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レモンを搾ると、レモンが叫ぶ「断末魔レモン搾り」|居酒屋の地味な一瞬を笑いに変えたハッカソン作品
ProtoPedia の作品「断末魔レモン搾り」を2人のMCが初心者目線で紹介。生レモンサワーを頼んだときの、あの黙々とレモンを搾る時間。この搾り器は、レモンを押し付けると「うわぁぁぁ」と断末魔(最期の叫び声)をあげ、器が光り、あとからレモン本人から「I'll Be Back」と電話までかかってきます。居酒屋の主催したハッカソンで「また行きたくなる」「思わずシェアしたくなる」を形にした作品です。押す強さと回す動きを測るセンサー2つ、手のひらサイズの小さなコンピューター、プログラムから電話をかけられるサービスという身近な組み合わせで、制作費は約6000円。ハッカソンで優勝し、ヒーローズ・リーグ2019 で IoTヒーロー と Twilio賞 を受けた「アイデアの勝利」を、作者の言葉とともにたどります。
チャプター
0:00オープニング0:20レモンを搾ると、レモンが叫ぶ0:55生レモンサワーの、あの時間2:13居酒屋が主催したハッカソン3:56システム構成5:43ハッカソンで優勝、さらに2つの賞7:06開発チーム8:16エンディング
文字起こし(70行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、断末魔レモン搾り。
- BANNO
- 断末魔って、あの、最期の叫び声のことですよね?レモン搾りで?ずいぶん物騒な名前ですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。レモンを搾ると、レモンが叫び声をあげる。そういう搾り器なんですよ。
- BANNO
- もう名前だけで笑っちゃいます。どんなものか、順番に見ていきましょう。
- BANNO
- 居酒屋で生レモンサワーを頼むと、半分に切ったレモンと、ガラスの搾り器が出てきますよね。
- BANNO
- で、みんな黙々とレモンをぐりぐり搾る。あの時間、ちょっと静かになりがちです。
- HIGEDARUMA
- ありますね。その搾り器にレモンを押し付けた瞬間、レモンが、うわぁぁぁって叫ぶんです。
- BANNO
- あはは、レモンにしてみたら、たまったもんじゃないですもんね。
- HIGEDARUMA
- しかも叫ぶのと一緒に、器のふちがピカピカ光るんですよ。
- HIGEDARUMA
- 強く押すほど、叫び声も大きくなるんです。
- BANNO
- 力いっぱい搾ったら、いちばん大きな悲鳴が聞けるんですね。それはつい試したくなります。
- HIGEDARUMA
- まだ続きがあるんです。注文のときに電話番号を入れておくと、あとで、レモンから電話がかかってくるんですよ。
- BANNO
- えっ、レモンから電話?なんて言ってくるんですか?
- HIGEDARUMA
- お別れのメッセージです。その一言が、アイルビーバック。
- BANNO
- また戻ってくるぜ、ですか。搾られたのに、ぜんぜんへこたれてないじゃないですか。
- HIGEDARUMA
- 叫び声は毎回変わるし、何回か搾るごとにしか見られない、特別な演出もあるそうなんです。
- BANNO
- 何回目で出るのかは、作品ページでも、はてなはてなで伏せてあるんですよね。気になります。
- BANNO
- それにしても、どうしてレモン搾りを叫ばせようと思ったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 生まれたのは、ハッカソンなんです。決められた短い時間で、チームで作品を作って競うイベントですね。
- HIGEDARUMA
- このハッカソンを主催したのが、チェーン居酒屋の養老乃瀧でした。
- BANNO
- 居酒屋さんが主催!じゃあ、お題もお店に関係あるものだったんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。チームが掲げた課題は、養老乃瀧といえば、となるものを作りたい。
- HIGEDARUMA
- お客さんが、また行きたくなる。そして思わず、SNSでシェアしたくなる。この2つなんです。
- BANNO
- お店側からしたら、いちばん欲しいものですね。それで目を付けたのが、レモン搾り。
- HIGEDARUMA
- 作者の入江さんは、インタビュー記事でこう話しています。せっかくなら、居酒屋で使えるものをつくろう。
- HIGEDARUMA
- そこから、叫ばせよう、派手に光らせよう、搾ったあとにメッセージが来たら面白そう、と機能をどんどん足していった。本人いわく、かなり盛り盛りです。
- BANNO
- 盛り盛り!でも、お店の目線で見ると、ちゃんと理にかなってるんですよ。
- BANNO
- レモンが叫んだら、みんなスマホで動画を撮りますよね。それがSNSに載って、見た人が、そのお店に行ってみたくなる。
- HIGEDARUMA
- 作品ページにも、この体験がSNSでシェアされることを狙います、と書いてあるんです。
- BANNO
- さらに、あとから電話が来るし、毎回叫び声が変わる。もう一杯、頼みたくなりますよね。
- BANNO
- 笑いをとりながら、お客さんがまた来る仕掛けになってる。ふざけているようで、よく考えられてますね。
- BANNO
- ひげだるまさん、どうやってレモンを叫ばせているんですか?
- HIGEDARUMA
- 搾り器には、センサーが2つ付いています。センサーは、押す強さや動きを測る部品のことです。
- HIGEDARUMA
- 1つは圧力センサー。どれだけ強く押したかが分かります。もう1つはジャイロセンサー。レモンをぐりぐり回したのが分かるんです。
- BANNO
- なるほど。押したのと回したのが分かるから、ちょうど搾っているタイミングで叫べるんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。そのセンサーを読んでいるのが、Arduino。手のひらサイズの、小さなコンピューターです。
- HIGEDARUMA
- 搾ったと分かったら、叫び声を鳴らして、いろんな色に光るライトを点けるんですよ。
- BANNO
- じゃあ、あの電話はどうやってかけているんですか?
- HIGEDARUMA
- 電話は、Twilioというサービスに任せています。プログラムから、電話をかけたりメッセージを送ったりできるサービスなんです。
- HIGEDARUMA
- 注文で入れた電話番号を渡すと、Twilioがその番号に電話をかけて、レモンの声を流してくれるんですよ。
- BANNO
- 電話まで自分で作らなくていいんですね。聞いているとすごそうですけど、作るのは大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- それが入江さんは、制限時間のあるハッカソンなので、難しいことはしませんでした、と言っているんです。
- HIGEDARUMA
- ちなみにデモ動画で搾っているのは、黄色い作り物のレモンです。作品ページには、レモンの形をした部品の、立体の設計図も載っています。
- BANNO
- 本物のレモンじゃなくても、ちゃんと搾った感じが出せるんですね。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この4つです。
- HIGEDARUMA
- どれも定番の道具で、組み合わせ方がうまいんです。僕も作り手として、こういうのを見ると悔しくなりますね。
- BANNO
- それで、ハッカソンの結果はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 入江さんによると、なんと優勝。そのあと出たヒーローズ・リーグ2019というコンテストでも、IoTヒーローとTwilio賞の、2つの賞を受けているんです。
- BANNO
- すごい!審査した人たちは、どこを評価したんでしょう?
- HIGEDARUMA
- Twilio賞の、審査員のコメントが最高なんですよ。お笑いに説明が必要ないのと同じく、この作品にも説明は不要。
- BANNO
- あはは、確かに。レモンが叫ぶ、で全部伝わりますもんね。
- HIGEDARUMA
- IoTヒーローのコメントでは、誰もアップデートしようとしなかったレモン搾りに目を付けたこと、それに、ダメ押しでレモンから電話がかかってくる、謎機能が評価されています。
- BANNO
- 謎機能って、褒め言葉なんですね。
- HIGEDARUMA
- 入江さん自身は、優勝できたのは、技術よりもアイデアの勝利だったのかな、と振り返っています。
- BANNO
- お店の目線でも、うれしいポイントがあるんです。チームがまとめた3つのポイントの中に、制作費が出てくるんですよ。
- HIGEDARUMA
- この搾り器を作るのにかかった費用は、約6000円。今あるレモン搾りに付けるだけ、だそうです。
- BANNO
- 6000円で、お客さんが笑って、撮って、また来てくれる。お店からしたら、かなりお得な仕掛けですね。
- BANNO
- 作ったのは、3人のチームです。
- HIGEDARUMA
- Webエンジニアの入江さん、サーバーエンジニアのendo_yutaさん、プランナーのokadakojiさんです。
- HIGEDARUMA
- 入江さんはこの作品のおかげで、イベントで、あの搾り器を作った人ですよね、と声をかけられるようになったそうです。
- BANNO
- 作品が名刺代わりになったんですね。それは作ってよかったって思えますね。
- BANNO
- では、今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- 毎日やっているのに、誰も気にしていない動作を、1つだけメモしてみてください。歯みがきでも、ドアを閉めるのでも。
- HIGEDARUMA
- そして、それが叫んだり光ったりしたらどうなるか、想像してみてください。断末魔レモン搾りも、誰も気にしていなかったレモン搾りに、目を付けたところから始まったんです。
- BANNO
- 私は、目覚まし時計を止めたら、時計が悲しむのがいいかな。ちょっと起きられそうです。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、搾るとレモンが叫んで、電話までかけてくる、断末魔レモン搾りでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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