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歩けない息子が、自分の力で小学校へ「子供成長支援モビリティ ToMobility Ver2」|お父さん手作りの電動モビリティ

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子供成長支援モビリティ ToMobility Ver2

    3分版をリクエスト(作者キット)

    ProtoPedia の作品「子供成長支援モビリティ ToMobility Ver2」を2人のMCが初心者目線で紹介。脳性まひで歩くことが難しい息子さんのために、お父さんエンジニアのおぎ-モトキさんが作った電動の乗り物です。市販の電動車椅子に乗れない・操作が分からないという壁から始まり、近所の景色や木漏れ日が好きだと見つけ、前ボタン1つから操作を覚え、好きなおもちゃを操縦ボタンに改造。Ver2 ではいつもの車椅子ごと乗れる電動の台車にして、先生でもボタン1つで使える仕組みと、ぶつかりそうなら自動で止まる機能を加え、1年半かけて初めての自力登校を実現しました。友達と同じ目線で遊べるようになった学校での様子まで。

    チャプター

    文字起こし(107行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、子供成長支援モビリティ ToMobility Ver2。
    BANNO
    モビリティって、乗り物のことですよね。どんな乗り物なんですか?
    HIGEDARUMA
    歩くことが難しい男の子のために、お父さんが作った電動の乗り物なんです。
    BANNO
    えっ、お父さんの手作りなんですか!
    HIGEDARUMA
    そうなんです。いつもの車椅子ごと乗れる電動の台車で、息子さんが自分でボタンを押して進めるんですよ。
    BANNO
    今日は、その息子さんが自分の力で小学校に登校するまでのお話なんです。
    BANNO
    作ったのは、おぎ-モトキさん。息子さんは、生まれてまもなく脳性まひと診断されました。
    HIGEDARUMA
    脳性まひは、生まれる前後に脳が傷ついて、体を思うように動かしにくくなる障害なんです。
    BANNO
    息子さんは6歳になっても、ひとりで座ったり立ったりするのが難しかったそうです。
    HIGEDARUMA
    毎日リハビリで、歩く練習も続けていたんですよね。
    BANNO
    でもお父さんは、それだけで良いのだろうか、と考えたんです。
    BANNO
    子どもって、行きたいところに自分で行って、いろんなものに出会って育ちますよね。
    HIGEDARUMA
    あのおもちゃを取りに行きたい、みたいな当たり前の気持ちですね。
    BANNO
    そうなんです。歩けないと、その気持ちを行動に移すチャンスまでなくなってしまう。
    HIGEDARUMA
    だから歩く以外の方法で、自分で動きたい、という気持ちを引き出そうとしたんです。
    BANNO
    でも、子ども用の電動車椅子って、売っていますよね?
    HIGEDARUMA
    それが、使えなかったんです。理由は3つあります。
    HIGEDARUMA
    1つ目、座っていられないので乗れない。2つ目、レバーの操作が分からない。
    HIGEDARUMA
    3つ目、いつも押してもらっていたので、自分で動いたことがなかったんです。
    BANNO
    しかも、公的な補助で電動車椅子を作るには、安全に操作できることが条件だそうで。
    HIGEDARUMA
    練習しないと上手くならないのに、最初から操作できないと手に入らない。矛盾ですよね。
    BANNO
    そこで出てきたのが、作者のこの言葉です。
    HIGEDARUMA
    ちょうどよい市販品がなければ、工夫して自分で作るしかない!
    BANNO
    とはいえ、最初からうまくいったわけじゃないんですよね。
    HIGEDARUMA
    はい。子ども用の電動の乗り物を試したら、怖がってしまったんです。
    HIGEDARUMA
    慣れない乗り物、苦手なモーターの音、急に動き出す怖さ。それが重なってしまって。
    BANNO
    家の中で試したときは、5分で、早く降ろせ!って叫んだそうです。
    HIGEDARUMA
    部屋は狭いし、乗る目的もなかったから、楽しくなかったんですよね。
    BANNO
    じゃあ、何なら楽しいんだろう、って探したんですね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。息子さんが強く興味を示したのは、いつも車の窓から見ている近所の景色でした。
    BANNO
    だから、ゴールを近所の馴染みの道を走ること、にしたんですね。
    HIGEDARUMA
    公園で30分ほど走ってみると、木漏れ日の下が好きだということも分かったんです。
    BANNO
    機械より先に、その子の楽しいを見つけているのが素敵ですね。
    BANNO
    操作のほうは、どう覚えたんですか?
    HIGEDARUMA
    最初は、前・右・左の3つのボタンを渡したら、思わぬ方向に動いて泣いてしまって。
    HIGEDARUMA
    そこでお父さんかお姉ちゃんが抱っこして、お手本を見せることにしたんです。
    HIGEDARUMA
    しかも最初は、真ん中の前ボタンだけ。前に進むボタンだよ、と1つに絞ったんですよ。
    BANNO
    それで、どうなりました?
    HIGEDARUMA
    週末に3回くらい練習したら、自分で前ボタンを選べるようになったんです。
    BANNO
    すごい!慣れてきたら、気づけば1時間近く走り続けることもあったそうです。
    HIGEDARUMA
    それから、川沿いの道では、毎回同じ場所で右ボタンを押したんです。3回やって3回とも。
    BANNO
    そっちに行きたい、っていう意志ですよね。
    HIGEDARUMA
    作者も、彼なりにしっかり意志を表現している、と嬉しくなったそうです。
    BANNO
    おばあちゃんとお姉ちゃんを乗せて、運転したこともあるそうですよ。
    HIGEDARUMA
    いつもは押してもらう側の息子さんが、家族を運んであげる側になったんですね。
    BANNO
    ひげだるまさん、最初の乗り物は、どうやって作ったんですか?
    HIGEDARUMA
    借りてきた大人用の電動車椅子に、後から機械を取り付けたんです。
    HIGEDARUMA
    電動車椅子には、進む方向を決めるレバーがありますよね。あれを、モーターで倒すんです。
    BANNO
    えっ、レバーを機械が押しているってことですか?
    HIGEDARUMA
    そうなんです。サーボモーターという、決めた角度にぴたっと動くモーターを2つ使います。
    HIGEDARUMA
    1つが前と後ろ、もう1つが左と右。人の指の代わりに、レバーを倒してくれるんですよ。
    BANNO
    車椅子の中の配線は、いじらなくていいんですね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。部品は3Dプリンターで作って、ESP32という小さなコンピューターで動かします。
    BANNO
    ボタンのほうは、どうつながっているんですか?
    HIGEDARUMA
    ここが面白いところで、好きなおもちゃを改造して、そのまま操縦するボタンにできるんです。
    HIGEDARUMA
    Nintendo Laboのバイク型のコントローラや、電車でGO!のコントローラも使っていました。
    BANNO
    好きなもので遊んでいたら、いつのまにか乗り物を動かしている。それは楽しいですね!
    BANNO
    でも、外を走るとなると、危なくないですか?
    HIGEDARUMA
    そこで、付き添う大人用の、片手で持てる無線のリモコンも作ったんです。
    HIGEDARUMA
    道の傾きで少しずつ曲がっても、親指で左右を直せる。押し込めば、すぐに止まります。
    BANNO
    片手だから、息子さんと手をつないだまま使えるんですね。
    BANNO
    そして今日の主役、Ver2です。何が変わったんですか?
    HIGEDARUMA
    前の乗り物で練習を続けること、約1年半。今度は、小学校で毎日使うことを目指したんです。
    HIGEDARUMA
    学校では、電動の車椅子と、押してもらう車椅子を、場面で使い分ける必要があって。
    BANNO
    2台を行ったり来たりするのは、大変そうですね。
    HIGEDARUMA
    そこで、いつもの車椅子ごと乗せられる、電動の台車にしたんです。
    HIGEDARUMA
    後ろにスロープを付けられるので、車椅子に座ったまま乗り降りできるんですよ。
    BANNO
    学校の先生は、機械が得意とは限らないですよね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。だから電源ボタン1つで、コントローラーとつながって、走れる状態になります。
    HIGEDARUMA
    先生に何度も触ってもらって、使いにくいところを直したそうです。
    BANNO
    使う人に合わせて直す。まさにユーザーテストですね。
    BANNO
    休み時間とか、周りに子どもがいっぱいいる場面はどうするんですか?
    HIGEDARUMA
    ぶつかりそうになると、自動でゆっくりになって、止まるんです。
    HIGEDARUMA
    レーザーで周りの距離を測るセンサーと、奥行きが分かるカメラで、前の方を広く見ているんですよ。
    BANNO
    図で見ると、どうなっているんですか?
    HIGEDARUMA
    台車を動かすのはESP32。おもちゃのコントローラーも介助リモコンも、Wi-Fiでつながります。
    HIGEDARUMA
    ぶつかりそうかどうかは、Jetson Nanoという小さなコンピューターが判断しています。
    HIGEDARUMA
    ロボットを作るためのソフトの土台、ROSを使っているんです。
    BANNO
    ちなみに、止まったときは、ライトで知らせる仕組みもあるそうです。
    HIGEDARUMA
    なぜ止まったのかを、本人にも分かるようにするためなんですよ。
    BANNO
    そして、いよいよ小学校です。
    HIGEDARUMA
    自分の力で登校できるように。これを目標に、台車づくりと練習を、家族で1年半繰り返したんです。
    BANNO
    そして、初めて自分の力で、学校の正面入り口までたどり着いたんです。
    HIGEDARUMA
    作者は、父ちゃん、嬉しいよ!と書いています。
    BANNO
    読んでいるこっちまで、胸が熱くなりますね。
    BANNO
    友達の反応はどうだったんですか?
    HIGEDARUMA
    台車に乗ると目線が高くなるので、友達と同じ目線で遊べるようになったんです。
    HIGEDARUMA
    見た目も戦艦みたいでかっこいい、と人気なんですよ。
    BANNO
    一緒に遊ぼう!とか、僕も乗ってみたい!って、友達が寄ってくるそうです。
    HIGEDARUMA
    息子さんが使わないときは、電車でGO!のコントローラーで、友達が乗って遊ぶこともあるんです。
    BANNO
    移動の道具が、友達と遊ぶきっかけになっているんですね。
    HIGEDARUMA
    息子さんは、話すことが難しいんです。でも自分で動く姿を見せると、ちゃんと分かってるんだ、と周りに伝わるんですよ。
    BANNO
    運動会では、4年越しのチャレンジで、初めて自分の力でゴールテープを切ったそうです。
    HIGEDARUMA
    大きな歓声が苦手で、何度も止まりながら、それでも前を向いてゴールしたんです。
    BANNO
    作者のおぎ-モトキさんは、お父さんで、エンジニアです。
    HIGEDARUMA
    この作品は、ヒーローズ・リーグ 2021で、3つの賞を受賞しています。
    BANNO
    最新版のVer3も、ProtoPediaで開発が続いているそうですよ。
    HIGEDARUMA
    作り手として刺さるのは、技術より先に、その子の楽しいを探しているところなんです。
    BANNO
    ボタンも、前ボタン1つから始めていましたよね。
    BANNO
    じゃあ、今日できる、いちばん小さな一歩です。
    HIGEDARUMA
    身近な誰かの、好きなものを1つ思い浮かべてみてください。それが、ものづくりの入り口になります。
    BANNO
    作る人は、まず作品ページとブログで、乗り物ができるまでの写真を見てみてくださいね。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、息子さんが自分の力で動くための、お父さん手作りの乗り物、ToMobility Ver2でした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    子供成長支援モビリティ ToMobility Ver2
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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