かざすだけで物がメモを話す「NFC x LINEで時間軸を超えたメモツール」|認知症フレンドリーテックのハッカソンから3つの賞
ProtoPedia の作品「NFC x LINEで時間軸を超えたメモツール」を2人のMCが初心者目線で紹介。物に貼ったNFCシールにスマホをかざすだけで、家族やヘルパーが前もって残したメモがLINEの中で開き、声で読み上げられます。目薬の『23年7月には買い替えてね』というデモの場面から、アプリもログインもいらない仕組み、QRコードでなくNFCを選んだ理由、中古のAndroidを自腹で買って挑んだWeb NFC、当事者の声で磨いた使いやすさ、3つの受賞、タイマーや『ただいま』へ広がる構想まで。
チャプター
0:00オープニング0:20かざすだけで、物がメモを話す1:06「23年7月には買い替えてね」1:53認知症フレンドリーテック 第一回ハッカソン3:01NFCタグ = かざすと反応するシール4:19理由① 好きなデザインを印刷できる5:19家族と専門医の声で、使いやすさを磨いた6:15構想: かざすだけでタイマー6:58「いつから使ってたっけ?」を1つ探す7:39エンディング
文字起こし(66行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、NFC x LINEで時間軸を超えたメモツール。
- BANNO
- 時間軸を超えたメモ。なんだか、タイムカプセルみたいな名前ですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそうなんです。物に貼った小さなシールにスマホをかざすと、前に誰かが残したメモが出てきて、声で読み上げてくれるんですよ。
- BANNO
- 物が、しゃべるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。今日書いたメモを、未来にその物を手に取った人へ届ける。それが時間軸を超えた、の意味なんです。
- BANNO
- まず、実際にどんなふうに使うのか見せてください。
- HIGEDARUMA
- デモ動画では、目薬の箱にスマホをかざします。すると、スマホからこんな声が流れるんです。
- HIGEDARUMA
- このアイテムは目薬だよ。2022年6月20日から使い始めたよ。有効期限は1年だから、23年7月には買い替えてね。
- BANNO
- わあ、いつ開けたか、もう覚えていなくても大丈夫なんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。充電器のポーチにかざすと、本体とコンセントとケーブルの3つが入っている、出かける時は忘れずにね、と教えてくれます。
- BANNO
- 画面の文字を読まなくても、物のほうから自分のことを話してくれる。これ、やさしいですね。
- BANNO
- そもそも、誰のために作られたんでしょう?
- HIGEDARUMA
- この作品は、認知症の人にやさしい技術を考えるハッカソンで生まれたんです。
- BANNO
- ハッカソンって、短い期間でチームを組んで、作品を作り上げるイベントですよね。
- HIGEDARUMA
- そうです。今回は2022年9月、2日間の開催でした。
- BANNO
- 物の名前や、いつから使っているか、どこにしまうか。覚えておくのが難しくなると、毎日の暮らしで困りそうですね。
- HIGEDARUMA
- しかもスマホのアプリって、探して開いて、ログインして、ボタンを押して。慣れていない人には、それ自体が大変なんですよ。
- BANNO
- じゃあ、メモは誰が入れるんですか?
- HIGEDARUMA
- 家族やヘルパーさんが先にシールを読み取って、名前や買った日を入れておくんです。未来の本人への置き手紙ですね。
- BANNO
- 本人はかざすだけで、どこにしまえばいいかも分かる。
- HIGEDARUMA
- おまけに、シールを貼った物だけを使うと決めれば、自然と持ち物が減って、片付けにもなるそうです。
- BANNO
- 思わぬ断捨離効果まで!
- BANNO
- でも、かざすだけで、どうしてメモが出てくるんですか?
- HIGEDARUMA
- 順番に説明しますね。まずシールの正体はNFCタグ。駅の改札で交通系ICカードをかざすのと同じで、かざすと反応するんです。
- HIGEDARUMA
- そのシールの中には、LINEで開くページの住所と、どのシールかを見分ける番号が書き込んであります。
- BANNO
- かざすと、その住所が開くんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。するとLINEのアプリが立ち上がって、その中でページが開きます。これをLIFFと呼ぶ仕組みが支えているんです。
- BANNO
- 新しいアプリを入れなくていいんですか?
- HIGEDARUMA
- いりません。LINEが入っていれば、それで使えます。しかもLINEの中なので、ログインも自動で済むんですよ。
- BANNO
- そこが、かざすだけ、の秘密なんですね。
- HIGEDARUMA
- あとは、シールの番号と使う人をもとに、メモをしまっておく置き場所から中身を取り出して、画面に出します。
- HIGEDARUMA
- 最後に、文字を声にする音声合成の機能で、そのメモを読み上げる。この流れです。
- BANNO
- 使っている道具を教えてください。
- HIGEDARUMA
- Googleの音声合成や、LINEログインなど、手に入りやすい道具の組み合わせなんです。
- BANNO
- かざすなら、QRコードでもよさそうですけど。どうしてNFCなんですか?
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、理由は2つです。1つ目は、見た目を気にしなくていいこと。シールの表に好きなデザインを印刷できるんです。
- HIGEDARUMA
- 2つ目は、かざすほうが、カメラでQRコードを読み取るより簡単な動作だからです。
- BANNO
- たしかに、カメラを向けてピントを合わせるのって、意外と難しいですもんね。
- HIGEDARUMA
- 技術面の挑戦もありました。ブラウザから直接シールを読み書きする、Web NFCという仕組みにも挑んだんです。
- HIGEDARUMA
- ただ、使えるのは一部のAndroidのスマホだけ。そこで、中古のAndroidを自腹で買って試したそうです。
- BANNO
- 自腹で!そこまでして。
- HIGEDARUMA
- 表には出さず、隠し機能として入れたそうです。普段は触らない仕組みで、非常に貴重な経験になった、と作者は書いています。
- BANNO
- 作ったのは、どんなチームなんですか?
- HIGEDARUMA
- エンジニア2人と、介護のアドバイザー1人の3人チームです。エンジニアは、画面づくりと、音声やNFCの技術とで役割を分けました。
- BANNO
- 使いやすさは、どうやって確かめたんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 実際に認知症の人がいるご家族や、認知症の専門のお医者さんに協力してもらって、使いやすさや画面について、たくさん助言をもらったそうです。
- BANNO
- 作る人だけで決めずに、使う人の声を聞いたんですね。それは心強いです。
- BANNO
- そして、賞もたくさん取っているんですよね。
- HIGEDARUMA
- ハッカソンでは、ProtoPediaでいいねが一番集まった作品に贈られる、ProtoPedia賞を受賞しました。
- HIGEDARUMA
- さらに福岡のエンジニアのイベントで、2つの賞。合わせて3つの賞なんです。
- BANNO
- 見た人の心を、ちゃんとつかんだんですね。
- BANNO
- これから、どんなことができるようになるんでしょう?
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、今後やりたい機能が並んでいます。たとえば、かざすだけのタイマー。カップラーメンにかざせば、時間になるとLINEで知らせてくれる、という構想です。
- BANNO
- それ、すぐ使いたいです!
- HIGEDARUMA
- 玄関のシールにかざすだけで、家族に、ただいま、と送る。そんな使い方も考えているそうです。
- BANNO
- 介護だけじゃなくて、どの家にもうれしい話ですね。家族が残したひと言が、物を通して届くって、なんだか温かいです。
- HIGEDARUMA
- デザインを印刷したシールを10枚綴りにして、商品にする構想もあるんですよ。
- BANNO
- 最後に、見てくれた人が、今日できることはありますか?
- BANNO
- まずは家の中で、これ、いつから使ってたっけ、となる物を1つ思い浮かべてみてください。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたい人は、NFCシールを1枚用意して、スマホのアプリでウェブページの住所を書き込み、かざすと開くか試すところから。それが最初の一歩です。
- BANNO
- 作品ページは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、かざすだけで物がメモを話してくれる、NFC x LINEで時間軸を超えたメモツールでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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