拾った松ぼっくりが湿度計に!「松ぼっくりIoT湿度計」|湿度センサーを使わずに湿度を測る
ProtoPedia の作品「松ぼっくりだってInternetにつながりたい! 松ぼっくりIoT湿度計」を2人のMCが初心者目線で紹介。松ぼっくりは湿ると閉じ、乾くと開きます。その動きをシーソーで手のひらサイズのコンピューター M5StickC Plus の傾きに変え、湿度センサーを使わずに湿度の変化をネットのグラフで見られるようにした作品です。土に差すセンサーが約1年で壊れる水やりの悩みから生まれた発想、カサが重すぎた失敗と重りでの工夫、本物の湿度センサーと一緒に動いたグラフ、子ども向け教材としての広がりまで。
チャプター
0:00オープニング0:20松ぼっくりが、ネットにつながる0:57きっかけは、水やり1:58松ぼっくりは、湿ると閉じる3:01システム構成4:44最初は、重すぎた5:32本当に測れているの?6:17子どもと学べる教材に7:48今日できる最小の一歩8:33エンディング
文字起こし(73行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、松ぼっくりだってInternetにつながりたい! 松ぼっくりIoT湿度計。
- BANNO
- 松ぼっくりが、インターネットに?あの、公園に落ちている松ぼっくりですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。拾ってきた松ぼっくりを、空気のしめり具合を測る道具にしちゃった作品なんです。
- BANNO
- しめり具合、つまり湿度ですね。作ったのは、keicafeさんです。
- BANNO
- でも、どうして松ぼっくりで湿度を測ろうと思ったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- keicafeさんは、ベランダのプランターに水をあげる機械を、2018年から何度も作ってきた人なんです。
- HIGEDARUMA
- そこで困るのが、いつ水をあげるか。土に金属の棒を差して、しめり具合を測る部品を使っていました。
- BANNO
- 土に差しっぱなしの金属。なんだか、すぐ傷みそうですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれで、サビたり表面の膜がはがれたりして、約1年で壊れてしまうそうなんです。
- BANNO
- 毎年買い替えは、地味に痛いですね。ほかにいい方法はなかったんですか?
- HIGEDARUMA
- そんなとき、ある投稿を見つけます。植木に松ぼっくりを置いて、カサが開いたら乾いている合図、水をあげよう、というものでした。
- BANNO
- へえ、松ぼっくりが水やりの合図に!
- HIGEDARUMA
- keicafeさんは、アナログだけど、分かりやすく素晴らしい方法、と感動したそうです。
- BANNO
- でも、そもそも松ぼっくりって、閉じたり開いたりするんですか?
- HIGEDARUMA
- するんです。雨の日や湿気の多い日は、カサがぎゅっと閉じる。晴れて乾くと、パカッと開くんですよ。
- BANNO
- 知らなかったです。何のために、そんなことを?
- HIGEDARUMA
- 乾いた日に開くのは、中の種を風に乗せて、遠くへ飛ばすためなんです。
- BANNO
- 雨の日に飛ばしても、遠くまで行けないですもんね。でも、どうやって動いているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- カサ1枚の内側と外側で、水を吸ったときの伸び方が違うんです。だから湿ると、片側だけ伸びて反り返るんですよ。
- HIGEDARUMA
- 伸び方の違う2枚の金属を貼り合わせて、温度で曲げる部品を、バイメタルと言います。昔のこたつの温度スイッチにも使われていました。
- HIGEDARUMA
- keicafeさんは、松ぼっくりを、天然のバイメタルと呼んでいます。温度の代わりに、水分で曲がるんです。
- BANNO
- 電池もいらない、自然のスイッチなんですね。
- HIGEDARUMA
- では、この装置の中身を見てみましょう。
- HIGEDARUMA
- 木の箱に松ぼっくりを置いて、カサに竹ひごを当てます。竹ひごの先は、シーソーみたいな板につながっているんです。
- HIGEDARUMA
- 板の反対側に載っているのが、M5StickC Plus。画面とWi-Fiが付いた、手のひらサイズの小さなコンピューターです。
- BANNO
- カサが開いたり閉じたりすると、シーソーが動くわけですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。その傾きを測るのが、M5StickC Plusに元から入っている、傾きセンサーなんですよ。
- BANNO
- 傾きセンサー、ですか?
- HIGEDARUMA
- スマホを横にすると、画面もくるっと横になりますよね。あれは、スマホの向きを感じる部品のおかげなんです。それと同じ種類です。
- BANNO
- あ、あれなら毎日使ってます!
- HIGEDARUMA
- 作品の説明図では、乾いてカサが開いたときの角度がゼロ。湿ってカサが閉じると、マイナス20まで傾きます。
- BANNO
- ちょっと待ってください。湿度を測る部品は、使っていないんですか?
- HIGEDARUMA
- 使っていません。傾きを、湿度の代わりに読んでいるんです。M5StickC Plus 1台だけで、湿度の変化が分かる。ここがこの作品のキモなんですよ。
- BANNO
- 発想の勝利ですね!その数字は、どこで見られるんですか?
- HIGEDARUMA
- Wi-Fiで、Ambientというネットのサービスに送っています。数字を送るだけで、自動でグラフにしてくれるんです。
- HIGEDARUMA
- プログラムは、UIFlowという、ブロックを並べて作れる道具で組んでいます。
- BANNO
- ブロックなら、私でもさわれそうです。
- BANNO
- でも、松ぼっくりの力で、コンピューターを持ち上げられるものなんですか?
- HIGEDARUMA
- そこが最初の壁でした。作者の発表資料には、失敗、カサが重すぎた、と書かれているんです。
- HIGEDARUMA
- 松ぼっくりの力に対して、載せたものが重すぎて、うまく動かなかったんですね。
- BANNO
- それは困りますね。どうやって乗り越えたんですか?
- HIGEDARUMA
- シーソーの反対側に、重りを付けたんです。カウンターウエイトと言います。つり合いをとって、軽い力でも動くようにしたんですよ。
- BANNO
- 公園のシーソーで、重い人の反対側に、小さい子が2人乗るみたいな感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。少しの力で、ぎりぎり傾く状態を作ってあげたんです。
- BANNO
- でも、本当に湿度が分かるんでしょうか?松ぼっくりの気分次第、だったりしません?
- HIGEDARUMA
- そこもちゃんと確かめています。比べるために、本物の湿度センサーも隣に並べたんです。
- HIGEDARUMA
- Ambientのグラフを見ると、約15分の間に、本物のセンサーの湿度が約45%から約49%に上がっていきます。
- HIGEDARUMA
- 同じ15分で、松ぼっくりの角度は、プラス8くらいから、マイナス3くらいまで下がっていったんです。
- BANNO
- 湿度が上がると、松ぼっくりの角度が下がる。ちゃんと一緒に動いてますね!
- HIGEDARUMA
- 作者も、湿度センサーと角度が相関している、つまり一緒に動いている、とまとめています。
- BANNO
- 私がいいなと思ったのは、これが子ども向けの工作にぴったりなところなんです。
- BANNO
- keicafeさん自身、子ども向けのワークショップでも使えるように、シンプルで安く作ろう、と考えていたそうです。
- HIGEDARUMA
- 余計なセンサーを買わなくていいですからね。松ぼっくりは、拾えばタダです。
- BANNO
- 松ぼっくりの理科と、ネットにつながる機械の仕組みを、いっぺんに学べる。夏休みの自由研究にもなりそうですね。
- HIGEDARUMA
- 生き物の仕組みをまねした技術を、バイオミメティクスと言います。その入口にもなる作品なんですよ。
- BANNO
- このアイデアは、ヒーローズ・リーグ 2023で、3つの賞をもらっています。
- BANNO
- 発想の変態(天才)賞、ノーコード・ローコード賞、そしてインスタ賞です。
- HIGEDARUMA
- 講評には、どうやればこのようなアイデアが出てくるのだろう、という驚きの声もありました。
- BANNO
- 大がかりなからくり装置みたい、という声もあったそうですよ。自然の動きが、ネットのグラフにつながるのは、見ていて楽しいですね。
- HIGEDARUMA
- 使われている道具は、この3つです。
- HIGEDARUMA
- 電子部品は、M5StickC Plus 1台だけ。あとは木の箱と竹ひごと、松ぼっくりです。
- BANNO
- 作者は、keicafeさん。
- HIGEDARUMA
- keicafeさんは、100円ショップの材料で作る点字プリンタなど、身近な材料で困りごとを解決する作品を、たくさん作っている方なんです。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- 松ぼっくりを1つ拾ってきて、水にくぐらせてみてください。カサが少しずつ閉じていくのが見られるはずです。
- HIGEDARUMA
- 乾かすと、また開きます。センサーがなくても、まずは目で、自然のスイッチを確かめてみてください。
- HIGEDARUMA
- そのあとで、M5StickC Plusみたいな小さなコンピューターにつなげば、あなたの松ぼっくりも、インターネットにつながりますよ。
- BANNO
- 散歩の帰り道が、ちょっと楽しみになりますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、松ぼっくりだってInternetにつながりたい! 松ぼっくりIoT湿度計でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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