トングをカチカチ鳴らすとパンが震える「トングでパンを威嚇する装置」|機械学習と、スマホ画面に貼った色センサ
ProtoPedia の作品「トングでパンを威嚇する装置」を2人のMCが初心者目線で紹介。パン屋さんでトングを持つと、ついカチカチ鳴らしたくなる。でも人前だと恥ずかしい。そんな人のために、家でトングを鳴らすと作り物のメロンパンがブルブル震える装置です。Google の Teachable Machine でトングの音を8回録音して覚えさせ、スマホのブラウザで聞き分け。通信プログラムを書けなかったので、スマホの画面に色判別センサを貼って結果を読み、ATOMS3 が振動モーターを動かします。ヒーローズ・リーグ 2024 で3つの賞を受賞。
チャプター
0:00オープニング0:20トングでパンを威嚇?1:24カチカチすると…2:09① スマホが音を聞き分ける3:37② 結果をどう伝える?5:21システム構成6:30見た人の反応7:53作者: 由井河あきらさん8:45エンディング
文字起こし(83行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、トングでパンを威嚇する装置。
- BANNO
- パンを、威嚇?パンって、あの食べるパンですよね。どういうことですか?
- HIGEDARUMA
- そのパンなんです。パン屋さんで、トングを持ったときを思い出してみてください。
- BANNO
- あ、分かります。お店のトングって、つい空中でカチカチ鳴らしたくなるんですよね。
- HIGEDARUMA
- 作者さんの動画も、トングを持つとなぜかカチカチしたくなるのは広く知られている、と言い切るところから始まるんですよ。
- BANNO
- でも、お店でやると、ちょっと恥ずかしいですよね。周りの目もありますし。
- HIGEDARUMA
- そこなんです。作品ページには、トングをカチカチしてパンを脅したいけど、人前だと恥ずかしいな、という人のために、と書いてあります。
- BANNO
- パンを脅したい人、いるんですかね。でも、気持ちはちょっと分かります。
- BANNO
- それで、実際にはどうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- カゴの中にメロンパンを置いて、そばにスマホを立てておきます。
- HIGEDARUMA
- そこでトングをカチカチ鳴らすと、メロンパンがブルブルっと震えるんです。
- BANNO
- えっ、パンが震える!まるで怖がってるみたいじゃないですか。
- HIGEDARUMA
- そう見えますよね。ちなみにこのメロンパン、食べられない作り物なんですよ。
- BANNO
- あ、本物じゃないんですね。食べ物を粗末にしていないなら、安心です。
- HIGEDARUMA
- 動画では、本物のパンを脅すのは、基本的パン権に反するので、と説明しています。
- BANNO
- パン権!パンにも権利があるんですね。
- BANNO
- でも、どうやってトングの音にだけ反応させているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- ここが一つ目の見どころです。まず、スマホにトングの音を聞き分けさせるんです。
- BANNO
- 聞き分けるって、どうやって教えるんですか?
- HIGEDARUMA
- 機械学習という方法を使います。たくさんの例を見せて、コンピューターに見分け方を覚えさせるやり方です。
- BANNO
- 子どもに、これが犬、これが猫、と何回も見せて覚えてもらう感じですか?
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。今回は、これがトングの音、これはまわりの雑音、と聞かせて覚えさせます。
- HIGEDARUMA
- 使ったのは、GoogleのTeachable Machine。ブラウザだけで機械学習が試せる、無料のサイトなんです。
- BANNO
- ブラウザだけで?ソフトを入れなくていいんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。画面を見ると、トングの音を8つ、まわりの雑音を50個、録音しています。
- HIGEDARUMA
- あとは学習のボタンを押すだけ。あっという間に、カチカチ音を聞き分ける頭脳ができるんです。
- BANNO
- たった8つで!それで、ちゃんと聞き分けられるんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者さんいわく、そこそこの精度だそうです。鳴らすと、画面のトングの目盛りが、ぐっと上がるんですよ。
- HIGEDARUMA
- しかもブラウザで動くので、スマホでもそのまま使えます。トングの音を聞くと、画面の赤い棒が伸びるんです。
- BANNO
- 専門家じゃなくても、機械学習って試せるんですね。ちょっと身近に感じてきました。
- BANNO
- でも、スマホが聞き分けただけじゃ、パンは震えないですよね?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。パンを震わせるのは、パンに仕込んだ振動モーター。スマホではないんです。
- BANNO
- 振動モーターって、スマホのバイブみたいなものですか?
- HIGEDARUMA
- そうです、あのブルブルです。問題は、スマホの結果を、そのモーター側にどう伝えるか、なんですよ。
- HIGEDARUMA
- ふつうはBluetooth、つまり線を使わない通信でつなぎます。
- BANNO
- スマホとイヤホンをつなぐ、あれですね。
- HIGEDARUMA
- はい。ところが作品ページには、通信プログラムを書けなかったので、と正直に書いてあるんです。
- BANNO
- えっ、書けなかった!そこで止まらなかったんですか?
- HIGEDARUMA
- 動画では、技術的には可能ですが、出来るとは言ってません、と開き直っています。
- BANNO
- 正直すぎます!じゃあ、どうしたんですか?
- HIGEDARUMA
- ここが一番の見どころです。色判別センサという、色を数字で読み取る小さな部品を用意しました。
- HIGEDARUMA
- そしてそれを、スマホの画面に、テープで直接貼り付けたんです。
- BANNO
- 画面に、貼っちゃった!
- HIGEDARUMA
- トングの音を聞くと、画面の赤い棒が伸びますよね。その赤い色を、貼ったセンサが読み取るんです。
- HIGEDARUMA
- 作者さんはこれを、光通信の完成です、と、はてなマーク付きで呼んでいます。
- BANNO
- 通信が書けないなら、画面の色を見ればいい。力技ですけど、ちゃんと動いているのがすごいですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんですよ。できないところを、手持ちの部品で回り道して越える。個人開発では、これがすごく大事なんです。
- BANNO
- 改めて、全体の流れを整理してもらえますか?
- HIGEDARUMA
- ステップは4つです。まず、Teachable Machineでトングの音を覚えさせて、スマホのブラウザで聞き分けます。
- HIGEDARUMA
- 次に、画面に貼った色判別センサで、赤い棒を読み取ります。
- HIGEDARUMA
- 最後に、ATOMS3が、センサの値が決めた基準を超えたら、振動モーターをオンにするんです。
- BANNO
- ATOMS3って、何ですか?
- HIGEDARUMA
- M5Stackの、指先くらいの小さなコンピューターです。センサを読んで、モーターを動かす司令塔ですね。
- BANNO
- 決めた基準、というのは?
- HIGEDARUMA
- 閾値、と言います。ここを超えたら動かす、という線のことです。センサが読んだ値がこの線を超えたら、震わせるんです。
- HIGEDARUMA
- 登録されている素材は、ATOMS3とM5Stack。これに色判別センサと振動モーター、手持ちのスマホを組み合わせています。
- BANNO
- 思ったより、部品が少ないんですね。これなら手が届きそうです。
- BANNO
- この作品、見た人の反応はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 動画はニコニコ動画にも投稿されて、ニュースサイトにも取り上げられました。
- BANNO
- コメントには、パンの気持ち考えたことあんの?とか、なるほどわからん、という声が並んだそうです。
- HIGEDARUMA
- これ嫌がってるよ、俺飼ったことあるから分かる、なんてコメントもあったそうですよ。
- BANNO
- パンを飼ったことがある人!みなさん、ノリノリですね。
- BANNO
- そして、コンテストでも評価されたんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。ProtoPediaのヒーローズ・リーグ 2024で、3つの賞を受賞しています。
- HIGEDARUMA
- IoTの勉強会、IoTLTからは、Internet of Awesome Things賞。
- HIGEDARUMA
- 講評は、最高に謎な作品として評価しました、でした。
- BANNO
- 最高に謎!それ、ほめ言葉ですよね。
- HIGEDARUMA
- ゆるメカトロ賞では、色センサの意外な使い方と、ゆるい取り付け方が、運営のみなさんに刺さったそうです。
- HIGEDARUMA
- それから、岩岡屋さんのベストスパイス賞。講評には、本当にパンは怯えていたのか、という一文があるんです。
- BANNO
- もう、パンの気持ちを考える作品になってますね。
- BANNO
- 完璧な通信より、回り道の工夫と、くだらないことを全力でやりきったところが、ちゃんと届いたんですね。
- BANNO
- 作者は、由井河あきらさん。1人で作った作品です。
- HIGEDARUMA
- 動画の最後は、パン屋さんでやるのは恥ずかしいという人もぜひ、と締めくくっています。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- Teachable Machineを開いて、音声のプロジェクトを選んでみてください。
- HIGEDARUMA
- まわりの雑音を録音したら、次は手をパンと叩く音を、8つ録音して覚えさせてみてください。
- HIGEDARUMA
- 自分の鳴らした音にだけ反応する瞬間、けっこう感動しますよ。
- BANNO
- パンと叩く音で、パンを震わせる。私も、家のあるあるで何か作りたくなってきました。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、トングのカチカチでパンが震える、トングでパンを威嚇する装置でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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