静かにすると「時」が家出する「家出時計」|残された「分」が903と時間を伝える置き時計
ProtoPedia の作品「家出時計」を2人のMCが初心者目線で紹介。部屋が静かになると、時計の「時」の数字が家出して、しっかり者の弟「分」だけが残り、15時3分なら「903」と分だけで時間を伝えます。物音がすると「時」は慌てて戻ってくる。ツクってアソぶハッカソンのお題「時からカイホウされるサービス」を、時計の「時」が解放される話にひっくり返した作品です。部品は小さなコンピューター M5Atom Lite・7セグLED・マイクの3つ。作者は MC の HIGEDARUMA 本人です。
チャプター
0:00オープニング0:20静かにすると、数字が家出1:13お題は「時からカイホウ」2:16デモ: 15時3分の時計3:02時×60+分4:33システム構成5:36音の無い発表6:48開発素材7:49エンディング
文字起こし(68行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、家出時計。静かにしていると、時計の数字が家出してしまう時計なんです。
- BANNO
- 数字が家出?時計なのに、時間が消えちゃうんですか?
- HIGEDARUMA
- 消えるのは、時刻の「時」のほうだけなんです。残った「分」が、一人でがんばって時間を伝えるんですよ。
- BANNO
- ところで、ひげだるまさん。この作品の作者の名前、どこかで見覚えがあるんですけど。
- HIGEDARUMA
- ばれましたか。実はこれ、私が1人で作った作品なんです。
- BANNO
- 私も2023年に、ユーチューブで紹介させてもらいましたよね。今日は作者本人に、家出のわけを聞いていきます。
- BANNO
- そもそも、どうして時計を家出させようと思ったんですか?
- HIGEDARUMA
- きっかけは、ツクってアソぶハッカソンです。決まったお題に合わせて、10日たらずの期間で作品を作って発表するイベントなんです。
- HIGEDARUMA
- 2022年2月の回のお題が、「時からカイホウされるサービス」でした。
- BANNO
- 忙しい毎日の時間から、人を解放してくれるサービス、ってことですよね。
- HIGEDARUMA
- ふつうはそう考えますよね。でも私は、解放されたいのは、時計の中の「時」のほうじゃないか、と考えたんです。
- BANNO
- えっ、時計の「時」?人じゃなくて?
- HIGEDARUMA
- はい。時計の中では、時くんと分くんの兄弟が働いている、という設定なんです。
- HIGEDARUMA
- 兄の時くんは遊びたい盛りで、時計の仕事がきらい。すきあらば家出をしてしまうんですよ。
- BANNO
- それで、しっかり者の弟の分くんが、一人で留守番するわけですね。お題を、言葉遊びでひっくり返したんだ。
- BANNO
- 実際には、どんなふうに家出するんですか?
- HIGEDARUMA
- デモ動画で見てみましょう。赤い箱の時計が、15時3分を表示しています。
- HIGEDARUMA
- ここで、まわりを静かにして、しばらく様子を見るんです。
- BANNO
- じっと見守るんですね。なんだか、こっちまで息をひそめちゃいます。
- HIGEDARUMA
- すると、数字がばらばらに乱れて、「Err」という文字が出ます。これが、家出の瞬間なんです。
- BANNO
- 時計がエラーって!ちょっと焦りますね。
- HIGEDARUMA
- そして表示が、「903」に変わります。時くんが家出して、分くんだけになった姿です。
- BANNO
- 903?15時3分が、903?どういうことですか?
- HIGEDARUMA
- 15時3分を、全部「分」で数えると、こうなるんです。
- HIGEDARUMA
- 夜中の0時から15時までが、15時間。1時間は60分なので、15×60で900分。それに3分を足して、903分です。
- BANNO
- なるほど!一日の始まりから数えて、903分たった、ってことですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。1分たつと904になって、分くんは休まず時間を伝え続けます。
- BANNO
- じゃあ、朝の7時ちょうどだと、何分になるんですか?
- HIGEDARUMA
- 7×60で、420分です。お昼の12時30分なら、750分。
- BANNO
- 頭の中で、つい計算して、何時か確かめたくなりますね。それも楽しい。
- HIGEDARUMA
- ちなみに、夜の23時59分でも1439分。4桁の表示に、ちゃんと収まるんですよ。
- BANNO
- 時がいなくても、時計の仕事は止まらないんですね。分くん、偉い!
- BANNO
- それで、時くんは、いつ帰ってくるんですか?
- HIGEDARUMA
- 時くんは、ちゃっかり者で、物音にとても敏感なんです。デモでは、くしゃみをして驚かせてみました。
- HIGEDARUMA
- すると、すぐに15時4分の表示に戻ります。家出がばれないように、慌てて帰ってくるんですね。
- BANNO
- くしゃみで帰ってくるの、かわいい!本当に、時計の中に誰か住んでいるみたいですね。
- BANNO
- ひげだるまさん、この時計の中は、どうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 部品は3つだけなんです。まず、指先くらいの小さなコンピューター、M5Atom Lite。
- HIGEDARUMA
- 電卓みたいに、棒7本で数字を作る表示、7セグLED。それと、まわりの音を聞くマイクです。
- BANNO
- 時計なのに、時刻を合わせるボタンは無いんですか?
- HIGEDARUMA
- 時刻は、インターネットの時報のような、NTPサーバーから取ってくるんです。だから、合わせなくても正確なんですよ。
- HIGEDARUMA
- あとは、マイクで聞いた音の大きさを見て、静かなら家出、物音がしたら帰宅、と切り替えています。
- BANNO
- 仕組みはシンプルなのに、ちゃんと性格があるように見える。そこが面白いですね。
- HIGEDARUMA
- 家出のアニメーションは、何種類か用意したんです。7セグの動きをWebで作れる道具を使いました。
- BANNO
- 毎回ちがう家出のしかたをするんですね。つい見張りたくなっちゃいます。
- BANNO
- ハッカソンの発表は、どんな様子だったんですか?
- HIGEDARUMA
- 発表の最初に、ひとつお断りをしたんです。作品の性質上、フリップだけで説明する、音の無い時間があります、と。
- HIGEDARUMA
- 機材トラブルではございませんので、ご安心ください、って。
- BANNO
- あはは。静かにしないと、時くんが家出してくれないから!
- HIGEDARUMA
- そうなんです。見ている人にも、少しの間お静かに、とお願いしました。
- BANNO
- 聞いている人まで、作品の一部になっちゃうんですね。それは忘れられない発表です。
- HIGEDARUMA
- それと、おまけの設定もあって。ごくまれに、時くんのわがままに疲れた分くんが、家出することもあるんです。
- BANNO
- えっ、分くんまで!そのときは、どうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- 今度は時くんが、がんばって分を表現します。兄弟で、ちゃんと助け合っているんですよ。
- BANNO
- この作品は、ヒーローズ・リーグ2022で、野良ハック賞の候補にも選ばれたんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。それと、M5Stackのコンテストにも出したんです。候補に取り上げてもらえたのは、うれしかったですね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページに登録している素材は、この2つ。小さなコンピューターと、3Dプリンターです。
- HIGEDARUMA
- 小さなコンピューターに、表示とマイクをつなぐだけ。電子工作の最初の1台にも、ちょうどいい大きさなんです。
- BANNO
- 作者は、ひげだるまさん。この番組のひげだるまさん、本人です。
- BANNO
- では、今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- いま見える時計の時刻を、「分」だけで言ってみてください。時間×60+分、です。
- HIGEDARUMA
- それから、身のまわりの道具を1つ選んで、もしこれが家出したら、と考えてみてください。作りたいものが、ふっと浮かんできますよ。
- BANNO
- 私の目覚まし時計に家出されたら、困るなあ。でも、ちょっと見てみたいですね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、静かにすると数字が家出する、家出時計でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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