレーザーで袋を指し示します。QRコードとARで位置を覚える仕組み、スマホのライトでレーザーを点ける配線いらずの工夫、狭い壁にぎっしり吊るす3Dプリントのハンガーまで。DigiKey Make ONE Challenge 2026 優秀賞。
チャプター
0:00オープニング0:20名前を言うと、部品を指す壁1:01探す時間が、ほとんど1:47スマホを載せた首振り台3:10袋ごとにQRコードのラベル5:49洗濯バサミで、袋を吊るす6:52審査員「純粋に欲しい」8:05エンディング
文字起こし(77行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、壁面在庫管理システム Chip Wall。
- BANNO
- 壁面の在庫管理、ですか。壁に何かを、しまっておく仕組みでしょうか?
- HIGEDARUMA
- はい。電子工作の部品を、ガレージの壁にずらっと吊るしておくんです。
- HIGEDARUMA
- そして、欲しい部品の名前を言うと、赤いレーザーの点が、その部品の袋を指してくれます。
- BANNO
- えっ、声で呼ぶだけで、探し物の場所を教えてくれるんですか!
- BANNO
- そもそも、部品を探すのって、そんなに大変なんですか?
- HIGEDARUMA
- 電子工作の部品は、米粒や豆粒くらいの小さな物が多くて、種類もたくさんあるんです。
- BANNO
- 引き出しの中で、あれ、どれだっけ、ってなりそうですね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんも、探す時間がほとんど、同じ部品を何度も買うのは、日常茶飯事、と書いています。
- BANNO
- わかります!家でもハサミが見つからなくて、新しいのを買ったら、あとで出てきたりしますよね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。しかも作業場は、狭いガレージ。壁に並べれば見渡せますが、場所を取ってしまうんです。
- BANNO
- 見渡しやすさと、たくさんしまえること。その両方がほしい、ということですね。
- BANNO
- 実際に使っているところは、どんな感じなんですか?
- HIGEDARUMA
- 作業台に、スマホを載せた首振り台が置いてあります。そこに向かって、部品の名前を言うんです。
- HIGEDARUMA
- デモ動画では、ACS712、という部品の名前を言っていました。
- BANNO
- なんだか、呪文みたいな名前ですね。
- HIGEDARUMA
- 電気の量を測る部品の、型番なんです。名前を言うと、首振り台がくるっと回って。
- HIGEDARUMA
- 壁の袋のひとつに、赤い点がぴたっと当たります。ほら、すぐに見つかりました、と。
- BANNO
- 何百もある袋の中から、一発で!これは気持ちいいですね。
- HIGEDARUMA
- ちなみにレーザーの光は目を傷めることがあるので、直接のぞきこまないよう注意されています。
- BANNO
- 大事なことですね。ほかの探し方も、あるんですか?
- HIGEDARUMA
- 作りたい物の、部品表から探すこともできます。
- BANNO
- 部品表、というのは?
- HIGEDARUMA
- 料理でいう、材料の一覧です。選ぶと、必要な部品が壁のどこにあるか、画面にまとめて出てきます。
- BANNO
- カレーを作るなら、ニンジンとお肉とルーのありかが、全部いっぺんに分かる、みたいな感じですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。スマホを手で持って、画面の矢印をたどって探すこともできますよ。
- BANNO
- でも、どの袋がどこにあるかって、どうやって覚えているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- まず、袋のひとつひとつに、QRコードのラベルを貼ります。
- HIGEDARUMA
- それから壁に1枚、ここが基準です、という目印のQRを貼っておくんです。
- BANNO
- スタート地点の目印、ですね。
- HIGEDARUMA
- そこからスマホのカメラで壁を見回すと、ARという技術で、目印から各袋までの位置を記録します。
- BANNO
- ARって、よく聞くんですけど、何なんですか?
- HIGEDARUMA
- カメラの映像から、壁がどこにあって、スマホがどっちを向いているかを割り出す技術です。
- HIGEDARUMA
- だから、目印から右にどれくらい、上にどれくらい、という袋の位置を覚えられるんです。
- BANNO
- 記録するときも、首振り台にスマホを載せたまま、なんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。首振り台が手ブレを抑えてくれるので、壁に沿って動かすと、サクサク読み取れるんですよ。
- BANNO
- では、探すときです。首振り台は、どうやって部品の方を向くんですか?
- HIGEDARUMA
- Appleが、アプリから首振り台を動かせる仕組み(DockKit)を、用意しているんです。
- HIGEDARUMA
- それを使って、記録しておいた袋の位置に向けて、首振り台を回します。
- BANNO
- じゃあ、レーザーはどうやって点くんですか?スマホと線でつながっているとか?
- HIGEDARUMA
- ここが一番面白いところで、スマホとレーザーは、線でつながっていないんです。
- HIGEDARUMA
- 首振り台が向いたら、iPhoneのライトを、薄く点けます。
- BANNO
- ライトを?部品を照らすため、ではないんですか?
- HIGEDARUMA
- ライトの真ん前には、明るさを感じる小さな部品が置いてあるんです。
- HIGEDARUMA
- その部品が光を感じると、スイッチ役の部品が、レーザーに電気を流します。
- BANNO
- スマホのライトが、レーザーのスイッチ代わりなんですね!賢い。
- BANNO
- ひとつ気になったんですが、首振り台の置き場所がずれたら、狙いもずれませんか?
- HIGEDARUMA
- 鋭いです。記録した位置は、首振り台の場所が基準なので、ずれると狙いも外れます。
- HIGEDARUMA
- そこで、首振り台を置く台座を机に貼り付けて、いつも同じ場所に置くようにしています。
- BANNO
- 地味だけど、大事な工夫ですね。
- HIGEDARUMA
- 全体の構成です。在庫の数は、手のひらサイズのコンピューターで動く、在庫管理ソフトに入っています。
- HIGEDARUMA
- アプリはそこと、やり取りします。袋に貼るラベルも、ラベルプリンターで印刷するんです。
- BANNO
- 袋に貼るラベルまで、ちゃんと仕組みの一部なんですね。
- BANNO
- 壁の写真、すごい数の袋ですね!これ、どうやって吊るしているんですか?
- HIGEDARUMA
- 穴の空いた板に、太さ9mmのアルミのパイプを渡して、そこに洗濯バサミで袋を挟んでいます。
- HIGEDARUMA
- 工夫は、洗濯バサミが斜めを向くように角度を付けたハンガーを、3Dプリンターで作ったことです。
- BANNO
- 斜めにすると、どうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- 袋が少しずつ重なるように並ぶので、同じ壁の幅に、ぐっと詰めて吊るせるんです。
- BANNO
- 見渡せるのに、ぎっしり。最初の悩みに、ちゃんと答えていますね。
- HIGEDARUMA
- ただ、まだ途中のところもあります。スマホを首振り台に載せたまま、無線で充電しようとしたら。
- HIGEDARUMA
- 首振り台から取れる電気が足りなくて、充電器が再起動を繰り返してしまうそうです。
- BANNO
- うまくいかないところも、正直に書いてあるのがいいですね。
- HIGEDARUMA
- 今は手元の部品で組んだ回路を、専用の基板にして、完成度を上げる予定だそうです。
- BANNO
- この作品は、DigiKeyのコンテストで、優秀賞に選ばれています。
- HIGEDARUMA
- 審査員からは、純粋に欲しい、便利そう、という声が上がったそうです。
- BANNO
- わかります。わたしも、家じゅうの物に付けたいくらいです。
- HIGEDARUMA
- 物の場所を、IPアドレスのように扱う発想にも広がりがある、と話題になったそうですよ。
- BANNO
- 作ったのは、ysuitoさん。三角コーンで草を刈る、Roktrackの作者さんでもあります。
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、仕組みの図や動く様子がたっぷり。リンクは概要欄にまとめておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩です。家の引き出しを1つ選んで、中身を全部出してみてください。
- BANNO
- 小さな袋や箱に分けて番号を書いたら、どの番号に何を入れたか、スマホのメモに残す。
- HIGEDARUMA
- 名前から、番号が分かる。それがもう、Chip Wallの第一歩です。探す時間が、ぐっと減りますよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、名前を言うとレーザーで部品を指してくれる、壁面在庫管理システム Chip Wallでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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