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握るだけでキーボードとマウスに「ORBIX」|5つのボタンと傾きで文字もカーソルも
ProtoPedia の作品「ORBIX:マウス&キーボード一体型コントローラ」を2人のMCが初心者目線で紹介。キーボードとマウスの持ち替え、手首の疲れ。そんな毎日の面倒から生まれたのは、片手に収まるボール型の入力装置でした。指先の5つのボタンで文字を打ち、ボールを20度傾けるとキーボードの段が切り替わる。マウスモードでは傾けた方向にカーソルが動きます。センサーのずれを直した工夫、試作品を人に握ってもらって形を決めた3人の試行錯誤、ヒーローズ・リーグ 2024 ルーキーヒーロー受賞まで。
チャプター
0:00オープニング0:20握るキーボード&マウス1:04キーボードとマウスの持ち替え2:16片手にボタン5つ4:17傾けてカーソルを動かす5:57システム構成7:10なぜ球体?8:36ルーキーヒーロー受賞9:13作者: 3人のチーム10:17エンディング
文字起こし(88行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ORBIX:マウス&キーボード一体型コントローラ。
- BANNO
- 映っているの、ボールですよね。これがキーボードとマウス、なんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。握ったまま指先のボタンで文字を打てて、傾けるとマウスのカーソルも動くんですよ。
- HIGEDARUMA
- 右手用と左手用の2個で1組。両手のボール2つで、キーボードとマウスの代わりをこなすんです。
- BANNO
- キーボードもマウスも、手の中に入っちゃうんですね。気になります。
- BANNO
- みなさん、パソコンで文章を書いているとき、こんなことありませんか?
- BANNO
- 文字を打って、マウスに手を伸ばしてクリックして、またキーボードに戻る。
- HIGEDARUMA
- ありますね。数えたことはないですけど、1日に何度も行き来しています。
- BANNO
- 作ったのは3人のチームなんですが、作品ページにこう書いています。
- BANNO
- 就職や研究で、寝る間も惜しんでパソコンに向かっている。長時間の作業で手首は疲れ、持ち替えも面倒でした、と。
- HIGEDARUMA
- もっと楽に作業を進めたい。その思いで集まったメンバーが作ったのが、ORBIXなんです。
- HIGEDARUMA
- しかもデモ動画では、VRでの文字入力の話も出てくるんです。
- BANNO
- VRって、ゴーグルをかぶって仮想の空間に入る、あれですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。コントローラで1文字ずつ選ぶのは面倒。空中のキーボードは押した感じがしない。机のキーボードなら持ち替えになる。
- BANNO
- パソコンでもVRでも、持ち替えないで済む入力装置がほしい、と。
- HIGEDARUMA
- はい。その答えが、両手にボールを1つずつ握るスタイルなんです。
- BANNO
- でも、ボールについているボタン、数えると5つしかないですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。親指から小指まで、5本の指の下に1つずつ。
- HIGEDARUMA
- ボタンは普通のキーボードと同じ部品なので、押したときのカチッという感触も同じなんですよ。
- BANNO
- でも、5つでアルファベット全部は打てないですよね?
- HIGEDARUMA
- そこが一番の工夫です。ボールを傾けると、ボタンに割り当てた文字が切り替わるんです。
- HIGEDARUMA
- キーボードを思い浮かべてください。右手の人差し指から薬指は、ふだんJ、K、Lのキーに置きますよね。
- BANNO
- はい、ホームポジションっていうやつですね。
- HIGEDARUMA
- ORBIXも、まっすぐ持つと人差し指がJ、中指がK、薬指がL、小指がエンターなんです。
- HIGEDARUMA
- ここでボールを前に20度倒すと、ひとつ上の段に切り替わって、U、I、O、Pになります。
- BANNO
- あっ、指を上の段に伸ばす代わりに、ボールを倒すんですね!
- HIGEDARUMA
- そのとおり。手前に倒せば下の段のM、カンマ、ピリオド、スラッシュ。横に倒すと、人差し指がHやYになります。
- HIGEDARUMA
- 親指は、前でスペース、手前でバックスペース。左手用も同じ考え方で、F、D、S、Aが基本の段です。
- BANNO
- 指の場所は、いつものキーボードと同じなんですね。覚え直さなくていいのは助かります。
- HIGEDARUMA
- しかも切り替わった瞬間、ボールの中の小さなモーターが、0.1秒だけブルッと震えるんです。
- BANNO
- 画面を見なくても、手の感覚で段が変わったと分かるんですね。
- HIGEDARUMA
- さらに、どのボタンにどの文字を割り当てるかは、プログラムで自由に変えられます。記号の段だって作れるんです。
- BANNO
- 自分の手に合わせて、キーボードを作り替えられる。夢がありますね。
- BANNO
- じゃあ、マウスのほうはどうやって動かすんですか?
- HIGEDARUMA
- 親指と小指を同時に押すと、マウスのモードに切り替わります。あとは、ボールを傾けた方向にカーソルが動くんです。
- BANNO
- 机の上で滑らせなくていいんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。作品ページにも、腕の姿勢は自由になる、とあります。持ち上げたままでも、ひじ掛けに腕を置いたままでも使えるんです。
- BANNO
- 疲れたら腕を休ませたまま、ボールを握って作業を続けられる。楽そうですね。
- HIGEDARUMA
- 動画には、片手でORBIXを握り、もう片方の手でペンタブレットのペンを持つ場面もありました。
- HIGEDARUMA
- ただ、このマウス機能、最初はうまくいかなかったそうなんです。
- BANNO
- えっ、何があったんですか?
- HIGEDARUMA
- ボールを動かした量と、カーソルが動く量が合わなかった。原因は、傾きを測るセンサーにありました。
- HIGEDARUMA
- このセンサーが測るのは、何度傾いたか、ではなく、どれくらいの速さで回っているか、なんです。
- BANNO
- 速さ、ですか。角度とは違うんですね。
- HIGEDARUMA
- 車で言うと、スピードメーターはあるのに、何キロ走ったかのメーターが無い状態です。
- HIGEDARUMA
- そこで、回る速さを細かい時間ごとに足し合わせて、何度傾いたかに直したんです。数学でいう、積分ですね。
- BANNO
- スピードを足していけば、走った距離が分かる。それと同じ考え方なんですね。
- HIGEDARUMA
- これでカーソルの動きが合うようになりました。長く使ってずれたら、親指と薬指の同時押しで基準の位置に戻せます。
- BANNO
- 中身は、どうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- ボールのちょうど真ん中に、指先ほどの小さなコンピューター、M5Capsuleが入っています。傾きを測るセンサーも、この中にあるんです。
- HIGEDARUMA
- そこに5つのボタンと、ブルッと震えるモーターがつながっていて、パソコンとはUSBケーブル1本でつながります。
- BANNO
- 真ん中に置いたのにも、理由があるんですか?
- HIGEDARUMA
- 傾きを取りやすくするため、と書かれています。中を開けると、こんな感じです。
- BANNO
- ぎっしり詰まってますね。ボール自体は、どうやって作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- Fusion360という設計ソフトで形を作って、3Dプリンターで半分ずつ出力しています。2つの半球をネジで留めて、1つのボールにするんです。
- BANNO
- 3Dプリンターって、データから樹脂を少しずつ積み重ねて、立体を作る機械ですよね。
- HIGEDARUMA
- そうです。それとベースステーションという台座もあって、ここに置けば机の上でも使えます。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この5つです。どれも個人で手に入るものなんですよ。
- BANNO
- それにしても、どうしてボールの形にしたんでしょう?
- HIGEDARUMA
- チームで話し合って決めたそうです。理由は3つ書かれています。
- HIGEDARUMA
- 1つ目は、ボールを握った手の形が、キーボードを打つときの手の形に近いこと。
- HIGEDARUMA
- 2つ目は、手のひらと5本の指で支えるので、指先のボタンを押し間違えにくいこと。3つ目は、3Dで形を作るのが比較的かんたんなことです。
- BANNO
- ボタンの位置は、すぐに決まったんですか?
- HIGEDARUMA
- そこが苦労したところなんです。試作品を何人かに握ってもらったら、こんな声が出ました。
- BANNO
- 小指がボタンに届かない。支えようとして力が入り、押し間違える。持ち方が人によって違う。
- HIGEDARUMA
- そこで、作る、試してもらう、直す、を何度も繰り返したんです。
- HIGEDARUMA
- 多くの人から、持ちやすくなった、押しやすくなった、と言ってもらえるようになりました。
- HIGEDARUMA
- 落とさないように、中指を通すリングも付けています。
- BANNO
- 自分たちだけで決めないで、人に握ってもらって形を決める。ものづくりで、すごく大事な姿勢ですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、ボールの設計を担当したメンバーは、3Dの形作りが今回初めて。周りにアドバイスをもらって、形にしたそうなんです。
- BANNO
- 初めてでここまで。勇気をもらえますね。
- BANNO
- この作品、ヒーローズ・リーグ 2024で、ルーキーヒーローに選ばれています。
- HIGEDARUMA
- 受賞のコメントが印象的で。丸い形からは想像もつかない速さで文字が打たれて、見た人が驚いていた、とあるんです。
- BANNO
- あの丸いボールで、そんなに速く打てるんですね!
- HIGEDARUMA
- 10個のキーと傾きで入力する姿は未来を感じさせ、誰もが一度使ってみたい作品だった、とも評されています。
- BANNO
- チーム自身も、ORBIXをコントローラの決定版、と呼んでいます。自信が伝わってきますね。
- BANNO
- 作ったのは、edamameさん、Matsubara Kantaさん、Tag_Fabさんの3人です。
- HIGEDARUMA
- 発案とプログラム、回路とボールの設計、動作の確認と設計。役割を分けて、ひとつの作品に仕上げているんです。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- 今日1日、キーボードとマウスを何回持ち替えたか、数えてみてください。面倒だなと思った瞬間も、1つメモしてみる。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたい人は、小さなマイコンにボタンを1つつないで、押したら文字が1つ出る。そこから始めてみてください。
- HIGEDARUMA
- ORBIXも、ボタン1つの集まりなんです。
- BANNO
- 毎日使う道具の不満は、自分の手で形を変えていい。ORBIXを見ていると、そう思えますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、握ったまま文字もカーソルも操れるボール、ORBIX:マウス&キーボード一体型コントローラでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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