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撮るだけで報告書が完成「ほうれんそうカメラ」|手袋のままダイヤルとボタンで、役場への報告・連絡・相談
ProtoPedia の作品「ほうれんそうカメラ」を2人のMCが初心者目線で紹介。スマホに小さな箱を挿してダイヤルを回し、シャッターを押すだけで、農地を守る活動の報告書がスプレッドシートに自動で出来上がります。平均年齢75歳を超える農家と役場の困りごと、写真が報告書になるまでの仕組み(ESP32・Google Drive・OpenStreetMap・顔認識・LINE)、アプリだけでは使ってもらえなかった壁と、公務員の作者が1年かけてアプリづくりを学んだ物語まで。
チャプター
0:00オープニング0:20報告・連絡・相談の「ほうれんそう」1:08農地を守る活動に、国や自治体から支援金2:24挿すだけで、アプリが起動3:56箱の頭脳は、小さなコンピューター5:20アプリだけでは、使ってもらえなかった6:48消防・水道・建設・工場へも7:53エンディング
文字起こし(77行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ほうれんそうカメラ。
- BANNO
- ほうれんそう?野菜を撮るカメラですか?
- HIGEDARUMA
- それがちがうんです。報告・連絡・相談の、ほうれんそうなんです。
- HIGEDARUMA
- スマホに小さな箱を挿して写真を撮るだけで、役場に出す報告書が自動で出来上がるんですよ。
- BANNO
- 撮るだけで報告書が?それはうれしい人が多そうですね。
- HIGEDARUMA
- しかも作ったのは、本業が公務員で、自分のことを非エンジニアと呼ぶ方なんです。
- BANNO
- ええっ、気になります。今日はその秘密をじっくり見ていきましょう。
- BANNO
- そもそも、だれがどんな報告書に困っていたんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 山あいの田んぼや畑では、草刈りや水路の掃除をみんなでやると、国や自治体から支援金が出るんです。
- BANNO
- 農地を守る活動を、支えてくれる仕組みなんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。ただその代わりに、作業ひとつひとつに報告書が必要なんです。
- HIGEDARUMA
- いつ、どこで、だれが、なにをしたか。写真もつけて役場に出します。
- BANNO
- 草刈りのたびに書類ですか。回数が多いと、それだけで大変ですね。
- HIGEDARUMA
- 作者の地域では、農業をしている人の平均年齢が75歳を超えているそうです。
- BANNO
- 75歳を超えた方に、パソコンで書類を作ってもらうのは、正直きびしいですよね。
- HIGEDARUMA
- かといって手書きにすると、まちがいが多くて、受け取る役場の側も困ってしまうんです。
- BANNO
- 書く人も、受け取る人も困っている。どちらにもつらい状態なんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも外の作業では手袋をしています。スマホの画面をさわるのも、ひと苦労なんですよ。
- BANNO
- そこで作者は、現場の人にも、役場の人にもやさしい仕組みを作りたいと考えたんですね。
- BANNO
- では実際に、どうやって使うんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- まず、黒い小さな箱をスマホに挿します。すると、専用のカメラアプリが勝手に立ち上がるんです。
- BANNO
- アプリを探して開く必要もないんですね。
- HIGEDARUMA
- 箱についているのは、ダイヤルとシャッターボタンだけです。
- HIGEDARUMA
- ダイヤルには、草刈り、除草剤、水路の管理といった作業の名前が並んでいます。
- BANNO
- ダイヤルを回して、今日の作業を選ぶわけですね。でも、選べたかどうか見えますか?
- HIGEDARUMA
- 回すと声で教えてくれるので、画面を見なくても大丈夫なんです。
- BANNO
- 手袋のままでも、カチカチ回して押すだけ。これなら機械が苦手な人でも使えそうです。
- HIGEDARUMA
- あとはシャッターを押して作業の様子を撮り、続けていっしょに作業した人の顔を撮ります。
- HIGEDARUMA
- 操作はこれだけです。
- BANNO
- それで、報告書はどうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- スプレッドシートという、ネット上の表の画面に、報告書が自動で出来上がるんです。
- HIGEDARUMA
- 日付、作業の名前、参加した人の名前、地図つきの場所、そして写真が、ちゃんと並んでいます。
- BANNO
- すごい!事務所に戻ってから書かなくていいんですね。
- HIGEDARUMA
- 役場に連絡したいときは、ダイヤルを連絡に合わせて押せば、LINEで写真とメッセージが届きます。
- BANNO
- 報告も連絡も相談も、カメラ1台で済む。まさに名前どおりですね。
- BANNO
- でも、写真を撮るだけで、どうして名前や場所までわかるんですか?
- HIGEDARUMA
- 順番に見ていきますね。まず箱の中には、ESP32という小さなコンピューターが入っています。
- HIGEDARUMA
- ダイヤルやボタンの動きを読んで、スマホに伝える係です。電気はスマホからもらい、無線でつながっています。
- BANNO
- 箱の形は、どうやって作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- パソコンで形を設計して、3Dプリンターで印刷しているんです。
- BANNO
- 撮った写真は、そのあとどこへ行くんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 写真はGoogleドライブというネット上の保管庫に送られて、そこからスプレッドシートが報告書を組み立てます。
- HIGEDARUMA
- 場所は、スマホの位置の数字を、地図サービスのOpenStreetMapで住所と地図に変えているんです。
- BANNO
- じゃあ、参加した人の名前は?
- HIGEDARUMA
- Googleの顔認識、つまり顔を見分ける機能で、撮った顔写真から名簿の名前を見つけています。
- HIGEDARUMA
- ただ作者自身、顔認識の精度はまだ甘くて、磨いていく必要があると話しているんです。
- BANNO
- できていないところも、正直に話しているんですね。
- HIGEDARUMA
- 使った道具は、こちらです。
- HIGEDARUMA
- ダイヤルの案内の声には、A.I.VOICEの琴葉茜・葵の音声を使っています。
- BANNO
- ところで、なぜスマホのアプリだけにしなかったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 最初は、アプリだけで考えていたそうです。でも、農家の方には使えなかったんです。
- HIGEDARUMA
- そこで、押せばわかる箱を組み合わせたら、ぐっと使いやすくなった。作者はそう話しています。
- BANNO
- あえて物理ボタン。使う人の顔を思い浮かべて作っているのが伝わります。
- HIGEDARUMA
- 審査の場でも、あえて物理ボタンというのが現場目線だ、と評価されていました。
- BANNO
- もうひとつ気になっていたんですが、非エンジニアの作者が、どうやってアプリまで作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- 電子工作の経験はあったものの、アプリを作る技術はなかったそうです。
- HIGEDARUMA
- そこで、Flutterというスマホアプリを作る道具を、1年かけて学んで作り上げたんです。
- BANNO
- 1年!本業のお仕事をしながらですよね。えらい!
- HIGEDARUMA
- 決勝の発表では、公務員のほかに、イノシシをとるハンターや消防団員もしていると明かしていました。
- BANNO
- 審査員から、何足のわらじを履いているんだ、と驚かれたそうですね。
- HIGEDARUMA
- この作品は、ヒーローズ・リーグ2025で、ルーキーヒーローに選ばれました。
- HIGEDARUMA
- 申し込みは311件。ルーキーは、これまでコンテストで賞をとったことがない人が対象の賞なんです。
- BANNO
- 初めての受賞が、この作品。うれしかったでしょうね。
- BANNO
- この仕組み、農業のほかにも使えそうですね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、消防や水道、建設の現場、工場のライン作業などに広げたいと話しています。
- BANNO
- 手がふさがっていて、スマホを出しにくい現場は多いですもんね。
- BANNO
- 画面を増やすんじゃなくて、ボタンを1つ足す。この考え方、まねしたくなります。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたい人は、ESP32とボタン1つから始められます。まずは、押したらスマホに通知が届くところまで作ってみるのが近道ですよ。
- BANNO
- 今日できる最小の一歩は、スマホを出すのが面倒な場面を、身の回りから1つ書き出すこと。
- BANNO
- そこでボタン1つを押すとしたら、なにが起きてほしいか。それを考えてみてください。
- HIGEDARUMA
- 作品ページでは、作者の紹介動画や決勝の発表も見られますよ。
- HIGEDARUMA
- リンクはこちらです。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、撮るだけで報告書が出来上がる、ほうれんそうカメラでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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