光る道をたどる4段重ねの迷路「明路」|鉄の玉がスイッチになる、レーザーカッターで作れるおもちゃ
ProtoPedia の作品「明路」を2人のMCが初心者目線で紹介。透明なアクリル板を4段重ねた迷路で、今いる段の正しい道だけが光るボール転がしのおもちゃです。傷をつけた所だけが光る導光板の原理、鉄の玉そのものがスイッチになる仕掛け、そして「誰でも作れる」ように作り直して作り方を公開した作者の物語を紹介します。
チャプター
文字起こし(71行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、明路。明るい路と書いて、めいろです。
- BANNO
- わあ、小さな木の箱の中で、迷路が緑色に光っていますね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。光っている道をたどって、鉄の玉を転がしていくおもちゃなんですよ。
- BANNO
- 見た目からして、もう楽しそうです。作ったのは、安達浩祐さんです。
- BANNO
- これ、どうやって遊ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- まず、箱の上にある穴から、鉄の玉を入れます。
- HIGEDARUMA
- そして、いちばん下の穴から玉を取り出せたら、クリアなんです。
- BANNO
- 入れて、出すだけ?ずいぶんシンプルですね。
- HIGEDARUMA
- ところが、箱の中には迷路が4段、重なっているんですよ。
- HIGEDARUMA
- 1段目の迷路をクリアすると、穴から2段目に玉が落ちる。それを4段目まで続けるんです。
- BANNO
- なるほど、ビルの階段を1階ずつ下りていく感じですね。
- BANNO
- でも待ってください。透明な板を4枚も重ねたら、下の段の道なんて見えないんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- そこが、この作品のいちばんの見どころなんです。
- HIGEDARUMA
- 今、玉がいる段の、正しい道だけが光るんですよ。
- BANNO
- え、答えの道が光って教えてくれるんですか!
- HIGEDARUMA
- はい。しかも段ごとに色が変わります。1段目は青、2段目は緑、3段目は水色、4段目は紫です。
- BANNO
- 色が変わったら、ひとつ下に進めたって、ひと目で分かりますね。
- HIGEDARUMA
- 光るのは直感的なので、文字が読めない小さな子でも遊べるんです。
- BANNO
- 実際に子どもたちは遊んだんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者がメイカーフェア東京2020に展示したら、幼稚園から小学校低学年の子が、夢中で遊んでくれたそうです。
- HIGEDARUMA
- 作者の2歳の息子さんも、簡単バージョンに一時期ハマったそうですよ。
- BANNO
- 2歳の子が夢中になるなら、本物ですね。
- BANNO
- ところで、道の部分だけが光るって、どういう仕組みなんですか?
- HIGEDARUMA
- 透明なアクリルという板の、性質を使っているんです。
- HIGEDARUMA
- アクリル板の横から光を当てると、表面に傷をつけた所だけが光るんですよ。
- HIGEDARUMA
- お店にある、透明な板の文字が光る看板と同じ考え方で、導光板の原理と呼ばれます。
- BANNO
- じゃあ、迷路の道の形に、わざと傷をつけてあるんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。レーザーカッターという、光で板を切ったり彫ったりする機械で、道の部分だけを彫ってあるんです。
- BANNO
- なるほど。でも、今どの段に玉がいるかは、どうやって分かるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- ここがまた面白いんです。鉄の玉そのものが、スイッチになっているんですよ。
- HIGEDARUMA
- 各段の穴の下に、金属のピンが2本立っています。落ちてきた玉が2本に同時に触れると、電気が通るんです。
- BANNO
- 玉が、ピンとピンの橋渡しをするんですね!
- HIGEDARUMA
- はい。それを、親指ほどの小さなコンピューター、Seeeduino XIAOが気づいて、次の段のLEDを点けるんです。
- HIGEDARUMA
- 全体をまとめると、こうなります。
- BANNO
- センサーをわざわざ買わずに、玉をスイッチにしちゃうのが、うまいですね。
- BANNO
- 見た人からは、昔ながらのアナログおもちゃが、デジタルにアップデートされている、という感想もあったそうです。
- HIGEDARUMA
- 作者自身はその見方をしていなかったそうで、言われてみれば確かに、と返していました。
- BANNO
- この作品、どうやって生まれたんですか?
- HIGEDARUMA
- 始まりは2016年。作者が、ものづくり工房のFabLab Kamakuraで受けた講座の、卒業制作なんです。
- HIGEDARUMA
- FabLabというのは、レーザーカッターのような工作機械を、みんなで使える工房のことです。
- BANNO
- 卒業制作で、もう完成していたんですか?
- HIGEDARUMA
- いえ。講座では、作ったものをみんなと共有する大切さを学んだんです。
- HIGEDARUMA
- ところが、作った明路は手作りの部分が多すぎて、ほかの人には同じものが作れなかったそうなんです。
- BANNO
- 自分しか作れないものだったんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は、これを解決してから公開しようと決めました。でも、仕事も生活も忙しくなって、一度休んでしまうんです。
- BANNO
- ああ、分かります。そういうの、そのまま止まっちゃいがちですよね。
- HIGEDARUMA
- ところが2019年の秋に再開して、ようやく合格点がつけられた、と作り方を公開したんです。
- BANNO
- 始めてから公開まで、4年がかりですか。粘り強いですね!
- HIGEDARUMA
- 僕も個人開発をしているので、すごく分かるんです。自分で動かせるのと、他の人が作れるのは、まったく別物なんですよ。
- BANNO
- 誰でも作れるように、具体的にはどんな工夫をしたんですか?
- HIGEDARUMA
- コンセプトは、レーザーカッターがあれば作れる、です。板の部品は全部、レーザーカッターだけで切り出せます。
- HIGEDARUMA
- 部品はどれも9.4cm角以内で、木の板が11枚、アクリル板が9枚なんです。
- HIGEDARUMA
- 電子部品も、ひとつのお店で全部そろうように選んであるんですよ。
- BANNO
- 材料集めで迷わなくていいのは、初めての人にはありがたいですね。
- BANNO
- 作者は、この作品をどう使ってほしいと考えているんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 工作を学んだ人が試しに作る課題や、親御さんが子どもに作ってあげるのも素敵だ、と書いています。
- HIGEDARUMA
- いろんな人が改造して、いろんな明路が生まれることを目指しているそうです。
- BANNO
- 一方で作者は、やってみたい人の背中をどう押せるか悩ましい、とも書いていたんですよね。
- BANNO
- この動画が、その背中をちょっとでも押せたらうれしいです。
- HIGEDARUMA
- ProtoPediaの時間という配信でも、何度も紹介されている作品なんです。
- BANNO
- 作り方のレシピや公式サイトのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- レーザーカッターなんて持っていない、という人はどうしたらいいでしょう?
- HIGEDARUMA
- 近くのFabLabのような工房なら、レーザーカッターを使わせてもらえることが多いんです。
- HIGEDARUMA
- 今日できる最初の一歩は、作り方のレシピを開いて、部品の一覧を眺めてみることです。
- HIGEDARUMA
- 作ったら、プログラムの色の数字を書き換えて、自分だけの色に光らせるのが、改造の第一歩ですよ。
- BANNO
- 親子で、自分たちの色の明路を作る。想像しただけでワクワクしますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、光る道をたどる4段重ねの迷路、明路でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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