ソレノイドを400個以上、無線で1本ずつ動かす「大量のソレノイドを使ってみたかった」|作るのに理由なんかいらない
ProtoPedia の作品「大量のソレノイドを使ってみたかった」を2人のMCが初心者目線で紹介。電気を流すと棒が飛び出す部品・ソレノイドを、9個から100個、そして400個以上へ。1枚で16個を動かす自作基板、2本の線で番号を呼び分けるI2C、マス目の番地への変換、ルーターなしで届く無線ESP-NOW、1200本弱の配線沼、触った人の「生き物がうごめいているみたい」という感想まで。
チャプター
0:00オープニング0:20400個以上のソレノイドが、波のように動く1:17最初は9個(3×3)から2:59ボタン → 無線 → 小さなコンピューター → ソレノイド5:31待っていたのは手付と配線沼6:19Maker Faire Tokyo 2023・2024、Ogaki Mini Maker Faire 20247:13作るのに理由なんかいらないよね8:25エンディング
文字起こし(79行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、大量のソレノイドを使ってみたかった。
- BANNO
- タイトルからもう勢いがすごいですね。でも、そもそもソレノイドって何ですか?
- HIGEDARUMA
- 電気を流すと、中の棒がコツンと飛び出す部品なんです。電磁石で押す、小さなハンコみたいなものですね。
- BANNO
- ハンコが、ぽんっと押すみたいに。それが1個じゃないんですよね?
- HIGEDARUMA
- はい。これを400個以上ずらっと並べて、模様を描くように動かすんですよ。
- BANNO
- 400個!何のために作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者の答えがまた潔いんです。「作るのに理由なんかいらないよね」。
- BANNO
- かっこいい。今日は、その勢いの物語を追いかけていきましょう。
- BANNO
- いきなり400個から始めたわけじゃないですよね?
- HIGEDARUMA
- 最初は9個だけでした。縦3つ、横3つの小さなマス目です。
- HIGEDARUMA
- ソレノイドを並べて固定する台、マウンタっていうんですけど、その設計を試すためだったんです。
- BANNO
- まずは小さく試したんですね。そこからどうなったんですか?
- HIGEDARUMA
- 作品ページの見出しが「やっぱりやるなら100個でしょ」なんです。
- BANNO
- やっぱり、って。9個の次が、いきなり100個なんですか。
- HIGEDARUMA
- 固定する台を何度か作り直して、勢いで100個買ったそうです。しかも、最終的には600個買ってしまった、と。
- BANNO
- 600個!買い物の単位じゃないですよ、それ。
- HIGEDARUMA
- そして、縦横10個ずつ、100個の初期バージョンが完成します。
- BANNO
- ここで満足して終わり、ではなかったんですよね。
- HIGEDARUMA
- 余ったソレノイドで、16個のかたまりを6つ、合計96個のセットも作りました。円筒の形のものまであります。
- BANNO
- 余りで作品が増えていく。作者さん、楽しくて仕方なかったんでしょうね。
- HIGEDARUMA
- そして次の見出しが「やるなら一気に400個越えだよね!!」です。
- BANNO
- もう止まらないですね。そんなにたくさん、どこで買うんですか?
- HIGEDARUMA
- 海外の通販サイトで、とにかく安いところを探して、100個単位で集めたそうです。
- BANNO
- で、400個並べて、一気に動かしてみたと。
- HIGEDARUMA
- はい。そしたら、振動と音で、家族から苦情が来たそうです。
- BANNO
- あはは、そうなりますよね。400個がいっせいにコツコツですもんね。
- BANNO
- でも、400個をばらばらに、狙ったとおりに動かすのって、どうやるんですか?
- HIGEDARUMA
- 全体の流れはこうです。手元のボタンから、無線で「この場所を動かして」と送ります。
- HIGEDARUMA
- それを、指先くらいの小さなコンピューター、マイコンが受け取って、ソレノイドに伝えるんです。
- BANNO
- じゃあ、そのコンピューターから、400本の線を出せばいいんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- そこが最初の壁なんです。マイコンの、電気を出し入れする口は、十数本しかないんですよ。
- BANNO
- 手が足りない、ってことですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。そこで作者は、口を16本に増やす部品を載せた板、基板を自分で設計しました。
- HIGEDARUMA
- しかもソレノイドは大きな電気を食うので、電気のスイッチ役の部品をはさんで、安全に動かしているんです。
- BANNO
- 基板まで自分で作っちゃうんですね。でも、その基板が何十枚もあったら、ごちゃごちゃになりませんか?
- HIGEDARUMA
- そこで、I2Cという通信を使います。2本の線に基板を数珠つなぎにして、番号で呼び分けるんです。
- BANNO
- 教室で、出席番号を呼んで指名するみたいな感じですか?
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。何番の基板の、何番のソレノイド、と呼べば、その1本だけが動くんですよ。
- BANNO
- なるほど。でも、何番の何番、って覚えるのは大変そうです。
- HIGEDARUMA
- そこで次の工夫です。一列に並んだ番号を、プログラムで、マス目の番地に変えたんです。
- HIGEDARUMA
- 100個のかたまりは、縦横10マスの盤。それを4つ合わせて、1枚の大きな盤として扱えるようにしました。
- BANNO
- 将棋の盤で、何筋の何段目、と指すみたいに動かせるわけですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。番地で指せるから、波や模様みたいな動きも、組み立てやすくなるんですよ。
- BANNO
- 最初に言っていた無線は、どんな仕組みなんですか?
- HIGEDARUMA
- ESP-NOWという方式で、Wi-Fiのルーターを通さずに、機械どうしが直接やりとりするんです。
- HIGEDARUMA
- 人の多いイベント会場は、電波がすごく混むんですけど、それでも問題なく動くか試したかったそうです。
- BANNO
- 使った部品も見ておきましょうか。
- HIGEDARUMA
- 小さなマイコンのM5StampC3と、プログラムを書くArduinoが中心です。ソレノイドは1個5ボルトで動く小さなものなんです。
- BANNO
- 聞いているとスムーズですけど、作るのは大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、こう書いてあるんです。「待っていたのは手付と配線沼」。
- BANNO
- 配線沼。響きだけで大変さが伝わってきます。
- HIGEDARUMA
- 基板に部品をはんだ付けするのも、ぜんぶ手作業です。配線は、1200本近くあったそうです。
- BANNO
- 1200本!しかも、ひとりで、ですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。裏側の写真を見ると、色とりどりの線がびっしりなんです。
- BANNO
- 途中で嫌にならなかったんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、「修行的で、謎のテンションになった」そうです。
- BANNO
- 大変さまで楽しんじゃっている。その感じ、ちょっと分かる気がします。
- BANNO
- できあがった作品は、どこかで見られたんですか?
- HIGEDARUMA
- ものづくりのお祭り、Maker Faireに出展しています。東京では2023年と2024年、大垣でも2024年に。
- BANNO
- 見に来た人は、どんな反応だったんでしょう。
- HIGEDARUMA
- この作品、上に手を乗せられるんです。触った人からは「手の下で生き物がうごめいているみたい」という声があったそうです。
- BANNO
- えっ、それはちょっと触ってみたいです。
- HIGEDARUMA
- ほかにも「くすぐったい」とか「心地よい」とか。棒が押すだけなのに、不思議な感覚になるんですね。
- BANNO
- 役に立つかどうかより、触って楽しい。それが一番の価値かもしれませんね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、混雑した会場で無線がちゃんと動いたのが楽しかった、テンションが上がる、と書いています。
- BANNO
- 今日の作品で、いちばん心に残ったのは、やっぱりあの一言です。
- HIGEDARUMA
- 「作るのに理由なんかいらないよね」ですね。
- BANNO
- 何かの役に立たなきゃ、と考えると手が止まりがちですけど、やってみたいだけで、ここまで行けるんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、いきなり400個じゃなくて、9個、100個、400個と、一歩ずつ大きくしているのがポイントなんです。
- BANNO
- 作ったのは、hirotakasterさん。ひとりで、ここまで作りきったんですね。
- BANNO
- 作品ページと、作者さんのサイトのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。ソレノイドを1個だけ、ボタンで動かしてみてください。
- HIGEDARUMA
- 電子部品のお店や通販で、手のひらに乗る小さなものが手に入ります。コツンと動いた瞬間、きっとテンションが上がりますよ。
- BANNO
- 部品を買うのはまだちょっと、という人は、理由はなくてもやってみたいことを、ひとつ書き出してみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、勢いで400個を超えたソレノイドの作品、大量のソレノイドを使ってみたかったでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
クレジット
紹介した作品声
あなたの作品も、動画で紹介します
ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。
動画をリクエストする


