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陸か海かを765万回聞いて「岬」を見つける「先端発見!」|先端には神が宿る?
ProtoPedia の作品「先端発見!」を2人のMCが初心者目線で紹介。日本中に1キロおきの点を打ち、陸の点から6方向・2キロ先が海かどうかを調べて、海に細く突き出した「とがった場所」を洗い出すウェブサイトです。国土地理院の標高APIが海の上では答えを返さない性質を逆手に取り、合計7,649,423回の問い合わせで全国の先端を地図とランキングに。ピンを押せば写真・ストリートビュー・行き方まで。作者が実際に10か所を巡って「先端には猫が宿る」と確かめた検証の話まで。
チャプター
0:00オープニング0:20日本のとがった場所を探す1:27MAP: 先端がピンで並ぶ2:49きっかけは、旅3:39岬をどう見つける?7:12先端ランキング1位は?7:52本当にパワースポット?8:50MA2018で2つの賞11:01エンディング
文字起こし(98行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、先端発見!。
- BANNO
- せんたん、というと、最先端の技術、のせんたんですか?
- HIGEDARUMA
- 実は、地形の先っぽのほうなんです。陸が海に向かって、細く突き出した場所。岬や、半島の先ですね。
- BANNO
- ああ、東尋坊とか、天橋立みたいな場所ですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。そういう先っぽを、日本中からコンピューターで洗い出して、地図とランキングにしたウェブサイトなんですよ。
- BANNO
- えっ、日本中の岬を、ですか?名前も知らない岬なんて、山ほどありそうですけど。
- HIGEDARUMA
- そこが面白いところなんです。見つけ方は、ある場所が陸か海かを聞くだけ。それを、なんと765万回くり返しているんです。
- BANNO
- 765万回!ちょっと想像がつかないですね。順番に教えてください。
- HIGEDARUMA
- まずは使う側から見てみましょう。マップの画面を開くと、日本地図の海岸に、赤いピンがびっしり並びます。
- BANNO
- 本当だ、海岸線がピンで真っ赤ですね。これ全部が、とがった場所なんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。プログラムが先っぽだと判定した場所です。気になるピンを押すと、こうなります。
- BANNO
- 右側に、海の写真と、岩場の景色が出てきましたね。
- HIGEDARUMA
- 静岡県下田市の、須崎の例です。周りで撮られた写真と、グーグルのストリートビューが出てくるんです。
- HIGEDARUMA
- ストリートビューは、道から撮った景色を、その場に立ったように見回せる機能ですね。
- BANNO
- 行く前に、どんな景色か分かるのは、うれしいですね。
- HIGEDARUMA
- さらに、最寄り駅からの行き方も、駅すぱあとで調べられるんですよ。
- BANNO
- 景色を見て、行き方まで分かる。旅の計画が、そのまま始められますね。
- HIGEDARUMA
- 行った先端にコメントを残すと、たどり着いた数に応じて、称号が上がっていく仕組みもあります。
- BANNO
- 称号ですか?
- HIGEDARUMA
- 先端初級から始まって、先端名人、最先端の神まで、全部で31段階あるんです。
- BANNO
- 最先端の神!そこまで行ったら、もう、とがり方の達人ですね。
- BANNO
- でも、どうして岬を探そうと思ったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- きっかけは旅なんです。作者は、疲れを癒やすために、旅をしていたそうです。
- HIGEDARUMA
- 能登半島の岬や、伊豆の大瀬崎にある、大瀬明神の神池を巡っているうちに、ふと気づいたそうなんです。
- BANNO
- 何に気づいたんですか?
- HIGEDARUMA
- あれ?もしかして……先端には、神が宿る。
- BANNO
- あ、神は細部に宿る、のもじりですね。うまい!
- HIGEDARUMA
- 東尋坊や天橋立のような、有名な場所は、もうみんな知っています。
- HIGEDARUMA
- それ以外の、まだ知られていない先っぽを見つけて、新しい魅力につなげたい。それが、作者のねらいなんです。
- BANNO
- 旅好きの気づきが、そのまま作品になったんですね。
- BANNO
- でも、そもそも岬って、コンピューターにどう教えるんですか?とがっているかどうかは、人が見れば分かりますけど。
- HIGEDARUMA
- ここからが本題です。まず、日本全体の地図に、1キロおきに、碁盤の目のように点を打ちます。
- BANNO
- 地図の上に、方眼紙を重ねるイメージですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。そして、一つ一つの点が、陸か海かを調べます。
- HIGEDARUMA
- 次に、陸だった点に立ったつもりで、周りを6方向に見回します。60度ずつ、時計の文字盤なら、2時間おきに向きを変えるイメージです。
- BANNO
- 自分を真ん中にして、ぐるっと6方向を見るんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。それぞれ、2キロ先の点が、陸か海かを調べるんです。6つのうち、4つか5つが海だったら、そこは先っぽ、と判定します。
- BANNO
- なるほど!周りのほとんどが海なら、海に突き出している、ということですね。
- HIGEDARUMA
- その通りです。人が地図を見て、とがってるな、と感じることを、数えられる決まりに置き換えたんです。
- BANNO
- でも、陸か海かは、どうやって調べるんですか?
- HIGEDARUMA
- 国土地理院の、標高APIを使っています。APIは、ほかのサービスに質問すると、答えを返してくれる窓口のことです。
- HIGEDARUMA
- この窓口に、地図の上の番地のような数字、緯度と経度を送ると、そこの高さを教えてくれるんです。
- BANNO
- 高さが分かると、陸か海かも分かるんですか?
- HIGEDARUMA
- ここが工夫なんです。この窓口は、海の上を聞くと、答えを返してこないんです。外国の陸地を聞いても、返ってこない。
- BANNO
- えっ、答えてくれないのは、困るんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 普通はそうですよね。でも作者は、それを逆に使いました。答えが返ってきたら日本の陸、返ってこなければ海。これで、日本の陸だけを見分けられるんです。
- BANNO
- 弱点を、そのまま判定に使っちゃったんですね。発想の勝利だ!
- HIGEDARUMA
- そして、その回数がすごいんです。1キロおきの点で、陸か海かを聞いたのが、約563万回。
- BANNO
- それだけで、もう気が遠くなりますね。
- HIGEDARUMA
- 陸だった約33万6千か所から、さらに6方向ずつ聞いて、約202万回。合わせて、764万9423回です。
- BANNO
- 765万回!一つ一つ、窓口に聞いていったんですね。
- HIGEDARUMA
- 使った道具をまとめると、こうなります。
- BANNO
- 公開されている窓口を、いくつも組み合わせているんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。地図はグーグル、写真はフリッカー、みんなのコメントはキントーンに保存。それぞれの得意なことを、一つずつ借りてきているんです。
- BANNO
- 見つけた先っぽには、どうやって順位をつけるんですか?
- HIGEDARUMA
- 点数の付け方も決まっています。6方向のうち海が5つなら100点、4つなら50点。そこに、その場所の標高を足します。
- BANNO
- 高い場所ほど、点数が上がるんですね。
- HIGEDARUMA
- ランキングの画面だと、1位のスコアが740。海が5つで100点、標高が640メートルなので、足して740なんです。
- BANNO
- その1位って、どこなんですか?
- HIGEDARUMA
- 北海道、松前町の大島です。渡島大島とも呼ばれる、日本で一番大きな無人島なんです。
- BANNO
- 2位と3位は?
- HIGEDARUMA
- 2位が鹿児島県、三島村の硫黄島。3位が福井県、おおい町の大島です。
- BANNO
- 正直、どれも初めて聞く名前です。
- HIGEDARUMA
- それが、この作品のねらいなんです。有名な場所じゃなくても、データで見ると、立派な先っぽが、まだまだ眠っているんですよ。
- BANNO
- ランキングが、そのまま旅の行き先の候補になるんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも作者は、地図を作って終わりにしませんでした。本当に先端はパワースポットなのかを、実際に確かめに行ったんです。
- BANNO
- え、現地まで行ったんですか?
- HIGEDARUMA
- 伊豆を中心に、10か所を巡って、それぞれの先っぽに、何が宿っているかを確かめたんです。
- BANNO
- 何が宿っていたんですか?
- HIGEDARUMA
- 恋人岬には、愛が宿る。汐吹公園には、潮が宿る。盥岬には、想いが宿る。
- BANNO
- なんだか、詩みたいですね。
- HIGEDARUMA
- そして網代港には……猫が宿る。
- BANNO
- 猫!かわいい!神さまから猫まで、いろんなものが宿ってますね。
- HIGEDARUMA
- データで見つけて、自分の足で確かめる。ここまでやるのが、この作品の楽しいところなんです。
- BANNO
- 遊び心と本気が、両方ありますね。
- HIGEDARUMA
- この作品は、2018年のマッシュアップアワーズ、ヒーローズ・リーグで、2つの賞を取っています。
- BANNO
- どんな評価だったんですか?
- HIGEDARUMA
- オレトクヒーロー賞では、とにかく自分が欲しいものを、こだわって作った作品。検証の数も半端ない、と評されています。
- BANNO
- 自分が欲しいものを、こだわって。いい言葉ですね。
- HIGEDARUMA
- ハートレイルズ賞では、ニッチなことに真面目に取り組む姿勢が、まさに先端だ、と。
- BANNO
- 評価の言葉まで、先端なんですね。
- BANNO
- 作ったのは、どんな人たちなんですか?
- HIGEDARUMA
- チーム名は、最先端をめざすチーム。とがったエンジニアの、ひでさんと、とがったデザイナーの、山森美穂さんの、2人です。
- BANNO
- 名乗りまで、とがってますね。
- HIGEDARUMA
- ひでさんは、地域の三選図鑑という作品も作っています。データで場所を見つけて、現地で確かめる。そのスタイルは、この頃からなんですね。
- BANNO
- プロトペディアの配信番組、プロトペディアの時間でも、2回紹介されているんですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。そして、使った公開サービスは、この6つです。
- BANNO
- では、今日できる最小の一歩です。
- BANNO
- 先端発見!を開いて、自分の住んでいる県を選び、一番近いピンを、一つ押してみてください。
- HIGEDARUMA
- 写真とストリートビューで、知らなかった先っぽの景色が見られますよ。気に入ったら、週末の行き先にしてみてください。
- BANNO
- 作る側の人は、どうでしょう?
- HIGEDARUMA
- 自分の好きなものを、公開されているAPIで数えてみてください。陸か海か、のような、たった一つの質問でも、くり返せば、新しい地図ができるんです。
- HIGEDARUMA
- 作品ページとサイトのリンクは、画面に出しておきますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、陸か海かを765万回調べて、日本のとがった場所を見つける、先端発見!でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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