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推しのくしゃみを自動で浴びる「Project bless you」|AIと霧吹きで、画面の向こうと物理でつながる

紹介した作品: Project bless you (Aiで自動くしゃみ助かる装置)ProtoPedia での反響: 閲覧 6,300+ ・ ♥ 40

ProtoPedia の作品「Project bless you (Aiで自動くしゃみ助かる装置)」を2人のMCが初心者目線で紹介。VTuberがくしゃみをすると、Teachable Machine で作ったAIがその音を聞き分け、Scratch と micro:bit が改造した電動霧吹きを動かして、自分に水を吹きかけます。「くしゃみ助かる」という優しいファン文化、きっかけになったファンの一言、知識ゼロでも作れる仕組み、ヒーローズ・リーグ 2021 での3賞、そして完成後に一度もくしゃみに出会えなかったという気づきまで。

チャプター

文字起こし(73行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、Project bless you、AIで自動くしゃみ助かる装置。
BANNO
くしゃみを、浴びる? ちょっと待ってください、もう一回お願いします。
HIGEDARUMA
好きな配信者がくしゃみをすると、AIがその音に気づいて、霧吹きが自分の顔に水を吹きかけるんです。
BANNO
自分に、水を。タイトルからして、ただ事じゃないですね。
HIGEDARUMA
笑っちゃいますよね。でも、聞いていくと、愛と技術がぎっしり詰まっているんですよ。
BANNO
これは、じっくり聞かないといけませんね。
BANNO
まず、どうしてくしゃみなんですか? そこから分からないです。
HIGEDARUMA
鍵になるのが、VTuberです。アニメのようなキャラクターの姿で、ネットで生配信をする人のことですね。
BANNO
キャラクターの姿のまま、生でおしゃべりしてくれる配信なんですね。
HIGEDARUMA
はい。その配信中に、くしゃみをしてしまうと、配信者は「ごめんなさい」と謝るんです。
BANNO
人前でくしゃみをしたら、つい謝っちゃいますよね。
HIGEDARUMA
そこでファンが、コメントで「助かる」とお礼を返す。これが「くしゃみ助かる」という文化なんです。
BANNO
謝ったら、ありがとうが返ってくる。なんだか、優しい世界ですね。
HIGEDARUMA
作者のsanasolさんも、まさにそこに感動して、この文化に敬意を表して作品を捧げる、と書いているんです。
BANNO
でも、お礼を言うのと、くしゃみを浴びるのは、だいぶ距離がありますよね。
HIGEDARUMA
きっかけは、ある切り抜き動画に流れた、ファンの一言なんです。
HIGEDARUMA
「俺は霧吹きを自分で吹きかけている。あたかも浴びたかのような気持ちになる」。
BANNO
あはは! もう、自分の手でやってる人がいたんですね。
HIGEDARUMA
作者は、そのファンの、とてつもない愛に心を動かされた、と言っています。
BANNO
笑っちゃうけど、気持ちは分かる気がします。画面の向こうの人には、絶対に触れられませんもんね。
HIGEDARUMA
そうなんです。触れられないからこそ、触れたい、浴びたい、という気持ちが強くなる。作者はそう感じたそうです。
BANNO
だったら、手で吹かなくても、くしゃみに合わせて自動で吹いてくれたら。ということですね。
HIGEDARUMA
はい。しかもコンセプトは、どこの誰かも分からない、あのファンの彼に届けること、なんです。
BANNO
会ったこともない人へのプレゼント。粋ですね。
BANNO
じゃあ、どうやってくしゃみに気づくんですか? 機械が聞き分けるんですよね。
HIGEDARUMA
流れは4段階です。パソコンが配信の音を聞く。AIがくしゃみか判定する。合図を出す。霧吹きが吹く。
BANNO
聞いて、判定して、合図して、吹く。順番は分かりました。
HIGEDARUMA
判定するAIは、Teachable Machineで作っています。グーグルの無料のサイトなんです。
BANNO
AIを作るって、難しい計算をするんじゃないんですか?
HIGEDARUMA
それが、例を聞かせて、ボタンを押すだけなんです。くしゃみの音と、それ以外の音を、何回か聞かせて覚えさせるんですよ。
BANNO
子どもに、これがくしゃみだよ、と教えるみたいですね。
HIGEDARUMA
まさにそれです。しかも特定の人のくしゃみだけに反応するので、ほかの人のくしゃみでは吹かないんです。
BANNO
推し一筋なんですね。じゃあ、判定のあとは?
HIGEDARUMA
次がScratchです。ブロックを並べてプログラムを作る、子ども向けのソフトですね。
HIGEDARUMA
TM2Scratchという拡張機能で、AIの判定がScratchに届きます。くしゃみが来たら合図を出す、と並べておくんです。
BANNO
小学校の授業で使っている、あのScratchですか?
HIGEDARUMA
そうです。そして合図を受けるのがmicro:bit。手のひらサイズの、教育用の小さなコンピューターです。
HIGEDARUMA
これが、改造した電動の霧吹きのスイッチを入れる。そうして、水がシュッと出るわけです。
BANNO
聞き分ける係、合図を出す係、スイッチを入れる係。チームで動いているんですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。どれも学校の授業で使うような道具で、作者いわく、電子工作やプログラミングの知識は一切なくても作れる、と。
BANNO
あのファンの彼が、プログラミングできるとは限りませんもんね。
HIGEDARUMA
だから、作り方の動画と、必要なファイル一式まで公開しています。まさかね、と言いながら、本気なんですよ。
BANNO
実際に動くところは、どんな感じなんですか?
HIGEDARUMA
デモ動画では、霧吹きの水で、撮っているカメラのレンズがどんどん曇っていくんです。
BANNO
あはは、画面ごと浴びちゃってる! 見ている側にも、浴びた感じが伝わりますね。
HIGEDARUMA
このデモが、ヒーローズ・リーグ2021というコンテストで、見ている人の心に衝撃を与えた、と評されたんです。
BANNO
結果はどうだったんですか?
HIGEDARUMA
オンラインヒーロー、インターネット・オブ・オーサム・シングス賞、ふるふる賞。3つの賞を受賞しています。
BANNO
3つも! 笑いだけじゃなくて、ちゃんと評価されたんですね。
HIGEDARUMA
審査では、ニコニコ動画の文化と、ものづくりの文化が交わる未来を示す作品、とまで言われているんです。
BANNO
ネットの遊び心と、手を動かすものづくりが、ここでつながったんですね。
BANNO
未来、という言葉が出ましたけど、作者は何を目指しているんでしょう?
HIGEDARUMA
作者は、配信者がボタンを押したら、視聴者に物理的な何かが届く。そんな仕組みが育つきっかけにしたい、と書いています。
BANNO
画面越しに見るだけじゃなくて、手元に何かが届く。それは、ファンにはたまらないですね。
HIGEDARUMA
はい。そして私が好きなのが、作者の気づきなんです。完成したあと、何度か生配信で試したそうなんですが。
BANNO
ついに、浴びられたんですか?
HIGEDARUMA
それが、くしゃみの場面に、一度も出会えなかったんです。
BANNO
ええっ! 装置は完成しているのに、肝心のくしゃみが来ない!
HIGEDARUMA
そこで作者は、特定の人のくしゃみは、とても貴重なものだ、と気づいたそうです。
HIGEDARUMA
だから、電車でくしゃみをする人がいても、貴重な瞬間に立ち会えたと思って、心の中で「助かる」とつぶやいてみて、と。
BANNO
たったそれだけで、少し穏やかな一日になりそうですね。最後は、ちょっといい話になりました。
HIGEDARUMA
ちなみに作者は最後に、このプロジェクトは人類には少々早すぎたかもしれない、と書いているんです。
BANNO
あはは! でも、その少し先の未来を、笑いながら見せてくれたんですね。
BANNO
作ったのは、sanasolさん。企画から設計、開発まで、1人で手がけています。
HIGEDARUMA
デモ動画や、ニコニコ公式の紹介も、概要欄にまとめておきますね。
BANNO
では今日の一歩。Teachable Machineのサイトを開いて、自分の拍手の音を、何回か覚えさせてみてください。
HIGEDARUMA
無料で、パソコンでネットを見るソフトだけで試せます。拍手と、静かなときの音。この2つを聞き分けられたら、もう立派なAIなんですよ。
BANNO
くしゃみの代わりに拍手。それなら、私にもできそうです。
BANNO
さて、今日紹介したのは、推しのくしゃみを自動で浴びる、Project bless you、AIで自動くしゃみ助かる装置でした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
Project bless you (Aiで自動くしゃみ助かる装置)
作者: sanasol
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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