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話しかけると卵から動物が生まれる「デジたま2 the AI」|言葉の数だけ、AIが新しい動物を描く

紹介した作品: デジたま2 the AI ProtoPedia での反響: 閲覧 1,300+ ・ ♥ 21

ProtoPedia の作品「デジたま2 the AI」を2人のMCが初心者目線で紹介。手のひらの卵に話しかけると、その言葉に合った動物をAIが選んで絵を描き、卵の小窓が開いて楕円の画面に動物が生まれます。シカ・ニワトリ・タカの実例、声が絵になるまでの4段リレー、前作で10種類程度が限度だった悩みを生成AIで解き直した物語、唯一見つけた楕円の液晶と卵型の自作基板という本気のハードまで。

チャプター

文字起こし(99行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、デジたま2 the AI。
BANNO
デジたま。卵、なんですか?
HIGEDARUMA
そうなんです。手のひらに乗る卵に話しかけると、その言葉に合った動物が、卵の中に生まれるんですよ。
BANNO
えっ、何が生まれるかは、話しかけた言葉しだいなんですか?
HIGEDARUMA
まさにそこです。作ったのは、卵育て隊というチームの5人なんです。
BANNO
卵育て隊。名前からして楽しそうですね。
HIGEDARUMA
ちなみに、お金をがっぽがっぽ儲けてね、と話しかけたら、生まれたのは……あとでお話しします。
BANNO
ええっ、気になります。今日はその不思議な卵の話ですね。
BANNO
まず、どうやって遊ぶのか教えてもらえますか?
HIGEDARUMA
はい。卵はふだん、専用のスタンドに乗っています。それを手で持ち上げるところから始まるんです。
BANNO
持ち上げたら、どこかのボタンを押すんですか?
HIGEDARUMA
それが、持ち上げるだけでいいんです。スタンドから離すと、中のスイッチが入る作りなんですよ。
BANNO
説明書を読まなくても始められるのは、いいですね。
HIGEDARUMA
そのまま卵に話しかけます。すると答えが出るまでの間、卵の中の明かりがピカピカ光るんです。
BANNO
光って待つんですね。ちょっとドキドキしますね。
HIGEDARUMA
作者も、ドキドキ感を演出するため、と書いています。そして最後に、卵の小窓がパカッと開くんです。
BANNO
窓の中には何があるんですか?
HIGEDARUMA
卵の形に合わせた、楕円の画面です。そこに、生まれた動物の絵が映るんですよ。
BANNO
本当に卵から生まれたみたいですね。どんな動物が出てきたんですか?
HIGEDARUMA
卵の機械を作る前に、パソコンの画面の卵で試した発表がありまして。その時の例を紹介しますね。
HIGEDARUMA
穏やかで優しい子供になってね、と話しかけたら、生まれたのはシカでした。
BANNO
シカ。たしかに穏やかで優しそうです。
HIGEDARUMA
では最初の予告です。お金をがっぽがっぽ儲けて、親に散々贅沢させてね、と話しかけると。
BANNO
お金持ちっぽい動物……なんでしょう?
HIGEDARUMA
なぜか、ニワトリでした。作者も、いまいち金持ちっぽくないんですけど、と笑っていました。
BANNO
ニワトリ!でも毎日卵を産むから、ある意味お金持ちかも。
HIGEDARUMA
さらに、世界征服を企んでくれ、と頼んだら、怪しいタカが生まれたんです。世界はタカに征服されるらしいです、と作者。
HIGEDARUMA
皆さん気をつけましょう、と締めて、会場は笑いに包まれていました。
BANNO
思い通りでも、ちょっと外れても楽しい。次は何かな、ってつい話しかけたくなりますね。
HIGEDARUMA
審査員の方も、生まれるまでのワクワクが、音楽のサビを待つ感覚に似ている、と評価していました。
BANNO
ところで、名前に2とついているということは、1もあるんですか?
HIGEDARUMA
あるんです。2019年に、同じリーダーのチームが作った、前作のデジたまです。
HIGEDARUMA
前作は、温度などを測るセンサーの値で、生まれる動物を変えていたんですよ。
BANNO
センサーの値で決めるのも、面白そうに聞こえますけど。
HIGEDARUMA
それが、何度ならこの動物、というルールが、なかなか決まらなかったそうなんです。
HIGEDARUMA
しかも動物の絵は、3DCGまで全部手作り。1つ作るのに膨大な時間がかかったんです。
BANNO
手作りだと、何種類くらい用意できたんですか?
HIGEDARUMA
作者いわく、10種類程度が限度。開発には、1人なら9か月かかるほどの作業量を注ぎ込んだそうです。
HIGEDARUMA
それに、温める卵と、画面のある卵が別々で、温めている感じが薄れていた、とも書いています。
BANNO
そこから、どうして2を作ろうとなったんでしょう?
HIGEDARUMA
数年たって、AIに頼めば動物選びも、絵を描くのも簡単な時代になったんです。
HIGEDARUMA
作者は、今ならAIを使えば圧倒的に楽に作れるのでは?と考えたんですよ。
BANNO
昔あきらめた悩みを、新しい道具で解き直したんですね。
HIGEDARUMA
まず1週間のハッカソンで、卵の機械は作らずに、ソフトの部分だけ2人で試しました。
BANNO
結果はどうだったんですか?
HIGEDARUMA
賞は取れなかったんですが、いい感じだった、と。そこで本物の卵まで作り込んだんです。
BANNO
小さく試して、手ごたえをつかんでから本番。いい進め方ですね。
BANNO
では、話しかけた声が動物の絵になるまで、中で何が起きているんですか?
HIGEDARUMA
登場人物は3つです。卵と、スタンドに入った小さなパソコン、そしてネットの向こうのAIなんです。
BANNO
スタンドの中にも、パソコンが入っているんですか?
HIGEDARUMA
はい。Raspberry Piという、手のひらサイズのパソコンです。卵とネットの橋渡し役なんですよ。
HIGEDARUMA
流れはリレーのように4段です。1段目は、声を文字に書き起こすこと。Googleのサービスを使います。
BANNO
スマホの音声入力みたいなものですね。
HIGEDARUMA
そうです。2段目で、その文字をChatGPTに渡して、この言葉に合う動物を1つ選んで、と頼むんです。
BANNO
動物を選ぶのはAIのお仕事なんですね。
HIGEDARUMA
3段目は、選ばれた動物の名前を、絵を描くAIのDALL-E 3に渡して、イラストを描いてもらいます。
HIGEDARUMA
4段目で、その絵を卵の画面の大きさに縮めて、卵に送るんです。
BANNO
待っている間に光るのは、どういう仕組みなんですか?
HIGEDARUMA
処理の途中で、スタンドのパソコンが卵に、今ここまで進んだよ、と何回か知らせているんです。それで光り方が変わるんですよ。
BANNO
なるほど。前作で悩んでいたルール作りは、どうなったんですか?
HIGEDARUMA
そこがポイントです。言葉から動物を選ぶのはAI、絵を描くのも別のAI。役割を分けたので、ルールも絵の手作りもいらなくなったんです。
BANNO
つまり、話しかける言葉の数だけ、生まれる動物があるということですね。
BANNO
でも、見た目は可愛い卵ですよね。中身を作るのは大変だったんでしょうか?
HIGEDARUMA
ここからが、エンジニアとして一番グッとくるところなんです。
HIGEDARUMA
卵の中に、なるべく大きな画面を入れたい。それで、卵の形に合う楕円の液晶画面を探したんです。
BANNO
楕円の画面なんて、売っているんですか?
HIGEDARUMA
探して、唯一見つかった製品を使ったそうです。ただ、これが大変でした。
HIGEDARUMA
つなぐための線が13本も必要で、最初に選んだ小さなコンピューター基板では、つなぎ口が足りなかったんです。
BANNO
つなぎ口が足りないと、どうするんですか?
HIGEDARUMA
基板をRaspberry Pi Pico Wという別のものに変えて、一から設計し直しました。それでも足りず、つなぎ口を増やす部品まで足したんです。
HIGEDARUMA
一からやり直したうえに、液晶と同じ形の、卵型の基板まで自分たちで作ったんですよ。卵にぴったり収まるように。
BANNO
基板まで卵の形なんですね!
HIGEDARUMA
しかもこの画面、動かすためのお手本のプログラムが、まったく無かったんです。
BANNO
お手本が無いと、どうやって動かすんですか?
HIGEDARUMA
部品の分厚い説明書を読み込んで、一から自分で書いたそうです。
HIGEDARUMA
卵の中では、画面、光、通信、ネット、モーターの5つの仕事を、同時に進めているんですよ。
BANNO
5つも同時に。人間だったら手が足りませんね。
HIGEDARUMA
気がつくと、プログラムは全部で4800行ほどになっていたそうです。
HIGEDARUMA
卵とスタンドの通信も、最初の無線ではトラブルの嵐で、最後はWi-Fiでつなぐ方法に切り替えたんです。
HIGEDARUMA
聞くだけで苦労が伝わりますよね。試作を重ねて、手元が卵の殻でいっぱいになったそうです。組み立ても知恵の輪のようだったとか。
BANNO
卵の殻でいっぱい。なんだか微笑ましいです。
HIGEDARUMA
リーダーのところから戻ってくる卵は、必ずバラバラになって帰ってくる、という話もありました。
BANNO
分解好きのリーダーなんですね。でも、そこまでやるから、あの可愛い卵になるんですね。
HIGEDARUMA
審査員も、可愛らしい見た目とは裏腹に、幅広い技術を詰め込んだ圧巻の力作、と評価していました。
BANNO
そして、この作品は賞を2つも取っているんですよね。
HIGEDARUMA
はい。ヒーローズ・リーグ2024で、声を使った操作の工夫に注目するVUI賞と、ミュージックビジネス賞のダブル受賞です。
BANNO
作ったのは、卵育て隊の5人。少ない人数で、ここまで作り込んだんですね。
HIGEDARUMA
チームは、次の展示に向けて開発を続けると書いていました。最新版は音も鳴らせて、鼓動の音のような演出もできそうだそうです。
BANNO
昔あきらめた悩みも、新しい技術で解き直せる。勇気をもらえる作品ですね。
BANNO
じゃあ、見てくれた人が今日できることって、何でしょう?
HIGEDARUMA
ChatGPTに、好きな言葉を伝えて、この言葉に合う動物を1つ選んで、と頼んでみてください。
HIGEDARUMA
その動物の絵も描いて、と頼めば、デジたまの頭脳の部分を、スマホひとつで体験できるんです。
BANNO
それならすぐできますね。私は、ゆっくりしたい、で試してみます。
BANNO
作品ページや前作、ハッカソン版へのリンクは、概要欄に置いておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、話しかけた言葉で動物が生まれる卵、デジたま2 the AIでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
デジたま2 the AI
作者: akitam・Kuta・nakako・S.Shimizu・TakSan
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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