飲むだけで水の量を記録するボトル「ALL IN ONE BOTTLE」
飲んだ水の量を重さと傾きで自動記録し、飲み忘れを画面と腕の機械で知らせる、高専生が1人で作ったスマートボトルを紹介します。
チャプター
0:00オープニング0:20飲んだ水を数えるボトル0:59気づけば水を飲んでいない1:47ボトルと過ごす1日4:03どうやって量が分かる?5:39使う人への気づかい7:09作者の挑戦8:34開発素材9:27エンディング
文字起こし(91行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ALL IN ONE BOTTLE。飲んだ水の量を数えてくれる、手作りのボトルです。
- BANNO
- オールインワン、つまり全部入りですか。ボトルに何が全部入っているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 水を入れて飲むだけで、何ミリリットル飲んだかが画面に出るんです。
- HIGEDARUMA
- しかも飲み忘れていると、ボトルのほうから声をかけてくれるんですよ。
- BANNO
- ボトルから声をかけられるなんて、ちょっとうれしいですね。
- BANNO
- 正直に言うと、私、気づいたら夕方まで水をほとんど飲んでいない日があるんです。
- HIGEDARUMA
- 分かります。夢中になっていると、のどが渇いたことにも気づかないんですよね。
- BANNO
- 作者さんも、そこが気になったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- はい。水を飲むのは体にとって大切なのに、忙しいと忘れてしまう人が多い。
- HIGEDARUMA
- だから、飲んだ量を記録して、飲むのを後押ししてくれる装置を作りたいと思ったそうです。
- BANNO
- でも記録って、続かないんですよね。アプリに毎回入力するのは、私には無理でした。
- HIGEDARUMA
- そこがこのボトルのいいところで、入力はいらないんです。飲むだけで勝手に記録されます。
- BANNO
- それなら、ずぼらな私でも続けられそうです。
- BANNO
- では実際に、このボトルを使う1日を追いかけてみましょうか。
- HIGEDARUMA
- はい。最初の準備は、ボトルの画面に出るQRコードを、スマホで2回読むだけなんです。
- HIGEDARUMA
- あとはスマホの画面で、身長と体重と、家のWi-Fiを入れれば準備完了です。
- BANNO
- 身長と体重を入れるのは、なぜなんですか?
- HIGEDARUMA
- 1日に飲む目標を、体に合わせて自動で決めるためなんです。体重60キロの人なら、1日1600ミリリットルです。
- BANNO
- 1600ミリリットル。ボトルにすると何本分くらいでしょう?
- HIGEDARUMA
- このボトルは650ミリリットル入るので、2本半くらいですね。
- BANNO
- 朝、電源を入れると、どうなりますか?
- HIGEDARUMA
- 画面に「おはようございます。今日も一日頑張りましょう」と出るんです。
- BANNO
- かわいい。朝からボトルに励まされるんですね。
- HIGEDARUMA
- 水を入れると、画面に「新しい水が入れられました」。
- BANNO
- そして、飲むと?
- HIGEDARUMA
- 「何ミリリットル水分が摂取されました」と出て、今日の合計に足されるんです。
- BANNO
- もし、仕事に集中して飲むのを忘れていたら?
- HIGEDARUMA
- 最後に飲んでから90分たつと、「前回の水分摂取から90分が経過しました」と知らせてくれます。
- HIGEDARUMA
- ボトルが遠くにあっても大丈夫。腕につける小さな機械が、ブルッと震えて光るんです。
- BANNO
- 席を離れていても気づけるんですね。ほかにも教えてくれることはありますか?
- HIGEDARUMA
- 1日以上替えていない水を飲もうとすると、「新しい水に交換してください」と止めてくれます。
- BANNO
- それはありがたい。置きっぱなしの水って、ちょっと心配ですもんね。
- HIGEDARUMA
- 放っておいた水には雑菌が増えるので、そんな水を飲まないようにという気づかいなんです。
- HIGEDARUMA
- 夜、電源を切ると、今日飲んだ量と、目標を達成できたかが画面に出ます。
- HIGEDARUMA
- スマホで見ると、1週間分がグラフになっていて、飲む間隔の平均まで分かるんですよ。
- BANNO
- 朝から夜まで、ずっとそばで見守ってくれる相棒みたいですね。
- BANNO
- ところで、そもそもボトルは、どうやって飲んだ量が分かるんですか?
- HIGEDARUMA
- 答えは、重さなんです。ボトルの底に、重さを測るセンサーが入っています。
- HIGEDARUMA
- ロードセルという部品で、キッチンスケール、はかりの中に入っているのと同じ仲間なんですよ。
- HIGEDARUMA
- 飲む前と飲んだ後で重さを比べて、軽くなった分が、飲んだ量というわけです。
- BANNO
- なるほど。でも、ボトルを机に置いた時や、持ち上げて揺れた時にも、重さは変わりますよね?
- HIGEDARUMA
- 鋭いです。そこで、傾きが分かるセンサーも入れているんです。
- HIGEDARUMA
- スマホを横にすると、画面がくるっと回りますよね。あれと同じ仕組みのセンサーです。
- HIGEDARUMA
- ボトルが傾いて水が出た時だけ、飲んだと判断して記録します。
- BANNO
- 重さと傾きの合わせ技なんですね。それなら勘違いしにくそうです。
- HIGEDARUMA
- 中の頭脳は、指先ほどの小さなコンピューターが2つ。画面の担当と、ネットとセンサーの担当に分けているんです。
- BANNO
- ネットにもつながっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 家のWi-Fiにつながって、天気のサービスからその日の最高気温をもらってきます。LINEにも通知を送れるようにしていました。
- HIGEDARUMA
- スマホで見るあのグラフのページも、実はボトルの中のコンピューターが自分で出しているんです。
- BANNO
- ボトルの中に、小さなお店が入っているみたいですね。
- HIGEDARUMA
- 腕の機械とは、ブルートゥースの仲間の、近くどうしをつなぐ無線でつながっています。
- BANNO
- 使う人のことを、すごく考えて作られている気がします。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。たとえばボトルは2層になっていて、水を入れる部分だけ外して洗えます。
- HIGEDARUMA
- だから、機械が入っている部分は濡れません。口をつける飲み口も、衛生面を考えて市販品を使っています。
- BANNO
- 毎日使うものは、洗えるかどうかが大事ですもんね。
- HIGEDARUMA
- アシスタント機能もあります。夜8時までに目標に届くよう、1時間に飲む量を計算してくれるんです。
- HIGEDARUMA
- 朝8時に始めて目標が1600ミリリットルなら、夜8時までの12時間で、1時間に133ミリリットルです。
- BANNO
- コップに3分の2くらい。それなら1時間ごとに、ひと口ずつ飲めそうです。
- HIGEDARUMA
- 外で運動する日は、熱中症モードです。外にいる時間を30分から6時間で選ぶと、気温に合わせて目標を決めて、休憩を促してくれます。
- BANNO
- 夏の部活や、子どもの外遊びにも役立ちそうですね。
- HIGEDARUMA
- まだあります。赤外線を出す部品で、テレビや照明、エアコンも、ボトルの画面から操作できるんです。
- HIGEDARUMA
- 充電も、台に置くだけ。
- BANNO
- ボトルで、エアコン!本当に全部入りですね。名前のとおりです。
- HIGEDARUMA
- 作品ページにも、ここまで多機能なものは初めて見ました、というコメントが届いているんですよ。
- BANNO
- これを作ったのは、どんな方なんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作者は、平松夏々翔さん。高専、つまり高等専門学校の情報工学科の学生さんで、中学生のころから電子工作を独学しているそうです。
- BANNO
- えっ、学生さんがひとりで、ここまで作ったんですか!
- HIGEDARUMA
- はい。外の形もパソコンで設計して、3Dプリンターで、3日ほどかけて印刷しています。
- BANNO
- 大変なところも、あったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- スマホで見るページは、作った経験があまりなくて、思うようにいかなかったそうです。
- HIGEDARUMA
- そこで、ページの作り方を一から勉強して、なんとか形にしています。
- HIGEDARUMA
- 画面のタッチが、なぜか反応しない問題にもぶつかって、1週間ほど試行錯誤したそうです。
- BANNO
- 1週間も。あきらめなかったのが、すごいですね。
- HIGEDARUMA
- 機能を詰め込みすぎて、画面担当のコンピューターは、記憶する場所の99パーセントを使い切っています。
- BANNO
- もう1文字も入らないくらい、ぎっしりなんですね。
- BANNO
- この作品は、ヒーローズ・リーグ2025で、2つの賞を受賞しています。
- HIGEDARUMA
- 審査した方からは、好きで作っているのが伝わってくる、という言葉が贈られています。
- BANNO
- その「好き」が、全部入りの正体なんですね。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この5つです。
- HIGEDARUMA
- 重さを測るセンサーも、小さなコンピューターも、ネットで手ごろに買える部品なんです。
- BANNO
- 作者は、平松夏々翔さん。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- まずは今日、水を何杯飲んだか、夜に指で数えてみてください。思ったより少ないかもしれません。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたい人は、重さを測るセンサーと小さなコンピューターで、コップの重さを画面に出すところからです。
- HIGEDARUMA
- それができたら、もうこのボトルの心臓部ができたようなものなんですよ。
- BANNO
- 私はまず、コップ1杯の水から始めます。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、飲むだけで水の量を数えて、飲み忘れを知らせてくれる、ALL IN ONE BOTTLEでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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