1円玉より小さいゲーム機「一閃ボーイ!」|一寸法師の道具で遊ぶ1.1cmの電子工作
ProtoPedia の作品「世界イチ小さい!?1.1cmのゲーム機 "一閃ボーイ!"」を2人のMCが初心者目線で紹介。針で触って操作する1辺1.1cmのゲーム機、お椀の台で大画面、打ち出の小槌とカメラで体ごと遊ぶ鬼退治。LEDが取れたピンチを救ったレジンの話、初心者の後輩と小学2年生の娘さんを巻き込んだチーム作りまで。DigiKey Make ONE Challenge 2026 最優秀賞。
チャプター
文字起こし(75行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、世界イチ小さい!?1.1cmのゲーム機、一閃ボーイ!
- BANNO
- 1.1センチって、どれくらいですか?ちょっと想像がつかないです。
- HIGEDARUMA
- 1円玉の直径が2センチなので、その半分くらい。すごろくのサイコロより、ひと回り小さい箱なんです。
- BANNO
- えっ、そんなに小さな中に、ゲームが入っているんですか!
- HIGEDARUMA
- 画面もボタンも、電池も入っています。作者は、世界最小かも、僕調べ、と書いているんですよ。
- BANNO
- 僕調べ、正直でいいですね。でも、小さすぎて遊べるのか気になります。
- HIGEDARUMA
- そこが、この作品の面白いところなんです。順番に見ていきましょう。
- BANNO
- まずは名前から。一閃ボーイって、何から来ているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 昔話の一寸法師なんです。一寸は約3センチ。それを1センチに言い換えて、イッセンチのボーイ、なんですよ。
- BANNO
- なるほど!本家の一寸法師より、さらに小さいんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、一寸法師に出てくる針、お椀、打ち出の小槌を、ぜんぶ遊び道具にしているんです。
- BANNO
- 道具まで!じゃあ、ボタンはどうやって押すんですか?指じゃ大きすぎますよね。
- HIGEDARUMA
- そこで登場するのが、針の剣です。先っぽで、画面の下にある金色の小さな点を、ちょんと触るんですよ。
- BANNO
- 一寸法師が、針の刀で戦うのと同じなんですね。かわいい。
- HIGEDARUMA
- 電子工作では、電気を測る道具の棒の先で、部品を載せた板をちょんと触って確かめます。その動きを、そのままボタンにしたんです。
- BANNO
- 作る人におなじみの動きが、遊びになっているわけですね。
- HIGEDARUMA
- ゲームは3つ入っています。ひとつ目は、キャラを育てるゲーム。部品をあげると、やる気が回復するんです。
- BANNO
- ごはんじゃなくて部品!電子工作の世界らしいですね。
- HIGEDARUMA
- ふたつ目は川下り。右から流れてくる丸太や生き物を、上下によけてゴールを目指します。
- BANNO
- でも、この小さな画面だと、周りの人には見えないですよね?
- HIGEDARUMA
- そこでお椀です。お椀の形の台に本体をのせると、パソコンとつながって、大きな画面に映せるんですよ。
- BANNO
- 一寸法師が乗った、お椀の舟ですね。見ている人も一緒に盛り上がれます。
- HIGEDARUMA
- そして3つ目が、鬼との対戦なんです。鬼の役は、なんと人間がやります。
- BANNO
- 人間が鬼に?どうやって戦うんですか?
- HIGEDARUMA
- カメラが鬼役の人の顔と手の動きを見ていて、手を挙げて振り下ろすと、こん棒で攻撃できるんです。
- BANNO
- 体ごと参加できるんですね。子どもが鬼をやったら、絶対盛り上がりますよ。
- HIGEDARUMA
- さらに、お姫様役の人が打ち出の小槌を振ると、光がたまって、一閃ボーイを助けられるんですよ。
- BANNO
- 小さなゲーム機ひとつから、みんなで遊べる場所が広がっていくんですね。
- BANNO
- それにしても、1.1センチの中身は、どうなっているんでしょう。
- HIGEDARUMA
- 中には、1センチ四方の板が2枚と、ボタン電池が、ネジで留めてあるんです。
- BANNO
- 板が2枚。それぞれ、どんな役目なんですか?
- HIGEDARUMA
- 上の板が画面です。米粒よりずっと小さいLEDが50個並んでいて、光る点で絵を出します。
- HIGEDARUMA
- 下の板には、3ミリ角の小さなコンピューター、マイコンが載っていて、これがゲームの頭脳なんですよ。
- BANNO
- 3ミリの頭脳!じゃあ、針で触ると、なぜボタンになるんですか?
- HIGEDARUMA
- 針の先は、電気を通す金属なんです。金色の点のすき間をまたいで触ると電気がつながって、マイコンが、押された、と気づくんですよ。
- BANNO
- なるほど、針そのものが、小さなスイッチの役をしているんですね。
- HIGEDARUMA
- 全体のつながりは、この図です。本体、お椀の台、小槌、それにカメラ付きのパソコンが、連携して動きます。
- BANNO
- 小槌のほうは、どうやって振り方を見分けているんですか?
- HIGEDARUMA
- 小槌の中には、動きを測るセンサーと、AIの計算が得意な小さなコンピューターが入っています。
- HIGEDARUMA
- 振り方をその場で見分けるので、ネットにつながなくても判定できるんですよ。
- BANNO
- 遊び道具の中に、AIまで入っているんですね。
- BANNO
- ここまで詰め込むの、相当大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 一番の苦労は、やっぱり大きさです。1センチの板でも、工場の決まりで端は使えない。実際に使えるのは9ミリほどなんです。
- BANNO
- 1ミリでも惜しい世界ですね。
- HIGEDARUMA
- LEDの向きを互い違いに並べたり、留めるネジまで配線に使ったりして、やっと収めたんですよ。
- BANNO
- ネジまで電気の通り道に!本当に、すき間なしですね。
- HIGEDARUMA
- ところが最後の最後に、LEDがむき出しだと壊れる、と分かって。カバーを付けると、サイズオーバーしそうになったんです。
- BANNO
- えっ、ここまで来て!どうしたんですか?
- HIGEDARUMA
- 試作のカバーを無理やり付けていたら、LEDがひとつ、ぽろっと取れてしまって。
- HIGEDARUMA
- それで、透明な樹脂で固めて守ればいい、とひらめいたんです。光を当てると固まる、レジンですね。
- BANNO
- レジンって、アクセサリー作りでよく使う、あれですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。実は、娘さんが趣味のハンドメイドで使っていたのが、ヒントになったんですよ。
- BANNO
- 失敗が、家族のおかげでひらめきに変わったんですね。いい話です。
- BANNO
- チームのことも、聞かせてください。
- HIGEDARUMA
- チームは3人。リーダーの作者のほかに、電子工作が初めての後輩さんと、小学2年生の娘さんが参加しています。
- BANNO
- 小学2年生!何を担当したんですか?
- HIGEDARUMA
- 小槌のイメージを考えて、初めての設計ソフトで、部品の一部を作ったんです。後輩さんは、初めてのAIづくりに挑戦しました。
- BANNO
- みんなそれぞれ、初めてに挑んでいるんですね。
- HIGEDARUMA
- キャラの設定も面白くて。一閃ボーイは、ひとりで黙々と技術を磨いてきた、小さな存在なんです。
- HIGEDARUMA
- その彼が展示会に出て、仲間と出会い、強い人と競い合う。3つのゲームは、その順番になっているんですよ。
- BANNO
- 作品そのものが、作り手の物語になっているんですね。グッときます。
- BANNO
- そしてこの作品、コンテストで最優秀賞を取ったんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。DigiKey Make ONE Challenge 2026の最優秀賞です。小さいだけでなく、ちゃんと遊べる作品になっている点が評価されました。
- BANNO
- 作者は、電子工作は、買った部品を積んだままにしちゃうこともある、と書いていますよね。
- HIGEDARUMA
- でも今回、いつかやろうと思っていたことに沢山挑戦できて、自分の世界を一段、二段と広げられた、と振り返っているんです。
- BANNO
- その言葉、背中を押されますね。作り方の詳しい話は、作品ページにたっぷり載っていますよ。
- BANNO
- では、今日できる最小の一歩です。
- HIGEDARUMA
- この作品のイルミ姫は、LEDをチカチカ光らせてみた、くらいの初心者という設定なんです。
- BANNO
- まずはそこからですね。LEDを1個、光らせてみる。
- HIGEDARUMA
- 電子工作の入門キットなら、手順どおりにつなぐだけで光ります。その1個の光が、一閃ボーイへの第一歩なんですよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、1円玉より小さな、一寸法師のゲーム機、一閃ボーイでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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