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レモンを搾ると、レモンが叫ぶ「断末魔レモン搾り」|居酒屋の地味な一瞬を笑いに変えたハッカソン作品

紹介した作品: 断末魔レモン搾りProtoPedia での反響: 閲覧 1,400+ ・ ♥ 2

ProtoPedia の作品「断末魔レモン搾り」を2人のMCが初心者目線で紹介。生レモンサワーを頼んだときの、あの黙々とレモンを搾る時間。この搾り器は、レモンを押し付けると「うわぁぁぁ」と断末魔(最期の叫び声)をあげ、器が光り、あとからレモン本人から「I'll Be Back」と電話までかかってきます。居酒屋の主催したハッカソンで「また行きたくなる」「思わずシェアしたくなる」を形にした作品です。押す強さと回す動きを測るセンサー2つ、手のひらサイズの小さなコンピューター、プログラムから電話をかけられるサービスという身近な組み合わせで、制作費は約6000円。ハッカソンで優勝し、ヒーローズ・リーグ2019 で IoTヒーロー と Twilio賞 を受けた「アイデアの勝利」を、作者の言葉とともにたどります。

チャプター

文字起こし(70行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、断末魔レモン搾り。
BANNO
断末魔って、あの、最期の叫び声のことですよね?レモン搾りで?ずいぶん物騒な名前ですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。レモンを搾ると、レモンが叫び声をあげる。そういう搾り器なんですよ。
BANNO
もう名前だけで笑っちゃいます。どんなものか、順番に見ていきましょう。
BANNO
居酒屋で生レモンサワーを頼むと、半分に切ったレモンと、ガラスの搾り器が出てきますよね。
BANNO
で、みんな黙々とレモンをぐりぐり搾る。あの時間、ちょっと静かになりがちです。
HIGEDARUMA
ありますね。その搾り器にレモンを押し付けた瞬間、レモンが、うわぁぁぁって叫ぶんです。
BANNO
あはは、レモンにしてみたら、たまったもんじゃないですもんね。
HIGEDARUMA
しかも叫ぶのと一緒に、器のふちがピカピカ光るんですよ。
HIGEDARUMA
強く押すほど、叫び声も大きくなるんです。
BANNO
力いっぱい搾ったら、いちばん大きな悲鳴が聞けるんですね。それはつい試したくなります。
HIGEDARUMA
まだ続きがあるんです。注文のときに電話番号を入れておくと、あとで、レモンから電話がかかってくるんですよ。
BANNO
えっ、レモンから電話?なんて言ってくるんですか?
HIGEDARUMA
お別れのメッセージです。その一言が、アイルビーバック。
BANNO
また戻ってくるぜ、ですか。搾られたのに、ぜんぜんへこたれてないじゃないですか。
HIGEDARUMA
叫び声は毎回変わるし、何回か搾るごとにしか見られない、特別な演出もあるそうなんです。
BANNO
何回目で出るのかは、作品ページでも、はてなはてなで伏せてあるんですよね。気になります。
BANNO
それにしても、どうしてレモン搾りを叫ばせようと思ったんでしょう?
HIGEDARUMA
生まれたのは、ハッカソンなんです。決められた短い時間で、チームで作品を作って競うイベントですね。
HIGEDARUMA
このハッカソンを主催したのが、チェーン居酒屋の養老乃瀧でした。
BANNO
居酒屋さんが主催!じゃあ、お題もお店に関係あるものだったんですか?
HIGEDARUMA
はい。チームが掲げた課題は、養老乃瀧といえば、となるものを作りたい。
HIGEDARUMA
お客さんが、また行きたくなる。そして思わず、SNSでシェアしたくなる。この2つなんです。
BANNO
お店側からしたら、いちばん欲しいものですね。それで目を付けたのが、レモン搾り。
HIGEDARUMA
作者の入江さんは、インタビュー記事でこう話しています。せっかくなら、居酒屋で使えるものをつくろう。
HIGEDARUMA
そこから、叫ばせよう、派手に光らせよう、搾ったあとにメッセージが来たら面白そう、と機能をどんどん足していった。本人いわく、かなり盛り盛りです。
BANNO
盛り盛り!でも、お店の目線で見ると、ちゃんと理にかなってるんですよ。
BANNO
レモンが叫んだら、みんなスマホで動画を撮りますよね。それがSNSに載って、見た人が、そのお店に行ってみたくなる。
HIGEDARUMA
作品ページにも、この体験がSNSでシェアされることを狙います、と書いてあるんです。
BANNO
さらに、あとから電話が来るし、毎回叫び声が変わる。もう一杯、頼みたくなりますよね。
BANNO
笑いをとりながら、お客さんがまた来る仕掛けになってる。ふざけているようで、よく考えられてますね。
BANNO
ひげだるまさん、どうやってレモンを叫ばせているんですか?
HIGEDARUMA
搾り器には、センサーが2つ付いています。センサーは、押す強さや動きを測る部品のことです。
HIGEDARUMA
1つは圧力センサー。どれだけ強く押したかが分かります。もう1つはジャイロセンサー。レモンをぐりぐり回したのが分かるんです。
BANNO
なるほど。押したのと回したのが分かるから、ちょうど搾っているタイミングで叫べるんですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。そのセンサーを読んでいるのが、Arduino。手のひらサイズの、小さなコンピューターです。
HIGEDARUMA
搾ったと分かったら、叫び声を鳴らして、いろんな色に光るライトを点けるんですよ。
BANNO
じゃあ、あの電話はどうやってかけているんですか?
HIGEDARUMA
電話は、Twilioというサービスに任せています。プログラムから、電話をかけたりメッセージを送ったりできるサービスなんです。
HIGEDARUMA
注文で入れた電話番号を渡すと、Twilioがその番号に電話をかけて、レモンの声を流してくれるんですよ。
BANNO
電話まで自分で作らなくていいんですね。聞いているとすごそうですけど、作るのは大変だったんじゃないですか?
HIGEDARUMA
それが入江さんは、制限時間のあるハッカソンなので、難しいことはしませんでした、と言っているんです。
HIGEDARUMA
ちなみにデモ動画で搾っているのは、黄色い作り物のレモンです。作品ページには、レモンの形をした部品の、立体の設計図も載っています。
BANNO
本物のレモンじゃなくても、ちゃんと搾った感じが出せるんですね。
HIGEDARUMA
使われている道具は、この4つです。
HIGEDARUMA
どれも定番の道具で、組み合わせ方がうまいんです。僕も作り手として、こういうのを見ると悔しくなりますね。
BANNO
それで、ハッカソンの結果はどうだったんですか?
HIGEDARUMA
入江さんによると、なんと優勝。そのあと出たヒーローズ・リーグ2019というコンテストでも、IoTヒーローとTwilio賞の、2つの賞を受けているんです。
BANNO
すごい!審査した人たちは、どこを評価したんでしょう?
HIGEDARUMA
Twilio賞の、審査員のコメントが最高なんですよ。お笑いに説明が必要ないのと同じく、この作品にも説明は不要。
BANNO
あはは、確かに。レモンが叫ぶ、で全部伝わりますもんね。
HIGEDARUMA
IoTヒーローのコメントでは、誰もアップデートしようとしなかったレモン搾りに目を付けたこと、それに、ダメ押しでレモンから電話がかかってくる、謎機能が評価されています。
BANNO
謎機能って、褒め言葉なんですね。
HIGEDARUMA
入江さん自身は、優勝できたのは、技術よりもアイデアの勝利だったのかな、と振り返っています。
BANNO
お店の目線でも、うれしいポイントがあるんです。チームがまとめた3つのポイントの中に、制作費が出てくるんですよ。
HIGEDARUMA
この搾り器を作るのにかかった費用は、約6000円。今あるレモン搾りに付けるだけ、だそうです。
BANNO
6000円で、お客さんが笑って、撮って、また来てくれる。お店からしたら、かなりお得な仕掛けですね。
BANNO
作ったのは、3人のチームです。
HIGEDARUMA
Webエンジニアの入江さん、サーバーエンジニアのendo_yutaさん、プランナーのokadakojiさんです。
HIGEDARUMA
入江さんはこの作品のおかげで、イベントで、あの搾り器を作った人ですよね、と声をかけられるようになったそうです。
BANNO
作品が名刺代わりになったんですね。それは作ってよかったって思えますね。
BANNO
では、今日できる、いちばん小さな一歩です。
BANNO
毎日やっているのに、誰も気にしていない動作を、1つだけメモしてみてください。歯みがきでも、ドアを閉めるのでも。
HIGEDARUMA
そして、それが叫んだり光ったりしたらどうなるか、想像してみてください。断末魔レモン搾りも、誰も気にしていなかったレモン搾りに、目を付けたところから始まったんです。
BANNO
私は、目覚まし時計を止めたら、時計が悲しむのがいいかな。ちょっと起きられそうです。
BANNO
さて、今日紹介したのは、搾るとレモンが叫んで、電話までかけてくる、断末魔レモン搾りでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
断末魔レモン搾り
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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