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鏡なのに文字が反転しない「InfiniFlow Mirror」|光が奥へ流れ込むインフィニティミラーの仕組み

紹介した作品: InfiniFlow MirrorProtoPedia での反響: 閲覧 3,300+ ・ ♥ 30

ProtoPedia の作品「InfiniFlow Mirror」(工作記録帳さん)を2人のMCが紹介。合わせ鏡で光のトンネルを作るインフィニティミラーは、鏡に映ると光の動きが逆向きになるため、奥へ光を流す表現ができませんでした。LED の列を2組に分けて鏡の映り方ごとに担当させるアイデアで、光が奥へ吸い込まれ、文字も反転しない表示を実現。直径5cm・LED 6個から始めて432個まで育てた作り方、鏡選びのこだわりまで紹介します。

チャプター

文字起こし(98行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、InfiniFlow Mirror。
BANNO
わあ、丸い枠の中に、光の輪がずーっと奥まで続いてますね。
BANNO
思わずのぞき込みたくなります。これは何なんですか?
HIGEDARUMA
鏡を使って、光のトンネルを作る装置なんです。しかも、光が奥へ奥へと吸い込まれるように流れるんですよ。
HIGEDARUMA
さらに、鏡に映っているのに、文字が反転しないで読めるんです。
BANNO
え、鏡なのに反転しない? 鏡って、文字が逆になるものですよね。
HIGEDARUMA
そうなんです。そこが、この作品のいちばんの面白さなんですよ。作ったのは、工作記録帳さんです。
BANNO
今日はその秘密を、ゆっくりひも解いていきましょう。
BANNO
まず、インフィニティミラーって、そもそも何でしょうか?
HIGEDARUMA
洋服屋さんの試着室で、鏡を2枚向かい合わせると、鏡の中に鏡がずーっと続いて見えますよね。
BANNO
ありますね。自分がどこまでも並んで見える、あれですね。
HIGEDARUMA
それです。合わせ鏡っていいます。インフィニティミラーは、その合わせ鏡で、光のトンネルを作る飾りなんです。
HIGEDARUMA
手前には、半分だけ光を通す鏡を置きます。ハーフミラーといって、マジックミラーみたいなものです。
HIGEDARUMA
奥には普通の鏡。その間に、小さな電球みたいな光る部品、LEDを並べるんですよ。
BANNO
光が鏡と鏡の間を行ったり来たりして、奥まで続いて見えるわけですね。
HIGEDARUMA
そのとおりです。ただ、ここに鏡ならではの困ったことがあったんです。
BANNO
困ったこと、ですか?
HIGEDARUMA
鏡の前で右手を上げると、鏡の中の自分は左手を上げているように見えますよね。
BANNO
はい。鏡の中では、左右が逆になりますね。
HIGEDARUMA
同じことが、奥行きでも起きるんです。光を手前から奥へ動かすと、鏡に映った光は、奥から手前に動いちゃうんですよ。
BANNO
あ、本物と映った光が、反対向きに動いてしまうんですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。作者さんも、「鏡ですもんね」と書いています。
BANNO
ふふ、鏡だから仕方ない、ということですね。
HIGEDARUMA
だから今までは、トンネルの奥へ光を流し込むような見せ方が、できなかったんです。
BANNO
でも作者さんは、そこで諦めなかったんですね。
HIGEDARUMA
はい。奥へ光を流せないのか、という疑問が、ぼんやり頭にあったそうです。
HIGEDARUMA
そこで、反転しないように光を置けばいいのでは、とひらめいたんです。そうなると、作って確かめたくなる、と。
BANNO
いいですね。その「確かめたくなる」気持ち、すごく分かります。
BANNO
では、どうやって反転しないようにしたんでしょうか?
HIGEDARUMA
光は、鏡で跳ね返るたびに裏返るんです。だからトンネルの中には、まっすぐの像と裏返しの像が、交互に並んでいるんですよ。
BANNO
まっすぐの像と、裏返しの像が、代わりばんこに並んでいるんですか。
HIGEDARUMA
そうです。裏返しの像では、光が逆向きに動いて見えます。これが、流れがそろわない原因なんです。
HIGEDARUMA
そこで作者さんは、LEDの列を、偶数の列と奇数の列の2組に分けました。
HIGEDARUMA
まっすぐの像で見える列と、裏返しの像で見える列を、分けておくんです。
BANNO
あ、鏡の映り方ごとに、担当のLEDを決めてあるんですね。
HIGEDARUMA
まさにそれです。担当ごとに光らせる順番を合わせると、どの像でも、光が同じ向きに流れるんですよ。
BANNO
だから、トンネルの奥へ、一方向に吸い込まれていくんですね。
HIGEDARUMA
はい。同じ考え方で、文字も鏡文字にならずに表示できるんです。
BANNO
見て分かるのがいいですね。その光らせ方は、何が決めているんですか?
HIGEDARUMA
切手くらいの大きさの小さなコンピューター、エムファイブ アトム ライトが1つで、全部のLEDに命令しているんです。
HIGEDARUMA
LEDは、1個ずつ色と明るさを指定できるタイプです。1本の線で数珠つなぎになっていて、最初の試作では144個がつながっています。
BANNO
144個を、1つのコンピューターで動かしているんですね。
HIGEDARUMA
はい。それから、鏡選びにもこだわっています。
HIGEDARUMA
奥の鏡は、アルミミラーです。表面で光を跳ね返すので、普通の鏡のような透明な層がなくて、像のつながりがきれいなんです。
HIGEDARUMA
跳ね返す光の割合も80%以上あって、より奥まで像が続くんですよ。
BANNO
欲しい形の鏡は、売っていたんですか?
HIGEDARUMA
欲しい大きさの丸い鏡は、売っていなかったそうです。それで、鏡の加工会社のコーワさんに特別に切ってもらっています。
HIGEDARUMA
手前のハーフミラーは、いろいろ取り寄せて比べたそうです。
HIGEDARUMA
その結果、厚さ0.5ミリのポリカーボネートというプラスチックの板が、いちばん奥まで映ったんです。
BANNO
取り寄せて比べるって、地道ですけど大事なところですね。
BANNO
これって、いきなり完成品を作ったんですか?
HIGEDARUMA
いえ、すごく小さく始めているんです。まず、直径5センチを目標にしました。
HIGEDARUMA
奥へ向かう方向に、LEDを6個だけ、1列に並べたんです。
HIGEDARUMA
本体は、家の3Dプリンターで作っています。黒い材料が切れていたので、灰色で作ったそうです。
BANNO
ふふ、あるもので作っちゃうのがいいですね。
HIGEDARUMA
光らせてみると、作者さんいわく「お!思ったとおりに動いている!」。
BANNO
頭の中のアイデアが、6個のLEDで本当になったんですね。
HIGEDARUMA
次は、LEDをぐるっと一周に並べます。周りに24列、それぞれ6個なので、LEDは144個になりました。
BANNO
144個を、手でつなぐんですか?
HIGEDARUMA
それは無理なので、部品をつなぐ配線を印刷した板、基板を、初めて自分で設計したんです。
HIGEDARUMA
作者さんいわく、「なかなかエグい形状」。それでも、なんとか動いてくれたそうです。
HIGEDARUMA
しかも、LEDの取り付けは、「よせばいいのに」手作業のハンダ付け。金属を溶かして部品をくっつける作業です。
BANNO
144個を手作業で! それは気合いが入っていますね。
HIGEDARUMA
そして光らせたとき、「頭の中にあった原理が実際に現実になった瞬間です!」と書いています。
BANNO
うわあ、その瞬間は、本当にうれしかったでしょうね。
BANNO
基板の作りにも、工夫があるんですか?
HIGEDARUMA
はい。奥へ向かう1列、6個のLEDを、1枚の基板にまとめています。
HIGEDARUMA
基板どうしは3本の線でつなぐだけで、いくらでも数珠つなぎに増やせるんですよ。
HIGEDARUMA
ただ、たくさん光らせると電気が流れすぎて、燃えそうだったそうで。電気は基板6枚ごとに別に送っています。
BANNO
増やせるけど、安全もちゃんと考えてあるんですね。
HIGEDARUMA
そのあと、部品の取り付けまで業者さんに頼めるLEDに変えて、大きくしていきました。
HIGEDARUMA
周りに30列、180個のMサイズ。72列、432個のLサイズです。
HIGEDARUMA
丸くなくても同じ効果が出るので、四角い形も作りました。1辺を基板1枚にまとめられて、組み立てがとても楽になったそうです。
BANNO
6個から始めて、432個まで。作るたびに、作り方まで楽にしているのがすごいですね。
BANNO
実際に見た人の反応は、どうだったんでしょうか?
HIGEDARUMA
鏡を特別に切ってくれたコーワさんの広報の方が、会社のブログで紹介しているんです。
HIGEDARUMA
横から見た厚さは4センチほどなのに、のぞき込むと、まるでタイムトンネルのようだ、と書いています。
HIGEDARUMA
それから、鏡に映っているはずなのに文字が反転していない、と驚いているんですよ。
BANNO
鏡のプロが驚くって、すごいことですね。
HIGEDARUMA
はい。ものづくりの展示会、メイカーフェア東京2024にも出展しています。
HIGEDARUMA
そして、ヒーローズ・リーグ2024では、オンラインヒーローという賞を受賞しました。
BANNO
私がいいなと思うのは、「鏡ですもんね」で終わらせなかったところです。
BANNO
仕事でも、そういうものだから、で止まっていることって、意外とありますよね。
HIGEDARUMA
ありますね。当たり前を一つ疑うだけで、今までなかった見せ方が生まれるんです。
BANNO
使っている道具も見てみましょう。
HIGEDARUMA
小さなコンピューター、光る部品、3Dプリンター、そして2種類の鏡。どれも手に入るものなんですよ。
BANNO
作ったのは、工作記録帳さんです。
BANNO
作品ページには、作り方の写真や、仕組みの解説動画も載っていますね。
BANNO
では、見ている人が今日できることは何でしょうか?
HIGEDARUMA
手鏡を2枚、向かい合わせにしてのぞいてみてください。鏡の中に、トンネルが続いて見えます。
HIGEDARUMA
その間で指をゆっくり奥へ動かして、映った指がどっちへ動くか、見てみるんです。
BANNO
今日の話が、自分の目で確かめられますね。
BANNO
そして、頭の中の「なんでだろう」は、小さく作って確かめてみる。6個のLEDから始めたみたいに、ですね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、光が奥へ流れ込み、文字が反転しない鏡、InfiniFlow Mirrorでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
InfiniFlow Mirror
作者: 工作記録帳
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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