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陸か海かを765万回聞いて「岬」を見つける「先端発見!」|先端には神が宿る?

紹介した作品: 先端発見!ProtoPedia での反響: 閲覧 1,100+ ・ ♥ 5

ProtoPedia の作品「先端発見!」を2人のMCが初心者目線で紹介。日本中に1キロおきの点を打ち、陸の点から6方向・2キロ先が海かどうかを調べて、海に細く突き出した「とがった場所」を洗い出すウェブサイトです。国土地理院の標高APIが海の上では答えを返さない性質を逆手に取り、合計7,649,423回の問い合わせで全国の先端を地図とランキングに。ピンを押せば写真・ストリートビュー・行き方まで。作者が実際に10か所を巡って「先端には猫が宿る」と確かめた検証の話まで。

チャプター

文字起こし(98行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、先端発見!。
BANNO
せんたん、というと、最先端の技術、のせんたんですか?
HIGEDARUMA
実は、地形の先っぽのほうなんです。陸が海に向かって、細く突き出した場所。岬や、半島の先ですね。
BANNO
ああ、東尋坊とか、天橋立みたいな場所ですね。
HIGEDARUMA
そうです。そういう先っぽを、日本中からコンピューターで洗い出して、地図とランキングにしたウェブサイトなんですよ。
BANNO
えっ、日本中の岬を、ですか?名前も知らない岬なんて、山ほどありそうですけど。
HIGEDARUMA
そこが面白いところなんです。見つけ方は、ある場所が陸か海かを聞くだけ。それを、なんと765万回くり返しているんです。
BANNO
765万回!ちょっと想像がつかないですね。順番に教えてください。
HIGEDARUMA
まずは使う側から見てみましょう。マップの画面を開くと、日本地図の海岸に、赤いピンがびっしり並びます。
BANNO
本当だ、海岸線がピンで真っ赤ですね。これ全部が、とがった場所なんですか?
HIGEDARUMA
はい。プログラムが先っぽだと判定した場所です。気になるピンを押すと、こうなります。
BANNO
右側に、海の写真と、岩場の景色が出てきましたね。
HIGEDARUMA
静岡県下田市の、須崎の例です。周りで撮られた写真と、グーグルのストリートビューが出てくるんです。
HIGEDARUMA
ストリートビューは、道から撮った景色を、その場に立ったように見回せる機能ですね。
BANNO
行く前に、どんな景色か分かるのは、うれしいですね。
HIGEDARUMA
さらに、最寄り駅からの行き方も、駅すぱあとで調べられるんですよ。
BANNO
景色を見て、行き方まで分かる。旅の計画が、そのまま始められますね。
HIGEDARUMA
行った先端にコメントを残すと、たどり着いた数に応じて、称号が上がっていく仕組みもあります。
BANNO
称号ですか?
HIGEDARUMA
先端初級から始まって、先端名人、最先端の神まで、全部で31段階あるんです。
BANNO
最先端の神!そこまで行ったら、もう、とがり方の達人ですね。
BANNO
でも、どうして岬を探そうと思ったんでしょう?
HIGEDARUMA
きっかけは旅なんです。作者は、疲れを癒やすために、旅をしていたそうです。
HIGEDARUMA
能登半島の岬や、伊豆の大瀬崎にある、大瀬明神の神池を巡っているうちに、ふと気づいたそうなんです。
BANNO
何に気づいたんですか?
HIGEDARUMA
あれ?もしかして……先端には、神が宿る。
BANNO
あ、神は細部に宿る、のもじりですね。うまい!
HIGEDARUMA
東尋坊や天橋立のような、有名な場所は、もうみんな知っています。
HIGEDARUMA
それ以外の、まだ知られていない先っぽを見つけて、新しい魅力につなげたい。それが、作者のねらいなんです。
BANNO
旅好きの気づきが、そのまま作品になったんですね。
BANNO
でも、そもそも岬って、コンピューターにどう教えるんですか?とがっているかどうかは、人が見れば分かりますけど。
HIGEDARUMA
ここからが本題です。まず、日本全体の地図に、1キロおきに、碁盤の目のように点を打ちます。
BANNO
地図の上に、方眼紙を重ねるイメージですね。
HIGEDARUMA
そうです。そして、一つ一つの点が、陸か海かを調べます。
HIGEDARUMA
次に、陸だった点に立ったつもりで、周りを6方向に見回します。60度ずつ、時計の文字盤なら、2時間おきに向きを変えるイメージです。
BANNO
自分を真ん中にして、ぐるっと6方向を見るんですね。
HIGEDARUMA
はい。それぞれ、2キロ先の点が、陸か海かを調べるんです。6つのうち、4つか5つが海だったら、そこは先っぽ、と判定します。
BANNO
なるほど!周りのほとんどが海なら、海に突き出している、ということですね。
HIGEDARUMA
その通りです。人が地図を見て、とがってるな、と感じることを、数えられる決まりに置き換えたんです。
BANNO
でも、陸か海かは、どうやって調べるんですか?
HIGEDARUMA
国土地理院の、標高APIを使っています。APIは、ほかのサービスに質問すると、答えを返してくれる窓口のことです。
HIGEDARUMA
この窓口に、地図の上の番地のような数字、緯度と経度を送ると、そこの高さを教えてくれるんです。
BANNO
高さが分かると、陸か海かも分かるんですか?
HIGEDARUMA
ここが工夫なんです。この窓口は、海の上を聞くと、答えを返してこないんです。外国の陸地を聞いても、返ってこない。
BANNO
えっ、答えてくれないのは、困るんじゃないですか?
HIGEDARUMA
普通はそうですよね。でも作者は、それを逆に使いました。答えが返ってきたら日本の陸、返ってこなければ海。これで、日本の陸だけを見分けられるんです。
BANNO
弱点を、そのまま判定に使っちゃったんですね。発想の勝利だ!
HIGEDARUMA
そして、その回数がすごいんです。1キロおきの点で、陸か海かを聞いたのが、約563万回。
BANNO
それだけで、もう気が遠くなりますね。
HIGEDARUMA
陸だった約33万6千か所から、さらに6方向ずつ聞いて、約202万回。合わせて、764万9423回です。
BANNO
765万回!一つ一つ、窓口に聞いていったんですね。
HIGEDARUMA
使った道具をまとめると、こうなります。
BANNO
公開されている窓口を、いくつも組み合わせているんですね。
HIGEDARUMA
はい。地図はグーグル、写真はフリッカー、みんなのコメントはキントーンに保存。それぞれの得意なことを、一つずつ借りてきているんです。
BANNO
見つけた先っぽには、どうやって順位をつけるんですか?
HIGEDARUMA
点数の付け方も決まっています。6方向のうち海が5つなら100点、4つなら50点。そこに、その場所の標高を足します。
BANNO
高い場所ほど、点数が上がるんですね。
HIGEDARUMA
ランキングの画面だと、1位のスコアが740。海が5つで100点、標高が640メートルなので、足して740なんです。
BANNO
その1位って、どこなんですか?
HIGEDARUMA
北海道、松前町の大島です。渡島大島とも呼ばれる、日本で一番大きな無人島なんです。
BANNO
2位と3位は?
HIGEDARUMA
2位が鹿児島県、三島村の硫黄島。3位が福井県、おおい町の大島です。
BANNO
正直、どれも初めて聞く名前です。
HIGEDARUMA
それが、この作品のねらいなんです。有名な場所じゃなくても、データで見ると、立派な先っぽが、まだまだ眠っているんですよ。
BANNO
ランキングが、そのまま旅の行き先の候補になるんですね。
HIGEDARUMA
しかも作者は、地図を作って終わりにしませんでした。本当に先端はパワースポットなのかを、実際に確かめに行ったんです。
BANNO
え、現地まで行ったんですか?
HIGEDARUMA
伊豆を中心に、10か所を巡って、それぞれの先っぽに、何が宿っているかを確かめたんです。
BANNO
何が宿っていたんですか?
HIGEDARUMA
恋人岬には、愛が宿る。汐吹公園には、潮が宿る。盥岬には、想いが宿る。
BANNO
なんだか、詩みたいですね。
HIGEDARUMA
そして網代港には……猫が宿る。
BANNO
猫!かわいい!神さまから猫まで、いろんなものが宿ってますね。
HIGEDARUMA
データで見つけて、自分の足で確かめる。ここまでやるのが、この作品の楽しいところなんです。
BANNO
遊び心と本気が、両方ありますね。
HIGEDARUMA
この作品は、2018年のマッシュアップアワーズ、ヒーローズ・リーグで、2つの賞を取っています。
BANNO
どんな評価だったんですか?
HIGEDARUMA
オレトクヒーロー賞では、とにかく自分が欲しいものを、こだわって作った作品。検証の数も半端ない、と評されています。
BANNO
自分が欲しいものを、こだわって。いい言葉ですね。
HIGEDARUMA
ハートレイルズ賞では、ニッチなことに真面目に取り組む姿勢が、まさに先端だ、と。
BANNO
評価の言葉まで、先端なんですね。
BANNO
作ったのは、どんな人たちなんですか?
HIGEDARUMA
チーム名は、最先端をめざすチーム。とがったエンジニアの、ひでさんと、とがったデザイナーの、山森美穂さんの、2人です。
BANNO
名乗りまで、とがってますね。
HIGEDARUMA
ひでさんは、地域の三選図鑑という作品も作っています。データで場所を見つけて、現地で確かめる。そのスタイルは、この頃からなんですね。
BANNO
プロトペディアの配信番組、プロトペディアの時間でも、2回紹介されているんですよね。
HIGEDARUMA
そうなんです。そして、使った公開サービスは、この6つです。
BANNO
では、今日できる最小の一歩です。
BANNO
先端発見!を開いて、自分の住んでいる県を選び、一番近いピンを、一つ押してみてください。
HIGEDARUMA
写真とストリートビューで、知らなかった先っぽの景色が見られますよ。気に入ったら、週末の行き先にしてみてください。
BANNO
作る側の人は、どうでしょう?
HIGEDARUMA
自分の好きなものを、公開されているAPIで数えてみてください。陸か海か、のような、たった一つの質問でも、くり返せば、新しい地図ができるんです。
HIGEDARUMA
作品ページとサイトのリンクは、画面に出しておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、陸か海かを765万回調べて、日本のとがった場所を見つける、先端発見!でした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
先端発見!
作者: ひで・山森 美穂
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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