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人が時計になる電子工作「腕de時計」|両腕に光る棒、一番明るい角度が今の時刻

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腕de時計

    3分版もあります(作者キット)

    ProtoPedia の作品「腕de時計」を2人のMCが初心者目線で紹介。人文字や手旗信号はあるのに、人が時計になっているのは見たことがない——そんな発想から生まれた、両腕に光る棒を1本ずつ持って自分の体をアナログ時計の針にする電子工作です。腕で時計のまねをしても、今の角度は自分では分かりません。棒の中の加速度センサーが腕の傾きを測り、インターネットから取った正確な時刻と比べて、矢印のランプで「もう少し右・左」を案内。一番明るく光った角度が今の時刻です。見た目はアナログ、中身は正確な時計というギャップや、合わせるのが難しいからこそ生まれる遊び、そして「誰も作らない、それが電子工作の醍醐味」という作者の姿勢まで。

    チャプター

    文字起こし(88行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、腕de時計。
    BANNO
    写真の男性、大きな文字盤と光る棒で、ポーズを決めてますね。
    HIGEDARUMA
    実はこれ、両腕に1本ずつ光る棒を持って、自分の体を時計の針にする電子工作なんです。
    BANNO
    えっ、人が時計になるんですか?
    HIGEDARUMA
    そうなんです。作ったのは、TakSanさん。2018年に発表された作品なんですよ。
    BANNO
    そもそも、なんで時計になろうと思ったんでしょうか。
    HIGEDARUMA
    作者は、人文字や手旗信号を例に出しているんです。
    BANNO
    人文字って、運動会で、みんなで並んで文字を作るあれですね。
    HIGEDARUMA
    はい。人の体で文字や合図を伝える方法は、昔からあるんですよね。
    HIGEDARUMA
    でも、人そのものが時計になっているのは見たことがない。
    BANNO
    たしかに、見たことないですね。
    HIGEDARUMA
    作者いわく、見たことない、イコール斬新、と勝手に勘違いして作り始めました、だそうです。
    BANNO
    勘違いって、自分で言っちゃうんですね。そこがいいですね。
    HIGEDARUMA
    さらに、写真を1分ごとに切り替えるだけの時計では、時計の気持ちが分からない、とも書いています。
    BANNO
    時計の気持ち。急に哲学っぽくなりましたね。
    HIGEDARUMA
    ご本人も、勝手な言い分、と書き添えているんですけどね。
    BANNO
    でも、腕で時計のまねをするだけなら、道具はいらなくないですか?
    HIGEDARUMA
    いい質問です。ばんのさん、いま両腕で、今の時刻を作ってみてください。
    BANNO
    右腕が長い針で、左腕が短い針、ですね。えーっと……。
    BANNO
    あれ、ちょうど何分の角度なのか、自分では全然分からないです。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。しかも自分から見ると、時計を裏側から見ていることになるんですよ。
    BANNO
    右と左が逆になるんですね。これは頭がこんがらがります。
    HIGEDARUMA
    作者も、今何時何分の位置に針を傾けているかは自分では判りません、と書いています。
    HIGEDARUMA
    そこで、この光る棒が、腕の角度を案内してくれるんです。
    BANNO
    案内って、どうやって教えてくれるんですか?
    HIGEDARUMA
    棒の根元に、左右の矢印のランプが付いているんです。
    HIGEDARUMA
    もう少し右、もう少し左、と、腕を動かす向きを光で教えてくれます。
    HIGEDARUMA
    大きくずれているとき、正確には角度が90度以上ずれていると、両方の矢印が赤く光ります。
    BANNO
    まずは赤信号で、全然違うよ、と。
    HIGEDARUMA
    そうです。そこから正しい角度に近づくと、矢印はだんだん暗くなって、針の光がだんだん明るくなるんです。
    HIGEDARUMA
    そして、ぴったり合うと矢印は消えて、針が一番明るく光ります。
    BANNO
    宝探しの、あったかい、つめたい、みたいですね。
    HIGEDARUMA
    まさにそれです。一番明るくなった角度が、今の時刻なんですよ。
    BANNO
    短い針用と長い針用の2本がそろえば、人がまるごと時計になって、周りに時刻を知らせられるんですね。
    BANNO
    ひげだるまさん、棒の中はどうなっているんですか?
    HIGEDARUMA
    1本の中に、大きく3つの役目の部品が入っているんです。
    HIGEDARUMA
    1つ目は、Wi-Fiにつながる小さなコンピューター、マイコンです。
    HIGEDARUMA
    スマホの時計が勝手に正しく合うのと同じで、インターネットから正確な時刻をもらってきます。
    BANNO
    だから、棒の時計はいつも正確なんですね。
    HIGEDARUMA
    2つ目が、加速度センサー。傾きを感じる部品です。
    HIGEDARUMA
    スマホを横にすると画面がくるっと回りますよね。あれと同じ仲間の部品で、腕の角度を測ります。
    BANNO
    あ、それなら毎日お世話になってます。
    HIGEDARUMA
    3つ目が、小さなライトが一列に並んだ光る帯、LEDバーです。
    HIGEDARUMA
    作者の言葉では、目立たなければ意味がありません、だそうです。
    BANNO
    時計ですもんね。見てもらってなんぼです。
    HIGEDARUMA
    マイコンが、今の時刻なら針は何度か、を計算して、センサーで測った腕の角度との差で光り方を変えているんです。
    BANNO
    つまり、正解の角度と今の腕の角度を、ずっと比べ続けているんですね。
    HIGEDARUMA
    はい。見た目は思いっきりアナログなのに、中身は正確な時計。作者はこのギャップがいい、と書いています。
    BANNO
    実際に使ってみると、どうなんでしょう。
    HIGEDARUMA
    作者いわく、結構きっちり合わせるのが難しくて、そこに遊びの要素がある、と。
    HIGEDARUMA
    一人で時計になると、写真を撮るのも難しいそうです。
    BANNO
    両手がふさがってますもんね。
    HIGEDARUMA
    ものづくりのコンテスト、マッシュアップアワードの審査会で体験した人も、記事を書いているんです。
    HIGEDARUMA
    手だけでツイスターをしているようで地味に難しい、でも謎の達成感がある、と書いていました。
    BANNO
    謎の達成感! ぴったり光った瞬間、絶対うれしいですよね。
    HIGEDARUMA
    中身もすごいんですよ。部品は全部手作りで、小さなケースにぎっしり押し込んでいます。
    HIGEDARUMA
    本当はケースを3Dプリンターで作りたかったそうなんですが、3D CADとの闘いに敗れました、と。
    BANNO
    負けちゃったんですね。でも正直に書いてあるのが、なんだか親近感わきます。
    HIGEDARUMA
    それから注意書きもあって、ビームサーベルではありません、振り回さないでください、だそうです。
    BANNO
    光る棒を持ったら、振りたくなりますもんね。
    BANNO
    使いどころとしては、どうでしょう。
    HIGEDARUMA
    作者は、展示に向いているかも、子供が楽しみながらアナログ時計を学習できるかも、と書いています。
    BANNO
    針の角度を体で覚えられたら、時計の読み方も身につきそうですね。
    BANNO
    この作品、そのあとはどうなったんでしょうか。
    HIGEDARUMA
    そのマッシュアップアワードには、2018年の大会に応募していたんです。
    HIGEDARUMA
    そして、IoT部門の決勝審査会に進んだ10作品のひとつに選ばれたんです。
    BANNO
    ちなみにIoTって、インターネットにつながるモノ、ですよね。
    HIGEDARUMA
    そうです。作者は、一応IoTかも、と控えめに書いていますけどね。
    HIGEDARUMA
    2020年には、もっと小さなマイコンのM5StickCで作り直した版も出しているんです。
    HIGEDARUMA
    そのときの言葉が、時計になりたい一心で作りました。
    BANNO
    2年たっても、まだ時計になりたいんですね。
    HIGEDARUMA
    プロトペディアの時間という配信番組で紹介されたり、ものづくりのイベントで展示されたりもしています。
    BANNO
    作品ページには、こんな言葉もありましたね。
    BANNO
    誰も作らないですよね。作ろうとも思わないですよね。わざわざ労力とお金をかけてまで。
    HIGEDARUMA
    それが電子工作の醍醐味。わかります。役に立つかより、やってみたい、が先なんですよね。
    BANNO
    そういえば、時計の気持ちは分かったんでしょうか。
    HIGEDARUMA
    分かってきたそうです。でも、どう分かったかは秘密。実際になってみて感じることが大切、だそうです。
    BANNO
    そこは、自分で時計になって確かめるしかないですね。
    BANNO
    作者は、TakSanさん。
    BANNO
    今日できる、いちばん小さな一歩です。
    BANNO
    いま、両腕で今の時刻を作ってみてください。答え合わせは、スマホの時計で。
    HIGEDARUMA
    そのあと、身の回りで、まだ誰もやっていないこと、をひとつメモしてみてください。
    HIGEDARUMA
    見たことない、が、作り始める理由になる。腕de時計が教えてくれたことなんです。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、人が時計の針になる電子工作、腕de時計でした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    腕de時計
    作者: TakSan
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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