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のぞいても空っぽ、なのにネコはいる「ねこはいます。」|床下の磁石と割れ物シールで作る、ARの不思議な箱

紹介した作品: ねこはいます。 - A Cat Surely in the Box -ProtoPedia での反響: 閲覧 1,300+ ・ ♥ 26

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ねこはいます。 - A Cat Surely in the Box -

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    ProtoPedia の作品「ねこはいます。 - A Cat Surely in the Box -」を2人のMCが初心者目線で紹介。段ボール箱がひとりでに動くのに、中をのぞくと空っぽ。でもタブレットのカメラ越しに見ると、箱の中でネコが歩いています。きっかけは、展示で箱の中をのぞいた子供をガッカリさせてしまった失敗でした。仕掛けをすべて床下に移し、電磁石で箱を引っぱり、「割れ物注意」シールをARの目印にし、持ち上げるとネコが消える。見る人のやりそうなことを先回りして受け止める、作り直しの工夫を種明かしします。

    チャプター

    文字起こし(83行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もプロトペディアから、とびきりふしぎな作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、ねこはいます。 - A Cat Surely in the Box -
    BANNO
    ねこはいます、って言い切ってますね。どんな作品なんですか?
    HIGEDARUMA
    テーブルの上の段ボール箱が、ひとりでにガタッと動いて、ニャーと鳴くんです。
    BANNO
    えっ、中にネコが入ってるんですか?
    HIGEDARUMA
    ところが、中をのぞくと空っぽなんです。何もいない。
    HIGEDARUMA
    でも、タブレットのカメラ越しに見ると、箱の中をネコが歩いているんですよ。
    BANNO
    なにそれ、手品みたい!作ったのは、shikky_labさんです。
    BANNO
    まずは、どんなふうに見えるのか教えてください。
    HIGEDARUMA
    見た目は、割れ物注意のシールが貼られた、どこにでもある段ボール箱です。
    HIGEDARUMA
    そこにタブレットのカメラを向けると、箱の中に、ネコの姿が映るんです。
    BANNO
    カメラを通すと見える、っていうのは、どういう仕組みなんですか?
    HIGEDARUMA
    ARという技術です。カメラの映像に絵を重ねて、そこに無い物を見えるようにするんですよ。
    BANNO
    スマホの画面で、道ばたにキャラクターが立って見える、あれですね。
    HIGEDARUMA
    そうです。ここが面白いところで、ネコは箱の中をうろうろ歩くんです。
    HIGEDARUMA
    そして画面のネコが箱の壁にぶつかると、本物の箱が、ガタッと動くんですよ。
    BANNO
    画面の中のネコに合わせて、現実の箱が動くんですね。それは本当にいるみたい。
    HIGEDARUMA
    箱の手前には小さな明かりも並んでいて、ネコのいる位置に合わせて光ります。
    BANNO
    じゃあ、気になって箱を持ち上げちゃったら、どうなるんでしょう?
    HIGEDARUMA
    ネコが、消えるんです。画面からも、いなくなります。
    HIGEDARUMA
    そして箱を置き直すと、登場の動きと一緒に、ネコがまた現れるんですよ。
    BANNO
    持ち上げると消えて、置くと戻ってくる。ちょっと神秘的ですね。
    HIGEDARUMA
    作者も、このネコは箱の中でしか存在できないのです、と書いています。
    BANNO
    どうして、こんな作品を作ろうと思ったんでしょう?
    HIGEDARUMA
    実は、これは作り直した二代目なんです。最初の試作品があったんですよ。
    HIGEDARUMA
    立体的に見える特別な画面を、窓のように箱の前に置いて、のぞくと中にネコが見える、というものでした。
    BANNO
    やっていることは、今とだいたい同じなんですね。
    HIGEDARUMA
    はい。ただその試作品は、箱を動かす仕掛けを、箱の中に直接入れていたんです。
    HIGEDARUMA
    それをメイカーフェア東京2023という、ものづくりの展示会に出したときのことです。
    HIGEDARUMA
    ある子供が、箱の中を本当にのぞき込んでしまって。ガッカリさせてしまったそうなんです。
    BANNO
    あー、種が見えちゃったんですね。それは子供も、作った人もつらい。
    HIGEDARUMA
    作者は、これを教訓にしました。実際に中を見ても何も居ない、なのに居る。
    HIGEDARUMA
    それが作れたら面白い、と考えて、今の形になったんです。
    BANNO
    のぞかれても大丈夫なように、一から作り直したんですね。
    BANNO
    失敗をそのまま、次の作品の芯にしたのが、いいですね。
    BANNO
    ひげだるまさん、そろそろ種明かしをお願いします。
    HIGEDARUMA
    登場するのは2つです。ネコを描くタブレットと、箱を動かす小さなコンピューター。
    HIGEDARUMA
    小さなコンピューターは、M5StickCというマイコンです。2つは無線でやり取りしています。
    HIGEDARUMA
    仕事は大きく3つ。ネコを描く、箱を動かす、箱があるかを調べる、です。
    BANNO
    まず一番気になるのは、空っぽの箱がどうやって動くのか、です。
    HIGEDARUMA
    箱の中は本当に空っぽで、四つの角に磁石が付いているだけなんです。
    HIGEDARUMA
    動かす仕掛けは、テーブルの布の下に隠してあります。
    HIGEDARUMA
    そこで電磁石をモーターで前後に動かして、上の箱の磁石を引っぱるんですよ。
    BANNO
    下から磁石で引っぱってるんですか!だから中には何もいらないんですね。
    HIGEDARUMA
    電磁石というのは、電気を流したときだけ磁石になる部品なんです。
    BANNO
    普通の磁石じゃなくて、わざわざ電磁石にしたのは、なぜなんですか?
    HIGEDARUMA
    ここにも子供への気づかいがあって。普通の磁石だと、持ち上げようとしたとき、箱が床にくっついてしまうんです。
    BANNO
    持ち上げたのに動かなかったら、あれ、何か仕掛けがあるな、ってバレちゃいますね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。電磁石なら電気を切れば磁力が消えるので、すっと持ち上がるんですよ。
    BANNO
    次は、ネコの描き方です。カメラは、どうやって箱の場所が分かるんですか?
    HIGEDARUMA
    ARでは、カメラが、ここに絵を出す、と覚える目印を使います。ARマーカーと言います。
    HIGEDARUMA
    ふつうは白黒の四角い模様を貼るんですが、それだと箱が急に機械っぽく見えてしまう。
    HIGEDARUMA
    そこで、段ボールによく貼ってある割れ物注意のシールを、いくつか集めて目印にしたんです。
    BANNO
    見慣れたシールだから、誰も目印だなんて思わない。うまいですね!
    HIGEDARUMA
    目印を登録するのにはVuforia、ネコを動かすアプリにはUnityという、ゲーム作りの道具を使っています。
    HIGEDARUMA
    ガムテープで細かいところを隠したりして、普通の箱が動いている感じに、とことんこだわったそうです。
    BANNO
    持ち上げたとき、ネコが消えるのは、どうやって見分けているんですか?
    HIGEDARUMA
    箱には、もう一つ別の磁石が付いていて、床下のリードスイッチが、それを見張っているんです。
    HIGEDARUMA
    リードスイッチは、磁石が近いとオンになるスイッチです。箱が持ち上がると、オフになる。
    BANNO
    スイッチが切れたら、ネコもいなくなる。そういう約束になってるんですね。
    HIGEDARUMA
    作るうえで一番やっかいだったのは、箱が本当に動くことだったそうです。
    HIGEDARUMA
    箱が動くと、貼ってある目印も一緒にずれる。すると、画面のネコまで一緒にずれてしまうんです。
    BANNO
    箱が動いた分だけ、画面のネコまで一緒に動いちゃう、ってことですか?
    HIGEDARUMA
    そうです。なので壁に当たったときは、アプリの中で、ネコと目印の位置関係をずらして合わせているんですよ。
    BANNO
    こうして聞くと、見る人がやりそうなことを、全部先回りしてるんですね。
    BANNO
    のぞいても空っぽ。持ち上げてもくっつかない。それでも、ネコはいる。
    HIGEDARUMA
    作り手として刺さるのは、技術を、見せるためじゃなく、隠すために使っているところなんです。
    HIGEDARUMA
    さっきの手前の明かりも、本当は、ネコが神々しく現れる演出のために足したもの。位置を光らせるのはオマケなんだそうです。
    BANNO
    登場を盛り上げるための明かりだったんですね。こだわりが、かわいいです。
    HIGEDARUMA
    この作品は、コンテストでも評価されているんです。
    HIGEDARUMA
    M5Stack Japan Creativity Contest 2024で斬新アイデア賞。Mouser Make Awards 2024ではファイナリストに選ばれました。
    BANNO
    斬新アイデア賞、まさにぴったりですね。
    HIGEDARUMA
    使われている道具は、この5つです。
    HIGEDARUMA
    どれも個人で手に入る道具ばかり。特別な部品より、組み合わせ方と見せ方の工夫が光る作品なんです。
    BANNO
    作者は、shikky_labさん。
    BANNO
    では、今日できる、いちばん小さな一歩です。
    BANNO
    身の回りの物をひとつ選んで、それを初めて見た人が、最初に何をしそうか、ひとつ書き出してみてください。
    HIGEDARUMA
    のぞく、持ち上げる、押してみる。その一つを驚きに変えるにはどうするか。そこから作品が始まります。
    BANNO
    子供のガッカリから、ここまで来たんですもんね。私も、何かの箱をじっと見たくなりました。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、のぞいても空っぽなのにネコがいる箱、「ねこはいます。」でした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    ねこはいます。 - A Cat Surely in the Box -
    作者: shikky_lab
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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