ProtoPedia Video Maker

ラジカセに入れるとネットの音楽が流れるカセット「Cassettify」|もしスマホがなかったら?

紹介した作品: CassettifyProtoPedia での反響: 閲覧 2,600+ ・ ♥ 15

ProtoPedia の作品「Cassettify」を2人のMCが紹介。見た目は普通のカセットテープなのに、ラジカセやカーステレオに入れて再生ボタンを押すと、インターネットの音楽配信が流れます。中に入っている小さなコンピューターと充電池、プレーヤーを改造せずに『テープのふり』をする仕組み、あえて音質を下げた『エモさアップ』の発想、試作を重ねた道のりと受賞まで紹介します。

チャプター

文字起こし(66行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、Cassettify。
BANNO
写真を見ると、普通のカセットテープですよね。緑のラベルがかわいいです。
HIGEDARUMA
見た目はそうなんです。でもラジカセに入れて再生ボタンを押すと、ネットの音楽が流れてくるんですよ。
BANNO
えっ、テープに録音した曲じゃなくて、ネットの音楽ですか?
HIGEDARUMA
はい。スマホのアプリで聴くような音楽配信が、昔のラジカセから鳴るんです。
HIGEDARUMA
作ったのは中田裕士さん。アイデアから部品づくりまで、1人で作った作品です。
BANNO
でも今は、音楽ってスマホで聴きますよね。どうしてカセットなんでしょうか?
HIGEDARUMA
そこがこの作品の出発点なんです。作者はこう書いています。
HIGEDARUMA
「もしこの世にスマホがなかったら、ぼくらは音楽をどのように楽しんでいるのだろう?」
BANNO
なるほど。たしかに音楽も写真もニュースも、いまは全部スマホですもんね。
BANNO
カセットを知らない方のために言うと、手のひらサイズのテープに音を記録するものなんです。
HIGEDARUMA
ラジカセは、ラジオとカセットの再生が1台になった機械ですね。今は押し入れで眠っている家も多いと思います。
BANNO
その眠っている機械が、もう一度ネットの音楽を鳴らせたら、ちょっとワクワクしますね。
BANNO
でも、どうやって鳴らすんですか?ラジカセのほうを改造するんでしょうか?
HIGEDARUMA
それが、ラジカセは何も改造しないんです。仕掛けは全部、カセットの中にあるんですよ。
HIGEDARUMA
中身の写真を見てみましょう。元になっているのは、カセットテープアダプターという道具です。
BANNO
アダプター、ですか。初めて聞きました。
HIGEDARUMA
昔、車のカーステでスマホの音楽を流すのに使った、コード付きのカセット型の道具なんです。
HIGEDARUMA
そこに、切手くらいの小さなコンピューターと、薄い充電池を詰めこんでいます。
BANNO
あの小さなケースの中に、コンピューターまで入っているんですか。
HIGEDARUMA
このコンピューターがWiFi、つまり無線のネット回線につながって、音楽を受け取ります。
HIGEDARUMA
受け取った音は、カセットの磁気ヘッドから、ラジカセに渡すんです。
BANNO
磁気ヘッドって、何でしょうか?
HIGEDARUMA
ラジカセが、テープの音を読み取る部分です。
HIGEDARUMA
そこに磁気で音を伝えるので、ラジカセはテープを再生していると思って、そのまま鳴らすんですよ。
BANNO
つまり、カセットが「テープのふり」をして、ラジカセをだましているんですね。
HIGEDARUMA
その通りです。だから古いラジカセでも、車のカーステでも、学校の放送室のデッキでも使えるんです。
BANNO
ネットの音楽を流すプログラムも、作者が一から書いたんですか?
HIGEDARUMA
そこは、KaRadio32という、誰でも無料で使える公開のプログラムを使っています。
HIGEDARUMA
あるものは上手に借りて、カセットに収めるところに力を注いだんですね。
BANNO
電池は、どのくらいもつんでしょうか?
HIGEDARUMA
小さな充電池をいっぱいに充電して、約30分鳴らせます。充電はスマホと同じように、USBのケーブルでするんです。
BANNO
30分。ちょうどカセットの片面くらいですね。ラベルにも「30min」と書いてあります。
BANNO
作るのは、一回でうまくいったんでしょうか?
HIGEDARUMA
いえ、何度も作り直しています。中でも面白いのが、2号機での変更なんです。
HIGEDARUMA
1号機では、音を大きくする専用の部品を入れていました。2号機ではそれを外したんです。
BANNO
部品を外して、大丈夫だったんですか?
HIGEDARUMA
実はコンピューターの中に、デジタルの音を、スピーカーで鳴らせる電気の波に直す機能が元からあったんです。
HIGEDARUMA
それを使ったぶん、電池が少し長もちして、費用も下がりました。
HIGEDARUMA
ただ、音質は下がりました。作者はそれを「音質ダウン、イコール、エモさアップ」と書いているんですよ。
BANNO
エモさアップ!性能が下がったことを、味わいに言いかえちゃったんですね。
BANNO
カセットの少しこもった音って、むしろそこがいいんですよね。弱点を価値に変える、うまい発想です。
HIGEDARUMA
そのあとも試作をくり返して、第5世代では配線を手でつなぐのをやめ、専用の基板を作りました。
BANNO
基板というのは、部品を並べて載せる板のことですね。
HIGEDARUMA
はい。むき出しの線でつなぐより、きれいに小さく収まって、同じものを作りやすくなるんです。
BANNO
この作品、コンテストでも評価されているんですよね。
HIGEDARUMA
2018年の、ものづくりのコンテスト、ヒーローズ・リーグで、みんなで選ぶヒーロー賞の第3位と、IoTヒーロー賞の2つを受賞しました。
BANNO
審査のコメントには、「仕組みをアップグレードして、音質がダウングレードしていくこだわりに、まさにWowでした」とあります。
HIGEDARUMA
作品ページには、「失われていく温かさを取り戻したような、でも今時のことができる」という声もありました。
BANNO
懐かしさと新しさのバランス。まさにこの作品の魅力ですね。
HIGEDARUMA
ProtoPediaの配信番組でも、2020年と、100回記念の2022年に紹介されているんですよ。
BANNO
こうして見ると、便利グッズというより、「問いかけ」の作品なんですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。スマホ以外の選択肢を考えるために作った、と作者は書いています。
BANNO
自分で作ってみたくなった人は、どこから始めればいいでしょうか?
HIGEDARUMA
入口は、この作品の頭脳と同じESP32です。電子工作のお店や通販で手に入りますよ。
HIGEDARUMA
そこに今日のKaRadio32を入れると、まずはネットラジオが作れるんです。
BANNO
作るのはまだ先、という人にも、今日できる一歩がありますよ。
BANNO
スマホでしていることを1つ選んで、スマホがなかったらどうするか、考えてみてください。
HIGEDARUMA
家や実家にラジカセが眠っていたら、電源を入れてみるのもいいですね。そこから何か思いつくかもしれません。
BANNO
作ったのは、中田裕士さんです。
HIGEDARUMA
作品ページと公式サイトには、中の構造の写真もあります。ぜひのぞいてみてください。
BANNO
さて、今日紹介したのは、ラジカセからネットの音楽が流れるカセットテープ、Cassettifyでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
Cassettify
作者: 中田裕士
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

この動画の公開に問題がある場合は 取り下げを依頼してください。運営者が内容を確認し、取り下げることにした場合は非公開にします。

あなたの作品も、動画で紹介します

ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。

動画をリクエストする