めがねが「カチャッ」と当たるキスを再現する装置「青い青春」|技術の無駄使い賞
ProtoPedia の作品「青い青春」を2人のMCが紹介。めがねをかけて顔をキスの角度に傾けると、マシュマロくちびるがやってきて、めがね同士がカチャカチャ当たる。子ども向けの小さな基板 micro:bit 2枚とソレノイドで、作者の『かなわなかった青春』を再現した、MA2018 ヒーローズ・リーグ「技術の無駄使い賞」の作品です。
チャプター
0:00オープニング0:20めがねキスの思い出をつくる装置1:02高校生。付き合い始めたばかり2:03傾けると、くちびるが来る4:45技術の無駄使い賞5:50かしげたら、何かが起きる6:47エンディング
文字起こし(74行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、青い青春。
- BANNO
- 青い青春。なんだか甘酸っぱいタイトルですね。どんな作品なんですか?
- HIGEDARUMA
- ひと言でいうと、めがねをかけた人のための、キスの思い出をつくる装置なんです。
- BANNO
- えっ、キスの装置ですか!?いきなりすごいのが来ましたね。
- HIGEDARUMA
- この白いふわふわが、「マシュマロくちびる」なんですよ。
- BANNO
- 見た目は完全にマシュマロですね。でも、どうしてこんなものを作ったんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- 作品ページに、作者が短い物語を書いているんです。ちょっと読みますね。
- HIGEDARUMA
- 「高校生。めがねをかけた僕たちは、まだ付き合い始めたばかり。」
- HIGEDARUMA
- 「慣れてないからなのか、キスする度にめがねがカチャっと当たってしまう。」
- BANNO
- あー、めがね同士がぶつかっちゃうんですね。マンガで見たことある場面です。
- HIGEDARUMA
- 「そのたびに僕たちは『ちょっとじゃまだね』って笑いあう。」
- BANNO
- いいですねえ、まさに青春!タイトルの「青い青春」は、この場面なんですね。
- HIGEDARUMA
- ところが、物語はこう続くんです。
- HIGEDARUMA
- 「めがねっ娘が大好きだけど、そんな思い出がない残念なあなた(俺に)に・・・」
- BANNO
- 自分へのツッコミで落とした!作者さん本人の、かなわなかった青春なんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作ったのは、大野 了さん。1人で作った作品です。
- BANNO
- 思い出がないなら、機械で作っちゃえ、と。発想が振り切れてますね。
- BANNO
- で、実際にはどう動くんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者がデモ動画を撮っていて、本人がめがねをかけて座っているんです。
- HIGEDARUMA
- 顔をキスの角度に、くいっと傾けると、マシュマロくちびるが口元までやってきます。
- BANNO
- わっ、本当に来た。でも、どうやって「キスの角度」が分かるんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- めがねのつるに、小さなコンピューターの基板が付いているんです。
- HIGEDARUMA
- micro:bitといいます。
- BANNO
- micro:bit。初めて聞きました。
- HIGEDARUMA
- 子どものプログラミング教育のために作られた、手のひらサイズの基板なんですよ。
- HIGEDARUMA
- しかも、傾きを測るセンサーが、最初から付いているんです。
- BANNO
- 傾きを測るセンサー。ちょっと想像しにくいですね。
- HIGEDARUMA
- スマホを横にすると、画面もくるっと横になりますよね。あれと同じ仕組みです。
- BANNO
- あ、それなら分かります!顔をかしげたら、めがねも一緒に傾くわけですね。
- HIGEDARUMA
- その通り。めがねがキスの角度まで傾いたら、「今だ」と判断するんです。
- BANNO
- それで、くちびるはどこから動かしているんですか?
- HIGEDARUMA
- 手元にもう1枚、micro:bitがあるんです。こちらはコントローラー役ですね。
- HIGEDARUMA
- めがね側が「今だ」と合図を送ると、手元の側がくちびるを動かします。
- BANNO
- 感じる係と、動かす係に分かれているんですね。
- HIGEDARUMA
- さらに細かいのが、ここなんですよ。くちびるが、たまにわざと離れるんです。
- BANNO
- えっ、離れちゃうんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者いわく「俺をじらしつつ」。ずっとくっついているより、ドキドキするわけです。
- BANNO
- じらしまで再現するとは。こだわりがすごいです。
- HIGEDARUMA
- そして最後の仕上げが、めがねの「カチャッ」なんです。
- HIGEDARUMA
- ソレノイドという部品を使います。電気を流すと、中の棒がガチャンと飛び出す部品です。
- BANNO
- その棒で、めがねをたたくんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。二つのめがねを、カチャカチャと当てるんです。
- BANNO
- 物語にあった、あの「カチャっ」の音を、機械で鳴らすんですね!
- HIGEDARUMA
- 作者が書いた手順の6つ目は、こうです。「僕、大興奮」。
- BANNO
- 手順の最後が「大興奮」って!説明書なのに笑っちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- 使った材料は、micro:bitが2枚と、ソレノイドなどの部品です。
- BANNO
- 特別な部品じゃなくて、子ども向けの基板が中心なんですね。
- HIGEDARUMA
- 傾きセンサー付きなので、センサーを買い足さずに済む。そこが上手いんです。
- BANNO
- この作品、賞も取っているんですよね。
- HIGEDARUMA
- 2018年のMashup Awardsという大会です。
- HIGEDARUMA
- そのヒーローズ・リーグで、「技術の無駄使い賞」を取っています。
- BANNO
- 技術の無駄使い賞!この作品のためにあるような賞ですね。
- HIGEDARUMA
- 同じ年の決勝でも、参加者の投票で「技術の無駄使い作品」に選ばれています。
- BANNO
- ここでの「無駄使い」は、最高の褒め言葉なんですね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページのコメント欄には、「忘れられない作品です!笑」という声もあります。
- HIGEDARUMA
- 作者はこう返しているんですよ。
- HIGEDARUMA
- 「最近、何も作れてないのに忘れられてなくて、嬉しいっすw」
- BANNO
- 分かります。思わず笑った作品って、ずっと覚えてますよね。
- BANNO
- ビジネスでも、一点だけ強烈に刺さるものは、つい人に話したくなるんです。
- HIGEDARUMA
- エンジニアから見ても、狙いが1つにはっきりしているのがいいんです。
- HIGEDARUMA
- めがねの「カチャッ」を再現する。全部の部品が、そのためにあるんですよ。
- BANNO
- 見ていて、僕も何か作りたくなりました。何から始めればいいでしょうか。
- HIGEDARUMA
- おすすめは、micro:bitの傾きセンサーで遊ぶことです。
- HIGEDARUMA
- たとえば、本体をかしげたら画面に矢印が出る。それだけでも立派な第一歩なんです。
- BANNO
- でも、実物が無くても試せるんですか?
- HIGEDARUMA
- 公式の作成画面には、画面の中で動く仮想の基板があるんです。
- HIGEDARUMA
- センサーの値もまねできるので、まずはそこで試せますよ。
- BANNO
- それなら今日からできますね。あとは自分の「あったらいいな」を、1つ書き出してみる。
- HIGEDARUMA
- そうです。くだらないことほど、本気で作ると面白くなる。この作品が教えてくれます。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、めがねキスの思い出をつくる装置、青い青春でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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