針は3本、ロボットは2台。小さなロボットが針を押して回す「toioでアナログ時計」
ProtoPedia の作品「toioでアナログ時計」を2人のMCが紹介。手のひらサイズのロボット toio 2台が、紙とストローで作った3本の針を押して回し、今の時刻を指します。1台は秒針の係、もう1台は分針の係で12分に1回だけ時針へ出張するという役割分担、つかむ手の無いロボットが土台の下にもぐり込んで針を回す仕組み、作者の苦労、toio公式サイトでの紹介まで解説します。
チャプター
0:00オープニング0:20ロボットが針を押して回す時計1:30時針・分針・秒針4:16ロボットが固まる…5:20時針を動かしに行く姿がかわいい6:37「toioが時計になるよ」を開く7:37エンディング
文字起こし(66行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、toioでアナログ時計。
- BANNO
- アナログ時計って、針がぐるっと回る、あの普通の時計ですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ただ、針を回しているのはモーターではありません。小さなロボットが、針を押して回しているんですよ。
- BANNO
- ロボットが時計の針を押して回すんですか!
- HIGEDARUMA
- 使っているのは、toioというロボットです。手のひらに乗るくらいの、白い四角いロボットなんです。
- HIGEDARUMA
- 専用のマットの上に置くと、自分がマットのどこにいるかが分かって、狙った場所まで走っていけるんですよ。
- BANNO
- なるほど。それなら、針のところまで自分で行けるわけですね。
- HIGEDARUMA
- ただ、ここに大きな問題がありました。時計の針は3本。でも、作品で使ったプログラムの仕組みでは、同時に動かせるロボットが2台までだったんです。
- BANNO
- えっ、1本足りないじゃないですか。どうやって3本も動かすんでしょう?
- HIGEDARUMA
- そこが、この作品の一番の謎解きなんです。まず、時計の3本の針を思い出してみてください。
- BANNO
- 短い時針、長い分針、それから細くて速い秒針、ですね。
- HIGEDARUMA
- はい。この3本、動く速さが全然違うんです。秒針は1秒ごとに動きますが、時針は12分たって、やっと文字盤の小さな目盛り1つ分しか進みません。
- BANNO
- たしかに、時針って、じっと見ていても動いているか分からないですね。
- HIGEDARUMA
- 作者はそこに目をつけました。1台目のロボットは、時計の真ん中でずっとくるくる回って、秒針の専門になります。
- HIGEDARUMA
- 秒針は、帽子のようにロボットの上にかぶせてあるんですよ。
- BANNO
- 帽子みたいにかぶせて、その場で回るんですね。かわいいです。
- HIGEDARUMA
- 2台目は、分針の係です。分針の土台の下に入って、時計の外側をぐるっと回りながら、分針を進めます。
- BANNO
- では、残った時針は、誰が動かすんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 分針係が、12分に1回だけ、時針のところへ出張するんです。時針を少し進めたら、また分針のところに戻ってきます。
- BANNO
- なるほど!ふだんは分針、たまに時針。1台で2つの仕事をかけ持ちしているんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。動く回数が少ない時針だから、かけ持ちができるんですよ。
- BANNO
- でも、時針と分針だけにすれば、2台で足りたのでは?
- HIGEDARUMA
- 作者は、その理由を書いています。時針と分針だけだと、1分に1回しか動かないので、地味すぎる、と。
- BANNO
- 見ていて楽しいことを優先したんですね。その気持ち、分かります。
- HIGEDARUMA
- そして、足りないものがもう1つありました。toioには、物をつかむ手が無いんです。
- BANNO
- 手が無いのに、どうやって針を回すんですか?
- HIGEDARUMA
- 針は、厚紙で作った箱の形の土台に付いています。ロボットはその土台の下にもぐり込んで、土台ごと押して回すんです。
- HIGEDARUMA
- ちょうどいい角度まで回したら、するっと抜け出して、針を置いていくんですよ。
- BANNO
- 貝がらを背負って歩く、やどかりみたいですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。toioの公式サイトでも、やどかりのような動き、と紹介されているんです。
- HIGEDARUMA
- 針は色付きのストローです。中が空っぽで軽いのに、しっかり強いんですよ。
- HIGEDARUMA
- 3本の針は、少しずつ高さを変えてあります。重なっても、ぶつからないようにするためなんです。
- BANNO
- 厚紙とストローなら、家にもありそうです。一気に身近になりました。
- BANNO
- とはいえ、ここまで動かすのは大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- かなり苦労したようです。作者は、ロボットが固まって動かなくなる現象に、ずっと悩まされたと書いています。
- HIGEDARUMA
- 小刻みに動かすと、押す力が足りなくなって、固まってしまうらしいんです。
- BANNO
- 針を少しずつ動かしたい時計とは、相性が悪そうですね。
- HIGEDARUMA
- ほかにも、移動中に別の針をなぎ倒してしまう。少しずつのずれが積み重なって、土台の下に戻れなくなる。そんな壁もありました。
- BANNO
- 相手は紙とストローですもんね。ちょっとぶつかっただけで、倒れそうです。
- HIGEDARUMA
- 作者は、toioの実物を見たこともない段階で、難しいことを考えすぎたかも、と振り返っているんです。
- BANNO
- 実物を見る前に考えたアイデアを、最後まで形にしたんですね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページの最後には、ひとこと、相変わらずの力業、と書いてあるんですよ。
- BANNO
- その力業が、この作品の魅力なんだと思います。
- BANNO
- 実際に見た人の反応は、どうだったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、時針を動かしに行くのが、かわいらしくて好きです、というコメントが付いています。
- BANNO
- 分かります。12分に1回、よいしょって出かけていく姿、応援したくなりますね。
- HIGEDARUMA
- この作品は、子どもたちも審査員をつとめる、toioのDo!コンというプログラムのコンテストで、銅賞を取りました。
- HIGEDARUMA
- 審査の講評では、3つの針を2つで、という発想に本当に驚かされた、と書かれています。生き物のようなかわいらしさ、とも。
- BANNO
- 時計なのに、生き物みたい。そこが人の心をつかんだんですね。
- HIGEDARUMA
- さらに、toioの公式サイトでも、toioが時計になるよ、という名前で紹介されています。
- HIGEDARUMA
- 対象は8才から。30分ほどで作って遊べる作品として、型紙も用意されているんです。
- BANNO
- 親子の工作にちょうどいいですね。夏休みの自由研究にもなりそうです。
- HIGEDARUMA
- 作ったのは、TakSanさん。企画からプログラム、工作まで、1人で全部担当しています。
- BANNO
- 足りないものがあるからこそ、面白いアイデアが生まれる。仕事にも通じる話だなと思いました。
- BANNO
- 今日の話を聞いて、自分でもやってみたくなった人もいると思います。
- HIGEDARUMA
- 今日できる一歩なら、toioの公式サイトで、toioが時計になるよ、のページを開いてみてください。
- HIGEDARUMA
- 必要なものは、toio2台とマット、それに工作用紙とストロー、のり、はさみ。型紙は、作者が公開しています。
- BANNO
- toioを持っていない人にも、できる一歩がありますよ。
- BANNO
- 身の回りの、これが足りない、を1つ書き出して、別の何かで代わりにできないか、考えてみてください。
- HIGEDARUMA
- 2台で3本を動かしたこの時計も、その考え方から生まれたんです。
- BANNO
- 作品ページとGitHubには、プログラムと土台の型紙が公開されています。ぜひのぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、2台のロボットが3本の針を動かす、toioでアナログ時計でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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