掃除道具でバンドに飛び入り!「Star ☆ Jam Street ~清掃楽器音楽夢想~」|誰が弾いても音が合う清掃楽器
ProtoPedia の作品「Star ☆ Jam Street ~清掃楽器音楽夢想~」を2人のMCが初心者目線で紹介。ほうきギター、はたきドラム、ちりとりキーボード、デッキブラシベースといった掃除道具の形をした電子楽器で、見ている人が飛び入りしてバンドになるアート作品です。掃除の時間のほうきギターの記憶から生まれた作者の夢、センサーと小さなコンピューターで音と光を出す仕組み、全員の音階をそろえるスケールシンクとあえて自動演奏をつけない設計、初対面同士が音で会話するセッションまで。
チャプター
0:00オープニング0:20Star ☆ Jam Street1:20掃除の時間の「ほうきギター」2:43ほうきギター:かき鳴らす3:41センサー+小さなコンピューター5:47不思議に思って、寄ってくる7:38オンラインヒーロー賞9:10エンディング
文字起こし(89行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、Star Jam Street、清掃楽器音楽夢想。
- BANNO
- ジャムって、パンに塗るジャムじゃないですよね?
- HIGEDARUMA
- 音楽のジャムセッション、その場で即興で一緒に演奏することなんです。
- BANNO
- じゃあ清掃楽器って、掃除の道具が楽器になってるってことですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ほうき、はたき、ちりとり。全部、音と光が出る電子楽器なんですよ。
- BANNO
- 見た目は、本当にただの掃除道具ですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、見ている人がその場で飛び入りして、バンドの一員になれるんです。
- BANNO
- 楽器を触ったことがない人でも、ですか?
- HIGEDARUMA
- はい。初対面の人同士でも、ちゃんと音が合うんですよ。その秘密も、あとで話しますね。
- BANNO
- ところで、学校の掃除の時間に、ほうきでギターのまねをしたこと、ありません?
- HIGEDARUMA
- ありますね。じゃかじゃーんって、ロックスターになった気分で。
- BANNO
- やりましたよね。この作品、まさにあれが原点なんですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作者の髙橋哲人さんは、仕事に追われる毎日の中で、ふと思ったそうなんです。
- HIGEDARUMA
- 自分は、夢を追いかけることを忘れてしまったのか、って。
- BANNO
- うわあ、大人になると、刺さる言葉ですね。
- HIGEDARUMA
- そのとき頭をよぎったのが、掃除の時間のほうきギターの記憶でした。
- HIGEDARUMA
- ほうきをかき鳴らすと、エレキギターの音が響いて、自分にスポットライトが当たる。
- BANNO
- 子どものころの妄想ですね。
- HIGEDARUMA
- その妄想を、本物にしちゃったんです。それが2017年の作品、I am Star の、ほうきギターです。
- BANNO
- いくつになっても、夢を追いかけたい、と。かっこいいですね。
- HIGEDARUMA
- でも、ひとりのギターだけじゃ物足りなくなって。ひとりでは鳴らせない、バンドの音が欲しくなったそうなんです。
- BANNO
- それで、ほかの掃除道具も楽器にしたんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。はたきのドラム、デッキブラシのベース、ちりとりのキーボード。掃除道具のバンドが生まれたんです。
- BANNO
- それぞれ、どうやって弾くんですか?
- HIGEDARUMA
- ほうきギターは、持ち手の棒に触れて音の高さを決めて、かき鳴らすと音が出ます。
- BANNO
- まさに、掃除の時間のあの動きですね。
- HIGEDARUMA
- はたきドラムは、振る向きで音が変わって、強く振るほど大きな音になります。
- BANNO
- ほこりを払う動きで、ドラムが叩けちゃうんですね。
- HIGEDARUMA
- デッキブラシのベースは、床をこすったり叩いたりして鳴らすんです。
- HIGEDARUMA
- ちりとりキーボードは、鍵盤みたいなでこぼこに触れて弾くんですよ。
- BANNO
- 面白いのは、どれも見た目がただの掃除道具だってことですよね。
- HIGEDARUMA
- そこが大事なんです。作者はこう書いています。
- HIGEDARUMA
- かっこよく上手に演奏しなければ、という気持ちは、掃除用具の見た目で薄れていく、と。
- BANNO
- 分かります。本物のギターを渡されたら、緊張しちゃいますもん。ほうきなら、ふざけてもいい気がしますね。
- BANNO
- で、ほうきの中は、どうなってるんですか?
- HIGEDARUMA
- 中には、握る強さや傾きを測る部品、センサーと、手のひらに乗る小さなコンピューター、Arduinoが入っています。
- BANNO
- ほうきの中に、コンピューターが入っているんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。弾いた動きを、電子楽器どうしの共通の合図に変えて、無線でパソコンに送るんです。
- HIGEDARUMA
- するとパソコンが、スピーカーから音を出して、プロジェクターで壁いっぱいに映像と光を映します。
- BANNO
- なるほど。でも、ちょっと心配なことがあって。
- BANNO
- 素人が何人も、適当に鳴らしたら、音がぐちゃぐちゃになりません?
- HIGEDARUMA
- いい質問です。そこに、この作品いちばんの工夫があるんです。
- HIGEDARUMA
- 曲には、使う音の組み合わせがあって、スケールと言います。全部の楽器を、同じスケールにそろえてあるんです。
- BANNO
- 使う音が決まっているから、どこを触っても外れにくい、ということですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。しかもスイッチひとつで、全員の楽器がいっせいに、別の雰囲気の音階に切り替わるんですよ。
- BANNO
- へえ。じゃあ、メロディーも自動で弾いてくれるんですか?
- HIGEDARUMA
- そこが逆なんです。あえて、自動演奏はつけていないんです。
- HIGEDARUMA
- 音がぶつからない土台だけ用意して、何を弾くかは人に任せる。だから、相手と息を合わせることに集中できるんですよ。
- BANNO
- なるほど。失敗しにくいけど、ちゃんと自分の演奏になる。そのバランスが絶妙ですね。
- HIGEDARUMA
- 楽器は、3Dプリンターとホームセンターの部材で、一台ずつ手作りしているんです。
- BANNO
- えっ、全部手作りなんですか。
- HIGEDARUMA
- しかも、ほうきギターは2017年の試作から改良を重ねて、バージョン4.5まで進化しています。
- BANNO
- 遊び道具じゃなくて、本気の楽器なんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。練習すればするほど、いろんな演奏ができる。実際に、ステージのライブでも使っているんですよ。
- BANNO
- じゃあ、実際の会場では、どんなことが起きるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作者たちが演奏している中に、見ている人が飛び込んでくるんです。
- HIGEDARUMA
- 最初は、掃除道具なのに音が鳴る不思議さに、寄ってくる人が多いそうです。
- BANNO
- 勇気を出して飛び込んで、音を出してみる。
- HIGEDARUMA
- そう。すると、ほかの人が音で返してくる。音で会話が始まって、笑顔があふれて、それを見た人がまた集まってくるんです。
- BANNO
- 見ている人が、いつの間にか演奏する側になるんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者が、鳥肌が立ったと書いているセッションがあるんです。作者以外は全員、清掃楽器を触るのが初めての即興演奏。
- HIGEDARUMA
- 相手の音を聴いて、心で歌うように弾こう、とだけ伝えたら、だんだん息が合ってきたそうです。
- BANNO
- うわあ、それは鳥肌ですね。
- HIGEDARUMA
- 一日中会場にいて、何度も戻ってきては演奏していく、小さな子もいるそうです。
- BANNO
- 楽しくて、帰れなくなっちゃうんですね。
- HIGEDARUMA
- その子は、いろんな人とセッションするから、その日のうちにどんどん上手になっていくんですよ。
- BANNO
- かわいい。遊んでいるうちに、上手になっちゃうんですね。
- HIGEDARUMA
- ニューヨークや上海でも展示していて、作者いわく、どちらも大騒ぎ。床を転げまわる人まで出たそうです。
- BANNO
- 言葉が通じなくても、音で通じ合えるってことですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は、バンドは相手へのリスペクトがないと成り立たない、と言っています。
- HIGEDARUMA
- それぞれに役割があって、支え合うから、ひとりでは行けない高みに行ける。
- BANNO
- それって、仕事のチームや仲間と同じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれが、この作品が問いかけていることなんです。仲間の尊さ、ですね。
- BANNO
- 作ったのは、TETSUJIN - AUDIO VISUAL の、髙橋哲人さんとモシ村マイコさんです。
- HIGEDARUMA
- ヒーローズ・リーグ オンライン2020では、オンラインヒーロー賞を受賞しています。
- HIGEDARUMA
- 作者のサイトによると、アジアデジタルアート大賞のグランプリや、テレビ番組でのオーケストラとの共演もあるんですよ。
- BANNO
- 掃除道具で、オーケストラと共演。夢が、本当にかなっちゃいましたね。
- BANNO
- わたしが感じたのは、上手じゃなくていい仕組みがあると、人は飛び込めるってことです。
- HIGEDARUMA
- 作る側から見ても、全部を自動にしないで、失敗しにくい土台だけ作る。これは、いろんなものづくりに使える考え方ですね。
- BANNO
- 作品ページと、演奏の動画へのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。家のほうきや傘を持って、好きな曲に合わせて、30秒だけエアギターをしてみてください。
- HIGEDARUMA
- 家族や友だちと一緒なら、相手の音を聴いて、リズムを合わせてみる。それだけで、ちょっとしたセッションです。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたい人は、小さなコンピューターと傾きのセンサーで、振ったら音が鳴る、ひとつから始めてみてください。
- BANNO
- いくつになっても、夢は追いかけていいんですね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、掃除道具で誰もがバンドに飛び入りできる、Star Jam Street、清掃楽器音楽夢想でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
クレジット
紹介した作品声
あなたの作品も、動画で紹介します
ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。
動画をリクエストする


