猫がいても机の上で焚き火を|火を使わない「AR 卓上焚火キット」
ProtoPedia の作品「AR 卓上焚火キット」を2人のMCが紹介。猫がいてキャンドルも置けない家で、火を使わずに焚き火を眺めたい。画面を上に隠し、透明な板に映った炎を本物の薪(炙った割り箸)に重ねる仕掛けと、うまくいかなかった試作から今の形にたどり着いた話、猫がテシテシ触っても安全な様子まで紹介します。
チャプター
0:00オープニング0:20火を使わない焚き火0:55猫がいて、キャンドルも扱えない1:57AR=現実の物に映像を重ねる5:00うまくいかなかったから、生まれた形6:38「ソフト素人でも活用できる」7:43身近な材料で作れる8:40エンディング
文字起こし(78行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、AR 卓上焚火キット。
- BANNO
- 机の上の小さな箱の中で、たき火が燃えていますね。えっ、これ本物の火ですか?
- HIGEDARUMA
- それが、火は一切使っていないんです。熱くもないし、煙も出ないんですよ。
- BANNO
- 火を使わないのに、ちゃんと薪の上で燃えているように見えます。不思議ですね。
- BANNO
- たき火って、ぼんやり眺めているだけで落ち着きますよね。
- HIGEDARUMA
- わかります。ただ、キャンプ場は遠いですし、部屋の中でたき火はできないですからね。
- BANNO
- 小さなろうそくなら、机でも灯せそうですけど。
- HIGEDARUMA
- 作者のハムスターざむらいさんは、それもできなかったんです。理由がかわいいんですよ。
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、「我が家には猫がいるので、キャンドルなども扱えず」と書かれています。
- BANNO
- あー、猫がしっぽで倒したら大変ですもんね。
- BANNO
- それで、手軽にたき火を楽しみたくて作ったんですね。すごく共感できます。
- BANNO
- でも、火がだめなら、スマホでたき火の動画を流せばよくないですか?
- HIGEDARUMA
- いい疑問です。実はそこが、この作品の一番の工夫につながるんです。
- HIGEDARUMA
- 画面に映った炎って、どうしても「あ、映像だな」って分かっちゃうんですよ。
- BANNO
- たしかに、画面の四角い枠や光り方で、作り物だと気づきますね。
- BANNO
- じゃあ、この箱はどうやって本物っぽく見せているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- タイトルのARは、現実の物の上に、映像を重ねて見せる技術のことなんです。
- HIGEDARUMA
- この作品では、本物の薪の上に、炎の映像だけを重ねて見せているんですよ。
- BANNO
- 本物と映像を混ぜているんですね。どういう仕掛けなんですか?
- HIGEDARUMA
- 箱は上から順に3段になっています。いちばん上に、画面の付いた小さなコンピューターがあるんです。
- HIGEDARUMA
- M5Stackという、手のひらサイズの画面つきコンピューターです。それを、画面を下に向けて付けています。
- BANNO
- 画面が下向きだと、見ている人からは画面が見えないですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。わざと画面を隠しているんですよ。
- HIGEDARUMA
- 真ん中には、厚さ0.5ミリの透明なアクリル板が、斜めに置いてあります。下敷きみたいな薄い板ですね。
- HIGEDARUMA
- 上の画面の炎が、この透明な板に反射して、見ている人の目に届くんです。
- BANNO
- 夜に電車の窓を見ると、車内の様子が外の景色に重なって映りますよね。あれと同じですか?
- HIGEDARUMA
- まさにそれです!窓の向こうの景色と、窓に映った車内が、重なって見える現象なんですよ。
- HIGEDARUMA
- そして、いちばん下に本物の薪を置きます。この薪、実は割り箸を刻んで、火であぶったものなんです。
- BANNO
- 割り箸!身近な物ですね。
- HIGEDARUMA
- 透明な板ごしに本物の薪が見えて、そこへ炎が重なる。だから、薪の上で燃えているように見えるんです。
- BANNO
- 画面そのものは見えないから、映像っぽさも出ないわけですね。
- HIGEDARUMA
- はい。それに、炎の映像には薪も映っているんですが、消さなくても本物の薪にうまく紛れてくれるそうです。
- BANNO
- でも、見る角度がずれると、炎が薪からはみ出しませんか?
- HIGEDARUMA
- そこも考えられています。机に座った人の目の高さに合わせて、板の角度を調整しているんです。
- HIGEDARUMA
- 箱から奥に40センチ、上に30センチの位置に目がある、と想定しているんですよ。
- HIGEDARUMA
- デモ動画によると、上下に30度、左右に60度くらいまで顔を動かしても、炎はちゃんと見えるそうです。
- BANNO
- 机に座っている間なら、炎が視界から消えないんですね。
- BANNO
- 炎の映像は、どうやって流しているんですか?
- HIGEDARUMA
- たき火の動画と、パチパチという音は、作者さんが自分で用意しています。
- HIGEDARUMA
- 再生には、GOBさんという別の作者が公開しているアプリを使っています。画像を次々に切り替えて、パラパラ漫画のように動かす仕組みなんです。
- BANNO
- 再生の部分は、人が作った物を借りたんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。全部を自分で作らずに、見せ方の工夫に集中した。ここが上手なところなんですよ。
- BANNO
- この形にたどり着くまでに、苦労はあったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 実は最初は、画面を下に置いて、炎が奥までずっと続いて見える、無限の炎を作るつもりだったそうです。
- HIGEDARUMA
- でも、そのために必要なちょうどいいフィルムが、手に入らなかったんです。
- BANNO
- 材料が手に入らないのは、ものづくりではよくありそうですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、画面を下に置いた試作は、画面が直接見えてしまうので、映像っぽさが出て、たき火には向かなかったそうです。
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、これはこれで火力強めな感じで好き、とも書いているんですけどね。
- BANNO
- うまくいかなかったから、画面を隠す今の形が生まれたんですね。
- BANNO
- 実際に使うなら、どんな時間がいちばんいいんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作者さんいわく、夕暮れ時がいちばんきれいに映るそうです。日が暮れてきて、ぼんやり眺めるのがとてもいい時間だ、と。
- BANNO
- 仕事の終わりに、パチパチという音を聞きながら炎を眺める。いいですねえ。
- HIGEDARUMA
- そして、いちばんの見どころがこちら。猫が炎に手を出して、テシテシいたずらしているんです。
- BANNO
- かわいい!映像の炎だから、触っても熱くないんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。もともと猫のために作ったので、ここがちゃんとかなっているのが、うれしいところです。
- HIGEDARUMA
- ほかにも、ポケモンのヤドンのフィギュアの前に炎を出して、技の「ひのこ」を覚えさせるのにも便利、なんて遊び方も紹介されていました。
- BANNO
- 置き物と組み合わせると、ちょっとした小さな世界が作れますね。
- BANNO
- 作ったのは、ハムスターざむらいさん。メンバーの欄には、担当は全部、と書いてあります。
- HIGEDARUMA
- 1人で、箱の設計から映像づくりまでやっているんです。
- BANNO
- 再生アプリを作ったGOBさんとの、やり取りもすてきでした。
- HIGEDARUMA
- GOBさんからは、自由に使っていい約束で公開しているので問題ありません、という返事が来ています。
- HIGEDARUMA
- 作者さんは、「当方の様なソフト素人でも活用できる素晴らしい作品」と、感謝を伝えているんですよ。
- BANNO
- プログラミングが得意じゃなくても、人の作った物を借りれば形にできる。勇気が出ますね。
- HIGEDARUMA
- そしてこの作品は、ヒーローズ・リーグ 2024で、共立電子産業賞を受賞しています。
- BANNO
- 審査のコメントは、「あぁ、私もほっこりしたい」。審査員の人まで、ほっこりしているんですね。
- HIGEDARUMA
- 「高火力バージョン楽しみにしています」とも書かれていました。作品ページには、明るさを上げた別のバージョンの写真も載っているんですよ。
- BANNO
- 猫がいるから火は無理、で終わらせずに、見せ方を工夫して形にしたのがいいですね。
- HIGEDARUMA
- 材料も、割り箸と透明な板と小さなコンピューター。特別な物ではないんです。
- BANNO
- 見ていて、自分もやってみたくなった人もいると思います。今日できる一歩はありますか?
- HIGEDARUMA
- スマホでたき火の動画を流して、透明なクリアファイルを斜めにかざしてみてください。
- HIGEDARUMA
- 部屋を少し暗くすると、板の上に炎がふわっと浮かんで見えるはずです。
- BANNO
- その向こうに、小さな木の枝や置き物を置けば、もうミニたき火ですね。
- BANNO
- 作品ページでは、猫がテシテシする動画も見られます。ぜひのぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、火を使わずに机の上でたき火を眺められる、AR 卓上焚火キットでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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