手のひらの手作り端末からLINEやSlackへ「だいたいスマホ」|箱を線でつなぐだけで作る、大体スマホで代替スマホ
ProtoPedia の作品「だいたいスマホ」を2人のMCが初心者目線で紹介。タッチ画面つきの小さなボード Moddable Two を、LINE・Slack・Discord・Gmail とメッセージをやりとりできる端末にした作品です。処理の箱を線でつなぐ道具 Node-RED と Node-RED MCU で、端末の画面もサーバー側の処理もまとめて作っています。2日間のハッカソンを掛け持ちしながら1人で形にし、その後は足りない部品を自作して公開した「無ければ作ってしまおう」の背景まで。
チャプター
文字起こし(76行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、だいたいスマホ。
- BANNO
- だいたいスマホ。なんだか、ゆるい名前ですね。
- HIGEDARUMA
- 実はかけ言葉なんです。大体スマホっぽい、の大体と、スマホの代わり、の代替。
- BANNO
- なるほど、だいたいが二つ。うまいですね!
- HIGEDARUMA
- 手のひらサイズの電子工作の板に画面が付いていて、それでLINEやSlackとやりとりできるんですよ。
- BANNO
- え、自分で作った機械で、いつものアプリとつながるんですか?
- BANNO
- まずは、実際に動いているところを見せてください。
- HIGEDARUMA
- 画面には、LINE、Slack、Discord、それにカメラのボタンが並んでいます。
- HIGEDARUMA
- 項目をタッチすると、小さなキーボードが出てくるんです。
- BANNO
- 本当だ、スマホの文字入力にそっくりですね。
- HIGEDARUMA
- たとえばメールの欄に、ハロー、と打って送ってみます。
- HIGEDARUMA
- すると、パソコンのGmailに、ハロー、のメールがちゃんと届くんですよ。
- BANNO
- おお!手作りの端末からメールが送れちゃうんですね。
- HIGEDARUMA
- DiscordとSlackは、送るだけじゃなくて受け取ることもできるんです。
- HIGEDARUMA
- パソコンから送ったメッセージが、端末の画面に届いて表示されます。
- BANNO
- 届いたメッセージを、手のひらで読めるわけですね。ちょっとポケベルみたいで楽しいです。
- HIGEDARUMA
- 見た人からも、現代版ポケベルのよう、という声が出ていましたね。
- BANNO
- そういえば、カメラのボタンもありましたね。
- HIGEDARUMA
- スマホならカメラも欲しい、ということで、別の電子工作の板のカメラとつないでいるんです。
- BANNO
- でも、これだけいろいろつなぐのって、プログラムを山ほど書くんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- それが、ほとんど書いていないんです。使ったのは、Node-REDという道具なんですよ。
- BANNO
- Node-RED、ですか。
- HIGEDARUMA
- 処理の箱を画面に並べて、線でつなぐと、それがそのままプログラムになるんです。
- HIGEDARUMA
- 後ろの画面に見える色付きの箱が、それです。LINEの箱、Slackの箱、という具合ですね。
- BANNO
- レゴブロックをつなげるみたいな感じでしょうか。
- HIGEDARUMA
- まさにそうです。しかも、Node-RED MCUという追加の仕組みを使うと…
- HIGEDARUMA
- 箱を並べて作った画面を、そのまま小さな端末に書き込めるんです。
- BANNO
- じゃあ、端末の画面のボタンも、箱を並べて作ったんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作者さんは、全部をNode-REDの上で完結させている、と書いています。
- BANNO
- 全体はどんな仕組みになっているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 真ん中の司令塔は、キーボードと一体になった小さなパソコン、Raspberry Pi 400です。
- HIGEDARUMA
- 手元の端末と司令塔は、伝言板のような仕組みでメッセージを受け渡しています。
- BANNO
- 伝言板に書き込んで、相手が読みに来る、みたいなことですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。そして司令塔が、SlackやDiscordの窓口とやりとりしてくれるんです。
- BANNO
- 図の上のほうにある、enebularというのは何でしょう?
- HIGEDARUMA
- LINEのボットとGmailは、インターネット上にあるNode-REDのサービスを経由しているんです。
- HIGEDARUMA
- LINEのボットは、鍵のかかった安全な通信のアドレスが必要で、家の司令塔だけでは用意しにくかったんですよ。
- BANNO
- なるほど、正面から入れないから、回り道をしたんですね。
- BANNO
- 使った材料もまとめて見せてもらえますか?
- HIGEDARUMA
- 端末、司令塔、カメラ、それに各サービスの窓口です。
- HIGEDARUMA
- カメラの写真は、作者さんの手持ちのiPhone 8と撮り比べたそうです。
- BANNO
- 結果はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者さんいわく、こっちのカメラのほうが、きれいかも、だそうです。
- BANNO
- 手作りカメラが、スマホに勝っちゃうかもしれないんですね。
- BANNO
- これは、どんな場で作られたんですか?
- HIGEDARUMA
- ヒーローズ・リーグ2023のハッカソンです。期間は2日間でした。
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、この板がちょうどスマホくらいの厚さだったので、マイコンでスマホを作ってやろう、と思い立ったそうです。
- BANNO
- マイコン、というのは、電子工作で使う小さなコンピューターのことですね。いい意気込みです!
- HIGEDARUMA
- しかも作者さんは、そのうち1日ちょっと、別のハッカソンにも参加していたんですよ。
- BANNO
- ええっ、掛け持ちですか!それでここまで作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- はい、しかも1人で、ハードもソフトも全部です。
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、短い期間でいろいろできた、ローコードならではの開発速度かもしれない、と振り返っています。
- BANNO
- ローコードって、さっきの、コードをほとんど書かずに箱をつなぐ作り方のことですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。ただ、楽だったわけではないんです。最初の道具の準備で、かなり苦労したそうで。
- HIGEDARUMA
- 発表では、準備がちょっと地獄なだけで、それさえ越えればボタンを並べるだけで画面が作れる、と話していました。
- BANNO
- 地獄、って言っちゃうんですね。でも、越えた先は楽しいと。
- HIGEDARUMA
- 会場の司会の方も、発表を見て、ほぼほぼスマホでしたね、と驚いていました。
- BANNO
- だいたいどころか、ほぼほぼスマホ。名前を超えてきましたね。
- HIGEDARUMA
- この話には続きがあるんです。ハッカソンのあと、回り道していた鍵つきの通信を、端末から直接できるようにしたんですよ。
- HIGEDARUMA
- さらに、端末向けに無かった、LINEに通知を送る箱を自分で作って、ネットで公開したんです。
- BANNO
- 無いなら自分で作る。すごい行動力ですね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんの言葉では、無ければ作ってしまおう、ということで、です。
- HIGEDARUMA
- その後も、ブログでノウハウを発信し続けていて、2025年にはNode-REDのイベントにも登壇しています。
- BANNO
- ハッカソンの2日間で終わらずに、ずっと育てているんですね。
- BANNO
- 今日の話、電子工作をやったことがない人にも、届きそうですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。土台はありものの道具で、つなぎ方を工夫しただけ。だから真似しやすいんですよ。
- BANNO
- じゃあ、今日できる最初の一歩は何でしょう?
- HIGEDARUMA
- まずはパソコンにNode-REDを入れて、箱を二つつないでみてください。
- HIGEDARUMA
- ボタンの箱と、文字を表示する箱。押したら、こんにちは、と出る。それだけで立派な第一歩です。
- BANNO
- それならわたしにもできそうです。いつも使っているアプリが、手作りの画面に届いたら楽しいですよね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんのブログに、作り方やつまずいたところが詳しく書いてあるので、ぜひ見てみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、箱をつなぐだけで、いつものアプリとやりとりできる手作り端末、だいたいスマホでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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