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指先に乗る2.8gのロボットを、スマホで操縦「世界最小クラス? 指乗りサイズ マイクロロボット」|部品を足さずに減らす電子工作
ProtoPedia の作品「世界最小クラス? 指乗りサイズ マイクロロボット」を2人のMCが初心者目線で紹介。大きさはおよそ1.27cm角、重さは2.8g。指先に乗るほど小さな手作りロボットを、スマホからラジコンのように操縦できます。小さなロボットには、部品を載せる場所がない・マイコンの端子が足りない・電池が小さいという3つの壁があります。作者のしん_2-41さんは、LED2個で「真ん中の電圧」を作る3レベル駆動で、モーター2個に8本要る端子を4本に半減し、モーターを動かす専用の部品も使わずに直接回しました。スマホの電波は M5StickC が通訳して、ロボットは電気をあまり使わない無線だけで動きます。髪の毛ほどの0.1mmの配線や作者の苦労、Mouser Make Awards 2023 優秀賞の講評まで。
チャプター
0:00オープニング0:20指先に乗るロボット0:58約1.27cm角・2.8g2:04小さいロボの3つの壁3:19工夫1: モーターの回し方5:20工夫2: 通信は通訳つき6:03髪の毛ほどの配線7:08小さいロボにはまって8:08開発素材9:07エンディング
文字起こし(83行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、世界最小クラス? 指乗りサイズ マイクロロボット。
- BANNO
- えっ、写真のこれ、指の上に乗ってますよね。これがロボットなんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。指先に乗るほど小さい、手作りのロボットなんですよ。
- HIGEDARUMA
- しかも、スマホからラジコンみたいに操縦できるんです。
- BANNO
- 作ったのは、しん_2-41さん。ひとりで作った作品なんですね。
- BANNO
- まず、どれくらい小さいんですか?
- HIGEDARUMA
- 大きさは、およそハーフインチ。だいたい1.27センチ四方なんです。
- HIGEDARUMA
- 重さは2.8グラム。1円玉が1枚1グラムなので、1円玉3枚より軽いんですよ。
- BANNO
- 1円玉3枚より軽い!手のひらに乗せても、気づかないかもしれませんね。
- HIGEDARUMA
- それなのに、ちゃんと自分のタイヤで走って、スマホの操作どおりに曲がるんです。
- BANNO
- 展示会で実物を見たエンジニアの池澤あやかさんも、こう書いていました。
- BANNO
- めちゃくちゃ小さい。これが動く&スマホから操作できるなんて信じられない。
- HIGEDARUMA
- 作品名の、はてなマークにも理由があるんですよ。
- HIGEDARUMA
- 大学や企業の研究所には、もっと小さいロボットがあるそうなんです。
- HIGEDARUMA
- でも手作りでは、これより小さいものが見つからない。だから世界最小クラスに、はてなを付けたそうです。
- BANNO
- 胸を張りつつ、ちょっと控えめ。その「?」に、作者さんの人柄が出ていますね。
- BANNO
- でも、小さく作るのって、部品を小さくすればいいだけじゃないんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、小さくすると3つの壁にぶつかるんです。
- HIGEDARUMA
- 1つ目は、場所の壁。普通はモーターを動かすのに、モータードライバという力仕事担当の部品を載せるんです。
- BANNO
- でも、この小ささだと、それを載せる場所がないんですね。
- HIGEDARUMA
- 2つ目は、端子の壁です。ロボットの頭脳になる小さなコンピューターを、マイコンと言います。
- HIGEDARUMA
- マイコンには、電気を出し入れする出口、端子が並んでいます。普通のやり方だと、モーター2個で端子が8本必要なんです。
- BANNO
- 8本も。このロボットのマイコンだと、それが足りないんですか?
- HIGEDARUMA
- はい、足りないんです。そして3つ目が、電池の壁。載っている電池は、小指の爪くらいの大きさしかないんですよ。
- HIGEDARUMA
- スマホとつながる無線は電気を食うので、そのままだと電池がすぐ切れてしまうんです。
- BANNO
- 狭いワンルームに、大きな家具を全部詰め込もうとしている感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。しん_2-41さんは、家具を小さくするだけじゃなくて、家具そのものを減らしたんですよ。
- BANNO
- 家具を減らす、ですか。まず、モーターはどうしたんですか?
- HIGEDARUMA
- 使っているのは、カメラのピント合わせなどに使われる、外径6ミリの小さなステッピングモーターです。
- HIGEDARUMA
- カチ、カチと決まった角度ずつ回るモーターで、電池をつなぐだけでは回らないんです。
- BANNO
- つなぐだけでは回らない。じゃあ、どうやって回すんですか?
- HIGEDARUMA
- 電気の流れる向きを、順番に切り替えてあげるんです。普通は、プラスとゼロの2段階の電圧、つまり電気を押し出す強さを切り替えます。
- HIGEDARUMA
- ここからが工夫です。LEDを2個つないで、3.3ボルトのちょうど真ん中の電圧を作ったんです。
- BANNO
- LEDって、光らせる部品ですよね。それで電圧を作るんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。プラス、ゼロ、真ん中の3段階を使うので、3レベル駆動と呼んでいます。
- HIGEDARUMA
- モーターの中の線の片方を、真ん中の電圧につないでおくんです。
- HIGEDARUMA
- すると、もう片方をプラスにするかゼロにするかだけで、電気の向きが逆になるんですよ。
- BANNO
- 片方を真ん中に固定して、もう片方だけ動かす。シーソーの支点みたいですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。だから、モーター1個に4本要った端子が、2本で済むんですよ。
- BANNO
- ということは、モーター2個で8本だったのが…
- HIGEDARUMA
- 4本です。ちょうど半分になって、足りなかった端子の壁を越えたんです。
- HIGEDARUMA
- しかも、モータードライバも使わず、マイコンの端子から直接モーターを回しています。ロボットが軽いので、マイコンの力で足りるんです。
- BANNO
- 部品を足して解決するんじゃなくて、減らして解決したんですね。発想が逆だ。
- HIGEDARUMA
- もう一つ。回った量を測るセンサーが無くても、決まった量だけ正確に回せるんです。
- HIGEDARUMA
- だから、プログラムした走り方を、何度でも同じように再現できるんですよ。
- BANNO
- 電池の壁は、どう越えたんですか?
- HIGEDARUMA
- このロボットのマイコンはESP8285といって、スマホのBluetoothとは話せないんです。
- HIGEDARUMA
- その代わり、ESP-NOWという、電気をあまり使わない無線を持っています。
- BANNO
- でも、スマホはそのESP-NOWを話せないんですよね?
- HIGEDARUMA
- そこで、両方を話せるM5StickCという小さな機械が、間に入って通訳するんです。
- BANNO
- 通訳さんがいるから、ロボットは省エネの言葉だけで済む。賢い分担ですね。
- HIGEDARUMA
- さらに、プログラムの書き込みも無線でやっています。書き込み用の線すら載せない徹底ぶりなんです。
- BANNO
- これだけ小さいと、組み立てるのも大変そうですね。
- HIGEDARUMA
- 配線は、太さ0.1ミリの線。髪の毛くらいなんです。
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、これより細いと切れやすい、太いと作業しにくい、ぎりぎりの太さだそうです。
- HIGEDARUMA
- その線を3本よじって、3本の矢にまとめると、ちぎれにくくなるんですよ。
- BANNO
- 毛利元就の教えが、電子工作で生きてるんですね。
- HIGEDARUMA
- 苦労もたくさん書かれています。6本の線が突っ張って、モーターが自由に動けなかったり。
- HIGEDARUMA
- 6ミリのモーターに7ミリのタイヤは、ギリ狙いすぎたかも、と。床に擦らないよう、モーターに角度を付けて組んだそうです。
- BANNO
- タイヤとモーターの差が、たった1ミリ。それは床に擦りそうになりますね。
- HIGEDARUMA
- それに、ハーフインチに収めたかったのに、微妙に超えたかも。ま、このくらいはよしとします、って。
- BANNO
- その、ま、いっか、が好きです。完璧じゃなくても、まず形にするのが大事なんですね。
- BANNO
- そもそも、どうしてこんなに小さいロボットを作ろうと思ったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作者は、最近、電子工作で小さなロボットものにはまっていて、と書いています。
- HIGEDARUMA
- 前に作ったロボットの改良版で、さらに小さくしたのがこの作品なんです。
- BANNO
- 好きで突き詰めたら、ここまで来たんですね。コンテストでも評価されたんですよね?
- HIGEDARUMA
- はい。マウザー・メイク・アワード2023で、優秀賞を取っています。
- HIGEDARUMA
- 審査員の講評がいいんですよ。こだわりは小ささだけかと思いきや、通信やバッテリーなど、随所にこだわりがあり感動しました、と。
- BANNO
- 小さいだけじゃなくて、ちゃんと動かして、長く遊べるところまで考えてある。そこが伝わったんですね。
- HIGEDARUMA
- その後もしん_2-41さんは、さらに軽い2.6グラムの、線をたどって走るロボットも作っているんです。
- BANNO
- まだ軽くなるんですか!好きの力って、すごいですね。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この3つです。
- HIGEDARUMA
- どれも電子工作の入門でよく使われる、手に入りやすい道具なんです。特別な工場がなくても、アイデアでここまで小さくできるんですよ。
- BANNO
- 作者は、しん_2-41さん。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- 作品ページを開いて、0.1ミリの線をよじるところまでの、組み立ての写真を順番に眺めてみてください。
- HIGEDARUMA
- それから、身の回りで足りないと感じていることを、ひとつ思い浮かべてみてください。足すより減らして解決できないか、考えてみるんです。
- BANNO
- 減らして解決。ものづくりだけじゃなく、毎日の工夫にも使えそうですね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、指先に乗る手作りロボット、世界最小クラス? 指乗りサイズ マイクロロボットでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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