スマホで打ったリズムを、ししおどしが刻む「デジタルししおどし リズムを刻め」|親子が2日で作った100均リズムマシン
ProtoPedia の作品「デジタルししおどし リズムを刻め」を2人のMCが紹介。日本庭園のししおどしを、水の代わりに小さなモーターで動かし、スマホで決めたリズムどおりに竹筒がカスタネットを叩きます。ハッカソンのお題『水!!』から親子が2日で作った物語、手のひらサイズのコンピューターとモーター1つで動く仕組み、100均の材料を竹や水に見立てる工夫まで紹介します。
チャプター
0:00オープニング0:20スマホで決めたリズムで竹筒が鳴る1:13水の代わりにモーターが傾ける2:40お題は「水!!」4:17頭脳 = 手のひらサイズのコンピューター6:14材料はほぼ100均7:2021組中4位・特別賞8:18今日の一歩: 100均で「見立て」を1つ探す9:17エンディング
文字起こし(77行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、デジタルししおどし リズムを刻め。
- BANNO
- ししおどしって、日本庭園で竹がカコーンと鳴る、あれですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ただこの作品は水を使いません。スマホで決めたリズムどおりに、竹筒がカスタネットを叩くんですよ。
- BANNO
- えっ、ししおどしがリズムを刻むんですか。わびさびが急に楽器になっちゃいましたね。
- HIGEDARUMA
- しかも作ったのは、中学生の息子さんとお母さんの親子なんです。実際に手を動かしたのは、たった2日なんですよ。
- BANNO
- 親子で2日! それは気になります。まずは、どう動くのかから教えてください。
- HIGEDARUMA
- まず本物のししおどしをおさらいしますね。竹の筒に水が少しずつたまって、重くなると傾くんです。
- HIGEDARUMA
- 傾いた拍子に、筒の端が石を叩いてカコーンと鳴る。水がたまる速さしだいなので、いつ鳴るかは水まかせなんです。
- BANNO
- なるほど。のんびり待つのが風情、ということですね。
- HIGEDARUMA
- この作品は、水の代わりに小さなモーターが竹筒を傾けます。だから好きなタイミングで、何度でも叩けるんですよ。
- BANNO
- 写真を見ると、竹筒の先に赤いカスタネットがありますね。横の器にはビー玉が敷いてあって、池みたいです。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。カスタネットが、本物でいう石の役です。竹筒がパタンと倒れるたびに、カッと鳴ります。
- BANNO
- じゃあ実際には、どんな使い方ができるんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、メトロノームの代わりに使えると書いています。一定の速さで拍を刻む、楽器の練習の道具ですね。
- BANNO
- ピアノの上で、カチ、カチと振り子が揺れているあれですね。
- HIGEDARUMA
- それです。しかも複雑なリズムも打ち込めるので、ドラムマシン、つまり自動でリズムを叩く機械にもなるんですよ。
- BANNO
- 作品ページには、曲に合わせたリズムの設定例まで載っていました。風流なのに、ちゃんと演奏できるのがいいですね。
- BANNO
- これ、どんな方が作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- インコーズという親子のチームなんです。息子のMEMETANさんと、お母さんのとり子さんの二人です。
- BANNO
- 親子で作ったんですね。きっかけは何だったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- ツクアソというハッカソンです。ハッカソンは、決められた短い期間で作品を作って発表するイベントのことです。
- HIGEDARUMA
- そのときのお題が「水!!」だったんです。そこで息子さんが、ししおどしが作りたい!と言い出したそうなんですよ。
- BANNO
- 水から、ししおどし。発想がまっすぐでいいですね。息子さんはおいくつだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 当時、中学3年生です。プログラムはほとんど、息子さんが書いています。
- BANNO
- 中学生で! じゃあ、お母さんは何を担当したんですか?
- HIGEDARUMA
- お母さんは工作と色塗り、それに操作画面の見た目を整える係です。作品ページには、8割がたMEMETANが作っています、とありました。
- BANNO
- 息子さんを立てている感じが、ほほえましいですね。でも、2日で作るのは大変だったでしょう?
- HIGEDARUMA
- そうなんです、実際に手を動かしたのは2日間。しかも初日は、二人とも体調がいまひとつだったそうで。
- BANNO
- えっ、それは焦りませんか?
- HIGEDARUMA
- お母さんのブログによると、間に合わなければ応募しないだけ、と気楽に構えて、無理せず早めに切り上げたそうです。
- BANNO
- その肩の力の抜け方、大事かもしれませんね。楽しんで作るのが一番です。
- BANNO
- ここからは仕組みです。スマホで決めたリズムが、どうやって竹筒に伝わるんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 部品は大きく3つです。構成図で見ていきますね。
- HIGEDARUMA
- 1つめは頭脳。M5StickC Plusという、手のひらに乗るくらいの小さなコンピューターです。写真のオレンジ色の箱ですね。
- BANNO
- あの小さいのがコンピューターなんですか。画面までついていますね。
- HIGEDARUMA
- 2つめは動き。サーボモーターという、指示した角度までくるっと回って止まるモーターが、竹筒を持ち上げては倒します。
- BANNO
- 竹筒をカクッと傾ける、腕の役ですね。
- HIGEDARUMA
- 3つめが操作です。小さなコンピューターがWi-Fiでスマホとつながって、スマホに設定画面を見せてくれるんです。
- BANNO
- アプリを入れなくても、ブラウザで開くだけでいいんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ホームページを見るのと同じように、ブラウザで機械のアドレスを開けば、設定画面が出てきます。
- BANNO
- その画面では、何を決められるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- まずテンポ、つまり1分間に拍をいくつ打つかです。普通のリズムなら、ここを決めるだけなんですよ。
- HIGEDARUMA
- さらにtracksという欄の数字を増やすと、拍ごとの入力欄が増えます。そこに、その拍で何回叩くかを入れるんです。
- BANNO
- たとえば、どんな感じになるんですか?
- HIGEDARUMA
- たとえば1を並べれば、カッ、カッ、カッと一定のリズム。画面の例のように途中に4を入れると、その拍だけカカカカッと細かく叩くイメージです。
- BANNO
- 数字を並べるだけで、タン、タン、タタタタ、みたいなリズムが作れるんですね。楽譜が読めなくても打ち込めそうです。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。この仕組みを中学生が丸ごと書いた、というのが本当にすごいところなんですよ。
- BANNO
- 見た目も本物っぽいですよね。竹筒は本物の竹なんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、竹じゃないんです。材料はほとんど、百円ショップのセリアでそろえたそうです。
- HIGEDARUMA
- 竹筒は、組み立て式ラックの部品をのこぎりで切ったもの。黄色と青の絵の具を混ぜて、竹っぽい緑に塗っています。
- BANNO
- ラックの部品が竹に見えるなんて! 見立ての勝利ですね。
- HIGEDARUMA
- 竹筒の口から出る水しぶきも、青いテープでポンポンのような房を作ったものです。お母さんいわく、ここが最高傑作だそうです。
- BANNO
- たしかに、ちゃんと水が飛んでいるように見えます。音のほうは、どうやって決めたんですか?
- HIGEDARUMA
- 家にあるいろいろな物を叩いて試したけれど、しっくりこなかったそうです。最後に落ち着いたのがカスタネットなんです。
- BANNO
- 音探しの試行錯誤、楽しそうですね。
- HIGEDARUMA
- 使った物をまとめると、こんな感じです。
- BANNO
- 小さなコンピューターとモーター以外は、ほとんどお店で手に入る物なんですね。
- BANNO
- それで、ハッカソンの結果はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 発表では、お母さんがししおどしのリズムに合わせて、鍵盤で童謡の証城寺の狸囃子を弾く、ライブ演奏をしたそうです。
- BANNO
- ししおどしがドラム係で、お母さんが鍵盤係。まさにバンドですね!
- HIGEDARUMA
- そして発表した21組の中で、参加者どうしの投票で4位。特別賞をもらっています。
- BANNO
- おめでとうございます! 審査員の方は、どこを評価したんでしょう?
- HIGEDARUMA
- メトロノームとして実際に使える、シュールで面白い、それに中学生がここまで書いたのがすごい、という声でした。
- BANNO
- 風流なのに笑えて、しかも役に立つ。そこが伝わったんですね。
- HIGEDARUMA
- 息子さんはインタビューで、面白いことをして生きていきたい、と話していました。
- BANNO
- いい言葉ですね。作るのが楽しい、という気持ちがそのまま作品に出ています。
- BANNO
- 今日は、身近な物を別の物に見立てる楽しさを感じました。
- HIGEDARUMA
- そうですね。ラックの部品が竹に、テープが水に、カスタネットが石になる。動かしているモーターは、実は1つだけなんです。
- BANNO
- じゃあ、今日できる最小の一歩は何でしょう?
- HIGEDARUMA
- まずは百円ショップで、何かに見立てられそうな物を1つ探してみてください。それが出発点です。
- HIGEDARUMA
- 電子工作もやってみたくなったら、小さなコンピューターとサーボモーターを1つずつ用意して、くるっと動かすところから始めるといいですよ。
- BANNO
- 家族や友だちと、1つ作ってみるのもいいですね。作品ページとお母さんのブログもぜひのぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、スマホで決めたリズムどおりに竹筒が鳴る、デジタルししおどし リズムを刻めでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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