時計が見えなければ、時間から解放される!?「時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…」|画面の時計をAIが見つけて隠す
ProtoPedia の作品「時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…」を2人のMCが初心者目線で紹介。お題「時から解放されるサービス」に、みんなが見ている時計を隠してしまえばいいと答えたハッカソン作品です。画面のスクショを撮り、学習済みのAI(YOLOv3)で時計を見つけ、目隠しの窓を重ねる4ステップの仕組み、隠した後の画面を見て『時計が無い』と判断してしまう点滅のループ、そして作者自身が時計を隠して時間を忘れ、締め切り10分前に滑り込んで最優秀賞を取ったオチまで。
チャプター
0:00オープニング0:20時計を隠せば、時間から解放!?0:57お題は「時から解放されるサービス」2:28デモ: 時計がパッと消える3:07処理の流れ4:47はまりどころ: 窓が点滅する6:02チーム「ハック無謀」7:43開発素材9:02エンディング
文字起こし(83行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…
- BANNO
- 時計を、隠しちゃう?ずいぶん思い切ったタイトルですね。
- HIGEDARUMA
- パソコンの画面に映っている時計を、AIが見つけて、その上に小さな窓をかぶせて隠すソフトなんです。
- BANNO
- 作ったのは、TakSanさんとakitamさんの2人組。ハッカソンで生まれた作品ですね。
- BANNO
- ハッカソンって、決められた短い時間で、チームでものを作って発表するイベントなんです。
- BANNO
- だから参加者は、いつも締め切りの時間に追われているんですよ。
- HIGEDARUMA
- ところが、このハッカソンのお題は、時から解放されるサービス、だったんです。
- BANNO
- 締め切りに追われる場所で、時間から解放されろ?真逆じゃないですか。
- HIGEDARUMA
- 作者も、真逆の発想なお題って面白すぎますよね、と書いています。そこで考えたのがこうです。
- HIGEDARUMA
- みんな時間に追われている。でもよく見ると、みんなに共通していることがある。
- BANNO
- 共通していること、ですか?
- HIGEDARUMA
- そう、みんな時計を見ているんです。
- HIGEDARUMA
- だったら時計を隠してしまえば、時刻が分からなくなって、時間から解放されて幸せになれるんじゃないの?と。
- BANNO
- あはは、たしかに!見えなければ、焦りようがないですね。
- HIGEDARUMA
- 部屋の時計なら、布をかければ隠せますよね。
- HIGEDARUMA
- 厄介なのはパソコンの時計なんです。Webページに貼り付いていたり、ふとした操作で出てきたりする。
- BANNO
- だから、パソコンの中の時計を自動で隠すことにしたんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、隠すを選んだのには理由があって。賞は参加者の人気投票で決まると聞いていたそうなんです。
- BANNO
- なるほど。誰が見ても一瞬で分かるのが、隠す、なんですね。ファシリテーター目線でも、これは強いです。
- BANNO
- じゃあ実際に、時計が消えるところを見てみたいです。
- HIGEDARUMA
- この画面、左に大きな時計、Webの世界時計、下には時計の画像の検索結果が並んでいますよね。
- HIGEDARUMA
- ソフトを動かすと、こうなります。
- BANNO
- うわっ、時計のあったところが、全部白い窓になってる!
- HIGEDARUMA
- 検索結果にずらっと並んだ時計も、イラストの時計も、パッと消えてくれるんです。
- HIGEDARUMA
- さらに、Webカメラに映った本物の時計まで隠します。時計を動かすと、窓が追いかけてくるんですよ。
- BANNO
- 追いかけてくる!もう、どこにも逃げ場がないですね。
- BANNO
- ひげだるまさん、これ、どうやって時計を見つけているんですか?
- HIGEDARUMA
- 流れは4つです。まず、画面全体のスクショを撮ります。これがキャプチャー。
- HIGEDARUMA
- 次に、そのスクショをAIに見せて、時計がどこにあるかを探させます。これを物体検知と言います。
- BANNO
- 写真の中から、これは時計、ここにある、と見つけてくれるんですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。見つけた場所と大きさに合わせて、目隠しの窓を重ねる。最後に表示を更新する。これをくり返すんです。
- BANNO
- でも、AIに時計を覚えさせるのって、大変じゃないですか?
- HIGEDARUMA
- そこがうまいところで。YOLOv3という、もう物を見分ける訓練が済んだAIを借りているんです。
- HIGEDARUMA
- その中に、もともと時計を見分ける力が入っていた。だから自分で一から覚えさせなくていいんですよ。
- BANNO
- 借りられるものは借りる。短いハッカソンには、ぴったりですね。
- HIGEDARUMA
- 窓の出し方にも工夫があります。毎回窓を作って消すと、画面がちらついてしまう。
- HIGEDARUMA
- だから先に窓をたくさん出して、画面の外に待たせておくんです。時計が見つかったら、必要な数だけ呼んできて、大きさを合わせる。
- BANNO
- 控え室で待っている目隠し係が、出番になったら飛び出してくる感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。ただ、数字が並ぶデジタル時計は、このAIでは見つけられなかったそうです。
- HIGEDARUMA
- 新しく覚えさせるにはハッカソンの期間では足りず、後の課題、と書いています。
- HIGEDARUMA
- それと、作っている途中で、面白い落とし穴にはまっているんです。
- BANNO
- 落とし穴、ですか?
- HIGEDARUMA
- 最初は、画面から時計が無くなったら、窓を消すようにしていたんです。
- BANNO
- 時計が無いなら、窓もいらないですもんね。
- HIGEDARUMA
- ところが、スクショを撮るのは、時計を隠した後の画面なんです。
- BANNO
- あっ。隠したから、時計が写っていない。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。AIは、時計が無い、と判断して窓を消す。すると、隠していた時計がまた見える。
- HIGEDARUMA
- 次のスクショでまた時計が見つかって、窓を出す。これが同じ場所でくり返されて、窓が点滅してしまったんです。
- BANNO
- 目をつぶったら、時計が消えたと思って付箋をはがしちゃう、みたいな話ですね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、そんなことやる前に気付けよ…ですが、と自分でツッコんでいます。
- BANNO
- ふふ。それで、どう直したんですか?
- HIGEDARUMA
- 一度出した窓は、しばらくその場所に居座るようにしたんです。これで点滅が止まりました。
- BANNO
- 自分の作った仕組みに自分ではまる。作る人なら、思わずうなずく話ですね。
- BANNO
- このハッカソン、どんなふうに作っていったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- チーム名は、ハック無謀。2人とも、いつも力技で無謀なことをする、というのが由来だそうです。
- HIGEDARUMA
- TakSanさんの本職は、機械に組み込む電子回路の仕事で、画像を見分けるAIは専門外だったんです。
- BANNO
- 専門外で、しかも開発期間は48時間。
- HIGEDARUMA
- ところが仕事もあって、打ち合わせを始めたのは、金曜の夜10時ごろ。締め切りまで、24時間を切っていました。
- HIGEDARUMA
- その時点では、時計を隠すことが本当にできるかどうかも、分からなかったそうです。
- BANNO
- それで、完成したのは何時ごろだったんですか?
- HIGEDARUMA
- インタビューでそう聞かれて、TakSanさんはこう答えています。時計を隠してたんで…。
- BANNO
- あはは!自分の作品で、自分が時間から解放されちゃったんですね。
- HIGEDARUMA
- 発表のまとめにも、時間を忘れてハッカソンに没頭、締め切り10分前に滑り込みセーフ、とあります。
- BANNO
- 作品のコンセプトを、作った本人が体で証明したわけですね。
- BANNO
- そして結果は、第2回ツクってアソぶハッカソンの最優秀賞!
- HIGEDARUMA
- 参加者の投票では、別の作品と同じ票数で1位に並んで、決選投票の末の受賞だったんです。
- HIGEDARUMA
- 本人は、ほかの作品が独創的で、しくじったかな、と思っていたそうで。まさかくるとは思わなかった、と話しています。
- BANNO
- それでも、いちばん良かったことを聞かれて、時間を忘れて没頭できたこと、と答えているんですよね。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この2つです。
- HIGEDARUMA
- 画像を扱う定番の道具と、AIを動かす道具。そこにPythonで、スクショと窓の処理をつないでいます。
- HIGEDARUMA
- 作者は最後に、ああ、またやってしまった技術の無駄遣い…と書いています。
- BANNO
- 役に立たないことに、本気の技術を使う。その全力さが、見ていて気持ちいいんですよね。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- まずは作品ページのデモ動画で、時計がパッと消える瞬間を見てみてください。
- HIGEDARUMA
- それから、身の回りで、これが見えなければいいのに、と思うものを、ひとつ考えてみてください。
- HIGEDARUMA
- 写真の中から物を見つけるAIは、借りてくれば使えます。くだらない思いつきこそ、ハッカソンで形にしてみてほしいんです。
- BANNO
- 私なら、体重計の数字を隠したいですね。
- HIGEDARUMA
- あはは。数字の表示はまだ見つけられないので、そこは次の課題ですね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、パソコンの時計をAIで隠して時間から解放してくれる、時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
クレジット
紹介した作品声
あなたの作品も、動画で紹介します
ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。
動画をリクエストする


