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懐中電灯の光が道案内「みちびきライト」|照らすだけで、目的地の方向と距離が浮かぶ

紹介した作品: みちびきライトProtoPedia での反響: 閲覧 8,900+ ・ ♥ 31

ProtoPedia の作品「みちびきライト」を2人のMCが初心者目線で紹介。夜道を照らすと、光の中に目的地の方向を指す矢印と距離が映し出される懐中電灯型のライトです。光の正体は小さなプロジェクター、GPSと9軸センサーで矢印を計算する仕組み、ライトを振っても矢印がついてくる工夫、QRコードで目的地を登録するこだわり、そして2年眠っていたアイデアが新しい部品で目覚めた開発の物語。ヒーローズ・リーグ 2023 でひげだるま賞を贈った HIGEDARUMA が、その理由を語ります。

チャプター

文字起こし(87行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、みちびきライト。
BANNO
あれ、懐中電灯の光の中に、赤い矢印と数字が浮かんでますね!
HIGEDARUMA
そうなんです。矢印は目的地の方向、数字は目的地までの距離なんですよ。
BANNO
照らすだけで道案内。名前も見た目も、まるでひみつ道具みたいです。
HIGEDARUMA
実はこれ、私がひげだるま賞を贈った作品なんですよ。
BANNO
審査した本人! これは、じっくり聞かせてもらわないと。
BANNO
まず、夜道で知らない場所に行くとき、私はスマホの地図アプリが頼りなんです。
HIGEDARUMA
画面の地図と、目の前の景色を見比べながら歩きますよね。
BANNO
そう。しかも、自分がどっちを向いてるのか分からなくなって、結局たどり着けなかったり。
HIGEDARUMA
それに、画面を見ている間は、足元も周りも見ていないんですよ。夜だと、ちょっと怖いですよね。
BANNO
たしかに。じゃあ、みちびきライトだと、どう変わるんですか?
HIGEDARUMA
足元を照らすだけです。光の中の矢印の方へ歩けば、目的地に着くんです。
BANNO
目線は道の上のまま。画面とにらめっこしなくていいんですね。
BANNO
実際に使っている様子も、見てみたいです。
HIGEDARUMA
作者のデモ動画があるんです。まずは目的地の登録。ライトの赤いボタンを押して、QRコードを読ませます。
BANNO
懐中電灯で、QRコードを読むんですか!
HIGEDARUMA
はい。ライトの先がそのまま読み取り口なんです。登録したら、いよいよ夜の街へ出発です。
BANNO
光の矢印についていく、夜の探検ですね。ワクワクします。
HIGEDARUMA
地図は一度も見ずに歩いて、最寄り駅に到着。作者も「みちびきライトだけでなんとか目的地までたどり着くことができました」と話しています。
BANNO
本当にライトだけで着いちゃった!
BANNO
ところで、QRコードには何が入っているんですか?
HIGEDARUMA
緯度と経度、つまり地球上の場所を表す2つの数字だけなんです。
BANNO
数字だけ? ライトの中に、行き先の一覧があるわけじゃないんですね。
HIGEDARUMA
そうなんです。だから、QRコードを1枚作れば、誰でも新しい目的地を用意できるんですよ。
BANNO
それ、使いどころが広がりそうですね。たとえば観光地やイベント会場の入口にQRコードを貼っておけば、そこから道案内が始められそう。
BANNO
でも、そもそも、なんで光の中に矢印が出るんですか?
HIGEDARUMA
ここが一番の種明かしです。この光、電球やLEDの光じゃないんですよ。
BANNO
えっ、懐中電灯なのに?
HIGEDARUMA
中に入っているのは、小さなプロジェクター。映像を壁や地面に映す機械です。光そのものが、映像なんです。
BANNO
なるほど! 映像だから、矢印も数字も描けるんですね。
HIGEDARUMA
全体の流れは、この図のとおりです。頭脳は、手のひらサイズのコンピューター、M5Stack Core2。
HIGEDARUMA
ここで矢印の絵を描いて、テレビにつなぐのと同じHDMIの線で、プロジェクターに送っています。
BANNO
矢印は、どうやって目的地の方向を知るんでしょう。
HIGEDARUMA
必要なのは2つです。1つ目は、今どこにいるか。これはGPSという部品で調べます。
BANNO
スマホの位置情報と同じ仕組みですね。
HIGEDARUMA
そうです。2つ目が、ライトがどっちを向いているか。こっちは、9軸センサーで調べます。
BANNO
9軸センサー。名前が強そうですけど、何者ですか?
HIGEDARUMA
傾き、回転、方位磁針。この3つをまとめて測る、小さな部品なんです。
HIGEDARUMA
今いる場所と、ライトの向きと、目的地。この3つから、矢印の向きを毎回計算します。距離も、地球の丸みまで考えた計算式で出しているんですよ。
BANNO
ライトを斜めに持っても、矢印はちゃんと目的地を指してくれるわけですね。
HIGEDARUMA
使っている部品は、こちらです。
BANNO
作るのは、すんなりいったんですか?
HIGEDARUMA
壁がいくつもあったんです。1つ目は、矢印が遅れる問題。ライトを振っても、矢印がついてこなかったんですよ。
BANNO
それは困りますね。方向を教えるライトなのに。
HIGEDARUMA
原因は、毎回、画面全体を描き直していたこと。そこで、変わったところだけ描き直す方法に変えたんです。
BANNO
変わったところだけ、というと?
HIGEDARUMA
黒板で言うと、前の矢印と数字だけ消して、新しい矢印と数字を書く。黒板を全部消さないから、速いんです。
BANNO
なるほど! 全部書き直すより、ずっと早いですね。
HIGEDARUMA
2つ目の壁は、部品です。以前の作品で使っていたセンサーが、もう作られていなかったんです。
BANNO
手に入らないなら、別の部品を探すしかないですよね。
HIGEDARUMA
はい。今手に入るセンサーを選び直して、向きを計算するプログラムも作り直しました。ここに一番時間がかかったそうです。
BANNO
目的地をQRコードで登録するのも、何か理由があったんですか?
HIGEDARUMA
スマホやインターネットを使えば登録はできます。でも作者は、できるだけライトだけで完結させたかったんです。
HIGEDARUMA
ライトの形なら、読み取り機として使っても違和感がない。作者は「世界観を崩さず」登録できた、と書いています。
BANNO
ひみつ道具の世界を、最後まで崩さない。こだわりですね。
HIGEDARUMA
ケースも、最初はダンボール。そのあと3Dプリンタで、ドラえもんのスモールライト風に作り直したんです。
BANNO
そもそも作者は、どうしてこれを作ろうと思ったんでしょう。
HIGEDARUMA
作ったのは、カサネタリウムの堀洋祐さん。情報を、スマホやパソコンの画面からではなく、身の回りに染み出させたい。そう考えて作品を作ってきた人なんです。
BANNO
画面の外に、情報を出したいということですか?
HIGEDARUMA
そうです。ゴーグル越しに見る技術もありますが、それだと、結局は何かを通して世界を見ることになる。だから、世界の方に映したいんです。
BANNO
スマホをのぞき込むんじゃなくて、道そのものに矢印が出る。まさにそれですね。
HIGEDARUMA
実は、光で情報を映すアイデアは、2年前からあったそうです。小さなプロジェクターも買っていました。
BANNO
2年も? どうしてすぐ作らなかったんですか?
HIGEDARUMA
映す映像を、小さな機械の中で描く方法が見つからなかったんです。作者の言葉では、「アイデアのまま眠っていました」。
HIGEDARUMA
ところが2023年、Core2から映像を出せる部品が発売された。それを知って、一気に作り始めたんです。
BANNO
眠っていたアイデアが、新しい部品で目を覚ましたんですね。なんだか胸が熱くなります。
HIGEDARUMA
方向を計算する技術も、目的地の方に傘が倒れるカサナビなど、以前の作品で育ててきたものなんですよ。
BANNO
積み重ねがつながったんですね。見た人の反応は、どうだったんですか?
HIGEDARUMA
ドラえもんのひみつ道具に本当にあると思った人もいたそうです。作者は、そう思ってもらえたなら、それはそれでとても嬉しい、と。
BANNO
オリジナルなのに、原作にありそうって思われる。最高のほめ言葉ですね。
BANNO
では審査員のひげだるまさん。どうして、この作品に賞を贈ったんですか?
HIGEDARUMA
デモ動画を見るだけで、この作品のすべてが伝わるんです。正直、ジェラシーを感じました。
BANNO
説明がいらない。照らして、歩いて、着く。それだけで分かりますもんね。
HIGEDARUMA
ほかの審査員からも、どこか懐かしい未来、アニメの世界にあったかのような錯覚、といった言葉が贈られています。
HIGEDARUMA
ヒーローズ・リーグ2023では、ひげだるま賞を含めて4つの賞。M5Stackのコンテストでも、創意アイデア賞を取っています。
BANNO
5つも! 誰が見てもワクワクする作品なんですね。
HIGEDARUMA
その後も、プロジェクターや部品の並べ方を見直して、ひと回り小さい版を作っています。メイカーフェアなどの展示も続けているんですよ。
BANNO
では今日の一歩。地図アプリで自分の家の場所を長押ししてみてください。緯度と経度という2つの数字が見られます。
HIGEDARUMA
みちびきライトのQRコードの中身は、その2つの数字だけ。行き先は、たった2つの数字で表せるんです。
BANNO
自分の家が数字2つ。それだけで、道案内の入口に立てるんですね。
HIGEDARUMA
もう一歩いくなら、しまってあるアイデアを1つ、今の部品で作れないか調べてみてください。2年眠っていたアイデアも、新しい部品で動き出しました。
HIGEDARUMA
作者のサイトと、デモ動画のリンクは、概要欄にまとめておきますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、夜道を照らしながら目的地まで導いてくれる、みちびきライトでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
みちびきライト
作者: 堀洋祐 Yosuke Hori /カサネタリウム kasanetarium
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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