電車で寄りかかられたら、肩がアラームで起こす「目覚まし肩パッド」|ネタなのに作りは本気
ProtoPedia の作品「目覚まし肩パッド」を2人のMCが紹介。電車で隣の人が眠って肩にもたれかかってきたら、肩に着けたトゲ付きのパッドが近づいた頭を感じ取り、アラームで相手を起こしてくれます。距離を測る超音波センサー、手のひらサイズのコンピューター、SDカードの音を鳴らす部品、3Dプリンターで作った外装という仕組みと、ヒーローズ・リーグ 2022 で受けた2つの賞、そして『自分の困りごとも作品になる』という一歩までお届けします。
チャプター
0:00オープニング0:20寄りかかられたら、肩が起こす1:06枕にされる側は、ちょっと困る1:45頭が近づくと、アラームが鳴る2:57部品は、大きく4つ4:55ヒーローズ・リーグ 2022 で2つの賞6:21設計データとプログラムを公開7:40エンディング
文字起こし(76行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、目覚まし肩パッド。
- BANNO
- うわっ、トゲが生えてますよ!マンガに出てくる、世紀末の悪役の肩みたいですね。
- HIGEDARUMA
- 見た目はそうなんです。でもこれ、肩に着ける目覚まし時計なんですよ。
- BANNO
- 肩に目覚まし時計?自分が起きるためのものですか?
- HIGEDARUMA
- いいえ、起こすのは隣の人です。電車で隣の人が寝て寄りかかってきたら、アラームを鳴らすんです。
- HIGEDARUMA
- 作ったのは、チーム「しすよち」の、よっちぃさんと齋藤達也さんです。
- BANNO
- でも、その困りごとは分かります。電車で隣の人が寝ちゃって、肩にもたれかかってくるやつですよね。
- HIGEDARUMA
- ありますよね。デモ動画でも、まさにその場面から始まるんです。
- BANNO
- 疲れているのは分かるんです。でも、枕にされる側はちょっと困りますよね。
- HIGEDARUMA
- かといって、肩で押し返したり、声をかけたりするのも気まずいんですよ。
- BANNO
- そうそう、相手は悪気がないですもんね。結局がまんしちゃいます。
- HIGEDARUMA
- そこで、自分の代わりに肩パッドに起こしてもらおう、という発想なんです。
- BANNO
- なるほど。自分は何もしなくていいのは、気が楽ですね。
- BANNO
- 実際は、どんなふうに着けるんですか?
- HIGEDARUMA
- ベルトで、肩にななめに掛けるんです。カバンを肩から掛けるような感じですね。
- BANNO
- じゃあ、隣の人が寄りかかってきたら、どうなるんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- デモ動画では、マネキンの頭で試しています。頭がゆっくり肩パッドに近づいていくんです。
- HIGEDARUMA
- 頭がぐっと近づいた瞬間に、肩パッドのスピーカーからアラームが鳴ります。
- BANNO
- 耳元で鳴ったら、さすがに飛び起きますね!
- HIGEDARUMA
- しかもアラームは、毎回ランダムに変わります。作者いわく、寄りかかる人も飽きないそうです。
- BANNO
- 飽きないって、寄りかかる側への気づかいなんですね。
- HIGEDARUMA
- スピーカーも2つ付いています。せっかく起こすのだから、おもてなし心を、だそうです。
- BANNO
- 真顔で言われると、笑っちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- 作品ページには、これを着けて電車に乗れば、理論上100%の確率で寄りかかる人が減ります、とまで書いてあります。
- BANNO
- 理論上、というところがポイントですね。実際に測った数字ではなくて、作者のユーモアなんですね。
- BANNO
- それにしても、頭が近づいたことを、どうやって知るんですか?
- HIGEDARUMA
- 使っている部品は、大きく4つです。まずは、距離を測る超音波センサーです。
- BANNO
- 超音波センサー。名前からして難しそうですね。
- HIGEDARUMA
- コウモリと同じやり方なんです。人の耳には聞こえない高い音を出して、跳ね返るまでの時間を測るんですよ。
- HIGEDARUMA
- 早く跳ね返ってくれば近い、遅ければ遠い。それで距離が分かるんです。
- BANNO
- あっ、肩パッドの丸い2つの目玉みたいなところが、それですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。頭が近づいて距離が縮んだら、寄りかかってきた、と判断するんですよ。
- BANNO
- その判断は、誰がしているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- M5StickC Plusという、手のひらサイズの小さなコンピューターです。これが頭脳なんです。
- HIGEDARUMA
- プログラムはUIFlowで作っています。ブロックを並べるだけで作れる道具なんですよ。
- BANNO
- 文字でプログラムを書かなくていいなら、私にもできそうですね。
- BANNO
- アラームの音は、どこから出しているんですか?
- HIGEDARUMA
- DFPlayer miniという部品です。SDカードに入れた音を鳴らす、小さな音楽プレイヤーなんです。
- HIGEDARUMA
- SDカードの音を入れ替えれば、好きな曲や声にも変えられるんですよ。
- BANNO
- そこに、スピーカーが2つで4つですね。
- BANNO
- それにしても、外側の形がすごくきれいですね。
- HIGEDARUMA
- Fusion360という、パソコンで形を設計するソフトで、0から作ったそうです。
- HIGEDARUMA
- それを3Dプリンターで印刷しています。設計図どおりに、プラスチックを積み重ねて形にする機械です。
- BANNO
- 中はどうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 部品がぴったり収まっています。ふざけた見た目ですけど、作りはとても真面目なんですよ。
- BANNO
- この作品、コンテストでも評価されたんですよね?
- HIGEDARUMA
- はい。ものづくりのコンテスト、ヒーローズ・リーグ2022で、賞を2つもらっています。
- HIGEDARUMA
- ルーキーヒーロー賞と、栗原賞です。
- BANNO
- 審査した人は、どんなところを見たんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- ルーキーヒーロー賞の講評には、誰もが世紀末を想像した、とあります。
- BANNO
- ですよね!私もいちばん最初にそう思いました。
- HIGEDARUMA
- こんなのを着けている人がいたら、絶対に近づかない、とも書かれているんです。
- BANNO
- あっ、見た目だけで、寄りかかられる前に距離ができちゃうんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、トゲの威圧感で相手との距離が広がる、と書いています。狙いどおりなんですよ。
- BANNO
- 栗原賞のほうは、どうでしたか?
- HIGEDARUMA
- 自分の手を汚さずに、困った相手を撃退できる。すぐ使える完成度も高い、と評価されています。
- BANNO
- 作品ページのコメント欄にも、うれしい声が寄せられていましたよね。
- HIGEDARUMA
- 湯村翼さんは、不快な困りごとを技術で解決するのは、ネタではなく本当に広まっていくと思う、とコメントしています。
- BANNO
- 笑えるのに、ちゃんと本気の解決策なんですね。
- HIGEDARUMA
- コンテストの決戦では、トゲの無い亀さんバージョンも登場しました。
- BANNO
- トゲはちょっと、という人にも優しいですね。
- BANNO
- これ、自分でも作れるものなんですか?
- HIGEDARUMA
- 作れるんです。3Dの設計データとプログラムが、GitHubという置き場で公開されています。
- HIGEDARUMA
- 作者も、部品と3Dプリンターがあれば、ぜひやってみてね、と呼びかけています。
- BANNO
- 使うときは、作品ページと作者の名前を書くこと、お金もうけには使わないこと、という約束がありますね。
- HIGEDARUMA
- はい。電車で本当に使うかはさておき、まず作ってみるだけでも、センサーの面白さが分かりますよ。
- BANNO
- 私がいいなと思ったのは、ちょっと困る、を笑いに変えて解決しているところなんです。
- HIGEDARUMA
- 分かります。大げさな課題じゃなくても、身近な困りごとは立派な作品のタネなんですよね。
- BANNO
- では、見ている人が今日できることは何でしょうか?
- HIGEDARUMA
- 今日の帰り道で、ちょっと困ったな、と思ったことを1つだけメモしてみてください。
- BANNO
- それが、次の作品のタネになるかもしれませんね。気になった人は、作品ページから中の写真も見てみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、電車で寄りかかってきた人をアラームで起こす、目覚まし肩パッドでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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