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組んだサイコロが画面に現れる「Real -> Virtual 変換システムその1」|29年越しのテレポーテーション研究

紹介した作品: Real -> Virtual 変換システムその1ProtoPedia での反響: 閲覧 8,900+ ・ ♥ 20

ProtoPedia の作品「Real -> Virtual 変換システムその1」を2人のMCが初心者目線で紹介。赤外線で会話するサイコロを組み立てると、その形がそのままパソコンの中の3D空間に現れます。3Dスキャナのように外から測るのではなく、物が自分の形を知っているという発想の転換。LEDを1つずつ光らせて向きを知る仕組み、1995年のTESLA計画から2024年夏のテレポーテーション成功までの物語、今日できる最小の一歩まで。

チャプター

文字起こし(77行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、Real -> Virtual 変換システムその1。
BANNO
写真を見ると、カラフルなサイコロが3つ、くっついていますね。
HIGEDARUMA
はい。このサイコロを手で組んで、パソコンにおまじない、つまり短い命令を入力して、少し待つんです。
HIGEDARUMA
すると、パソコンの画面の中に、組んだのと同じ形が現れるんですよ。
BANNO
えっ、カメラで撮っているわけでもないのに、ですか?
HIGEDARUMA
そうなんです。作者のタカシ ヤマノウエさんが目指しているのは、なんと、テレポーテーションなんですよ。
BANNO
テレポーテーションって、物がぱっと消えて、遠くに現れる、あれですか?
HIGEDARUMA
作者の考えは、少し違うんです。物を飛ばすのではなく、物の情報を送るんですよ。
HIGEDARUMA
まず、手元の物の形を、全部、情報として取り出します。
HIGEDARUMA
その情報を遠くへ送って、向こうにある同じ材料で、同じ物を組み立てるんです。
BANNO
あ、それって、レゴの組み立て説明書だけを送って、向こうで同じ物を作ってもらう感じですか?
HIGEDARUMA
まさにそれです。作者は、ファックスやテレビも、一種のテレポーテーションだと書いているんですよ。
BANNO
なるほど。紙そのものじゃなくて、書いてある中身が届きますもんね。
HIGEDARUMA
今日の作品は、そのうち、実物の形をパソコンの中に取り込む、送る側の前半なんです。
BANNO
でも、形を取り込むだけなら、3Dスキャナーでよくないですか?
HIGEDARUMA
いい質問です。カメラやレーザーで測る方法は、表面の形と色しか分からないんです。
HIGEDARUMA
病院のCTやMRIなら中まで見えますが、装置が物よりずっと大きくて、X線や強い磁気の危険もあります。
BANNO
たしかに、おもちゃの形を測るのに、病院の機械は大げさですね。
HIGEDARUMA
そこで作者は、発想を逆にしたんです。物を、賢い部品で組み立てることにしちゃう。
HIGEDARUMA
部品どうしが、誰と、どうつながっているかを自分で知っていれば、物が自分の形を教えてくれるんですよ。
BANNO
外から測るんじゃなくて、物に聞けばいい、ということですね。
BANNO
その賢い部品が、さっきのサイコロなんですね。中はどうなっているんですか?
HIGEDARUMA
全部のサイコロに、Mbedという、手のひらより小さなコンピューターが入っているんです。
HIGEDARUMA
さらに、6つの面それぞれに、光を出すLEDが4つと、光を受け取るセンサーが一つあります。
HIGEDARUMA
サイコロ1つで、LEDが24個、センサーが6個です。
BANNO
えっ、サイコロが光るんですか?光ったら、目立っちゃいそうですけど。
HIGEDARUMA
使っているのは赤外線、テレビのリモコンから出ている、目に見えない光なんです。
HIGEDARUMA
しかも面は色のシートで覆ってあって、赤外線だけがシートを通り抜けるので、仕組みは外から見えないんですよ。
BANNO
見た目はただのサイコロなのに、中でこっそり会話しているんですね。
BANNO
でも、どの面が、どっち向きでくっついたかまで、分かるものなんですか?
HIGEDARUMA
ここが一番面白いところです。サイコロは磁石で、90度ずつ、どの向きでもくっつくんです。
HIGEDARUMA
くっついたら、相手の面の4つのLEDを、一つずつ順番に光らせてもらいます。
HIGEDARUMA
自分のセンサーに、何番目の光が届いたか。それで、どの面が、どの向きでつながったかが分かるんですよ。
BANNO
暗い部屋で、懐中電灯を一つずつ点けて、どれが見えたかで向きを当てる感じですね。
HIGEDARUMA
そうそう、まさにそんな感じです。仕組みが分かると、自分でも作ってみたくなりますよね。
BANNO
じゃあ、その情報は、どうやってパソコンまで行くんですか?
HIGEDARUMA
全体の流れは、この図のとおりです。サイコロどうしが赤外線で、バケツリレーのように情報を渡していきます。
HIGEDARUMA
そして、一つのサイコロにだけ入っている、M5Atomという無線の部品が、まとめてパソコンへ送るんです。
HIGEDARUMA
パソコンは、文章の並びから意味を読み解くのと同じやり方で、つながりの並びから形を組み立てて、立体の絵で表示します。
BANNO
サイコロが自分たちの並び方を報告して、パソコンがそれを図面に直してくれるんですね。
BANNO
実際のデモ動画、どんな感じなんですか?
HIGEDARUMA
作者がサイコロを組んで、パソコンにおまじないを入力して、しばらく待ちます。
HIGEDARUMA
すると、作者の言葉で、あら不思議。同じ形が、パソコンの中の世界に現れるんです。
HIGEDARUMA
動画では、形を組み替えて、4回続けて試しているんですよ。
BANNO
全部うまくいったんですか?
HIGEDARUMA
3回目は、画面の表示が少し乱れたんです。でも作者は、中身はちゃんと入っています、と正直に説明していました。
BANNO
うまくいかないところも隠さないのが、いいですね。
BANNO
展示会でも、人気だったんじゃないですか?
HIGEDARUMA
はい。展示を見た人が、20分かかるデモを、40秒に縮めてSNSに投稿していたそうです。
HIGEDARUMA
物理の先生方の集まりでも、たくさんの先生に熱心に説明を聞いてもらえたと、作者は書いています。
BANNO
思わず人に見せたくなる仕掛けなんですね。
BANNO
そもそも、作者のヤマノウエさんは、いつからこれを作っているんですか?
HIGEDARUMA
驚かないでくださいね。テスラ計画という名前で始まったのが、1995年の6月なんです。
BANNO
えっ、30年近く前じゃないですか。
HIGEDARUMA
北九州の、大学や企業や役所の人が集まるサロンでの議論が始まりだそうです。
HIGEDARUMA
サイコロを小さくするために、20年以上、色々なマイコンを試して、ようやく今の形にたどり着いたんですよ。
BANNO
途中で、困ったことはなかったんですか?
HIGEDARUMA
たくさんあります。昼間に試したら全く動かず、夜にやったら動いた、なんてことも。
HIGEDARUMA
作者は、強い日差しに含まれる赤外線で、センサーが混乱したのでは、と考えています。
HIGEDARUMA
展示会の最後に、配線のはんだが外れて壊れて、見に来てくれた皆さんに謝ったこともあるんです。
BANNO
うわあ、それは悔しいですね。でも、そこでやめなかったんですね。
HIGEDARUMA
はい。そして2024年の夏、受け取る側の装置を加えて、簡単なものですが、テレポーテーションに成功したんです。
BANNO
計画が始まってから、29年。ひとつの夢を、ずっと形にし続けてきたんですね。
HIGEDARUMA
ヒーローズ・リーグや、Maker Faireなど、たくさんのイベントにも出展しています。
HIGEDARUMA
使っている素材は、Mbed、M5 Atom Matrix、M5Stamp、それにArduino IDEです。
BANNO
作者は、タカシ ヤマノウエさんです。
BANNO
では、今日できる最小の一歩です。
BANNO
家にあるブロックで、小さな形を一つ組んでみてください。
BANNO
そして、どのブロックが、どの面で、どっち向きにつながっているかだけを、紙にメモしてみましょう。
HIGEDARUMA
そのメモを家族に渡して、同じ形を組んでもらえたら、それが、情報で物を送る、最初の一歩なんです。
BANNO
やってみると、どこを書けば伝わるのか、意外と難しくて面白いですよ。
HIGEDARUMA
作品ページと、受け取る側の作品のリンクは、画面に出しておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、組み立てたサイコロの形が、そのままパソコンの中に現れる、Real -> Virtual 変換システムその1でした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
Real -> Virtual 変換システムその1
作者: Takashi Yamanoue
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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