鏡6枚の箱に光の宇宙「立方体万華鏡×LEDテープ」|マジックをLEDに替えたら、模様が動き出した
ProtoPedia の作品「立方体万華鏡×LEDテープ」を2人のMCが初心者目線で紹介。ヤマザキミノリさん考案の立方体万華鏡CUMOS(鏡6枚の合わせ鏡)の、マジックで塗っていた色をLEDテープの光に置き換えて、模様の色が次々に変わるようにした作品です。模様が見える仕組み、LEDテープと小さなマイコン、見本プログラムを2か所直すだけで光らせる方法、ガラス版や3D CADでの模様づくり、ヒーローズ・リーグ2021のダブル受賞まで。
チャプター
0:00オープニング0:20鏡の箱の万華鏡を、LEDで光らせる1:02元になったのは「CUMOS」2:20「カラーLEDでやったら」3:36鏡の箱+LEDテープ+マイコン5:57四角形・蜘蛛の巣の光り方を自作7:37ヒーローズ・リーグ 2021 ダブル受賞8:43今日できる最小の一歩9:41エンディング
文字起こし(94行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、立方体万華鏡×LEDテープ。
- BANNO
- わあ、画面いっぱいに光の星が広がってますね。これ、何を見ているんですか?
- HIGEDARUMA
- 鏡でできた箱の中を、小さなのぞき穴からのぞいた景色なんです。
- BANNO
- 箱の中に、こんなに奥行きがあるんですか。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。しかも模様の色が、プログラムで次々に変わるんですよ。
- BANNO
- 今日は、このきらきらの箱の秘密を見ていきましょう。
- BANNO
- そもそも、立方体の万華鏡って、どういうものなんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 元になっているのは、ヤマザキミノリさんが考えた、CUMOSという万華鏡なんです。
- HIGEDARUMA
- 正方形の鏡を、6枚。鏡の面を内側にして、サイコロのような箱に組むんですよ。
- BANNO
- 鏡が内側で向かい合う。あ、合わせ鏡ですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。エレベーターの鏡で、自分がずうっと奥まで映って見えることがありますよね。
- BANNO
- あります、あります。どこまでも続いて見えるやつですね。
- HIGEDARUMA
- あれが上下左右、ぜんぶの向きで起きるので、中が無限に広がって見えるんです。
- BANNO
- でも、さっきの星みたいな模様は、どこから来るんですか?
- HIGEDARUMA
- 鏡の裏側を、カッターで1回だけ、すっとこするんです。すると細い線の傷ができます。
- HIGEDARUMA
- その傷のところだけ、外の光が中に通る。その線が合わせ鏡で何重にも映って、模様になるんですよ。
- BANNO
- 傷が模様になるんですか。ただの傷が、あんなにきれいに。
- HIGEDARUMA
- そして元の作り方では、その傷のところにマジックで色を塗るんです。
- BANNO
- なるほど。じゃあ色は、塗った色のまま決まっているわけですね。
- BANNO
- 作者のPikaPikaらいとさんは、どうしてLEDを付けようと思ったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- きっかけは、佐賀県立宇宙科学館がTwitterに出していた、作り方の動画なんです。
- HIGEDARUMA
- それを見て、作者はこう思ったそうです。
- HIGEDARUMA
- 「これをカラーLEDでやったらキレイなんじゃないか」
- BANNO
- マジックの代わりに、光で色を付けるということですね。
- HIGEDARUMA
- はい。外側から色の付いた光を当てれば、傷の線がその色で光るんです。
- BANNO
- しかも光なら、色を変えられますよね。
- HIGEDARUMA
- そこなんです。マジックだと色は止まったまま。光なら色が流れたり、波のように広がったりするんです。
- BANNO
- 絵が、動画になったみたいな違いですね。
- BANNO
- 作るのに、どれくらいかかったんですか?
- HIGEDARUMA
- 材料をそろえてから、数日くらいで作ったそうです。
- BANNO
- 数日で!外から見ると、どんな箱なんですか?
- HIGEDARUMA
- 黒っぽい箱の角に、三角ののぞき穴が光っているだけなんです。作者もこう書いています。
- HIGEDARUMA
- 「外と内の世界はこんなにも違う」
- BANNO
- 外は素朴な手作りの箱、中は宇宙。そのギャップがいいですね。
- BANNO
- ここからは仕組みです。光らせるのに、何を使っているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 部品は大きく3つです。鏡の箱と、LEDテープと、小さなコンピューターなんです。
- BANNO
- LEDテープって、どんなものですか?
- HIGEDARUMA
- 小さなライトが一列に並んだ、シールのようなテープです。ライトのひとつひとつに、何色で光るかを指示できるんですよ。
- BANNO
- 一個ずつ色を変えられるんですね。それを箱に貼るんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。鏡の傷の位置に合わせて、ハサミで切って貼ります。テープどうしは、はんだ付けで電線をつなぐんです。
- HIGEDARUMA
- はんだ付けは、金属を熱で溶かして、電線をくっつける作業のことです。
- BANNO
- なるほど。じゃあ、その光に指示を出すのは?
- HIGEDARUMA
- M5Atom Liteという、手のひらに乗る小さなコンピューターです。マイコンと呼ばれるものなんです。
- BANNO
- プログラムを書くのは、大変そうですね。
- HIGEDARUMA
- ここが面白いところで、作者は、誰かが用意してくれた見本のプログラムを、ほぼそのまま使ったんです。
- HIGEDARUMA
- 直したのは、2か所だけ。つないだ差し込み口の番号と、LEDの数です。
- BANNO
- 2か所だけ!LEDは、いくつ使っているんですか?
- HIGEDARUMA
- 72個です。それで、あの色が流れる光り方になるんですよ。
- BANNO
- 電気はどうしているんでしょうか?コンセントにつなぐんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者が測ったら、72個を光らせても、スマホの充電に使うモバイルバッテリーで足りる量だったそうです。
- BANNO
- それなら、どこにでも持っていけますね。
- HIGEDARUMA
- ひとつ正直な話もあって、このマイコンだと、LEDが多いと時々ちがう色で光ってしまうんです。
- BANNO
- え、それは困らないんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者は「今回は誤点灯してもそれほど影響ない」と割り切ったんです。万華鏡の模様なら目立たない、という判断ですね。
- BANNO
- 完璧を目指すより、まず形にする。大事な考え方ですね。
- BANNO
- 材料をまとめると、こうなりますね。
- HIGEDARUMA
- 鏡は、100円ショップのアクリルの鏡なんです。1枚100円くらいで、6枚そろえれば箱になります。
- BANNO
- 作者は、このあとも作り続けたんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。最初は見本のプログラムでしたが、そのあと四角形や、蜘蛛の巣の形の光り方を、自分でプログラムしたんです。
- HIGEDARUMA
- お気に入りは、四角形で、最初に波紋が広がるような光り方。頭の中のイメージを再現できたのが嬉しかったそうです。
- BANNO
- 見本から始めて、だんだん自分の表現になっていく。いい流れですね。
- BANNO
- 鏡そのものも、作り替えたんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。100円ショップの鏡は、6枚も置いていないことが多かったそうで。
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、6枚同時に買い占めるのは「若干の罪悪感と気恥ずかしさ」があったそうです。
- BANNO
- あはは、分かります。レジでちょっとドキドキしますよね。
- HIGEDARUMA
- そこでホームセンターで、4枚入りのガラスの鏡を見つけて、ガラス版も作りました。
- HIGEDARUMA
- ただ、ガラス切りは説明書を見落として、3枚目で失敗。「説明書はちゃんと読まないとだめです」と書いています。
- BANNO
- 失敗まで、ちゃんと書いて公開しているのがいいですね。
- BANNO
- でも、模様は鏡を削って作るなら、試すのが大変そうです。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。そこで作者は、パソコンで立体を作る道具、3D CADで、先に見え方を試したんです。
- BANNO
- 削る前に、画面の中で試作できるんですね。賢い!
- HIGEDARUMA
- ほかにも、中にキャンドルを灯してみたら、鏡がどんどん曇っていったそうです。
- HIGEDARUMA
- 作者の言葉が「やって初めて分かる事があるのでチャレンジは大事」。
- BANNO
- この作品は、コンテストでも評価されたんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。ものづくりのコンテスト、ヒーローズ・リーグ 2021で、ProtoPedia賞と、Remake賞の、2つを受賞しています。
- BANNO
- 講評では、どんなふうに言われていたんですか?
- HIGEDARUMA
- 「LEDでピカピカさせたほうが、圧倒的にきれい!完成度高い!」と。
- HIGEDARUMA
- Remake賞の講評では、元の作品への「多大なるリスペクトに溢れている」とも言われています。
- BANNO
- 誰かの作品に、自分のひと工夫を足す。リメイク賞って、まさにそこを見ているんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも審査員の方まで「私もマネして作ってみようと思います」と書いているんですよ。
- BANNO
- 作品ページのコメントにも、真似していいですか、という声があったとか。
- HIGEDARUMA
- はい。作者の返事は「どんどん真似して欲しくてブログに記事書いたりしてます」でした。
- BANNO
- 作ったのは、PikaPikaらいとさん、おひとりです。原作者への敬意も忘れずに、作り方まで開いてくれているんですね。
- BANNO
- 見ていたら、私も作ってみたくなりました。何から始めればいいでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作者のブログに、材料からプログラムの直し方まで載っています。リンクは概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。手鏡を2枚、向かい合わせにして、間にスマホのライトを置いてのぞいてみてください。
- HIGEDARUMA
- 光がずうっと奥まで続いて見えるはずです。それが、この万華鏡の無限の正体なんです。
- BANNO
- 週末に時間があれば、100円ショップの鏡6枚で、まずはマジック版を作ってみるのもいいですね。
- HIGEDARUMA
- 慣れたら、LEDテープを足して光らせる。マイコンの見本プログラムは、2か所直すだけですから。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、鏡の箱の中に光の宇宙が広がる、立方体万華鏡×LEDテープでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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