ProtoPedia Video Maker

未経験の米農家がAIと作った、田んぼの水を見張る仕組み「AgriSynapse」|市販100万円超を25万円以下に

紹介した作品: AgriSynapse センサーとアクチュエーターをLoRaで繋ぐIoTシステムProtoPedia での反響: 閲覧 2,100+ ・ ♥ 23

ProtoPedia の作品「AgriSynapse センサーとアクチュエーターをLoRaで繋ぐIoTシステム」を2人のMCが初心者目線で紹介。マイコンもプログラミングも未経験だった米農家さんが、真夏の田んぼの水の見回りを楽にするために、AIと対話しながら作った水位の自動管理システムです。超音波で水の深さを測る箱と水門を動かす箱、少ない電気で遠くまで届く無線LoRa、乾電池3本で9か月以上動く省電力の工夫、そして市販品の数分の一に抑えた費用まで。

チャプター

文字起こし(81行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、AgriSynapse センサーとアクチュエーターをLoRaで繋ぐIoTシステム。
BANNO
名前だけ聞くと、難しそうですね。ひとことで言うと、何でしょう?
HIGEDARUMA
田んぼの水の深さを機械が測って、足りなくなったら、水の入り口を自動で開けてくれる仕組みなんです。
HIGEDARUMA
しかも作ったのは、電子工作もプログラミングも、やったことがなかった、米農家さん本人なんですよ。
BANNO
えっ、農家さんが自分で!これは気になりますね。
BANNO
そもそも、田んぼの水って、そんなに手間がかかるものなんですか?
HIGEDARUMA
稲を育てるには、田んぼの水の深さを、ちょうどよく保つのが大事なんです。
HIGEDARUMA
水が減ったら水門を開けて水を入れる。たまったら閉める。これを毎日、田んぼごとに見て回るんですよ。
BANNO
田んぼって、何枚もありますよね。それを全部見て回るんですか…
HIGEDARUMA
はい。作者は、毎年暑く厳しくなる夏の水の管理を、安く、楽にできないか、と考えたのが始まりだそうです。
BANNO
でも、自動でやってくれる機械って、もう売っていそうですけど。
HIGEDARUMA
売ってはいるんです。ただ、安いものでも、田んぼ1枚あたり15万円以上かかるそうで。
BANNO
1枚で15万円!10枚あったら…
HIGEDARUMA
10枚に入れたら、軽く100万円を超えます。しかも、壊れたら自分で直すのは、基本的に無理なんです。
BANNO
それは、なかなか手が出ないですね。
HIGEDARUMA
そこで作者は、自作すれば安くできるんじゃないか、と思い立ちます。本人いわく、ここから、楽しいけれど泥沼の戦いが始まったそうです。
BANNO
じゃあ、出来上がった仕組みを教えてください。田んぼには、何が置いてあるんですか?
HIGEDARUMA
田んぼに置くのは、2つの箱です。水の深さを測る係と、水門を動かす係。
HIGEDARUMA
それに、電波を集める中継器と、スマホで見る画面。この4つで動いているんです。
BANNO
まず、測る係は、どうやって水の深さを測るんですか?
HIGEDARUMA
超音波を使います。人には聞こえない高い音を水面に当てて、跳ね返ってくるまでの時間で、距離を測るんです。
BANNO
コウモリみたいですね!
HIGEDARUMA
まさにそれです。音の速さは気温で変わるので、夏の平均気温、34度に合わせて補正までしてあるんですよ。
HIGEDARUMA
これを10分ごとに測って、水が足りないと判断したら、動かす係に、開けて、と無線で伝えます。
BANNO
動かす係は、その指示を受けて、どうやって水門を開けるんでしょう?
HIGEDARUMA
電気で伸び縮みする棒、リニアアクチュエーターで、水門の板を押したり引いたりするんです。
BANNO
なるほど。でも田んぼって、コンセントも無いですよね。電気はどうしてるんですか?
HIGEDARUMA
そこが一番の工夫なんです。測る係は、単1の乾電池3本で、9か月以上動くんですよ。
BANNO
9か月!田んぼのシーズンより長いですね。
HIGEDARUMA
稲作のシーズンは年に4か月ほどなので、2シーズン、電池交換なしでいけるそうです。
HIGEDARUMA
秘密は、ほとんどの時間、眠っていること。10分に1回だけ起きて測って、またすぐ寝るんです。
BANNO
水門の方は、モーターを動かすから、電気を使いそうですけど。
HIGEDARUMA
そっちは小さなソーラーパネルとバッテリーで、ずっと動き続けられる設計です。電線を引く必要がないんですよ。
BANNO
あと、山あいの田んぼだと、携帯の電波も届かなかったりしませんか?
HIGEDARUMA
そこで使うのが、LoRaという無線です。少ない電気で、遠くまで届くのが特徴なんです。
HIGEDARUMA
田んぼの箱同士はLoRaで話して、中継器がその電波を集めて、インターネットに渡します。
BANNO
中継器から先は、どうなるんですか?
HIGEDARUMA
グーグルのスプレッドシートに記録されて、スマホの画面で、全部の田んぼの水の深さと、電池の残りが見られるんです。
HIGEDARUMA
電池が減ったり、通信が途切れたりしたら、チャットアプリのDiscordにお知らせも届きます。
BANNO
見に行かなくても、家で分かる。暑い日には、本当にありがたいですね。
BANNO
実際に動くところも、見てみたいです。
HIGEDARUMA
作者のデモ動画では、まず水門を手で閉めて、少し待ちます。
HIGEDARUMA
すると、水門がゆっくり開き始めて、作者が、あ、開いてきましたね、と。水が足りないのを測る係が見つけて、自動で開けたんです。
BANNO
おお、本当に勝手に開いた!これは嬉しい瞬間ですね。
BANNO
これを、未経験から作ったんですよね。最初から、うまくいったんですか?
HIGEDARUMA
いえ。3年前の最初の作品は、家電をスマホで操作する市販の機器を、改造したものでした。
HIGEDARUMA
でも、Wi-Fiが必要で電気も食うし、改造ありきなので、たくさん失敗して、機器もたくさん壊したそうです。
BANNO
うわあ、それはつらい…。
HIGEDARUMA
ただ、そのおかげで、塩ビ管で入れ物を作る方法や、配線のやり方を覚えられた、と作者は書いています。
BANNO
失敗が、ちゃんと次の材料になってるんですね。
HIGEDARUMA
転機は去年です。AIが一気に進んで、プログラミングの壁が下がった。そこで、人生初の、手のひらサイズのコンピューターづくりに踏み出したんです。
BANNO
それまで、プログラミングの経験は?
HIGEDARUMA
エクセルのマクロ程度だったそうです。
BANNO
ほぼ初心者!じゃあ、AIに全部書いてもらったんですか?
HIGEDARUMA
書いてもらったコードを何となく読んで、意図と違うんじゃないか、不具合の原因はどこか、と聞き返していったんです。
BANNO
任せきりじゃなくて、AIと対話しながら育てたんですね。
HIGEDARUMA
送っているのに受け取れない、文字化けする、固まる。通信のトラブルだらけでしたが、ジェミニと一緒に、ひとつずつ解決していったそうです。
BANNO
それで、お値段はどうなったんですか?
HIGEDARUMA
入れ物はホームセンターの塩ビ管。電子回路の板も、初めて自分で作りました。データの置き場所も、無料の範囲で使っています。
HIGEDARUMA
その結果、システム全体で2万5千円以下。10枚の田んぼに入れても、25万円以下なんです。
BANNO
市販なら100万円を超えるところが、25万円以下!作者が、自作の醍醐味、と書くのも分かりますね。
HIGEDARUMA
頭脳はRaspberry Pi Pico W。無線の部品も、どれもネットで手に入るものなんです。
BANNO
これ、ほかの農家さんも使えるんでしょうか?
HIGEDARUMA
農家さんに人気の、電気なしで動く半自動の水門があるんですが、一度閉じたら、開けるのは手作業なんです。
HIGEDARUMA
そこにこのシステムを付け足せば、開け閉めが全部自動になります。
BANNO
今あるものを生かせるのは、農家さんにとって助かりますね。
HIGEDARUMA
さらに、センサーやコードを少し変えれば、ビニールハウスの換気扇など、ほかの農業機械にも使えるように作ってあるんです。コードは全部、GitHubで公開されています。
BANNO
作者は、どんな思いで作ったんでしょう?
HIGEDARUMA
農業はいま、あらゆるコストが上がっている。その中で、これがあれば楽なのに、を安く解決したい、と書いています。
BANNO
作ったのは、わたなべ農園の渡邊祐一さん。お米を育てている農家さんです。
HIGEDARUMA
DigiKey Make ONE Challenge 2026で、ファイナリストに選ばれています。
BANNO
作品ページや、GitHub、デモ動画のリンクは、概要欄に置いておきますね。
BANNO
では、今日の一歩。毎日、様子を見に行っていることを、ひとつ思い浮かべてください。
BANNO
植木の水やりでも、郵便受けでも大丈夫です。
HIGEDARUMA
それをAIに、これを自動で知らせてくれる仕組みを作るには、何から始めればいい?と聞いてみてください。
HIGEDARUMA
未経験だった渡邊さんも、AIに聞き返すところから、ここまで来たんです。
BANNO
さて、今日紹介したのは、田んぼの水を見張って水門を開け閉めする、AgriSynapse センサーとアクチュエーターをLoRaで繋ぐIoTシステムでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
AgriSynapse センサーとアクチュエーターをLoRaで繋ぐIoTシステム
作者: 渡邊祐一 わたなべ農園
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

この動画の公開に問題がある場合は 取り下げを依頼してください。運営者が内容を確認し、取り下げることにした場合は非公開にします。

あなたの作品も、動画で紹介します

ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。

動画をリクエストする