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AIが何万回も倒れて覚えた初代マリオ「マリオAIチャレンジ」|一人では1-1がやっと、仲間6人で31面クリア
ProtoPedia の作品「マリオAIチャレンジ」を2人のMCが初心者目線で紹介。人のお手本を使わず、AIが自分でボタンを押して失敗から学ぶ「強化学習」で、初代スーパーマリオの8-4を除く全ステージをクリアしたプロジェクトです。1ステージで数千体、合計で数万〜数十万体のマリオが倒れてやっと上達する仕組み、一人では1-1がやっとだった作者が Google Colab と GitHub と6つのゆるいルールで仲間を集めたこと、半年がかりの8-1クリア、そして完成したAIマリオと人がタイムを競う対戦アプリの展示まで。
チャプター
0:00オープニング0:20AIで初代マリオを全クリ0:59お手本は見せない2:20一人では1-1がやっと4:016人で32面中31面5:47AIマリオとタイム対決6:49開発素材7:44エンディング
文字起こし(73行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、マリオAIチャレンジ。
- BANNO
- マリオって、あの土管と穴とキノコのマリオですか?AIが遊ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。AIに初代スーパーマリオを、自分の力で覚えさせたんですよ。
- HIGEDARUMA
- そして、最後の8-4を除く、全部のステージをクリアしたんです。
- BANNO
- 作ったのは、からあげさん。仲間と一緒に挑んだプロジェクトなんですね。
- BANNO
- AIにマリオを教えるって、操作のやり方を覚えさせるんですか?
- HIGEDARUMA
- 実は逆なんです。人がお手本を見せることは、しないんですよ。
- HIGEDARUMA
- プロジェクトのルールにも、人間の指示は使わない、と書いてあるんです。
- BANNO
- えっ、じゃあ最初はどうやって動くんですか?
- HIGEDARUMA
- 最初は、でたらめにボタンを押すだけです。すぐ敵にぶつかったり、穴に落ちたりします。
- HIGEDARUMA
- でも何度も繰り返すうちに、ここでジャンプすると先に進める、と覚えていくんです。
- BANNO
- うまくいったら褒めて、だめなら別のやり方を試す。ペットに芸を教えるのに似てますね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。この学び方を、強化学習と言います。
- HIGEDARUMA
- たとえば、どこまで進めたかを点数にして、点数が上がる動きを、AIが自分で探していくんですよ。
- BANNO
- でも、穴に落ちながら覚えるなら、相当な回数がかかりますよね。
- HIGEDARUMA
- はい。1つのステージをクリアするまでに、マリオが何千体も倒れているんです。
- HIGEDARUMA
- 全部のステージを合わせると、数万体から数十万体。作品ページでは、マリオの尊い犠牲、と書かれています。
- BANNO
- 尊い犠牲!笑っちゃいますけど、失敗した数が、そのまま練習の量なんですね。
- BANNO
- からあげさんは、最初から全部クリアできると思っていたんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- それが、全然なんです。1年くらい前に強化学習の勉強を始めかけて、すっかりトーンダウンしていたそうで。
- HIGEDARUMA
- 一人では、最初のステージの1-1をクリアするのが、やっとだったと書いています。
- BANNO
- 1-1って、いちばん最初のステージですよね。そこから全部は、遠いですね。
- HIGEDARUMA
- そこで2022年の1月に、全ステージクリアを目標にして、誰でも参加できるプロジェクトにしたんです。
- BANNO
- でも、AIの学習って、すごいパソコンが要るんじゃないですか?
- HIGEDARUMA
- そこで使ったのが、グーグルコラボです。ブラウザだけで、AIの学習を動かせるサービスなんです。
- HIGEDARUMA
- ステージごとの学習の手順が公開されていて、コピーすれば、誰でもすぐ挑戦できるんですよ。
- HIGEDARUMA
- クリアできたら、ギットハブという、プログラムの置き場所にある掲示板で、結果をみんなに共有します。
- BANNO
- 参加のルールは、あったんですか?
- HIGEDARUMA
- 6つだけです。AIマリオを楽しもう、情報をシェアしよう、コラボを使おう。
- HIGEDARUMA
- 機械学習を使おう、人間の指示は使わない。そして最後が、ルールは変えてもいい。
- BANNO
- 最後のがいいですね!ゆるいけど、守るべき芯は1本通っている。
- BANNO
- イベントの進行役をしている私から見ても、人が集まる場の作り方として、すごく上手です。
- HIGEDARUMA
- からあげさん自身も、うまくいった理由の1つは、ルールの作り方だったかも、と振り返っているんです。
- BANNO
- それで、仲間は集まったんですか?
- HIGEDARUMA
- 最終的に、からあげさんを入れて6人が参加しました。
- HIGEDARUMA
- そして、全32ステージのうち、31ステージをクリアしたんです。
- BANNO
- 一人で1-1がやっとだった人が、仲間と31ステージ。胸が熱くなりますね。
- HIGEDARUMA
- なかでも手ごわかったのが、8-1です。1月の終わりに始めてから、クリアまで半年近くかかりました。
- BANNO
- 半年!最後に決めたのは、からあげさんですか?
- HIGEDARUMA
- いえ、参加者のウィンドボイスさんなんです。2022年の7月のことでした。
- HIGEDARUMA
- からあげさんは、フィナーレを飾るにふさわしい、粘りと劇的な幕切れ、と書いています。
- BANNO
- 主催者じゃなく、仲間が決める。チーム戦のいちばん気持ちいい終わり方ですね。
- BANNO
- じゃあ、残った8-4は、何がそんなに難しかったんですか?
- HIGEDARUMA
- 8-4は、正しい道を選ばないと、同じ場所にぐるぐる戻されるループの面なんです。
- HIGEDARUMA
- たとえば、先へ進めば褒める、という単純な点数のつけ方だと、なかなか抜け出せないんですよ。
- HIGEDARUMA
- コースに合わせて細かく調整しないと無理そうだ、とみんなの意見がそろって、ここで完了宣言をしました。
- BANNO
- やり切った、と自分たちで区切りをつけたんですね。
- HIGEDARUMA
- からあげさんの振り返りに、僕の好きな一言があって。
- HIGEDARUMA
- 得られた知識より、一緒に参加してくれた人とのやりとりで得られた、奇妙な連帯感の方が貴重だった。
- BANNO
- 奇妙な連帯感。顔も知らない人と、マリオの屍を一緒に越えてきたんですもんね。
- BANNO
- そうして育ったAIマリオ、その後はどうなったんですか?
- HIGEDARUMA
- なんと、人とタイムを競える対戦アプリになりました。速さを競う遊び方を、RTAと言います。
- HIGEDARUMA
- 小さなリナックスのパソコンでAIマリオを動かして、画面の左が人、右がAI。
- HIGEDARUMA
- 同じステージを、よーいどんで走るんです。
- BANNO
- 数万体の犠牲の上に立つマリオと、勝負するわけですね。手ごわそう。
- HIGEDARUMA
- 2022年の12月、大垣のミニメイカーフェアで、2日間展示しました。
- BANNO
- どんな人が遊んでいったんですか?
- HIGEDARUMA
- やっぱり子どもに大人気だったそうです。2日目は、休憩する暇もないくらいだったとか。
- HIGEDARUMA
- 子どもたちは強化学習なんて関係なく、純粋にマリオを楽しんでいたそうですよ。
- BANNO
- それが一番ですよね。難しい技術を、遊びの形にして手渡す。だから伝わるんだと思います。
- HIGEDARUMA
- AIを作るのに使った道具は、パイトーチ。AIづくりの定番の、無料の道具箱です。
- HIGEDARUMA
- 定番の道具と、ブラウザで動く学習の場。それだけで、ここまで来られるんです。
- BANNO
- 作者は、からあげさん。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- マリオAIチャレンジのページを開いて、1-1の学習の手順を、コピーしてみてください。
- HIGEDARUMA
- 実行ボタンを押せば、最初はマリオが、何度も倒れるところから始まります。
- HIGEDARUMA
- その一体目が、あなたのAIマリオの第一歩です。
- BANNO
- 倒れるマリオを、応援したくなりますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、何万体ものマリオの上にAIを育てた、マリオAIチャレンジでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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