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撮るだけで報告書が完成「ほうれんそうカメラ」|手袋のままダイヤルとボタンで、役場への報告・連絡・相談

紹介した作品: ほうれんそうカメラProtoPedia での反響: 閲覧 1,400+ ・ ♥ 21

ProtoPedia の作品「ほうれんそうカメラ」を2人のMCが初心者目線で紹介。スマホに小さな箱を挿してダイヤルを回し、シャッターを押すだけで、農地を守る活動の報告書がスプレッドシートに自動で出来上がります。平均年齢75歳を超える農家と役場の困りごと、写真が報告書になるまでの仕組み(ESP32・Google Drive・OpenStreetMap・顔認識・LINE)、アプリだけでは使ってもらえなかった壁と、公務員の作者が1年かけてアプリづくりを学んだ物語まで。

チャプター

文字起こし(77行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、ほうれんそうカメラ。
BANNO
ほうれんそう?野菜を撮るカメラですか?
HIGEDARUMA
それがちがうんです。報告・連絡・相談の、ほうれんそうなんです。
HIGEDARUMA
スマホに小さな箱を挿して写真を撮るだけで、役場に出す報告書が自動で出来上がるんですよ。
BANNO
撮るだけで報告書が?それはうれしい人が多そうですね。
HIGEDARUMA
しかも作ったのは、本業が公務員で、自分のことを非エンジニアと呼ぶ方なんです。
BANNO
ええっ、気になります。今日はその秘密をじっくり見ていきましょう。
BANNO
そもそも、だれがどんな報告書に困っていたんでしょうか?
HIGEDARUMA
山あいの田んぼや畑では、草刈りや水路の掃除をみんなでやると、国や自治体から支援金が出るんです。
BANNO
農地を守る活動を、支えてくれる仕組みなんですね。
HIGEDARUMA
はい。ただその代わりに、作業ひとつひとつに報告書が必要なんです。
HIGEDARUMA
いつ、どこで、だれが、なにをしたか。写真もつけて役場に出します。
BANNO
草刈りのたびに書類ですか。回数が多いと、それだけで大変ですね。
HIGEDARUMA
作者の地域では、農業をしている人の平均年齢が75歳を超えているそうです。
BANNO
75歳を超えた方に、パソコンで書類を作ってもらうのは、正直きびしいですよね。
HIGEDARUMA
かといって手書きにすると、まちがいが多くて、受け取る役場の側も困ってしまうんです。
BANNO
書く人も、受け取る人も困っている。どちらにもつらい状態なんですね。
HIGEDARUMA
しかも外の作業では手袋をしています。スマホの画面をさわるのも、ひと苦労なんですよ。
BANNO
そこで作者は、現場の人にも、役場の人にもやさしい仕組みを作りたいと考えたんですね。
BANNO
では実際に、どうやって使うんでしょうか?
HIGEDARUMA
まず、黒い小さな箱をスマホに挿します。すると、専用のカメラアプリが勝手に立ち上がるんです。
BANNO
アプリを探して開く必要もないんですね。
HIGEDARUMA
箱についているのは、ダイヤルとシャッターボタンだけです。
HIGEDARUMA
ダイヤルには、草刈り、除草剤、水路の管理といった作業の名前が並んでいます。
BANNO
ダイヤルを回して、今日の作業を選ぶわけですね。でも、選べたかどうか見えますか?
HIGEDARUMA
回すと声で教えてくれるので、画面を見なくても大丈夫なんです。
BANNO
手袋のままでも、カチカチ回して押すだけ。これなら機械が苦手な人でも使えそうです。
HIGEDARUMA
あとはシャッターを押して作業の様子を撮り、続けていっしょに作業した人の顔を撮ります。
HIGEDARUMA
操作はこれだけです。
BANNO
それで、報告書はどうなるんですか?
HIGEDARUMA
スプレッドシートという、ネット上の表の画面に、報告書が自動で出来上がるんです。
HIGEDARUMA
日付、作業の名前、参加した人の名前、地図つきの場所、そして写真が、ちゃんと並んでいます。
BANNO
すごい!事務所に戻ってから書かなくていいんですね。
HIGEDARUMA
役場に連絡したいときは、ダイヤルを連絡に合わせて押せば、LINEで写真とメッセージが届きます。
BANNO
報告も連絡も相談も、カメラ1台で済む。まさに名前どおりですね。
BANNO
でも、写真を撮るだけで、どうして名前や場所までわかるんですか?
HIGEDARUMA
順番に見ていきますね。まず箱の中には、ESP32という小さなコンピューターが入っています。
HIGEDARUMA
ダイヤルやボタンの動きを読んで、スマホに伝える係です。電気はスマホからもらい、無線でつながっています。
BANNO
箱の形は、どうやって作ったんですか?
HIGEDARUMA
パソコンで形を設計して、3Dプリンターで印刷しているんです。
BANNO
撮った写真は、そのあとどこへ行くんでしょう?
HIGEDARUMA
写真はGoogleドライブというネット上の保管庫に送られて、そこからスプレッドシートが報告書を組み立てます。
HIGEDARUMA
場所は、スマホの位置の数字を、地図サービスのOpenStreetMapで住所と地図に変えているんです。
BANNO
じゃあ、参加した人の名前は?
HIGEDARUMA
Googleの顔認識、つまり顔を見分ける機能で、撮った顔写真から名簿の名前を見つけています。
HIGEDARUMA
ただ作者自身、顔認識の精度はまだ甘くて、磨いていく必要があると話しているんです。
BANNO
できていないところも、正直に話しているんですね。
HIGEDARUMA
使った道具は、こちらです。
HIGEDARUMA
ダイヤルの案内の声には、A.I.VOICEの琴葉茜・葵の音声を使っています。
BANNO
ところで、なぜスマホのアプリだけにしなかったんでしょう?
HIGEDARUMA
最初は、アプリだけで考えていたそうです。でも、農家の方には使えなかったんです。
HIGEDARUMA
そこで、押せばわかる箱を組み合わせたら、ぐっと使いやすくなった。作者はそう話しています。
BANNO
あえて物理ボタン。使う人の顔を思い浮かべて作っているのが伝わります。
HIGEDARUMA
審査の場でも、あえて物理ボタンというのが現場目線だ、と評価されていました。
BANNO
もうひとつ気になっていたんですが、非エンジニアの作者が、どうやってアプリまで作ったんですか?
HIGEDARUMA
電子工作の経験はあったものの、アプリを作る技術はなかったそうです。
HIGEDARUMA
そこで、Flutterというスマホアプリを作る道具を、1年かけて学んで作り上げたんです。
BANNO
1年!本業のお仕事をしながらですよね。えらい!
HIGEDARUMA
決勝の発表では、公務員のほかに、イノシシをとるハンターや消防団員もしていると明かしていました。
BANNO
審査員から、何足のわらじを履いているんだ、と驚かれたそうですね。
HIGEDARUMA
この作品は、ヒーローズ・リーグ2025で、ルーキーヒーローに選ばれました。
HIGEDARUMA
申し込みは311件。ルーキーは、これまでコンテストで賞をとったことがない人が対象の賞なんです。
BANNO
初めての受賞が、この作品。うれしかったでしょうね。
BANNO
この仕組み、農業のほかにも使えそうですね。
HIGEDARUMA
作者も、消防や水道、建設の現場、工場のライン作業などに広げたいと話しています。
BANNO
手がふさがっていて、スマホを出しにくい現場は多いですもんね。
BANNO
画面を増やすんじゃなくて、ボタンを1つ足す。この考え方、まねしたくなります。
HIGEDARUMA
作ってみたい人は、ESP32とボタン1つから始められます。まずは、押したらスマホに通知が届くところまで作ってみるのが近道ですよ。
BANNO
今日できる最小の一歩は、スマホを出すのが面倒な場面を、身の回りから1つ書き出すこと。
BANNO
そこでボタン1つを押すとしたら、なにが起きてほしいか。それを考えてみてください。
HIGEDARUMA
作品ページでは、作者の紹介動画や決勝の発表も見られますよ。
HIGEDARUMA
リンクはこちらです。
BANNO
さて、今日紹介したのは、撮るだけで報告書が出来上がる、ほうれんそうカメラでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
ほうれんそうカメラ
作者: Ignite Tomorrow
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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