ProtoPedia Video Maker

ハイタッチでマリオがジャンプ、魚がゲームを操作「GameControllerizer」|何でもゲームコントローラーにする仕組み

紹介した作品: GameControllerizerProtoPedia での反響: 閲覧 2,800+ ・ ♥ 10

ProtoPedia の作品「GameControllerizer」を2人のMCが初心者目線で紹介。ゲーム機に『コントローラーのふり』をする小さな基板をつなぎ、ブロックを並べるようなプログラムで『何が起きたら、どのボタンを押したことにするか』を決めるだけで、ハイタッチ、スマホ、声、水槽の魚の動きまで、市販のゲームの操作に変えられます。趣味の『ゲーム機へのつなぎこみ』の苦労から始まった2人の共同開発、初めての基板づくり、受賞から製品化・授業・研究への広がりまで。

チャプター

文字起こし(88行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、GameControllerizer。
BANNO
名前からすると、ゲームのコントローラーのお話ですか?
HIGEDARUMA
はい。ひと言でいうと、身の回りの何でも、ゲームのコントローラーに変えてしまう仕組みなんです。
HIGEDARUMA
作者が掲げている合言葉も、Makes everything into a game controller。何でもゲームコントローラーにする、です。
BANNO
何でも、ですか。ちょっと想像がつかないですね。
HIGEDARUMA
作ったのは、エンジニアの土井伸洋さんと、大学の先生の栗原一貴さん。二人のチームです。
BANNO
まずは、実際に何ができるのか見せてください。
HIGEDARUMA
デモ動画の最初は、こうです。二人がハイタッチをすると、画面のマリオがジャンプするんです。
BANNO
えっ、ボタンを押すんじゃなくて、ハイタッチでですか!
HIGEDARUMA
そうなんです。次は、スマホから合図を送ると、格闘ゲームのストリートファイターIIで、波動拳が出ます。
BANNO
波動拳って、下、右下、右と入れてパンチ、のあれですよね。
HIGEDARUMA
それです。あの、指で回す入力を、スマホの合図ひとつで正確に送れるんですよ。
HIGEDARUMA
体に付けたセンサーで、体を動かして格闘ゲームを戦う場面もあります。
BANNO
パンチしたら、画面の中でもパンチ。気持ちよさそうですね。
HIGEDARUMA
さらに、スマートスピーカーのAlexaに、「ゆさぶれ!」とざっくり頼むだけで、ゲームのキャラクターが動いてくれます。
BANNO
細かいボタンじゃなくて、お願いで遊ぶんですね。
HIGEDARUMA
「近づいてヨガインフェルノ!」と叫ぶだけで、むずかしい必殺技のコマンドを一発で入れる場面もあるんですよ。
HIGEDARUMA
二人で分担して、一人は手の動きで攻撃、もう一人はゲームパッドで移動、と一つのキャラクターを動かす場面もあります。
BANNO
二人で一人のキャラクターを!どんどん自由になっていきますね。
HIGEDARUMA
極めつけは、これです。水槽の魚の動きをカメラの映像で追いかけて、それをゲームの操作にしてしまうんです。
BANNO
魚がゲームをしている!それは見てみたいです。
BANNO
でも、これだけいろいろつなぐって、ゲーム機をばらして改造しているんですか?
HIGEDARUMA
それが、ゲーム機もゲームソフトも、一切改造していないんです。
BANNO
改造なしで、どうやって動かしているんですか?
HIGEDARUMA
ポイントは二つです。一つ目は、G.C.ユニットという小さな基板です。
BANNO
基板って、電子部品が載った板のことですよね。
HIGEDARUMA
はい。この板をゲーム機にケーブルで差すと、ゲーム機からは、普通のコントローラーがつながったように見えるんです。
BANNO
なるほど。コントローラーのふりをする板なんですね。
HIGEDARUMA
まさにそれです。だから、ゲーム機の側は何も変えなくていいんですよ。
HIGEDARUMA
二つ目は、何が起きたら、どのボタンを押したことにするか、という変換のルールです。
BANNO
ハイタッチしたら、ジャンプのボタン、みたいなことですか?
HIGEDARUMA
そうです。しかもそのルールは、文字のプログラムではなく、ブロックを並べて作れるんです。
HIGEDARUMA
たとえば、右に手を振ったら、十字キーを右に押し続ける。これがブロック二つで書けます。
BANNO
ブロック二つ!それなら私でも読めそうです。
HIGEDARUMA
こういう、ブロックや箱を線でつないで作るやり方を、ビジュアルプログラミングといいます。
BANNO
使い方は一つだけなんですか?
HIGEDARUMA
二通りあります。一つは、手のひらサイズの小さなコンピューター、Raspberry Piを使う方法です。
HIGEDARUMA
Node-REDという、箱を線でつなぐ道具で、スマホやネットにつながる機器を、何でもゲームにつなげます。
BANNO
さっきのスマホの波動拳や、Alexaはこちらですね。
HIGEDARUMA
もう一つは、学校の授業でも使われる小さな基板、micro:bitを使う方法です。
HIGEDARUMA
ボタンやセンサーをつないで、「さいきょうのオレオレゲームコントローラーを作るぞ!」という使い方なんです。
BANNO
つまり、ゲームと身の回りのモノのあいだに立つ、通訳さんなんですね。
HIGEDARUMA
いい言い方ですね。こういうつなぎ役のソフトを、ミドルウェアと呼ぶんです。
BANNO
そもそも、どうしてこれを作ろうと思ったんでしょう?
HIGEDARUMA
土井さんは、もともと趣味で、体の動きで格闘ゲームをしたり、AIにゲームの遊び方を覚えさせたりしていたんです。
HIGEDARUMA
そこで一番の壁だったのが、ゲーム機へのつなぎこみでした。
BANNO
つなぎこみ、ですか?
HIGEDARUMA
自分のプログラムでゲーム機を動かすたびに、市販のゲームパッドを分解して、配線を改造する必要があったんです。
HIGEDARUMA
作者は、そのたびにゲームパッドを改造して作るのが大変だった、と振り返っています。
BANNO
新しいアイデアを試すたびに、まず改造からなんですね。それは大変です。
HIGEDARUMA
そんなとき、ゲームを研究している大学の先生、栗原さんと知り合います。
HIGEDARUMA
研究や大学の授業でも、ゲーム機に簡単につなぐ手段がない、という同じ悩みがあったんです。
BANNO
趣味の悩みと、研究の悩みが、ぴったり重なったんですね。
HIGEDARUMA
それで、二人で共同開発することになりました。ただ、土井さんの本業はソフトウェアなんですよ。
BANNO
えっ、じゃあ基板を作るのは初めてだったんですか?
HIGEDARUMA
はい。小さな部品を工場で取り付けてもらう基板が必要で、本人も、非常に高いハードルに思えた、と書いています。
HIGEDARUMA
回路図の書き方も分からない。そこで、作りたい物に近い基板の回路図を、ひたすら読んで乗り越えたそうです。
BANNO
お手本を探して、真似しながら覚えたんですね。
HIGEDARUMA
試作を工場に頼むと、10枚で309ドル。値段にひるんで、発注の前に何度も見直したそうです。
BANNO
それは緊張しますね。届いたときは、どうだったんですか?
HIGEDARUMA
最初に、LEDを光らせるテストをしたら、ちゃんと光った。作者は「ただのLチカに、かつてないほど感動しました」と書いています。
BANNO
ライトがひとつ光っただけで感動。その気持ち、分かる気がします。
HIGEDARUMA
一つずつ読んで進めれば、素人でも何とかなる。そんな手ごたえを得られたそうです。同じ個人開発者として、ぐっときますね。
BANNO
そうして生まれた作品、評価はどうだったんですか?
HIGEDARUMA
ものづくりのコンテスト、MA2018 ヒーローズ・リーグで、みんなで選ぶヒーロー賞の第2位と、アーム賞をもらいました。
HIGEDARUMA
賞の紹介では、肩たたきをゲームにしたり、魚にゲームをさせたり、みんながすごい、欲しいと認めた作品、と書かれています。
BANNO
肩たたきがゲームに!遊び以外にも、使われているんですか?
HIGEDARUMA
はい。大学のメディアサイエンスの授業や、ゲームを使ったAI研究の土台として使われました。
HIGEDARUMA
センサーの入った服を作る会社、xenomaさんのデモづくりにも使われています。
BANNO
ゲームが、遊ぶだけじゃなくて、何かの道具にもなるんですね。
HIGEDARUMA
作者は、ゲームするだけで何かができる、という使い方も挙げています。デモ動画には、掃除の道具の動きでゲームを進めて、楽しく掃除する場面もあるんですよ。
BANNO
受賞のあとは、どうなったんですか?
HIGEDARUMA
賞金を元手に、基板を製品にして、電子部品のお店、スイッチサイエンスで売り出しました。
HIGEDARUMA
配るための基板も100台作り、ソフトは誰でも無料で使えるオープンソースとして公開しています。
BANNO
自分たちの道具を、みんなの道具にしたんですね。
HIGEDARUMA
2019年の3月には、これを使うハッカソンも開いて、いつか第2回を開くのが夢だそうです。
BANNO
ハッカソンは私の専門なので、第2回、ぜひお手伝いしたいです。
BANNO
でも、電子工作をしたことがない私でも、できるものでしょうか?
HIGEDARUMA
micro:bitのブロックなら、学校の授業でも使われるくらいの手軽さです。まずは、アイデアからで大丈夫ですよ。
BANNO
では、今日できる最小の一歩です。
BANNO
好きなゲームを一つ思い浮かべて、何で操作したら面白いかを、一つだけメモしてみてください。
HIGEDARUMA
拍手でジャンプ、でも、ペットの動きで移動、でもいいんです。そのメモが、あなただけのコントローラーの設計図になります。
HIGEDARUMA
作品ページと公式サイト、作者の基板づくりの記事は、画面に出しておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、ハイタッチも声も魚の動きも、ゲームの操作に変えてしまう、GameControllerizerでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
GameControllerizer
作者: DOI Nobuhiro・栗原 一貴
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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