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輪ゴムが当たると的が吹っ飛ぶ「スパコーン」|小さな一発を大きなリアクションに変えるおもちゃ

紹介した作品: スパコーンProtoPedia での反響: 閲覧 2,900+ ・ ♥ 17

ProtoPedia の作品「スパコーン」を2人のMCが初心者目線で紹介。ゴム鉄砲の的を、輪ゴムが当たった瞬間に真上へ跳ね飛ばす台です。揺れを感じる「耳」(ピエゾセンサー)、電気をためる「ため池」(コンデンサー)、天板を突き上げる「腕」(ソレノイド)のしくみ、部品を兼用する工夫、子どもたちが遊び方を発明した「余白のあるおもちゃ」という裏テーマまで。

チャプター

文字起こし(71行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、スパコーン。
BANNO
スパコーン。名前からして、もう楽しそうですね。
HIGEDARUMA
ゴム鉄砲の的を乗せておくと、輪ゴムが当たった瞬間に、的が真上へスパコーンと吹っ飛ぶ台なんです。
BANNO
えっ、当たった的が吹っ飛ぶんですか?
HIGEDARUMA
そうなんです。作ったのは、tettou771さん。昔からゴム鉄砲が大好きな作り手なんですよ。
BANNO
でも輪ゴムって、そんなに力はないですよね。どうして吹っ飛ぶのか、今日はそこを聞きたいです。
BANNO
子どものころ、ゴム鉄砲で遊んだことはありますけど、的ってどうなりましたっけ?
HIGEDARUMA
空き箱や紙の的に当てても、パタッと倒れるくらいなんですよね。
BANNO
たしかに。当たったのは嬉しいけど、ちょっと地味でした。
HIGEDARUMA
作者も、まさにそこが気になっていたんです。
HIGEDARUMA
ゴム鉄砲は、自分のアイデアを試せる余地が大きい、とてもクリエイティブな遊びだと書いています。
HIGEDARUMA
でも力が弱いので、どうしても地味な遊びになりがち。そこで、的の吹っ飛び方をアンプしてみよう、と考えたそうです。
BANNO
アンプって、ギターの音を大きくする、あのアンプですか?
HIGEDARUMA
そうです。小さな音を大きくするように、小さな当たりを、大きなリアクションに増幅するんです。
BANNO
なるほど。じゃあ遊び方はどうなるんですか?
HIGEDARUMA
的をスパコーンのフタに乗せて、スイッチを押せば準備完了。あとは輪ゴムを当てるだけです。
HIGEDARUMA
コツンと当たった瞬間に、フタがパカッとひっくり返って、的が真上に飛んでいくんですよ。
BANNO
パタッ、がスパコーン、に変わるんですね。それは気持ちいいです!
BANNO
でも、やっぱり不思議です。輪ゴムにそんな力はないですよね?
HIGEDARUMA
いいところに気づきましたね。実は、的を飛ばす力は、輪ゴムが出しているわけではないんです。
BANNO
えっ、じゃあ何が飛ばしているんですか?
HIGEDARUMA
スパコーンの中にためておいた電気です。輪ゴムは、スタートの合図を出すだけなんですよ。
BANNO
合図だけ。かけっこのピストルみたいなものですね。
HIGEDARUMA
まさにそれです。中の仕組みを、耳と、ため池と、腕に分けて説明しますね。
HIGEDARUMA
まず耳。ピエゾセンサーという、揺れを電気の信号に変える薄い部品が、天板の揺れを感じ取ります。
BANNO
ピエゾセンサー。初めて聞く名前です。どんな部品なんですか?
HIGEDARUMA
電子ブザーに入っている、あの丸くて薄い部品と同じものなんですよ。
BANNO
身近な部品なんですね。では、腕はどれですか?
HIGEDARUMA
ソレノイドという部品です。電気を流すと、中の鉄の棒が勢いよくバシッと飛び出すんです。
HIGEDARUMA
この棒がフタを下から突き上げて、ひっくり返すんですよ。
BANNO
なるほど。じゃあ、ため池というのは?
HIGEDARUMA
スパコーンは小さな電池で動くので、そのままでは腕を動かす力が足りないんです。
HIGEDARUMA
そこで、回路で電気の勢い、つまり電圧を上げてから、コンデンサーという、電気の小さなため池のような部品にためておきます。
BANNO
スイッチを入れたときの、準備完了というのは、そのため池をいっぱいにしているんですね。
HIGEDARUMA
そのとおりです。ためておいた電気を、輪ゴムの合図で一気に腕へ流す。だから小さな当たりで、大きく飛ぶんです。
BANNO
耳で感じて、ため池の力で、腕が突き上げる。すごく分かりやすいです。
HIGEDARUMA
ちなみに頭脳は、Arduinoと同じ種類の小さなコンピューターのチップで、基板も自分で作っています。外側のケースは3Dプリンターなんですよ。
BANNO
ほかにも、作り手ならではの工夫はありますか?
HIGEDARUMA
あります。個人開発者として、思わずうなったのが、さっきの耳の部品の使い方なんです。
HIGEDARUMA
ピエゾは、揺れを感じる耳として使うだけでなく、音を鳴らすスピーカーとしても兼用しているんです。
BANNO
1つの部品に2つの仕事をさせているんですね。
HIGEDARUMA
はい。わずかですが部品を減らせた、と作者は書いています。小さなおもちゃでは、この1個が効くんですよ。
BANNO
でも、耳が敏感すぎると、関係ない音でも飛んでしまいませんか?
HIGEDARUMA
そこも考えてあります。音の振動のような、細かくて速い揺れは無視する、ふるいのような計算をかけているんです。
HIGEDARUMA
さらに、遊び方によってちょうどいい敏感さが違うので、ボタンで感度を変えられるようにしてあるんです。
BANNO
遊ぶ人に合わせて調整できるのは、うれしいですね。
HIGEDARUMA
おまけに、スパコーンと言ってくれるだけのサイトまで作っているんですよ。
BANNO
言ってくれるだけ!そういう遊び心、好きです。
BANNO
実際に遊んだ人の反応は、どうだったんでしょうか?
HIGEDARUMA
作者が何人かの子どもに貸し出してみたら、思わぬことが起きたんです。
HIGEDARUMA
子どもたちは、ゴム鉄砲の枠を超えて、いろいろな遊び方を自分で発明していたそうです。
BANNO
作った人が考えていなかった遊びを、子どもが生み出したんですね。
HIGEDARUMA
作者は、結局一番楽しい遊びは発明だと思っている、と書いています。
HIGEDARUMA
そこから、余白のあるおもちゃ、というのがスパコーンの裏テーマになったそうです。
BANNO
遊び方を決めすぎないから、使う人が自由に考えられる。素敵な考え方ですね。
BANNO
作品ページのコメントには、動画を見た子どもが、これ欲しい、なんで売ってないの、と怒っていた、という声までありました。
HIGEDARUMA
審査をした大人の作り手からも、なぜ自分が作らなかったのか悔しい、という声が出たくらいなんですよ。
HIGEDARUMA
ヒーローズ・リーグ オンライン2020では、PROTOTYPE.FM賞と、わーかーさっ賞の2つを受けています。
HIGEDARUMA
翌年には、ソレノイドを使った作品のコンテストで、いちばん上のソレコン大賞にも選ばれているんです。
BANNO
まさに腕の部品が主役のコンテストで、大賞なんですね。
BANNO
今日の話をまとめると、小さな合図と、ためておいた力で、大きなリアクションを生む、ということですね。
HIGEDARUMA
はい。小さな入力を大きく増幅する、という考え方は、いろいろなものづくりに使えるんですよ。
BANNO
では、今日の一歩です。輪ゴム1本と空き箱で、的当てをしてみてください。
BANNO
そして、当たったらどうなったら最高か、を1つ考えてみる。それがスパコーンの出発点でした。
HIGEDARUMA
電子工作に興味が出たら、電子ブザーを指でトントン叩いて、揺れが信号に変わるのを確かめるところからどうぞ。
BANNO
作品ページと、デモ動画のリンクは、概要欄に置いておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、輪ゴムの一発を大きなリアクションに変える台、スパコーンでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
スパコーン
作者: tettou771
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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