揃えたら崩すのが面倒…だからロボットに「Cube Scrambler」|レゴとモーター2個のルービックキューブ練習ロボ
ProtoPedia の作品「Cube Scrambler」を2人のMCが初心者目線で紹介。ルービックキューブを60秒以内に揃えられるようになった作者が困ったのは、練習のたびに「崩す」のが面倒なこと。そこで、レゴブロックとレゴに付けられるモーター2個、親指ほどの小さなコンピューターで、キューブを自動で崩したり揃えたりするロボットを作りました。スマホの画面から、ランダムに崩す・揃える・好きな手順を回す・練習したい段階の形を作る、の4つが使えます。揃える手順を逆にたどれば崩れた形が作れる、というキューブの性質を使った工夫や、崩す動画は反応が薄かったのに揃える動画がプチバズした開発の裏話、Mouser Make Awards 2024 優秀賞まで。
チャプター
0:00オープニング0:20ルービックキューブを崩すロボット0:58きっかけは「崩すのが面倒」1:48スマホの画面で4つの機能3:23システム構成5:30思わぬプチバズ6:52レゴの説明書まで公開7:58エンディング
文字起こし(76行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、Cube Scrambler。
- HIGEDARUMA
- スクランブルは、キューブを崩すこと。名前のとおり、ルービックキューブを崩してくれるロボットなんです。
- BANNO
- 崩すロボット、ですか?揃えるロボットじゃなくて?
- HIGEDARUMA
- 揃えることもできます。でも、出発点はあくまで崩す方なんですよ。
- BANNO
- 体はレゴブロックなんですね。作ったのは、田中みそさんです。
- BANNO
- それにしても、どうして崩す方なんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者の田中みそさん、ルービックキューブにハマって、60秒以内に揃えられるようになったそうなんです。
- BANNO
- 60秒!私はひと面揃えるのも怪しいです。
- HIGEDARUMA
- 練習って、揃えたらまた崩して、また揃える、の繰り返しですよね。
- HIGEDARUMA
- 速く揃えられるようになるほど、その崩す手間がとても億劫になってきた、と書いているんです。
- BANNO
- なるほど。料理は好きだけど、洗い物は面倒、みたいな感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。崩す道具を探すと、高性能なものはあるけど高いし、専用のキューブじゃないとだめ、だったそうで。
- BANNO
- だったら、自分で作っちゃおうと。自分のための、オレ得の作品なんですね。
- BANNO
- 実際には、どうやって使うんですか?
- HIGEDARUMA
- スマホのブラウザで操作画面を開くと、4つの機能が選べるんです。
- HIGEDARUMA
- ひとつめは、ランダムに崩す。ボタンを押すだけで、ロボットがガチャガチャ崩してくれます。
- HIGEDARUMA
- ふたつめは、揃える。今のキューブの色を画面に入力すると、ロボットが揃えてくれます。
- BANNO
- 色の入力って、54マスもあるし大変そうですけど。
- HIGEDARUMA
- そこは、指でスワイプして色を入れていける画面を作っているんです。作者いわく、キューブに合った新しい入力方法だそうですよ。
- HIGEDARUMA
- みっつめは、好きな手順を書いて、そのとおりに回してもらう機能です。
- BANNO
- そして、よっつめは?
- HIGEDARUMA
- ここが一番の推しです。揃え方の、好きな段階の形を作ってくれるんです。
- BANNO
- 段階の形、ですか?
- HIGEDARUMA
- 作者が練習しているのは、M2Lメソッドという、7つの段階で揃えていく初心者向けの揃え方なんです。
- HIGEDARUMA
- 段階ごとに決まった形と回し方があって、それを体に覚え込ませるのが上達の近道なんですよ。
- BANNO
- あ、じゃあ苦手な段階の形を、ロボットが何度でも作ってくれるってことですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。たとえば5段目が苦手なら、5段目から始まる形を作ってもらって、そこだけ何度でも練習できます。
- BANNO
- ただの崩し係じゃなくて、練習コーチなんですね。スポーツの、球出しマシンみたい。
- BANNO
- ひげだるまさん、中身はどうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 登場人物は、スマホ、パソコン、ロボットの3つです。
- HIGEDARUMA
- スマホで押したボタンの命令は、まずパソコンのプログラムに届きます。パソコンが司令塔なんです。
- HIGEDARUMA
- パソコンは無線でロボットに命令を送ります。受け取るのは、ATOM Liteという、親指くらいの小さなコンピューターです。
- BANNO
- そんなに小さいんですね。その命令の受け渡しは、難しくないんですか?
- HIGEDARUMA
- そこには、opnizという、パソコンから小さなコンピューターを直接動かせる仕組みを使っています。これも田中みそさんが作ったものなんですよ。
- BANNO
- 道具から自分で作っちゃう人なんですね。
- HIGEDARUMA
- そして筋肉にあたるのが、GeekServoという、レゴにそのまま取り付けられるモーターです。これがたった2個。
- BANNO
- 2個だけで、あの複雑なキューブが回せるんですか?
- HIGEDARUMA
- 既存の製品を調べていて、2つのモーターだけで動かしているものを見つけたそうなんです。それをヒントに、レゴで組み立てました。
- BANNO
- でも、どうしてレゴなんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 理由はシンプルで、3Dプリンターを持っていなかったから。本人も、レゴに救われました、とコメントしています。
- BANNO
- レゴなら、おうちの押し入れにあるかもしれませんね。
- BANNO
- あと気になったんですけど、好きな段階の形って、どうやって作るんですか?
- HIGEDARUMA
- ここが賢いところなんです。キューブって、揃える手順を逆からたどると、揃える前の崩れた形に戻るんですよ。
- BANNO
- ああ、動画の巻き戻しみたいに、ですか。
- HIGEDARUMA
- そうです。揃える手順は、キューブ界で有名な計算方法を、誰でも使えるプログラムにしたものを借りて求めています。
- HIGEDARUMA
- その手順を逆に回せば、狙った段階の形ができる、というわけなんです。
- BANNO
- なるほど。揃える力があるから、上手に崩せるんですね。
- HIGEDARUMA
- 使われている素材は、この4つです。
- BANNO
- 作っている途中で、何か事件はあったんですか?
- HIGEDARUMA
- 田中みそさんは、開発の様子をちょこちょこXに投稿していたんです。
- HIGEDARUMA
- ところが本命の、崩す動画は、あまり反応がなかったそうで。
- BANNO
- あらら。一番見てほしいところなのに。
- HIGEDARUMA
- それがある日、崩れたキューブを揃える動画を投稿したら、思わぬプチバズになったんです。
- BANNO
- 見る側からすると、揃っていく方が気持ちいいですもんね。
- HIGEDARUMA
- 本人もスライドに、キューブを自動で崩したいという感覚は一般的ではない、戒め、と書いていて。
- BANNO
- 自分でツッコんでるの、いいですね。
- HIGEDARUMA
- この反応を受けて、最初は予定になかった、揃える機能も作ったんです。
- BANNO
- 見てくれた人の声で、作品が育ったんですね。発信してみるって大事だなあ。
- BANNO
- そしてこの作品、Mouser Make Awards 2024で、優秀賞を受賞しています。
- HIGEDARUMA
- 審査員の講評がいいんです。キューブを回すロボットは昔からあるけれど、これがレゴなのが素晴らしい、と。
- HIGEDARUMA
- おもちゃだと思っているレゴが、すごく知的なことをするから、脳がびっくりする。そこが面白い、と評されていました。
- BANNO
- 分かります。レゴがキューブを解いてたら、二度見しちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- しかも、作り方が全部公開されているんです。
- HIGEDARUMA
- レゴの設計ソフトで、本物のレゴ製品みたいな組み立て説明書まで作ってあるんですよ。
- BANNO
- 説明書つき!それなら、私でも組み立てられそうな気がしてきました。
- HIGEDARUMA
- 賞のテーマも、つくりたくなる、でした。まさにそこが評価されたんです。
- BANNO
- 田中みそさんは、キューブも楽しめて、開発も楽しめる、私にとって最高のプロジェクト、と書いています。
- BANNO
- 好きなことの、ちょっとした面倒が、作品のタネになるんですね。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- HIGEDARUMA
- 操作画面のデモが公開されているので、まずはスマホで開いて、4つのボタンを触ってみてください。
- BANNO
- それから、自分の趣味の、これちょっと面倒だな、をひとつメモしてみてください。それが次の作品のタネです。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、レゴで作るルービックキューブ練習ロボット、Cube Scramblerでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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