瓶の中で、光る渦が回り続ける「Uzurium」|外から磁石で回すだけ、なのにずっと見ていられる
ProtoPedia の作品「Uzurium」(ふーぴんさん)を2人のMCが初心者目線で紹介。水を入れた瓶を台座に乗せるだけで、光る渦がずっと回り続けるインテリア装置です。瓶の外から磁石で底のコマを回す仕組み、回る速さを見張って渦の深さを操り、止まっても自動で立て直す工夫、無線で何台も息を合わせる演出、基板から作ってすべて公開したオープンソース、そして来場者投票1位を含む4つの受賞と、まねして作る人まで現れた広がりまで。
チャプター
0:00オープニング0:20光る渦を、部屋に置く1:04一瞬の渦を、インテリアに2:51瓶の外から、磁石で回す4:50回る速さで、渦の深さを操る7:10来場者投票で1位9:22シンプルな発想を、丁寧に磨く10:43エンディング
文字起こし(105行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、Uzurium。
- BANNO
- ウズリウム。名前からして、渦が関係ありそうですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。水を入れた瓶の中に、光る渦を回し続けてくれる装置なんですよ。
- BANNO
- 渦って、お風呂の栓を抜いたときにできる、あのくるくるですか?
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。あれが色とりどりに光りながら、止まらずに回り続けるんです。
- BANNO
- うわあ、ずっと見ていられそうですね。今日はこの光る渦の秘密に迫りましょう。
- BANNO
- まず映像を見てみましょう。ピンクに光る瓶の中に、竜巻みたいな渦ができてますね。
- HIGEDARUMA
- 水面から瓶の底に向かって、すっと伸びる渦なんです。色も青やピンク、白に変えられるんですよ。
- BANNO
- でも普通、水の渦って、スプーンで混ぜても、すぐ消えちゃいますよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。混ぜるのをやめた瞬間から、だんだん弱くなって消えてしまいます。
- HIGEDARUMA
- Uzuriumは、そのすぐ消えてしまう渦を、置いておくだけで回し続けてくれるんです。
- BANNO
- 一瞬で消える現象を、インテリアにしちゃったわけですね。
- BANNO
- 準備はどれくらい大変なんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 必要なのは、水を入れた瓶と、この黒い台座だけなんです。
- HIGEDARUMA
- 台座を好きな形に並べて、瓶を乗せたら、準備完了なんですよ。
- BANNO
- え、それだけですか。瓶には、何か特別な仕掛けがあるんですか?
- HIGEDARUMA
- 見た目は、水が入っただけの透明な瓶なんです。そこが、あとで種明かしするポイントなんですよ。
- BANNO
- 気になりますね。その前に、使い道も聞かせてください。
- HIGEDARUMA
- 作者さんが挙げているのは、たとえば、お湯にアロマを入れて、渦を眺めながらリラックスする使い方です。
- BANNO
- いいですね。寝る前に眺めたら、気持ちが落ち着きそうです。
- HIGEDARUMA
- ほかにも、コーヒーにミルクを混ぜたり、夜のカクテル作りに使ったりもできるんです。
- BANNO
- 混ぜる道具にもなるんですね。おしゃれなバーにありそうです。
- HIGEDARUMA
- さらに、光の色でお知らせする、通知のランプや照明としても使えるんですよ。
- BANNO
- 見て癒やされて、混ぜられて、お知らせもしてくれる。一台で何役もこなすんですね。
- BANNO
- ここで素朴な疑問です。瓶の中で、いったい何が水をかき回しているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 実は、瓶の底に、磁石の入った小さなコマが沈んでいるんです。
- BANNO
- コマ、ですか?でも、電池もコードもつながっていないですよね。
- HIGEDARUMA
- そこが面白いところで、コマは、瓶の外から磁石の力で回されているんです。
- BANNO
- 外から?どういうことでしょう。
- HIGEDARUMA
- 台座の中に、おもちゃの車にも入っている小さなモーターがあって、その先に磁石がついているんです。
- HIGEDARUMA
- モーターが磁石を回すと、瓶の底のコマが引っぱられて、一緒にくるくる回るんですよ。
- BANNO
- なるほど。下で回る磁石に、コマがついていくんですね。
- HIGEDARUMA
- 机に紙を置いて、下から磁石を動かすと、上のクリップがついてくる遊び、やったことありませんか?
- BANNO
- あります!子どものころ、磁石で砂鉄を動かして遊びました。
- HIGEDARUMA
- あれと同じ原理なんです。瓶のガラス越しに、磁石が力を伝えているんですよ。
- BANNO
- だから瓶に穴を開けたり、コードを入れたりしなくていいんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。水が漏れる心配もないんです。
- BANNO
- 全体の作りも見てみたいです。台座の中は、どうなっているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 頭脳は、M5ATOMという、親指の先ほどの小さなコンピューターなんです。
- HIGEDARUMA
- それを差し込む専用の基板を、作者さんが自分で設計しているんですよ。
- BANNO
- 基板まで自作なんですか。そこには何が載っているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- モーターを動かす部品、回転を数えるセンサー、それに光らせるLEDが18個です。
- BANNO
- 18個も!だから、あんなに鮮やかに光るんですね。
- HIGEDARUMA
- 電源は、置いて使うならUSB、持ち運ぶなら電池で動くんです。
- BANNO
- 使っている部品も、まとめておきますね。
- BANNO
- でも、ずっと回り続けるって、意外と難しくないですか?
- HIGEDARUMA
- 鋭いですね。渦を回し続けるための工夫が、ちゃんと入っているんです。
- HIGEDARUMA
- まず、さっきのセンサーで、コマがどれくらいの速さで回っているかを、いつも見張っています。
- BANNO
- 回る速さを見張って、どうするんですか?
- HIGEDARUMA
- 速く回すと渦は深くなって、ゆっくりだと浅くなります。
- HIGEDARUMA
- 速さを細かく決めることで、渦の深さを思いどおりに変えているんですよ。
- BANNO
- なるほど。渦の深さまで、操れるんですね。
- HIGEDARUMA
- それと、もうひとつ大事なのが、コマが置いていかれる問題なんです。
- BANNO
- 置いていかれる?
- HIGEDARUMA
- 磁石の回る速さに、コマがついていけなくなって、止まってしまうことがあるんです。これを脱調と言います。
- BANNO
- 走っている人に手を引かれて、転んじゃう感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。Uzuriumは、回る速さの変化から、転んだことに気づいて、すぐに回し直すんです。
- BANNO
- 眺めるための道具だから、止まらないことって、すごく大事ですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。地味ですけど、部屋に置いておける道具になるかどうかの分かれ目だと思います。
- BANNO
- 映像では、いくつも並んだ瓶が、順番に渦を作っていましたよね。
- HIGEDARUMA
- あれは、台座どうしが無線でやりとりして、息を合わせているんです。
- HIGEDARUMA
- ESP-NOWという、Wi-Fiのルーターがなくても、小さなコンピューターどうしが直接話せる通信を使っています。
- BANNO
- ルーターがいらないなら、どこに持っていっても、並べてすぐ楽しめますね。
- HIGEDARUMA
- さらに、マイクもついていて、周りの音に合わせて反応できるんですよ。
- BANNO
- 音楽に合わせて渦が踊ったら、楽しそうですね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんも、音楽や演劇、アートの演出に使えるようにすることを目指しているそうです。
- HIGEDARUMA
- しかも、基板の設計図もプログラムも、全部GitHubで公開しているんです。
- BANNO
- GitHubって、設計図やプログラムを置いておく、ネット上の本棚みたいなところでしたよね。
- HIGEDARUMA
- そうです。誰でも見られて、組み立て説明書まであるんです。ただ、はんだ付けなどの電子工作の経験は要りますね。
- BANNO
- これ、実物を見た人の反応も気になります。
- HIGEDARUMA
- 2023年のMaker Faire Tokyoという、ものづくりの大きな展示会で、来場者投票の1位に選ばれているんです。
- BANNO
- 来場者投票で1位!会場で見た人から、いちばん多く票を集めたってことですね。
- HIGEDARUMA
- 寄せられた声には、渦が光る様子はずっと見ていられた、寝る前に眺めていたい、というものがありました。
- BANNO
- 分かります。僕も絶対、ぼーっと眺めちゃいます。
- HIGEDARUMA
- 癒やされるから欲しい、磁石で渦を起こすのが面白い、という声もあったんですよ。
- BANNO
- 見た目にも仕組みにも、心をつかまれた人がいたんですね。
- BANNO
- 受賞も、すごいことになっていますよね。
- HIGEDARUMA
- Mouser Make Awards 2023では、優秀賞と、さっきの来場者投票1位の賞を、ダブル受賞しています。
- HIGEDARUMA
- さらに、ヒーローズ・リーグ2023でも、オンラインヒーローと、Background X賞の2つを受賞しているんです。
- BANNO
- 2つの大会で、合わせて4つの賞!
- BANNO
- そのBackground X賞って、どんな賞なんですか?
- HIGEDARUMA
- そこにあるだけで、その場に何かをそっと付け加える。そんなモノを愛でる賞なんです。
- BANNO
- 部屋にそっと置いておく光る渦に、ぴったりの賞ですね。
- HIGEDARUMA
- 審査員の篠田幸雄さんは、何台も並べたら、たくさんのキャンドルが揺らめくような空間になる、と講評しています。
- BANNO
- キャンドルかあ。見た人の大部分が「欲しい」とつぶやいた、という講評もあるんですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。しかも、この作品を見て、自分でも作ってみた人まで現れているんですよ。
- BANNO
- え、まねして作った人がいるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。パソコン用の薄いファンのモーターを使って、もっと簡単な作りの小さな渦の装置を作った方がいて、ProtoPediaに登録されています。
- BANNO
- 設計を公開しているからこそ、次の作り手が生まれるんですね。
- BANNO
- 作ったのは、ふーぴんさん。たった一人で、基板からケースまで仕上げているんですよね。
- BANNO
- 今日の話をまとめると、Uzuriumのすごさは、どこにあるんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 瓶の外から磁石で回す、という発想そのものは、とてもシンプルなんです。
- HIGEDARUMA
- そこに、回る速さを見張る仕組みと、無線でつながる仕組みを重ねて、部屋に置ける作品に仕上げているんですよ。
- BANNO
- シンプルな発想でも、丁寧に磨くと、こんなに人を惹きつけるんですね。
- BANNO
- では、見てくれた皆さんが今日できる、最小の一歩は何でしょう?
- HIGEDARUMA
- まずは、コップの水をスプーンでくるくる混ぜて、渦がどれくらいで消えるか、見てみてください。
- HIGEDARUMA
- 次に、磁石を2つ用意して、紙をはさんで片方を動かしてみてください。もう片方がついてきますよ。
- BANNO
- それが、Uzuriumの心臓部の原理なんですね。電子工作をしたことがなくても、今日すぐ試せます。
- HIGEDARUMA
- もっと知りたくなったら、GitHubの写真や組み立て説明書を眺めるだけでも、作り手の工夫が見えてきますよ。
- BANNO
- 作品ページとGitHub、まねして作られた作品のリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、瓶の中で光る渦を回し続けるインテリア装置、Uzuriumでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
クレジット
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ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。
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