駅に近づくと背中の文字が変わる!Wikiで書き換える「着る電光掲示板」|フルマラソンも光って完走
ProtoPedia の作品「Wikiで制御できる、場所で表示を変えることができる、LINEもOK、着る電光掲示板(走るのもOK)」を2人のMCが紹介。ランニング用ビブスの前と後ろに光る文字を流し、表示の中身はインターネット上のWikiページに書くだけ。GPSで今いる場所を知り、駅や名所に近づくとその場所の言葉に切り替わります。LINEで送ったメッセージも流せます。Twitterが使えなくなっても作り直し続けた約10年のストーリーと、フルマラソンを光りながら完走した話まで。
チャプター
文字起こし(74行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、Wikiで制御できる、場所で表示を変えることができる、LINEもOK、着る電光掲示板、走るのもOK。
- BANNO
- 名前に、できることが全部入っていますね。
- HIGEDARUMA
- はい。ひと言でいうと、着るタイプの看板なんです。
- HIGEDARUMA
- ランニング用のビブスの前と後ろに、光る文字が流れるんですよ。
- BANNO
- それを着て、本当に走れるんですか?
- HIGEDARUMA
- 走れます。しかも、走っている場所によって、文字の中身が変わるんです。
- BANNO
- 場所で変わる、というのが想像しにくいです。どんな感じなんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作者のYamanoueさんが、これを着て、広島県福山市の町を歩くデモ動画があるんです。
- HIGEDARUMA
- 資料館の前に立つと、胸のパネルに、あしあとスクエアの前、と出ます。
- BANNO
- 今いる場所の名前が、そのまま胸に出るんですね。
- HIGEDARUMA
- そこから駅のほうへ歩いていくと、今度は、JR松永駅近く、に切り替わるんですよ。
- BANNO
- 誰もボタンを押していないのに、ですか?
- HIGEDARUMA
- はい。着ている人は、ただ歩いているだけなんです。
- BANNO
- マラソンのプラカードやゼッケンって、一度書いたら、ゴールまで同じ文字ですよね。
- BANNO
- これは、場所に合わせて言葉が変わる。背中が、動く案内板になるわけですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は実際に、これを着て約7キロ走ってみたそうです。
- HIGEDARUMA
- 決めておいた場所の近くで、ちゃんと決めたメッセージが出て、7キロ走っても壊れなかった。次は10キロでも大丈夫だったそうです。
- BANNO
- では、どういう仕組みなんでしょうか。まず、光っている板は何ですか?
- HIGEDARUMA
- 小さな色つきの電球が、縦に16個、横に16個並んだパネルです。曲げられる柔らかい板なんですよ。
- HIGEDARUMA
- これを、ビブスのゼッケンを入れるポケットに、前に2枚、後ろに2枚。合わせて4枚入れています。
- BANNO
- では、表示する文字は、どこで決めているんですか?
- HIGEDARUMA
- ここが一番面白いところで、インターネット上のWikiのページに書くんです。
- BANNO
- Wikiって、ウィキペディアのWikiですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。みんなで書き換えられるホームページの仕組みですね。そこに、何を表示するかの指示書を書いておくんです。
- HIGEDARUMA
- ビブスの中の小さなコンピューターが、例えば45秒ごとに、そのページを読みに行って、書いてある通りに表示するんですよ。
- BANNO
- ということは、表示を変えたいときは、ページを書き換えるだけでいいんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。ビブスに触らなくていいし、遠くにいる仲間がスマホから書き換えることもできます。
- BANNO
- 走っている本人は、何もしなくていいんですね。それは便利です。
- BANNO
- でも、さっきの場所で変わるのは、どうやっているんですか?
- HIGEDARUMA
- GPSを使っています。スマホの地図アプリで、今いる場所が分かる、あれと同じ仕組みです。
- HIGEDARUMA
- Wikiの指示書には、地点と、そこで出す言葉をセットで書いておきます。
- HIGEDARUMA
- 作品ページの例だと、駅や神社など13の地点を登録して、そこから50メートルから200メートル以内に入ったら、その場所の言葉に切り替えるんです。
- BANNO
- 近づいたら言葉が変わる。仕組みを聞くと、意外とシンプルですね。
- HIGEDARUMA
- 時刻でも切り替えられます。毎時決まった分になったら、イベントの告知を出す、という使い方もしていました。
- BANNO
- 中の機械は、どんな作りなんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 手のひらサイズの小さなコンピューターが2つ入っています。頭脳役のRaspberry Pi Zeroと、パネル係のRaspberry Pi Picoです。
- HIGEDARUMA
- 頭脳役がWikiを読んで、GPSで場所を確かめて、パネル係に、この文字を出して、と線で命令を送る。そういう分担なんです。
- HIGEDARUMA
- それからもう1つ。LINEに送ったメッセージを、そのまま流すこともできるんです。
- BANNO
- 沿道の家族がLINEで送った応援が、ランナーの背中に出たら、うれしいですね。
- HIGEDARUMA
- 中身の部品をまとめると、こちらです。基板どうしを線でつないだ、手作りの作りなんですよ。
- BANNO
- これ、作るのは大変だったんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 実は、この着る電光掲示板、始まりは2015年なんです。もう10年くらい作り続けているんですよ。
- BANNO
- えっ、10年もですか!
- HIGEDARUMA
- 最初は、ツイッターで決めた言葉の入ったつぶやきを探して、流す仕組みでした。それを着て、マラソン大会も走っています。
- HIGEDARUMA
- ところが2023年に、ツイッターの外から使うための窓口が、無料では使えなくなったんです。中で使っていた部品も、販売が終わってしまいました。
- BANNO
- それは、ショックですね。作品が動かなくなってしまう。
- HIGEDARUMA
- そこで作者は、自分で中身を分かっているWikiの仕組みに、まるごと作り直したんです。
- HIGEDARUMA
- パネル係の部品も、1つ目はメモリが足りずに動かず、2つ目は最初の1回だけ表示して見えなくなって、3つ目のピコで、やっと上手くいったそうです。
- BANNO
- あきらめずに、1つずつ試していったんですね。
- HIGEDARUMA
- LINEの機能は、2025年の夏に、広島で開かれた、AIと一緒にLINEのボットを作る講習会がきっかけなんです。
- HIGEDARUMA
- 生まれて初めてそのやり方を体験して、ツイッターの代わりにLINEが使えるかも、と思って、2週間ほどで表示に成功しています。
- BANNO
- 新しいことを学んで、すぐ自分の作品に取り入れる。かっこいいですね。
- HIGEDARUMA
- 22キロ走ったときは、走り始めてすぐ、4枚のパネルのうち1枚の色がおかしくなったそうです。
- HIGEDARUMA
- 次の日にパネルを交換したら、新しいパネルの電気の線が逆についていて、電源を入れる前に気づいて、セーフ、と書いています。
- BANNO
- ヒヤッとしますね。でも、そういう話まで正直に書いてくれるのは、うれしいです。
- HIGEDARUMA
- そして2026年の2月、そうじゃ吉備路マラソンで、これを着てフルマラソンを完走しました。
- HIGEDARUMA
- 走っていたほぼ5時間のあいだ、ずっと光り続けたそうです。
- BANNO
- 5時間ずっと!それはすごいです。
- HIGEDARUMA
- ただ、天気が良すぎて、あまり目立たなかったかも。練習では動いた、場所で変わる機能も、本番ではうまく動かなかった、と正直に書いているんです。
- BANNO
- うまくいかなかったことも、次の改良のネタになるんですね。だから10年続くのかもしれません。
- HIGEDARUMA
- 作者は、Takashi Yamanoueさん。企画から開発、テストまで、1人で手がけています。
- BANNO
- ProtoPedia Award 2025と、ヒーローズ・リーグ 2025にも登録されている作品です。
- BANNO
- 使いどころを考えると、マラソンの応援や、イベントの告知、観光の案内にも使えそうですね。
- HIGEDARUMA
- そうですね。名所に近づいたら、その場所の説明を背中に出す、なんてこともできます。
- BANNO
- では、今日できる最小の一歩です。まずは使う側から。
- BANNO
- 自分が背中に出したい一言を、どこで出したいか、場所とセットで1つ書き出してみてください。
- HIGEDARUMA
- 作る側の一歩なら、作品ページに載っているWikiの指示書の例を開いてみてください。
- HIGEDARUMA
- 地点と言葉が並んでいるので、それを自分の町の駅と、自分の言葉に置き換えてみる。それだけで、仕組みがぐっと身近になります。
- BANNO
- 作品ページには、構成図や、走ったときの記録も詳しく載っています。ぜひのぞいてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、Wikiに書くだけで表示が変わり、場所で言葉が変わる、着る電光掲示板でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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