輪ゴムが当たると的が吹っ飛ぶ「スパコーン」|小さな一発を大きなリアクションに変えるおもちゃ
ProtoPedia の作品「スパコーン」を2人のMCが初心者目線で紹介。ゴム鉄砲の的を、輪ゴムが当たった瞬間に真上へ跳ね飛ばす台です。揺れを感じる「耳」(ピエゾセンサー)、電気をためる「ため池」(コンデンサー)、天板を突き上げる「腕」(ソレノイド)のしくみ、部品を兼用する工夫、子どもたちが遊び方を発明した「余白のあるおもちゃ」という裏テーマまで。
チャプター
0:00オープニング0:20輪ゴムが当たると、的がスパコーン1:05当たっても、パタッと倒れるだけ2:18飛ばす力は、輪ゴムではない4:231つの部品を、耳とスピーカーに兼用5:30子どもたちが、遊び方を発明した6:47小さな合図 + ためた力 = 大きなリアクション7:42エンディング
文字起こし(71行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、スパコーン。
- BANNO
- スパコーン。名前からして、もう楽しそうですね。
- HIGEDARUMA
- ゴム鉄砲の的を乗せておくと、輪ゴムが当たった瞬間に、的が真上へスパコーンと吹っ飛ぶ台なんです。
- BANNO
- えっ、当たった的が吹っ飛ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作ったのは、tettou771さん。昔からゴム鉄砲が大好きな作り手なんですよ。
- BANNO
- でも輪ゴムって、そんなに力はないですよね。どうして吹っ飛ぶのか、今日はそこを聞きたいです。
- BANNO
- 子どものころ、ゴム鉄砲で遊んだことはありますけど、的ってどうなりましたっけ?
- HIGEDARUMA
- 空き箱や紙の的に当てても、パタッと倒れるくらいなんですよね。
- BANNO
- たしかに。当たったのは嬉しいけど、ちょっと地味でした。
- HIGEDARUMA
- 作者も、まさにそこが気になっていたんです。
- HIGEDARUMA
- ゴム鉄砲は、自分のアイデアを試せる余地が大きい、とてもクリエイティブな遊びだと書いています。
- HIGEDARUMA
- でも力が弱いので、どうしても地味な遊びになりがち。そこで、的の吹っ飛び方をアンプしてみよう、と考えたそうです。
- BANNO
- アンプって、ギターの音を大きくする、あのアンプですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。小さな音を大きくするように、小さな当たりを、大きなリアクションに増幅するんです。
- BANNO
- なるほど。じゃあ遊び方はどうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- 的をスパコーンのフタに乗せて、スイッチを押せば準備完了。あとは輪ゴムを当てるだけです。
- HIGEDARUMA
- コツンと当たった瞬間に、フタがパカッとひっくり返って、的が真上に飛んでいくんですよ。
- BANNO
- パタッ、がスパコーン、に変わるんですね。それは気持ちいいです!
- BANNO
- でも、やっぱり不思議です。輪ゴムにそんな力はないですよね?
- HIGEDARUMA
- いいところに気づきましたね。実は、的を飛ばす力は、輪ゴムが出しているわけではないんです。
- BANNO
- えっ、じゃあ何が飛ばしているんですか?
- HIGEDARUMA
- スパコーンの中にためておいた電気です。輪ゴムは、スタートの合図を出すだけなんですよ。
- BANNO
- 合図だけ。かけっこのピストルみたいなものですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。中の仕組みを、耳と、ため池と、腕に分けて説明しますね。
- HIGEDARUMA
- まず耳。ピエゾセンサーという、揺れを電気の信号に変える薄い部品が、天板の揺れを感じ取ります。
- BANNO
- ピエゾセンサー。初めて聞く名前です。どんな部品なんですか?
- HIGEDARUMA
- 電子ブザーに入っている、あの丸くて薄い部品と同じものなんですよ。
- BANNO
- 身近な部品なんですね。では、腕はどれですか?
- HIGEDARUMA
- ソレノイドという部品です。電気を流すと、中の鉄の棒が勢いよくバシッと飛び出すんです。
- HIGEDARUMA
- この棒がフタを下から突き上げて、ひっくり返すんですよ。
- BANNO
- なるほど。じゃあ、ため池というのは?
- HIGEDARUMA
- スパコーンは小さな電池で動くので、そのままでは腕を動かす力が足りないんです。
- HIGEDARUMA
- そこで、回路で電気の勢い、つまり電圧を上げてから、コンデンサーという、電気の小さなため池のような部品にためておきます。
- BANNO
- スイッチを入れたときの、準備完了というのは、そのため池をいっぱいにしているんですね。
- HIGEDARUMA
- そのとおりです。ためておいた電気を、輪ゴムの合図で一気に腕へ流す。だから小さな当たりで、大きく飛ぶんです。
- BANNO
- 耳で感じて、ため池の力で、腕が突き上げる。すごく分かりやすいです。
- HIGEDARUMA
- ちなみに頭脳は、Arduinoと同じ種類の小さなコンピューターのチップで、基板も自分で作っています。外側のケースは3Dプリンターなんですよ。
- BANNO
- ほかにも、作り手ならではの工夫はありますか?
- HIGEDARUMA
- あります。個人開発者として、思わずうなったのが、さっきの耳の部品の使い方なんです。
- HIGEDARUMA
- ピエゾは、揺れを感じる耳として使うだけでなく、音を鳴らすスピーカーとしても兼用しているんです。
- BANNO
- 1つの部品に2つの仕事をさせているんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。わずかですが部品を減らせた、と作者は書いています。小さなおもちゃでは、この1個が効くんですよ。
- BANNO
- でも、耳が敏感すぎると、関係ない音でも飛んでしまいませんか?
- HIGEDARUMA
- そこも考えてあります。音の振動のような、細かくて速い揺れは無視する、ふるいのような計算をかけているんです。
- HIGEDARUMA
- さらに、遊び方によってちょうどいい敏感さが違うので、ボタンで感度を変えられるようにしてあるんです。
- BANNO
- 遊ぶ人に合わせて調整できるのは、うれしいですね。
- HIGEDARUMA
- おまけに、スパコーンと言ってくれるだけのサイトまで作っているんですよ。
- BANNO
- 言ってくれるだけ!そういう遊び心、好きです。
- BANNO
- 実際に遊んだ人の反応は、どうだったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作者が何人かの子どもに貸し出してみたら、思わぬことが起きたんです。
- HIGEDARUMA
- 子どもたちは、ゴム鉄砲の枠を超えて、いろいろな遊び方を自分で発明していたそうです。
- BANNO
- 作った人が考えていなかった遊びを、子どもが生み出したんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は、結局一番楽しい遊びは発明だと思っている、と書いています。
- HIGEDARUMA
- そこから、余白のあるおもちゃ、というのがスパコーンの裏テーマになったそうです。
- BANNO
- 遊び方を決めすぎないから、使う人が自由に考えられる。素敵な考え方ですね。
- BANNO
- 作品ページのコメントには、動画を見た子どもが、これ欲しい、なんで売ってないの、と怒っていた、という声までありました。
- HIGEDARUMA
- 審査をした大人の作り手からも、なぜ自分が作らなかったのか悔しい、という声が出たくらいなんですよ。
- HIGEDARUMA
- ヒーローズ・リーグ オンライン2020では、PROTOTYPE.FM賞と、わーかーさっ賞の2つを受けています。
- HIGEDARUMA
- 翌年には、ソレノイドを使った作品のコンテストで、いちばん上のソレコン大賞にも選ばれているんです。
- BANNO
- まさに腕の部品が主役のコンテストで、大賞なんですね。
- BANNO
- 今日の話をまとめると、小さな合図と、ためておいた力で、大きなリアクションを生む、ということですね。
- HIGEDARUMA
- はい。小さな入力を大きく増幅する、という考え方は、いろいろなものづくりに使えるんですよ。
- BANNO
- では、今日の一歩です。輪ゴム1本と空き箱で、的当てをしてみてください。
- BANNO
- そして、当たったらどうなったら最高か、を1つ考えてみる。それがスパコーンの出発点でした。
- HIGEDARUMA
- 電子工作に興味が出たら、電子ブザーを指でトントン叩いて、揺れが信号に変わるのを確かめるところからどうぞ。
- BANNO
- 作品ページと、デモ動画のリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、輪ゴムの一発を大きなリアクションに変える台、スパコーンでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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